シュートボクシング
レポート

【シュートボクシング】海人の投げでペトロフが戦闘不能に、笠原友希がペットモラコットを見事初回KO、魁斗が平野凌我を3度投げる圧勝、都木航佑がロクク・ダリに粘り勝ちのTKO、樋沼朝光と東修平がOFGマッチで大激闘、“未来の女子エース候補対決”は延長戦の末に小桐冬華が勝利

2024/08/17 18:08
SHOOTBOXING 2024 ACT.42024年8月17日(土)東京・後楽園ホール※U-NEXTにてLIVE配信 ▼メインイベント 70.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級王者)KO 2R 0分51秒 ※投げによるKO×ドラゴミール・ペトロフ(ブルガリア/元GLORYライト級6位/ SENSHI-70kg王者)  SB世界スーパーウェルター級王者・海人(TEAM F.O.D)が、エキスパートクラスルール70kg契約3分3R延長無制限Rで元GLORY世界ライト級6位でSENSHI-70kg王者ドラゴミール・ペトロフ(ブルガリア)と対戦する。※「元」になっているのは現在ライト級ランキングが休止されているため。  SBの絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王座、RISEミドル級王座を奪取した。2022年6月の『THE MATCH 2022』では野杁正明をも破っている。  驚異の18連勝をマークしていたが、8月のGLORYで世界王者ティジャニ・ベスタティに敗れ王座奪取ならず。その後は連勝で再び勢いに乗ったが、2024年2月に元ONE世界王者ペットモラコットに惜敗。4月のダイレクトリマッチでリベンジを果たした。ベスタティへのリベンジ&GLORY世界王座奪取を目標に掲げ、6月には元GLORY世界ライト級9位アルマン・ハンバリアンを2RでTKOに破った。戦績は56勝(25KO)7敗1無効試合。  ペトロフはキックボクシングでブルガリアの全国王者に4回輝いており、2019年にはEMCでムエタイのヨーロッパタイトルを獲得した。SENSHIでキャリアを積み、2023年10月の『GLORY 89』でGLORYに初参戦。GLORY世界ライト級6位クリス・ウンと対戦し、パンチ主体のコンビネーションにハイキック、ヒザ蹴りを混ぜたスタイルで、3Rには足を止めての打ち合いで場内を沸かせて判定勝ち。GLORYランキング入りを果たした。  1R、ペトロフはスピードのあるジャブを突いていき、左右フックから組みついて投げを見舞うような仕草。ステップを踏んで左右に動き、伸びるジャブと右ストレートを打ってくるペトロフ。海人は右カーフ、ジャブをボディへ。海人が右ストレートを入れると、ペトロフはすぐに右ストレートをリターン。  ギアを上げた海人はジャブから右カーフ、すぐに左右の連打。ペトロフも負けじと打ち返すが、海人は右ハイからヒザを顔面へ突き上げる。海人が右カーフと左三日月。さらにバックキックをレバーへ。ペトロフは腹をかばうような仕草を見せた。OPスコアは10-9×3。  2R、ジャブの突き合いからコンビネーションを回転させるペトロフだが、海人の堅いガードを全く崩れない。ペトロフが飛びヒザに来たところを海人が受け止め、投げるようにしてコカしたところペトロフが腰を強打。立ち上がれなくなってしまい、10カウントが数えられ海人のKO勝ちとなった。  海人は望んでいなかった投げでのKOに表情はさえなかったが、「ちょっと皆さんに物足りない試合を見せてしまったと僕自身も思っています。