Krushに乗り込む永澤(C)K-1
2024年8月18日(日)東京・後楽園ホール『Krush.164』にて、ライト級3分3R延長1Rで里見柚己(team NOVA)と対戦する永澤サムエル聖光(林商店)のインタビューが主催者を通じて届いた。
永澤は新日本キックボクシング協会で日本ライト級1位まで昇りつめ、トップランカーとして活躍。ジャパンキック旗揚げ後は2020年1月大会で興之介を右フックでマットに沈めて第2代ライト級王座に就き、9月にはNJKFで鈴木翔也からダウンを奪っての判定勝ちでWBCムエタイ日本統一バンタム級王座も獲得。2022年7月にWMOインターナショナル王座決定戦をコンデートと争い、判定勝ちで三冠王となった。2023年11月にはボム・ピンサヤームとドロー、2024年2月のRWS JAPANでイサンヌアに判定で敗れた。戦績は28勝(12KO)11敗4分。
所属ジムを変え、Krushには今回が初参戦となる。
いつか絶対このルールをやりたいなとは思ってた
──7月2日に対戦カード発表会見があり、相手の里見柚己選手とも顔を合わせました。その中で何か感じたことはありましたか?
「僕もK-1 GROUPには初登場だったので、強気で言わせてもらいました(笑)。里見選手
とは、お互いに負けられないという覚悟みたいなものがあると思うし、そこでどっちの方が負けたくないかという気持ちの戦いにもなると思うので、そこは僕も譲れないなという感じですね」
──これまでのキャリアはヒジありルールが中心だったので、K-1 GROUP参戦というのは、たぶん端から見て一番意外な選択だったと思うんですが、ルールや試合スタイルなど、これまでとはガラリと違いますよね。そこに躊躇はなかったですか?
「そこまで躊躇はなかったですね。ヒジありにそこまでこだわってやってたわけでもなかったですし、いつか絶対このルールをやりたいなとは思ってたので。『やってみたいな』という気持ちの方が強かったですし、ましてや少年時代にK-1を見て憧れを持ってましたし、うれしさの方が大きかったかもしれないです」
──その頃のK-1で、永澤選手にとってのヒーローは誰だったんですか?
「山本KID徳郁や魔裟斗を見て『すげえ~!』って思ってましたね。僕はKIDの方が好きだ
ったんすけど、あと他にはマイク・ザンビディスとか、一撃系の選手に憧れてました」
──ルールの話に戻りますが、K-1ルールへの対応というのは、練習ではいかがですか? ヒジや首相撲がないだけでなく、キャッチがないことにも戸惑う選手が多いと思いますが。
「全然いけると思います。試合ではやったことないですけど、今は自信しかないですね。普段、ヒジありの練習ってできないじゃないですか。スパーリングでも、ヒジって打てないじゃないですか。ケガしちゃうから。だからぶっちゃけ、練習でヒジありってみんなやったことないんですよ。だから俺は、そこは全然変わんないと思うんですよね。K-1ファイターだろうが、ヒジありの選手だろうが、練習でヒジは打たないんで。だからそこは全然関係ないんじゃないかなって僕は思います」
──なるほど。
「あとキャッチとかも、練習ではやらないんですよ。首相撲は試合ではあるんですけど、組ませないようにそれを弾く練習とかもあるので、そこらへんは全然不安はないかなって感じです。むしろ逆にそれができる分、クリンチもさせないし、そこのテクニックを使ってやろうかなと思ってます」
──パンチに関しては元ボクシング王者の木村翔さんに教わっているということでしたね。
「以前のジムを辞めた後、4月から木村さんのB Makeというジムに来て教わっています。やっぱりパンチのキレはよくなったと思います。当てる感触とかも全然違うので、インパクトとかは変わったかなという感じですね。でもまだ試合で使ったことがないので、早く試したいなって感じですけど。まだやったことないけど、倒せる自信はあります」
──ではもう、試合で試したくてしょうがない感じですね。キックの練習もそのジムで?
「そうですね、ガッチリやってます。キックも練習できるようになって、ボクシングの練習も新たに取り入れられてて、本当に至れり尽くせりって感じです」
「元チャンピオンということもあるし、今は連敗中ってことなので、負けたくないという気持ちは強いと思うんですよ。ファイター心理として3連敗はできないという思いは絶対あると思うので、そこは僕も油断せずに、正々堂々と闘って、お互いに倒し合いたいなという気持ちですね。だから本当に甘くは見てないです。
──一番警戒している部分は?
「サウスポーなので、左のストレートですかね。速いし、里見選手はKOファイターでよくパンチで倒してるので、そこは甘く見ずに、警戒したいなと思ってます」
──会見で里見選手も話していましたが、ルーツの団体が同じということですね。
「そうらしいですよね。ただ里見選手はデビューからしばらくで移籍したと思うので、そんなに試合は見てないんですよ。Krushではもちろん見てたので、左ストレート強えな、スピードもあるし、いい選手だなとは思ってました」
──その頃は対戦するとは思わずにという感じですね。
「そうですね。たぶんその頃は階級も違ったので。最初はスーパー・フェザー級でしたよね。途中で、ライトに上げたんだと思ってたんですけど、まさかここでやるとは思わなかったですね」
──これが新天地での一発目になりますが、改めてどういう目標がありますか?
「せっかく来て、皆さんから期待もしてもらってるので、目指すところはKrushチャンピオンですね。その後、K-1チャンピオンになりたいなと思ってるので、まずは最短でKrushチャンピオンを目指すというのが第1目標ですね」
──ライト級ではKrushチャンピオンが先日また変わったという状況です。Krush王者の大岩龍矢選手、前王者の伊藤健人選手、今回対戦する里見選手、それから大沢文也選手もいたりと、群雄割拠という状態ですが、この状況をどう見ていますか?
「いいんじゃないですかね、層が厚いということなので。面白いじゃないですか。で、新しく他団体から僕が来て、メチャクチャにできたら面白いなって思ってるので。他の選手たちとも試合できたら楽しみですけど、最短でKrushチャンピオンになりたいので、とりあえず強いヤツとやりたいですね。試合が発表されてからの反響とかも全然違いますし」
──では、これからがすごく楽しみなのでは?
「楽しみですね。本当にいろんな人に応援してもらってるので、期待にも応えたいし、下手な試合はできないので。勝つことは大前提として、せっかくKrushに来たし最初の試合なので、インパクトのある試合をして、KOを見せたいです」
──では最後に、改めてこの試合への一番の“決意”を教えていただけますか?
「15年間格闘技をやってきて、もう引退かもしれないなって思った時に、やっと第2の格
闘人生というか、Krushに来れて、これも絶対何かの縁だと思ってるので、絶対この1試合目でインパクトを残します。チャンピオンしか見てないので、絶対に次に繋がるような試合をしたいなと思ってます。絶対落とせないので、KOしたいですね」