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レポート

【GRAPPLING】高橋“SUBMISSION”雄己のグラップリング2024夏紀行(1)

2024/08/19 06:08
【GRAPPLING】高橋“SUBMISSION”雄己のグラップリング2024夏紀行(1)

 2024年8月、高橋“SUBMISSION”雄己(和術慧舟會HEARTS)が、『ADCC USオープン』に出場するために米国ネヴァダ州ラスベガスに向かった。

 日本でサブミッション・オンリールールを採用する『Level-G』プロデューサーでもある高橋は、『ADCC USオープン』出場後、同時期に行われる『ADCC World Championships 2024』と『クレイグ・ジョーンズ・インビテーショナル2024』(CJI)を視察している。

 それは、「日本でグラップリング文化を創る事をこれからも仕事にしていくのなら、競技に身を置くだけではなく世界で最もホットな場所に立って、その空気を感じる事が必要」との思いからだった。本格的な分析の前に、まずは現地からの生のリポートを下記にお届けしたい(※2日目リポート)。

◆15 Aug
Las Vegas, NV

『ADCC US OPEN』Quarterfinal 敗退
Men / Adult (age 15+) / Advanced / -60,0 kg

準々決勝で高橋は、Bellatorでも1勝1敗のジョーイ・ディールと対戦。同点で迎えた延長時に「焦って入った飛行機投げに合わせてバックフックを入れられ」、ポイント0-3で敗れた。

◆試合総括
この土俵で勝つにはここにキャリアを投じる必要がある

「今までほとんどプロマッチでサブミッションオンリーのグラップリングしかやってこなかったのですが、ADCCルール(※サブオンリーと異なりポイント制で、前半はノーポイント。後半はポイント制となる)のトーナメントは競技性として自分にとっては難しかったです。頭では分かっていたつもりで、そのルールで戦う準備もしていたのですが及ばなかったです。

 もっと言うと、ADCCルールで戦い慣れた人たちとの試合において立ち回りやポイントゲームで遅れを取る事は想像してもいました。その上で寝技の地力の差で勝ち切れると思ったのですが、そこも差をつけさせてもらえなかった。

 競技性の差異にレベルの高さが相まって、この土俵で勝つにはキャリアをここに投じる判断をする必要があると感じました。この後はまたサブミッションオンリーでキャリアを作っていくと思います。

 今回は俺が勝手に慣れないルールに出て勝手に負けただけなので、日本のグラップリングは世界から大きく引き離されてるとは思わないでいただけたら嬉しいです」

CJI 初日レポート

「会場はラスベガスのトーマス&マックセンター。試合場は斜めのマットで囲われたピットです。

 オープニングでクレイグ・ジョーンズが3億を現金で持って登場し、会場を沸かせました。3億の現金生で見たの初めてです(笑)。

 初日は+80kgの1、2回戦からスタートしました。会場や観客の盛り上がりは日本のグラップリングイベントとは比較にならない規模ですが、無料配信もあるからか超満員というわけではなく客入りはまばらな感じです。賞金額から思うと入場の演出もやや控えめ。

 会場にはネイト・ディアスやデメトリアス・ジョンソン等の元UFCの人気選手も来ていて、売店の前でファンに写真を求められたりしてました。

 ビクター・ウゴーがルーカス・カナードにヒールで秒殺されて初戦で消えるというアップセットなどありつつも、+80の1、2回戦で最大の盛り上がりを見せたのは1回戦最終試合に登場したウィリアム・タケットの試合。

 100kg超級のジョアオ・ガブリエル・ホシャを相手に-80が適正なのではという体格で初っ端からテイクを奪ってパスをしてました。最終的には体格にすり潰されて負けちゃうんですけど……勝ち上がり方的に、この階級の優勝候補は下馬票通りにニック・ロドリゲスって感じで初日を終えました。

 ニクロド、怪力オーウェン・リプシーを更なる怪力で秒殺したのが圧巻でした。

 続いて-80kgは、第一試合でグラップリング初参戦?のレスリングの超強豪ジェイソン・ノルフがタイ・ルオトロをぶん投げて会場をどよめかせるところからスタート。日本から唯一参戦の岩本健汰さんは初戦でルーカス・バルローザを相手に健闘するも惜しくも判定負け。

 トミー・ランガカーがヘナート・カヌートをドミネイトし続けて観客をビビらせたりして、界隈大注目のアンドリュー・タケットvs.ニッキー・ライアンの対決は、ニッキーが精神的な不調を疑うほどの劣勢を見せてアンドリューの判定勝ちで幕を下ろしました。

 -80kgの二回戦ではリーバイ・ジョーンズがオープンガードとKガード、ベリンボロを主体としたスタイルで大本命タイ・ルオトロを破るアップセットを起こして準決勝進出。

 レスリング&トップが主流の今のグラップリングの流れに一石を投じる試合に、個人的には今日イチ興奮しました。

 リーバイがこのスタイルでどこまで行けるのか? そして先ほどブラケットが発表されたADCC。翌日も目が離せません! 日本の皆様もFlo grapplingCJI のYouTubeライブでぜひお楽しみください!」

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PASS GUARD FITNESS/あじさい法律事務所 小堤恒志/くまコナン/BE BURNING GYM/SCRAMBLE/代々木上原美容院kie/美容雑貨ツカエール/X-TREME EBINA/Level-G/SEIGO DOJO/だらっと格闘雑談チャンネルのファン

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