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【Krush】“マッスルタンク”小田尋久がダウン奪い新王者に、塚本拓真が不可思からダウン奪い殊勲の勝利、山﨑秀明に対戦アピール!里見柚己が圧巻の初回KO勝ち、キレとスピードを増して帰ってきた西京佑馬がブランク感じさせない鮮烈KO勝ち、谷川聖哉がバックハンドブローで一撃KO勝ち

2024/08/18 17:08
Krush.1642024年8月18日(日)東京・後楽園ホール※ABEMA / U-NEXTでLIVE配信 ▼メインイベント(第8試合)第5代Krushスーパー・ウェルター級王座決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R〇小田尋久(TEAM3K)判定3-0 ※30-28×3×璃久(HIGHSPEED GYM)※小田が第5代王座に就く。  新極真会出身の空手家である小田は2021年11月に『DEEP☆KICK』でプロデビュー。2023年2月の『Krush』から参戦して5戦5勝(3KO)とプロ無敗の快進撃を続けていたが、2023年11月、フランス遠征でのWAKO K-1ルール世界ミドル級(-75kg)タイトルマッチで初黒星。2024年2月にはKNOCK OUTに乗り込み中島弘貴に延長戦で判定勝ち。5月のトーナメント準決勝では森田奈男樹を3Rに左フックでKO。ハイ・ミドル・ロー、後ろ廻し蹴り、胴廻し回転蹴りと空手家らしく蹴り技を多用するスタイル。戦績は7勝(4KO)1敗。  璃久は2019年4月に『S-BATTLE』でプロデビュー。2戦目からはシュートボクシングを主戦場とし、4勝1敗の戦績を残す。『NO KICK NO LIFE』や『HOOST CUP』、『NJKF』などに出場し、2023年7月にKrush初参戦を果たすと森田奈男樹を3RでKOしてインパクトを残した。続けて12月のK-1ではアビラル・ヒマラヤン・チーターからダウンを奪って殊勲の勝利。2024年3月の「K-1 WORLD MAX -70kg世界最強決定トーナメント」に抜擢されたが、デング・シルバにTKO負けを喫した。5月のトーナメント準決勝では藤村大輔に判定勝ち。アグレッシブかつ攻撃力の強さを発揮している。戦績は10勝(5KO)3敗1分。  1R、ローの蹴り合い。小田は空手出身らしい重厚感のあるローで、璃久はスピードのあるロー。小田はパワフルな右ミドルからのワンツーも打つ。璃久は飛び込んでの右も、小田がすぐに打ち返す。  2R、圧をかける小田に璃久はリングを大きく回り込んでいく。パンチからミドル、ローにつなぐ小田に璃久はワンツーと右ローで応戦も、小田の圧が強い。ラウンド終了間際、小田の右フックで璃久の身体が泳ぎ、そこへ右ストレートから右フックで小田がダウンを奪う。  3R、璃久は逆転を狙って左右フックからのアッパー、ヒザ蹴り。小田はパワフルな三日月、ミドル、ローで迎え撃つ。璃久は焦りからかホールディングから小田を転倒させる。璃久が最後に打ち合いを仕掛けるが小田も譲らず、判定3-0でダウンを奪った小田の勝利となった。  小田はマイクを持つと「正直あれだけ会見でいろいろメインで盛り上げるみたいなこと喋っておいて、いい試合が出来なかった、0点の試合をしてしまったんですけれど、反省しています。王者になったからと言ってこれではK-1大阪に出ても外国人選手にぶっ飛ばされるだけなので、ここから10月まで明日から練習する…明日は休みますけれど、すぐに練習して成長して世界のマッスルタンクになります」と語った。 [nextpage] ▼セミファイナル Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R×不可思(クロスポイント吉祥寺)判定0-3 ※28-30、29-28×2〇塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)  不可思は様々な団体で試合を行い、合計5本のベルトを獲得。2019年6月にK-1へ初参戦、佐々木大蔵に流血TKO負けを喫して初陣を勝利で飾れなかったものの、2019年12月には大和哲也にKO勝ち。2020年3月にK-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の安保瑠輝也に挑戦したが判定で敗れ王座奪取ならず。2023年3月、約4年ぶりにKNOCK OUTに出場するとバズーカ巧樹にKO勝ちも11月にOFGマッチでデンサヤームに判定で敗れた。戦績は44勝(21KO)19敗2分。  塚本はK-1アマチュアを経て、2018年9月にKrushでプロデビュー。