ムエタイ
レポート

【ONE FF】大田拓真が惜敗、ブラジルが接戦をスプリットで制す。メインでコンペットが圧勝、ウスビャンがクンスックをKO、ブルマトフが元ラジャ王者から勝利もぎ取る

2024/08/16 23:08
ONE Friday Fights 752024年8月16日(金)タイ・ルンピニー・スタジアム※U-NEXTにてLIVE配信 ▼メインイベント(第12試合)キャッチウェイト (57.61kg) ムエタイ 3分3R〇コンペット・フェアテックス(タイ)[判定3-0]×オマール・ハラビ(レバノン)  メインイベントに出場するコンペットはルンピニースタジアムでフライ級&バンタム級の2階級制覇、元タイ国プロムエタイ協会ライトフライ級王者、BBTV(7チャンネル)フライ級・ライトフライ級・フェザー級の3階級を制覇したムエタイ6冠王。ここ数年はフェザー級トップ選手として君臨し、上の階級の選手とばかり試合を組まれたことも。“フィームー”と呼ばれる離れて戦うテクニシャンタイプであるが、激闘の多さで有名な7チャンネルで戦ってきた、打ち合いも出来る万能型。2022年9月、K-1に初参戦して玖村将史を判定に破り、日本でもその名が知られるようになった。  ONE初参戦となった2023年1月の『ONE FRIDAY FIGHTS 1』のメインイベントではプラジャンチャイに判定負け、3月のK-1では金子晃大に判定負けと連敗を喫するも、6月の『ONE FRIDAY FIGHTS 23』では中国人選手に判定勝ち、9月にはゴンチャイとの大激闘を判定で制した。10月にはカムバックと引き分けとなり、2024年1月にはダレン・ローランにTKO勝ち。4月にはゴンチャイを返り討ちにして4連勝を飾った。戦績は87勝(13KO)18敗4分。  ハラビは2023年11月からONEに参戦。チャビエル・ゴンザレスに判定負け、ヨッドトンタイ・ソー・ソンマイにマジョリティ判定勝ち、ヨッドトンタイとのダイレクトリマッチではTKO負けと厳しい状況。生き残りを懸けての大物コンペット戦となった。勢いのあるTeam Mehdi Zatoutの所属。  1R、コンペットが右ローを3発、そして右ボディストレート。ジャブを出して前に出るハラビにコンペットは右ローを蹴り続け、ハラビが右を打ってくると右縦ヒジを合わせに行く。距離が出来ると右ローをこれでもかとばかりに連打していく。サウスポーにスイッチするハラビ。ローを蹴られないように左右の連打で前へ出ていくが、やはり右ローを蹴られる。右ストレートも打つコンペット。オーソドックスに戻ったハラビには右ストレートを直撃させていく。  2Rも前に出るハラビだが、コンペットは下がって距離を作り右ローで迎え撃つ。さらに右ヒジと右ストレート。離れて右ストレート、近付いて右の縦ヒジ・横ヒジ。ハラビがいくら前に出てもコンペットは下がって距離を作り、右ローを蹴って右ストレート。首相撲でもしっかりロックして右ヒザ。コンペットは右アッパーも強烈。コンペットの右の攻撃が一方的にハラビを捉え、ハラビは左の眼付近が腫れあがる。  3R、コンペットは右ローと右ストレートの波状攻撃。ジャブも織り交ぜ、蹴り足をキャッチすると豪快にコカす。ジャブを伸ばし、ハラビが打ち返してくるところへ右ストレート、そして組んでのヒザ。通常のムエタイならば試合をストップさせられているのではないか、と思えるほどコンペットの一方的な攻撃が続く。もう倒れないと見たか、コンペットはジャブを突き続けて試合終了。  判定3-0でコンペットの圧勝となった。 [nextpage] ▼第6試合 フェザー級ムエタイ 3分3R×クンスック・スーパーボン・トレーニング・キャンプ(タイ)[2R 2分16秒 KO]※左ストレート〇マムカ・ウスビャン(ロシア)  ウスビャンはロシアの『Fair Fight』を主戦場に戦い、2021年3月に同団体のライト級(-71kg)王座を獲得。同王座は3度の防衛に成功し、2度目の防衛戦ではゾーラ・アカピャンに判定勝ちしている。2023年10月にジャバル・アスケロフに判定勝ちすると、2024年2からONEに参戦。 3連勝中だったシャドウ・シンマウィンを判定に破った。  クンスックのセコンドにはスーパーボンが就く。  1R、クンスックが右ミドルで先制、ウスビャンは左ボディを空振りするとそのままバックスピンエルボーを放つ。右ストレートを伸ばすウスビャンに、クンスックは右ハイを返す。ウスビャンはサウスポーにスイッチしての左ミドル、クンスックの右ハイをダッキングでかわす。ウスビャンのジャブをブロックしてクンスックは右ミドルと右ハイを放つ。パンチの圧力を懸けて前に出るウスビャンに、クンスックは右ハイを連打。  2Rはクンスックが右ミドルを蹴って前へ出る。ジャブを出すウスビャンだが、クンスックとの距離は遠い。逆にジャブから右ミドルを当てるクンスック。軽快なステップを踏んでウスビャンのパンチをかわしながら右ミドルを蹴っていくクンスック。  しかし、クンスックがリズムに乗ったかに思えたその瞬間、ウスビャンが左ストレートを伸ばす。この一撃が直撃し、クンスックはダウン。