でも下位の選手とは僕はもういいかなと思っているので10月は1位の選手とやらせてもらって、12月のGROUND ZEROでベスタティとGLORYのベルトを懸けてやりたいと思います」と、次はGLORYのランキング1位と戦わせてほしいとアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 60.5kg 契約 エキスパートクラス3分3R延長無制限R〇笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級王者)KO 1R 2分28秒 ※左ヒザ蹴り×ペットモラコット・スーパーボンジム(タイ/スーパーボンジム/元ルンピニースタジアム4階級王者)  笠原は2019年6月に国内55kg級トップクラスの小笠原瑛作をヒジ打ちによるカットでTKOに破る大番狂わせを演じ、2020年7月に那須川天心の対戦相手に選ばれたが初回KO負け。再起戦では手塚翔太と大激闘の末、KO勝ちでSB日本フェザー級王座に就き、2021年12月にはスーパーフェザー級王座決定戦を制してSBで2階級制覇を達成した。  2022年3月にはRIZINに初参戦し、豪快な飛びヒザ蹴りで初回TKO勝ち。6月の『THE MATCH 2022』ではKrush王者の中島千博から勝利を奪った。9月にRISEの常陸飛雄馬に敗れて連勝が「7」でストップしたが、その後は再び6連勝。2024年4月には『ONE Friday Fights』に初参戦し、OFGムエタイでペットシーモックを初回KOに沈めた。また、これまでタイ人選手とは6度戦って全勝している。戦績は29勝(14KO)3敗のサウスポー。  初来日のペットモラコットについて、緒形健一SB協会代表は「友希から強い相手と戦いたいとの希望があって決定しました。ペットモラコットは、海人がスーパーボンのジムへ行った際にスーパーボンから『強い選手がいるから日本で試合を組んで欲しい』と推薦があった選手。ルンピニーで4階級制覇、7チャンネルでも3階級を制覇している本物中の本物。技術戦が最高峰の試合になると期待しています」と紹介した。  1R、サウスポー同士。ペットモラコットはどっしりと構えるムエタイスタイルではなく、前後に細かいステップを踏む。笠原は左カーフを蹴り、右ボディストレート。ジャブを突くペットモラコットのボディへ前蹴り。  笠原はロープを背負ったペットモラコットに左ヒザをグサリト突き刺す。悶絶して倒れるペットモラコット。笠原の見事なKO勝ちとなった。  笠原はマイクを持つと「今回強い相手だったんですけど60kgは俺が一番強いでしょう! 僕、シュートボクサーとして代表としてどの強い選手でも団体でもぶっ倒しにいきます。バックドロップではなかったんですが、会長の目の前でプレゼントを渡せてよかったです」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 58.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇魁斗(立志會館/ SB日本フェザー級2位/HOOST CUP日本フェザー級王者)判定3-0 ※30-24、30-25×2×平野凌我(MTS/ RISEフェザー級4位/MA日本フェザー級王者)  魁斗は立志會館・坂口立起館長の実子で“西の天才”と評されているシュートボクシングのテクニシャン。2020年2月に笠原友希に惜敗するまでは負けなしの8連勝を記録していた。同年11月には兼田将暉にRKSスーパーフェザー級タイトルマッチで勝利、2021年7月には門口佳佑からも勝利を奪った。  同年10月にHOOST CUP日本フェザー級王座を獲得すると、RISEで梅井泰成、安本晴翔をも破り2023年10月に門口とRISEフェザー級タイトルマッチで対戦したが判定で敗れた。元Krush王者の新美貴士とはドロー。2024年6月に『ONE Friday Fights』に初参戦するとラン・シャンテンに完勝を収めた。戦績は15勝(1KO)4敗1分。  平野はジュニアキック出身で、中学生の時には那須川天心とも対戦。2019年にプロデビューし、同年に行われたABEMAの「那須川天心挑戦者決定トーナメント」で決勝まで進出するも門口佳佑に敗れた。その後はRISEを主戦場にし、2022年3月にはRISEフェザー級王座決定戦を梅井泰成と争うも王座獲得ならず。