醤油ニキ(左)を相手にスパーリングを見せた大森(C)RISE
2024年8月31日(土)東京・後楽園ホール『RISE 181』にて、RISEバンタム級タイトルマッチ3分5R無制限延長Rで王者・大﨑孔稀(OISHI GYM)に挑戦する同級4位・大森隆之介(EX ARES)が公開練習を行った。
BreakingDownに出場していた醤油ニキを相手に、激しめのスパーリングを行った大森。スピードのあるパンチ、ヒザで醤油ニキを圧倒したが、スパーリングが終わるとなぜか醤油ニキが「FIGHT CLUB待っとけ」「YA-MAN倒したる」とアピール。大森よりも目立っていた。
1、2ラウンドで決めにいくつもり
――『ELDORADO2024』での復帰戦から一気にタイトルへ挑戦ですけど、オファーが来た時は即答でしたか?
「僕からの返事自体は即答だったんですけど、ちょっと早い気もするなとは自分でも思いました」
――特に躊躇もなくオファーを受け入れたんですね。
「それはもう断る理由がないですよね」
――チャンスと捉えたわけですね。
「大チャンスだと思いました」
――しばらく欠場している時期がありましたが、拳の怪我は問題ないですか?
「練習中やスパーリングをしても痛くなることはほとんどないですね」
――ご自身でも「飛び級マッチ」と言っていましたが、この試合を受けるにあたってどんな気持ちで大﨑選手と対戦しようと思っていますか?
「僕は俯瞰して自分の事や僕らの試合を見ているので、大﨑君に対してどうこうっていうよりかは、今格闘技界で目立っているのがBreaking Downだったり他の団体だったりするので、自分たちvs.目立っている他団体なのかなと思っています」
――盛り上げ方も大森選手なりに考えているんですね。
「そうです。だから同じ大会に出る選手達も、一緒にRISE181を盛り上げてほしいです」
――SNSでは「後楽園ホールを満員にしたい」と投稿していましたけど、それに便乗してきてくれる選手もいてほしいですよね。
「ほんとそうですね。孔稀が1番来いよって思ってます(笑)。先日のRIZINが4万8000人じゃないですか。僕ではその人数を呼ぶのはさすがに無理なので、せめて1000人くらいは埋めれないとやっている意味が無いなと感じたので、皆でやったらいけるんちゃうかなと思って言わせてもらいました」
「皆が言うと思うんですけど、穴がない選手だなと思います。“穴がない”それに尽きるしそれしかないですね。あとは向こうへのジェスチャーとか志朗選手の時とか結構見てましたけど、こいつ気が強いなと思いますね。性格悪いんちゃいますか(笑)」
――「いい意味でも悪い意味でも試合が面白くない」と会見で仰っていましたけど、おそらくワンキャッチ・ワンアタックなどのルールを最大限に使ってきて大森選手を攻略しにくると思います。その大﨑選手に対してどういう形で対策を練っていますか?
「試合前の勝敗予想をしてくれていると思うんですけど、自分としても保険をかけて言うわけじゃないけどかなり劣勢に近いだろうなと思っています。僕がタイトルマッチ決まったのも皆がこの試合良いやんって思ってくれるのも、僕のKOを期待してKOがあるから勝負論があると思っています。だから1、2ラウンドで決めにいくつもりでいきます」
――5ラウンド戦うというよりは早期決着を狙いにいくんですね。
「早期決着以外は考えていないです」
――同門の門口先輩は「勝率12%」とXに書いていましたけど、実際はアドバイスや対策など一緒にやっているんですか?
「対策という対策はほとんどやっていないです。ただ大﨑選手は圧力が強い選手なので、みんなプレッシャーで下げられて、出鼻を前蹴りとかで挫かれて疲弊していくって感じなので、それを門口君にもやってもらって負けないようにする練習はしていますね」
――会見でも「倒す自信がある」というようなことを仰っていたのが印象的でしたが、それは自分の爆発力だったりパワーの部分を長所として捉えているということですか?
「倒す自信があるというか、自分の強みと言ったら倒せることなので、その自分の持ち味しか信じていないです。倒そうと思っても倒せない人がほとんどですけど僕は倒せる選手だし、大﨑選手でも当たれば倒れるのでそこには自信を持っています」
――この試合で勝利してチャンピオンになった後の目標を持っていますか?