立ち上がることが出来ず、ウスビャンの鮮やかなKO勝ちとなった。ウスビャンはこの大会初の35万バーツボーナスを獲得。 [nextpage] ▼第5試合 ライト級ムエタイ 3分3R×チャンナッジョン・PK・センチャイ(タイ)[判定0-3]〇デニス・ブルマトフ(ロシア)  チャンナッジョンは2010年にラジャダムナンスタジアム認定ライトミドル級王座に就き、2014年3月にはいすゞカップトーナメント-72kg級で優勝すると2014年からは『THAI FIGHT』を主戦場に。2015年にはIMTUムエタイ-72.5kg世界王座、2017年にはTHAI FIGHT -72.5kg王座も獲得。2020年2月のWMC世界ミドル級タイトルマッチで敗れるまで16連勝を飾った。ONEには2023年5月から参戦し、3連勝を飾ったが前戦の12月にムスタファ・タクレティにKOで敗れた。 ブルマトフはONE初参戦。  1R、前に出るのはブルマトフ。逞しい肉体からパワフルな左右フックを繰り出す。チャンナッジョンは下がりながらの右ミドル、右ハイキックを繰り出すがブルマトフの前進を止められない。豪快にフックを振り回して前へ出るブルマトフに右ローを蹴るチャンナッジョンだがクリンチが多い。顔面だけでなくボディへのパンチ、右ローも蹴るブルマトフ。1Rはブルマトフが攻めたラウンドに。  2R、チャンナッジョンがワンツーをヒットさせるが、すぐにブルマトフが前へ出て左右フック。バックキックから右フックを当てるブルマトフ。チャンナッジョンは組みを多用するが攻撃は出ない。左右フックで前へ出て右ローを蹴るブルマトフにチャンナッジョンはジャブ、右ストレート。チャンナッジョンは右ミドルからの前蹴りでブルマトフを転倒させる。疲労が見えてきたブルマトフだが前には出続ける。  3R、チャンナッジョンが反撃を開始。ジャブ、右ヒジで前に出る。しかし、ブルマトフも右ヒジをヒット。右ボディ、右ローも。チャンナッジョンは右ストレートを返すが、右ローでバランスを崩す。バックキックを当てたブルマトフは手ごたえを感じたか、もう一度バックキック。ボディを攻めてくるブルマトフにチャンナッジョンはジャブを出し、組むとヒジだがブルマトフは前に出て攻め続ける。  両者とも疲労した一戦はブルマトフが判定3-0で勝利をもぎ取った。 [nextpage] ▼第4試合 キャッチウェイトムエタイ(57.15kg)3分3R〇ブラジル・Mエチャット(タイ)[判定2-1]×大田拓真(振興ムエタイジム) 「NJKF2023年度年間表彰」にて最優秀選手=MVPに輝く大田は、2023年は5月にメキシコ『IRON FIST』でムエタイ世界王座を2R TKOで奪取、7月は新日本キックで王者・瀬戸口勝也を撃破。2023年最終戦(11月)ではNJKFに凱旋、タフな難敵ルークワンを迎えたがボディを効かせ、4Rにローキックで沈めた。2024年2月には笹木一磨を大差の判定に破り、NJKFフェザー級暫定王座に就いている。  ONE FFには2023年9月に初出場。従来のイメージを一新するハードな戦いを見せ、乱打戦の末に勝利した。2024年4月の2戦目では、コプター・ソー・ソンマイをロープに詰めての右ヒジ打ちで2R KO。ONE FF 3連勝なるか。  対するブラジルは、ONE Friday Fightsで1勝1敗。2024年2月にチャーリー・シンハ・マウインに判定勝ちも、5月の前戦でサマンチャイ・ソー・ソンマイに判定負け。7チャンネルでも試合をしている。  1R、ブラジルは右ローを蹴っていき、大田が左ミドルを蹴るとすぐに右ミドルを蹴り返しに来る。大田はジャブを突きつつ右ミドル、ブラジルは左右のミドルとローを蹴る。詰めようとする大田にローを多用するブラジル。大田がミドルをキャッチしてからの左右フック。ミドルの蹴り合いから大田が右ボディストレートを突き刺す。パンチを狙う大田にどんどんミドルとローを蹴るのはブラジル。  2Rも前に出てパンチを狙う大田に、ブラジルは右ローを蹴る。大田のワンツーにヒジを返そうとするブラジル。ワンツーで飛び込んでの左フックを見舞った大田は組んでのヒザ。前に出て圧をかける大田がジャブ、ブラジルの右オーバーハンドをかわすとパンチをまとめる。大田はジャブ、左ボディからのワンツーでブラジルが大きく下がる。一気に詰める大田だがブラジルは前蹴りで凌いだ。  3Rはブラジルが左フックを振って前へ出る。大田の右ミドルをキャッチしての右ストレート連打も。大田は左ボディから右フック。前へ来るブラジルへ左右ボディ。ブラジルは右縦ヒジを思い切り振り下ろす。ジャブで距離を取る大田は顔面とボディを打ち分けて右アッパー。今度は右フックからの左アッパー。それでもブラジルは前へ出て来る。そのブラジルのフックをダッキングでかわしていく大田。最後はブラジルの左ミドルに左右フックを合わせた。  接戦はスプリットデシジョンとなり、3Rに前に出たブラジルが勝利。大田はONEでの初黒星を喫した。
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