2024年3月、國枝悠太をKOで破りMA日本フェザー級王座を獲得した。14勝(6KO)6敗1分。2021年10月には現SB日本フェザー級1位・手塚翔太にもKO勝ちしている。  1R、ジャブを突きながら前へ出ていくのは魁斗。平野とが得意とする右カーフを蹴っていく。パンチのコンビネーションを見せる魁斗に平野は左フックを返す。平野も右カーフ。スピードのある魁斗はコンビネーションを回転させ、平野を手数で上回る。  さらにカウンターを次々と決めていき、平野にロープを背負わせる。魁斗のボディをカウンターでもらった平野は、魁斗の右ボディに腹をおさえるような仕草。魁斗はボディで畳みかけていく。そうかと思えば左ローを蹴る魁斗。スピード、手数、有効打と魁斗が圧倒したラウンドに。OPスコアは10-9×3で魁斗。  2R、コンビネーションを回転させる魁斗に平野はもらいながらも強い左フックを返す。魁斗の攻撃に下がらず前へ出る平野。魁斗はカウンターも決めるが、平野は下がらない。もらっても左フックを返してくる。しかし、ここで組みついた魁斗が胴クラッチからの投げでシュートポイント(1点)を奪う。 さらにバックを取ると鮮やかなブリッジのジャーマンスープレックスを決めて2点、さらに首投げで連続シュートポイント(1点)。OPスコアは10-6×3で魁斗。  3R、逆転を狙って打ち合いに行く平野。これに魁斗も応え、危険な距離での打ち合いとなる。左右フックで前に出る平野に魁斗の矢のような右ストレート。さらにヒザ蹴り。左フックをフルスイングする平野に魁斗は左ボディから左フックのダブル。前蹴りで平野を突き放し、平野が左右フックで前へ出てくるとヒザ蹴りからバックを奪う。それでも諦めずに前へ出て左右フックを打つ平野に魁斗は組んでのヒザ蹴り連打。  最後まで諦めずに逆転を狙いに行った平野だが、魁斗のテクニックを上回ることが出来ず。大差の判定で魁斗がRISEからの刺客を撃退した。  魁斗はマイクを持つと「2年ぶりに帰ってきました。平野君のカーフめっちゃ強いし、久しぶりのSBきついですね。でも久しぶりに試合できてよかったです。これからSBとRISEのトップを狙っていくのでよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第5試合 70.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇都木航佑(キャピタルレイズ fighting GlaNz/SB日本スーパーウェルター級1位)TKO 延長1R終了時 ※セコンドからのタオル投入×ロクク・ダリ(コンゴ/TRI.H Studio)階級王者)※本戦の判定は30-30×3。延長の判定は10-9、10-10×2。  都木は新極真空手出身で2015年の全日本ジュニア大会、2016年の全関東空手道選手権大会・中量級で優勝して頭角を表し、2017年には全日本フルコンタクト空手道選手権大会(JFKO)中量級でベスト8に入賞した。 2021年2月にはDEEP☆KICK-70kg級王者の稲井良弥との無敗王者対決で判定負けを喫し初黒星となったが、9月の『Bigbang』では第7代Krushウェルター級王者・山際和希を3R TKOで下し再起を果たしている。SB初参戦で村田義光に判定勝ちすると、2024年2月にはRYOTAROにも判定勝ちと2連勝。戦績は8勝(4KO)2敗。  ダリは幼い頃から柔道を習いアフリカJrチャンピオンに輝き、その後も柔道に打ち込みコンゴの柔道ナショナルチームに選ばれた。2010年に来日を果たすと2011年の春からMMAを始め、DEEP、GRACHAN、巌流島で活躍。2018年12月にはGRANDウェルター級王座に就いたが、2019年12月の防衛戦で桜井隆太に敗れ王座から陥落。RIZINには2020年8月大会で海人とキックボクシングルールで対戦して判定負け。 