「大﨑選手はONEに行きたいんですよね。上を見ていないような言い方になっちゃうかもしれないですけど、僕は全く1ミリもONEに出たいとか正直思っていないです。僕はほんまにこの試合に懸けていて、今後の展望みたいなのも特にはないです。ただ日本の格闘技業界を見て、もっと盛り上げたいっていうそれだけです」
――まずは目の前の試合に勝って、それから格闘技業界全体を盛り上げていきたいというイメージなんですね。
「そうです」
――どうしたら格闘技業界は盛り上がっていくと思いますか?
「盛り上げたいと言うよりかは、自分で仕事としても動いていっているんですけど、ファイターを目指せるようにしていきたいっていう思いから色々計画している事業とかもあって。今回タイトルを獲ることでそ
れをもっと広められるのが加速するかなと思っています。大﨑選手も今の格闘技人生がかかっていると思うんですけど、僕なりにチャンピオンにならないとできない事をやろうとしているので、ある意味人生がかかっています。だから盛り上げると言うよりかは、“発展させる”という形に近いです」
――それを事業でやられているんですか?
「ちょっとだけやろうと思っています」
――勝ったら大々的にアピールしたい感じですか?
「勝ったら大々的にアピールします」
――先日の記者会見では「大﨑選手には特徴がない」と仰っていましたが、本当にそうですか?
「特徴はないでしょ。どこにあるんですか(笑)」
――例えばカーフキックが強いとかですかね。
「あ、カーフか! いやいや、特長までいかんでしょ。技なら僕のバックブローの方が特徴的じゃないですか? あの会見からの印象だと、憎たらしいやつだなとしか思わへんかったんで、試合の印象とかは特に
残っていないです」
――憎たらしいと思ったんですか(笑)。
「もっと笑顔で喋れよって思っていました」
――自分がチャンピオンになった方が盛り上がるでしょっていう気持ちはありますか?
「それは間違いないでしょ。だっておもろないですもん」
――じゃあ自分がチャンピオンになったら会見から試合から何でも盛り上げちゃうよということですね。
「そういうことです。孔稀君は根っから悪いやつな気がしますわ(笑)。違うかったら申し訳ないですけど僕が感じた第1印象です」
――とはいえ勝率は高いですし非常に安定感がある選手ですよね。
「勝率は試合をしていないだけで僕の方が高いですよ。彼が33勝していて僕が次11戦目になるので3倍のスピードで強くなっているので、負けないですよね」
――先ほど話に出たカーフキックですが、この対策はバッチリできていますか?
「僕は足を引くのがバリ上手いんですよ。当てさせないしカーフが効いたことがまだないんですよね。練習でも蹴られることは少ないですね」
――大﨑選手はバックブローを警戒してくると思いますけど、それでも当てる自信はありますか?
「皆あの試合から僕とスパーリングするってなると警戒するんですけど、ことごとく当たるので自信があります」
――当てられる秘訣は勘ですか?
「みんな忘れるんですよ。3分間ずっとバックブローのことは考えられないですし、膝が怖くてもずっと膝のことは考えられないじゃないですか。どこかで抜けるタイミングがあって、そこで当てることに長けてい
るんだと思います」
――当然バックブローを餌にして他の攻撃を当てることも考えているんですよね?
「持っている技が多いわけではないですけど、試合の直前になると『これでいけるかも』みたいなのが閃くんですよね」
――ベルトというものに対する思いはありますか?
「物への想いというよりかは、前の加藤有吾戦の時に『これに勝ったらタイトル』って言われていたんですよ。その辺やもっと前から、もうちょっとで優勝できるとかもうちょっとで人から認められる位置に行けるっていうところを、1個進んでも2個落ちるを繰り返してきました。その中でやっと巡ってきたチャンスなので、今回はベルトというよりかは今までの自分を超えられるチャンスだと思っています」
――最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
「今回はみんなが勝敗を予想してくれていると思っていて、結構厳しいと言われることが多いんですけど、僕は1発を持っているのでKOだけを期待して会場まで見に来てください。自分も楽しみなので、一緒に楽しみながら試合を見てください」