2019年10月から2021年6月まで3連敗を喫したが、2021年11月の川島康佑戦から2023年1月の大野祐志郎戦まで5連勝。「第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント」では準決勝で小嶋瑠久に敗れるも小嶋の棄権で決勝へ進出。稲垣柊にTKOで敗れた。2024年1月には近藤魁成から判定勝ちを収め、4月にはゴンナパーに挑むも敗れた。戦績は7勝(2KO)6敗2分。  1R、不可思はやわらかい動きでステップを踏み、右ローを軸にして右ストレート、右フックを伸ばしていく。塚本は右ミドルを中心に蹴りを多用。近距離ではワンツーを打つ塚本に不可思もすぐに右を返す。  2R、不可思は圧を増していき、塚本が右の蹴りを放つと必ず右ローを蹴り返す。それ以外でも右ローを徹底的に蹴っていき、塚本は踏ん張りが効かなくなったか2度転倒。不可思は右ストレートを打ち、塚本も右ストレート。打ち合いになる中、塚本が右ストレートをヒットさせてダウンを奪う。  3R、逆転を狙う不可思は打ち合いを仕掛け、右フック、右ストレート、右ハイ、左ボディをヒットさせるがタフな塚本は倒れず打ち返してくる。塚本の右ストレート、右ハイをもらって大きくのけ反る不可思。それでも前へ出て打ち合いを仕掛ける不可思に塚本も応える。最後まで打ち合いが続き、試合終了のゴングが鳴ると両者笑顔。  判定は3-0で不可思の追い上げならず、ダウンを奪った塚本の勝利となった。  塚本はマイクを持つと「一人対戦アピールしたい選手がいて、僕、格闘技を始めたきっかけが木村ミノルvs.山﨑秀明を見てかっけーなと思って格闘技を始めようと思いました。山崎選手、65kgでもう一度やるとSNSで見たので僕と試合して欲しいです。僕はKrushを盛り上げたいと言ってるので、ここKrushで山崎選手に挑戦したいです。ここに降りてきてくれるか分かりませんが、僕はKrushで山﨑選手と対戦したい」とアピールした。 [nextpage] ▼第6試合 Krushライト級 3分3R延長1R〇里見柚己(team NOVA/第8代Krushライト級王者)KO 1R 1分57秒 ※右フック×永澤サムエル聖光(林商店)  サウスポーの里見は2019年8月にベテランの山本真弘から得意の左ストレートでKO勝ちして名を上げた。スーパー・フェザー級からライト級に階級を上げて2021年7月・9月の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」では川崎真一朗にKO勝ち、弘輝に判定勝ちで決勝へ進出するも瓦田脩二に敗れて戴冠ならず。2022年8月には元スーパー・フェザー級王者の西京佑馬に判定勝ち。2023年6月、1月に無効試合となった大沢文也との再戦で勝利し、第8代Krushライト級王者となった。しかし、9月のK-1で伊藤健人にKO負け。2024年2月のタイトルを懸けた再戦でもKO負けを喫し、王座を奪われた。戦績は19勝(8KO)12敗1分1無効試合。  永澤は新日本キックボクシング協会で日本ライト級1位まで昇りつめ、トップランカーとして活躍。ジャパンキック旗揚げ後は2020年1月大会で興之介を右フックでマットに沈めて第2代ライト級王座に就き、9月にはNJKFで鈴木翔也からダウンを奪っての判定勝ちでWBCムエタイ日本統一バンタム級王座も獲得。2022年7月にWMOインターナショナル王座決定戦をコンデートと争い、判定勝ちで三冠王となった。2023年11月にはボム・ピンサヤームとドロー、2024年2月のRWS JAPANでイサンヌアに判定で敗れた。戦績は28勝(12KO)11敗4分。  1R、永澤は徹底してサウスポーの里見の前足に左ローを蹴っていくが、正面に立っているため危うい。里見は間合いを測りながら、永澤が前に出てくるところへ左フックを打ってダウンを奪う。  立ち上がった永澤に里見は一気にラッシュ。左フックの連打から右フック、さらに左フック連打から最後は右フックで永澤をマットに沈めた。  圧巻のKO勝ちとなった里見は「去年ベルトを獲って前日に子供が生まれて。それでもベルト獲られちゃって。みんなの応援がなかったらこのリングに立ててないし、本当にサポートに感謝しています。やっぱりKrushってこういう試合なんですよ。倒される覚悟もあったし、前回あんな感じだったけれど、勝つ時はこういうド派手な勝ち方が似合う。そろそろ外国人と戦いたいので強い外国人いたらぶっ倒します。K-1も獲りに行きます。華がありますよね。