2023年6月、RIZINで木村“フィリップ”ミノルとキックルールで対戦してKO負けとなっていたが、木村のドーピング違反が発覚して無効試合に。2024年4月にSB初参戦を果たすと風間大輝からダウンと投げのシュートポイントを奪い大差の判定勝ちを収めた。  1R、都木は左インロー、ジャブでけん制して左右に動き右ハイを見舞う。するとダリは左右フックを放って突進、都木を捕まえるがブレイクとなった。スイッチも織り交ぜてジャブで距離を作る都木。ダリはなかなか手を出せなかったが、ラウンド終了間際に左ロングフックを都木に叩きつけた。OPスコアは三者とも10-10。  2R、距離を保つ都木だが、ダリが飛び込んでの右フックをヒットさせる。ダリは胴に組みついて投げの体勢になるが投げるまでには至らず。ダリは組みついてのテイクダウン狙い、都木もそれに対して投げを見舞おうとする。両者譲らずOPスコアは10-10×3。  3R、ここまで手数が少なめの両者。ダリはいきなり突っ込んでいって組みつくがブレイク。都木の右ローにダリは組みつく。右フックから組みつき投げに行くダリだがこれは決まらず。右ボディストレートを打つダリに都木はローを蹴っていく。都木の左右フックにダリも左右フックを返し、組みついたがブレイク。都木は投げを狙うもダリは投げさせない。最後は都木が前蹴りでダリを突き飛ばした。  本戦の判定は三者ともドローで延長戦へ。都木が右フックを打つとダリはダッキングでかわしての左右フック。都木が左ミドルから左インロー、そして左ハイ。都木がパンチで入ってくるとダリは思い切り左右フックを振り回すため、都木は警戒して離れて蹴る。ダリは組むと投げを狙うが都木は投げさせない。都木が右インローを蹴り、圧をかけてダリをコーナーへ詰めていく。そこで手が出ないダリ。  ジャッジ1名は都木を支持したが判定はドロー。再延長戦へ突入となったが、ここでダリサイドからタオルが投入された。ダリの試合続行不可能で都木の粘り勝ちとなった。 [nextpage] ▼第4試合 58.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇内藤凌太(BELLWOOD FIGHT TEAM/SB日本フェザー級4位)判定3-0 ※30-28×3×ウー・ジウォン(韓国/TEAM HON)  内藤は前回4月大会では手塚翔太の欠場で急遽、代替出場で一階上の山浦俊一に判定勝ちを収めた。念願のSBタイトル奪取に向け、今回対戦するMMAファイター撃破で弾みをつけたいという。  57.5kg契約のオープンフィンガーグローブマッチで、内藤が韓国MMAファイターのウー・ジウォンと対戦。ウー・ジウォンはUFCファイターのチェ・ドゥホやREAD FC王者のチェ・ムギョムなどの名選手を輩出しているMMAチームからの刺客で、初のSBルールも問題ないという。難敵ウー・ジウォンを撃破し、内藤はタイトル路線に前進なるか。  1R、軽快なフットワークのジウォンが組みついてくると内藤はスタンディングフロントチョークに捉えてキャッチポイント(1点)を奪う。これは脱出したジウォン、前へ出てスピードのある左右ボディ。内藤の右ミドルにはバックキックを合わせる。左右フックから組みつこうとするジウォンに内藤は左ミドル。  2R、ジウォンは飛び込むような左ミドル、内藤も右ミドルを蹴り返して右ロー。その内藤の右ローにジウォンはバックブローを合わせていく。内藤が左インロー、左ミドルをタイミングよく当て、ジウォンのパンチはブロックして左ミドルを蹴る。 左ミドルを嫌がって下がるジウォンは、蹴り足をキャッチしてのテイクダウン。内藤の左三日月連打に下がるジウォン。パンチの距離にしたいジウォンだが、その前に内藤の蹴りが当たる展開。  3R、ジウォンは左フックを打ち、ジャブで前へ出る。右ミドル、内藤の蹴りをキャッチしてのボディストレート。しかし内藤が左ミドルを蹴るとジウォンは下がる。ジウォンの右ローに内藤は右フック。右ストレートを狙っていく内藤だが、ジウォンは左右フックを打ち返す。 ならばと内藤は左ミドル。パンチの打ち合いでは負けないジウォンだが左ミドルを蹴られる。最後までジウォンも攻める姿勢を見せた。  判定は3-0で内藤の完勝となった。内藤はマイクを持つと「僕はSBのベルトがどうしても欲しいです。タイトルマッチをお願いします」とタイトルマッチをアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 64.5kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇樋沼朝光(RIKIGYM)判定3-0 ※29-26×2、28-25×東 修平(AACC)  MMAファイター同士によるオープンフィンガーグローブ着用のシュートボクシング。  1Rが始まると同時にコーナーを飛び出した両者。涸沼の左フックにダウンした東は、立ち上がると左右フックのラッシュ。これに樋沼も足を止めて打ち合い、両者相手のフックを被弾しながらの打ち合いに。ここでも樋沼がダウンを奪う。さらなる打ち合いを繰り広げる両者。 東は三日月蹴り、樋沼は投げも織り交ぜる。ノーガードで殴り合う両者に場内はヒートアップ。東のフックに樋沼のマウスピースがロープの外に吹っ飛ぶ。ラッシュをかける東に樋沼がロープにもたれかかるが、ゴング跡の攻撃としてダウンは認められず。  2Rが始まると同時に両者はまたも殴り合い。右の三日月を蹴って左右フックで前に出る東にサウスポーの樋沼は左フックをカウンターで見舞う。ノーガードで殴り合う両者。東のヒットが目立つが、樋沼の右フックをもらって大きくふらつく。それでも前に出る東。 両者ともノーガードでの殴り合いを続ける。ヒットは東が多い。ラウンドが終了すると両者笑顔で抱き合う。場内も大歓声。  3Rも始まると同時に両者足を止めてノーガードでの殴り合い。樋沼の右フックで遊馬の動きが止まり、樋沼は首相撲からヒザ蹴りの連打、さらに左アッパーの連打。東は左右フックで反撃して右フックをヒットさせるが、樋沼の左フックで動きが止まる。 すぐに反撃に移る東に樋沼はヒザ蹴り。東が組みつき倒すと樋沼は立ち上がるのが遅れるが、東は樋沼に手を差し伸べて引っ張り起こす。両者笑顔で再びの殴り合い。  最後まで殴り合いが続き、試合終了のゴングが鳴ると両者は笑顔で抱き合い、場内からは大きな歓声が沸き起こった。  判定は3-0でダウンを奪った樋沼が勝利。大激闘を演じた2人は笑顔で健闘を称え合い、樋沼は男泣き。敗れた東にも観客からは大きな拍手が贈られた。 [nextpage] ▼第2試合 65.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R△伊藤 要(シーザージム新小岩)ドロー 2R負傷判定0-0 ※19-20、20-19、20-20△奥田啓介(ANIMAL☆PLANET/BLUE DOG GYM)  本戦初登場となる伊藤は2013年にデビューし、ヤングシーザー杯でこつこつと戦績を重ねてきた苦労人。脅威の打たれ強さで毎回熱い試合を繰り広げる。  対する奥田は“プロレスラーの強さ”を証明すべくRIZINで5戦、SBで2戦するなど格闘技に挑戦し続けるプロレスラー。SB初参戦ではカットによる出血でドクターストップのTKO負け。2戦目はフロントスープレックスで2度、バックドロップで1度の合計3度(いずれも2ポイントの投げで合計6ポイント(ダウン3回分)も獲ったが、打撃で3度のダウンを喫してTKO負けとなった。  1R、奥田が胴タックルに組みつきバックドロップを狙うが、サウスポーの伊藤が逆にフロントスープレックスに切り返して同体で倒れる。奥田は右フックをヒットさせ、組みついてのバックドロップ狙い。伊藤はこれを一本背負いで返そうとする。 左右フックから組みつきフロントスープレックスを見舞う奥田だがシュートポイントにはならず。伊藤も左フックを叩きつけて首投げを仕掛ける。両者ともフックから組みついて投げを狙う力強い攻防が続く。