俺はこういう試合を続けていきます」とアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 Krushライト級 3分3R延長1R〇西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 2R 1分00秒 ※右フック×加藤 港(WSRフェアテックス三ノ輪)  西京はK-1甲子園2016 -60kgで優勝し、2017年4月にプロデビュー。4戦目でレオナ・ペタスに判定で敗れたが、2019年3月にわずか7戦目にして島野浩太朗を破り、18歳で第8代Krushスーパー・フェザー級王座に就いた。しかし、同年9月の初防衛戦で再びレオナに敗れて王座を失い、2020年9月の再起戦でも横山朋哉に敗れて連敗。ライト級に階級を上げると2021年3月のK-1で篠原悠人から判定2-1で勝利をもぎ取り、7月には竜樹を破って連勝したが、12月にはゴンナパーに判定2-0で惜敗。4月のKrushでの再起戦では増井侑輝をKOしている。今回の試合は2022年8月の里見柚己戦以来、約2年ぶりとなった。戦績は9勝(3KO)5敗。  加藤はベテランで、安保瑠輝也、石川直生、山本真弘らと拳を交えてきた。2021年はKrushで2試合行い、連勝を収めている。2023年9月にはBigbangスーパーライト級王座決定戦に臨むも琢磨に敗れて戴冠ならず。2024年5月、2年5カ月ぶりのKrush参戦で斉藤雄太をKOした。戦績は12勝(7KO)12敗3分。  1R、鋭いジャブと蹴り、スピードのあるコンビネーション、上下の攻撃の振り分けと全くブランクを感じさせない西京。加藤もジャブを伸ばすが西京のスピードが優る。  2Rが始まってすぐ、コンビネーションを回転させた西京が打ち合いで右フックからの左アッパーでダウンを奪う。さらにスピードとキレを増す西京は相打ち気味の右フックで加藤をダウンさせ、鮮やかなKO勝ち。  西京はマイクを持つと「お久しぶりです。約2年ブランクありますが、ブランク感じさせないインパクトは残せたと思うので大きい舞台で試合したいです」とK-1出場をアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 Krushクルーザー級 3分3R延長1R〇谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 1R 2分51秒 ※バックハンドブロー×RUI(K-1ジム福岡チームbeginning)  谷川は空手で第1回&第3回真正会全日本選手権大会重量級優勝など数多くの実績を残し、2017年5月にキックボクシングでプロデビュー。2020年3月よりK-1 GROUPに参戦すると2021年7月の「第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもサッタリにKO負けで王座戴冠ならず。2022年4月の「K-1無差別級トーナメント」でも決勝進出を果たしたがサッタリにKOで敗れた。8月にはK-Jeeとのクルーザー級日本最強決定戦で勝利も2023年12月にリュウ・ツァーにKO負け。ミドル級まで階級を下げて臨んだ2024年3月の「初代Krushミドル級王座決定トーナメント」では準決勝でブハリ亜輝留に敗れた。戦績は11勝(4KO)9敗1分。  1R、谷川は右へ左へと回り込み、サウスポーのRUIに左フックからの右ミドルを見舞う。さらに右ロー。RUIが蹴ろうと動くと素早く回り込む谷川。左フック空振りからの右バックハンドブローが見事に決まり、RUIは大の字にダウン。谷川は残身をとり、KO勝ちとなった。  マイクを持った谷川は「僕は日本人が最強で、日本人がいない重量級トーナメントは嫌です。僕は日本人の誇りをもってこれから世界と戦っていきます」と宣言した。 [nextpage] ▼第3試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×覇家斗(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)判定0-3 ※26-30×3〇立基(K-1ジム目黒TEAM TIGER)  1R、右カーフを狙っていく覇家斗に立基はしっかりとジャブを当てていく。そのジャブのリターンにも右ローと右カーフを蹴る覇家斗。  2Rは立基が一気に間合いを詰めて連打を見舞い、覇家斗をコーナーへ追いつめる。覇家斗もパンチで反撃するが、立基の身体ごと前へ出て勢いのあるジャブ、ワンツーが目立つ。  3R、大きな覇家斗コールに背中を押され覇家斗がワンツー、左フック、左ボディで前へ出る。しかし勢いのある立基の左フック、右ストレートで押し返される。至近距離での打ち合いで立基の右フックがヒットし、覇家斗はダウン。立ち上がった時点で残り時間は10秒だった。  