奥田の右インローには伊藤が左右フック。  2Rもバックドロップを仕掛ける奥田。離れると伊藤がワンツー。奥田の投げでもつれて倒れたところで奥田が左目上から流血し、ドクターチェックに。 再開後、奥田のフロントスープレックスは失敗。流血が激しくなる奥田の傷口を狙うように伊藤は右フックを多用。奥田は左右フックで伊藤をコーナーへ詰めて組みついたが、ここで2度目のドクターチェック。  ドクターストップがかかり、奥田はリングの上で大の字になって抗議。「こんなので止めるな、ふざけるな」とレフェリーに喰ってかかる。決着は負傷判定となり、三者三様のドローに。  またも勝利を逃した奥田は伊藤の手を上げて健闘を称え、「もう1回やるぞ!」とアピールした。 [nextpage] ▼第1試合 66.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇竜也(CRISS-CROSS/SB日本スーパーライト級2位)KO 2R 0分51秒 ※左フック×凱斗(Y’ZD GYM)  竜也はSB本戦初登場となる6戦無敗の新鋭。  1R、前に出る凱斗に竜也が右ストレートを狙い撃ち。一瞬グラつく凱斗だが、竜也に組みつくと大腰でシュートポイント(1点)。さらに大腰を決めて2点目を奪う。しかし、竜也がパワフルな左右フックで反撃し、打撃では竜也に分がある。  2Rが始まってすぐ、前へ出る凱斗に竜也の左フックがさく裂し、前のめりにダウンする凱斗。何とか立ち上がるも竜也が右飛びヒザからの左フック。大きくバランスを崩して倒れたところでレフェリーがストップした。  竜也が逆転KOに成功した。 [nextpage] ▼オープニングマッチ第3試合 53.5kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限〇小桐冬華(TEAM FOREST)延長R 判定3-0 ※10-9×3×宇野あいり(立志會館)※本戦の判定は30-30、29-30、30-29。 “未来の女子エース候補対決”と銘打たれた新人女子シュートボクサー同士の初対決。  小桐はベースの空手で様々な大会優勝の実績があり、昨年のアマチュアSB全日本大会では女子-55kgの部でチャンピオンに。6月のプロデビュー戦では顔面前蹴りを炸裂させる一撃必殺でKO勝ちの衝撃デビューとなった。今春、高校を卒業したばかりで現在は専門学校生の18歳。  対する宇野はシュートボクシング協会の名門・立志会館の“新時代天才少女”。RENAに憧れ、幼少の頃から数々のアマチュアタイトルを総なめにしてきた宇野は、小学校の卒業時のスピーチで「私が未来の女子格闘技を引っ張ります」と堂々宣言した。  2022年10月の花やしき大会ではセミプロマッチルールで登場し、肩固めでキャッチポイントを奪取するなどいきなりシュートボクサーっぷりを爆発させ、最後に左ハイからのパンチ連打で2度のダウンを奪ってTKO勝ちした。  その後のトークショーでRENAは「女子が活性化をしていくと思う。注目の選手を呼びたい」と宇野をリングに呼んだ。第二のRENAとして注目されている次世代女子ファイターが今春高校生となり、遂にプロデビューを果たす。  1R、サウスポーの宇野は小桐の右ストレートをスウェーでかわすとすかさず左ストレートを返す。組むとヒザ、離れると前蹴り。前蹴りから左ストレートを当てる宇野は近距離でも前蹴り、小桐も右ストレートを当てる。宇野が左ミドル、小桐は宇野の入り際に右ストレート。宇野が首投げを狙うとすかさず小桐が首投げに返そうとする。そこでヒザをボディに突き刺す小桐。  2R、宇野の前蹴りに右インローを返す小桐。宇野が組みつくと小桐はヒザを連打するが、宇野が投げを見舞う。これは惜しくもシュートポイントにはならず。ロープを背負った小桐に宇野が顔面前蹴りを直撃。小桐は右ストレートで反撃するもやや動きが落ちた様子。宇野は組んでのヒザ蹴りに活路を求め、小桐は振りほどいてのワンツー。小桐は投げを仕掛けるが宇野はディフェンス。  3R、小桐のワンツーをかわして宇野が左フック。前蹴りをフェイントにパンチを当てていくのは宇野。小桐は強引に投げを見舞うが高さが足らずノーシュート。宇野も首投げを仕掛けたがこれも決まらず。小桐のパンチをかわして組みついた宇野は、コーナーへ押し込んでパンチの連打。しかし、小桐の投げにしゃがんで逃げる行為があったため宇野にイエローカードが提示される。右の連打で殴りに行く小桐に宇野はかわして組みつく。  判定は三者三様でドロー。延長戦へ突入する。ここで小桐が逆に前蹴りを使う。さらに左ハイキックから組みつくと首投げでシュートポイント(1点)。手を挙げて喜ぶ小桐。さらに宇野が前へ出てくるところへ右ミドルを合わせる。逆転を狙う宇野が首投げも失敗。2度目の失敗。宇野が左ストレートからのヒザ、小桐は投げ。パンチで勝負をかける宇野だが最後の投げも決まらず試合終了。  判定は3-0でシュートポイントを奪った小桐が接戦を制した。“未来の女子エース候補対決”第1ラウンドは年上の小桐の勝利となった。 [nextpage] ▼オープニングマッチ第2試合 62.5kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R〇長谷川平蔵(シーザージム)判定3-0 ※30-28、29-28、29-27×野口貴大(シーザージム新小岩)  サウスポー同士の対戦。1R、長谷川は組んでのヒザを多用。離してパンチからのヒザも。  2Rは野口が左右フックを打つも長谷川は組みに持ち込む。投げを狙う長谷川だが野口は投げさせない。左フックを命中させた野口に長谷川が組もうとするが、再び野口の左フックがヒットして長谷川がグラつく。両選手に消極的姿勢でイエローカード。長谷川は組みついてのバックドロップを狙うも不発。野口はジャンプしてのフック、それをキャッチした長谷川がバックに回ってバックドロップを決めてシュートポイント(2点)。  3R、長谷川は左フックから組みついての投げを狙う。左ミドルからも組みつく長谷川。野口は長谷川の左ミドルをキャッチして殴りにいくが組まれてしまう。長谷川は組む前にヒザ、右フック。野口はパンチを打ちに行くがやはり組まれる。長谷川の左ハイが野口の顔面をかすめて試合終了。  シュートポイントを奪った長谷川の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼オープニングマッチ第1試合 61.5kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R×金子徹哉(BELLWOOD FIGHT TEAM)TKO 2R 0分32秒 ※ドクターストップ〇関根 累(ROOTS/修斗バンタム級)  金子は鈴木博昭率いるBELLWOOD FIGHT TEAMに所属する激闘系ファイター。筋肉隆々の身体から強打を見舞い、対戦相手をリングに沈めてきた。  対する関根は全日本公式空手道大会二連覇の実績を持ち、現在は修斗を主戦場にするMMAファイターで、“修斗のカリスマ”佐藤ルミナの愛弟子。前回6月のSBで初参戦し、序盤はリードする戦いを見せるもまさかの逆転KO負け。早くもSBで再起の舞台が用意され、燃えているという。OFGならではの白熱した試合が期待される。  1R、右インローで先手を取る金子にサウスポーの関根が左ストレートを打ち込んで金子は大きくバランスを崩す。関根の左ミドルに金子は右インロー。その金子の右インローに左ストレートを合わせにいく関根は左ハイ、左ミドル、左フックもヒットさせる。関根の威力ある攻撃が目立った。  2Rが始まってすぐ、関根の左右フックからの左ヒザを顔面にもらって鼻血を出した金子にドクターチェック。ここでドクターストップがかかり、関根のSB初勝利となった。
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