判定は3-0で立基の勝利となった。 [nextpage] ▼第2試合 Krushライト級 3分3R延長1R×三宅祐弥(Hacker GYM)判定0-3 ※28-30×2、29-30〇松本和樹(T-GYM)  1R、左の蹴りを多用するサウスポーの松本は右カーフも蹴り、蹴りをフェイントにしての左フックも当てに行く。一方の三宅はなかなか距離がつかめない様子で松本の右回りに空振りが続く。  2R,松本の左ストレートと左ヒザが何度も三宅を捉える。同時に、1Rほど回り込まない松本を三宅が追いつめる場面もあり、左フックが入る。前に出てくる三宅をヒザで迎え撃つ松本。  3R、三宅の右ハイ、右ヒザ蹴りで動きが止まった松本だがヒザで反撃。両者ともかなりの消耗戦となり、声を上げながらパンチ、ヒザを出し合う。  意地の張り合いは1Rと2Rを上手く戦った松本が制した。 [nextpage] ▼第1試合 Krushウェルター級 3分3R延長1R×海斗(LEGEND GYM)判定0-3 ※26-28×3〇田上“DARUMA”健太(K-1ジム蒲田チームアスラ)  海斗は最終的に250グラムオーバーで計量を終えることに。これを受け、Krush実行委員会で田上側、海斗側と協議した結果、以下の形にて双方合意の上、試合を実施することが決まった。 ①第1R、海斗は減点1から試合開始②グローブハンデとして、田上8オンス、海斗10オンスのグローブを使用する(本来は双方とも8オンス)③海斗はファイトマネーから20%没収(田上に渡される)。  1R、田上は右ミドルと右インローを多用。サウスポーの海斗は左ミドルを蹴るが、田上の蹴り数が多い。田上は右ボディも当てていく。  2R、海斗は左右フックの連打で勝負に出る。これを凌いだ田上は右ボディストレートを打ってからの右ストレートを直撃。しかし、海斗が左へ動いて死角から打つような右フックでダウンを奪う。  3R、田上は右の三日月を突き刺し、左右ボディ、そして右ストレートを打つと海斗がゆっくりとスローモーションのようにダウン。立ち上がった海斗は反撃に出るが、田上の右ストレートで身体が泳ぎ、続く右ストレートで2度目のダウン。  海斗は左右フックで逆転を狙い、田上も打ち合う。ハイキックの打ち合いもあり、試合終了。田上の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第3試合 Krushフライ級 3分3R×海凪(team NOVA)判定0-3※26-28、26-27 25-28〇上遠野寧吾(POWER OF DREAM)  1R、サウスポー同士。蹴りで行く上遠野に海凪が左フックを合わせてダウンを奪う。上遠野のパンチに上手く右フックを合わせにいく海凪だが、上遠野のローでバランスを崩したところに左フックを振り下ろされてダウンを奪い返された。  2R、上遠野の伸びる右にグラつく海凪。ジャンプしてパンチを繰り出そうとしたところを上遠野の左フックに撃墜され、2度目のダウンを奪われる。  3Rは海凪がガードを固めて前進、左右ボディと左右フックで猛反撃。上遠野にロープを背負わせるが、終了直前に上遠野の左フックからの左ハイで海凪が一瞬腰を落とす。  判定は大差の3-0で上遠野の勝利となった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushライト級 3分3R×佐野純平(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 2R 0分12秒 ※左ハイキック〇井上修一(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)  1R、ローを蹴る佐野に井上は細かい連打で前へ出る。この連打とボディへのヒザでたまらずダウンする佐野。続いての連打でも右フックでダウンを喫する。仕留めにいった井上だが佐野は耐えきった。  2Rが始まってすぐ、井上の連打からの左ハイキックで佐野はダウン。立ち上がろうとするも一回転し、レフェリーがストップした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushバンタム級 3分3R〇小川蓮武(WSRフェアテックス西川口)判定2-0 ※30-28、30-30、30-29×玲志(拳心会)  1Rは両者慎重な出足。2Rになると徹底的にローを蹴る玲志に小川は連打で応戦する。3Rも右ローとカーフを蹴る玲志に小川は左フックを中心にパンチで対抗。判定2-0で小川が勝利した。
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