2024年8月16日(金)18時30分から、東京・練馬coconeriホールにて『TTF CHALLENGE 10』が開催される。
TRIBE TOKYO MMAの本拠地である練馬での開催は約7年ぶり。コロナ禍で日本のMMA団体が活動を休止する中で、無観客のLIVE STREAM配信大会を開催したのが2020年6月(TTFC08)。同年12月にはサステイン、BLOWS協力のもと、大阪で制限付き有観客での大会(TTFC09)も開催してきた。
パンデミックの中でも歩みを止めず、国内外問わず選手を派遣し、ファイトを続けて来たTRIBEでは、所属選手も増え若手選手も着実に育ち、ときに順番待ち、あるいはエフェヴィガ雄志のように対戦相手探しに難航することもある。
そんななか主催者の長南亮代表は、「自主興行の必要性はなくなってきている昨今ではありますが、若手選手たちと共にホンモノの戦いを提供できればと、選手育成の視点から再び練馬の地で開催する運びとなった」と語っている。
さまざまな経費がかかるなか、世界で勝つ選手を輩出するためには、日本国内での高いレベルの凌ぎ合い、そして、海外強豪との対戦経験はマストだ。
今回の練馬大会では、8試合中3試合に海外選手を招聘している。
メインイベントのライト級戦の元Bellatorのエマニュエル・サンチェス (米国)と、8戦無敗のエフェヴィガ雄志(TRIBE TOKYO MMA)の試合前には、コメンイの64kg契約で、地元の上田直毅(パラエストラ東京)が、キルクリフFCのティル・サン(KILL CLIFF FC)と対戦する。
そのセコンドには、ONE史上初の元二階級王者のマーティン・ニューイェンがついている。
「ティルはレスリングも強くて、とてもいいテイクダウンディファンスを持っている。対戦相手のテイクダウンを潰して、ダメージを与えて、1Rか2Rにフィニュシュするだろう」と話すニューイェンの隣りで、ティル・サンも「ここ日本のミャンマーコミュニティからも70人ほど来場してくれるんだ」と、気合十分に語ってくれた。
初の国際戦となる上田は、MMA11勝7敗2分。小学生から空手を始め、パラエストラ東京で柔術、キッズ修斗にも出場後、ZST等で2019年から2022年まで6連勝も、2022年1月の石渡伸太郎興行で現UFCの風間敏臣に一本負け。しかし、DEEP大阪で増田拓真に一本勝ちすると、2023年5月に福島啓太にカウンターの右ストレートでダウンを奪うなど判定勝ちで2連勝。2023年9月にはDEEP TOKYOのメインでDJ.taikiに挑むも判定負けした。
2024年3月の前戦では、DEEP大阪でMG眞介に判定勝ちで再起を遂げている。11勝中、5つの一本勝ち、6つの判定勝ちと組みを軸に粘り強い戦いを信条とする。
対するサンは、プロMMA6勝4敗。米国の名門キルクリフFCでトレーニングを積み、ONEで活躍するオンラ・ンサンの弟分でもある。
ミャンマーでチン州で4度レスリング王者に輝いたサンは、10歳で家族とともに米国へ移住。フリースタイルとグレコローマンでニューヨーク州選手権に出場し、ブラジリアン柔術でも活躍。ONE Championshipで3勝2敗1分。LFAで1勝1敗。『All In Combat』ではメインイベントも戦い、2勝1敗と勝ち越している。
空手ベースで左右両方で立ち会える上田に対し、オーソのサンは、ガードを固めての強いカーフと左右で圧力をかけてケージレスリングを挑むタフファイター。
上田は、地元の声援をバックに得意のグラップリングで極めることが出来るか。対するティルにも日本在住のミャンマーコミュニティから応援団が駆け付けるとのことで、練馬coconeriホールは熱い歓声に包まれそうだ。
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ティル・サン「日本で戦うことは夢だった」
▼64kg契約 5分3R上田直毅(パラエストラ東京/インプルーブ株式会社)11勝7敗2分 63.7kgティル・サン(KILL CLIFF FC)6勝4敗 64.0kg
──初回計量で100gオーバーも2回目ですぐにパスしました。
「減量はとくに大変じゃなかった。ホテルの体重計とちょっと違って、最初に100gオーバーだったけど、すぐに落とすことができたよ」
──対戦相手の上田直毅選手の印象は?
「上田は柔術と空手ベースで、グラップリングも打撃も左右どちらも強いね。でもキルクリフはベストMMAジムだから、ベストの打撃コーチもグラップリング・柔術コーチもいる。相手がどんなスタイルでも倒せる。戦う準備は出来ている」
──キルクリフではメインイベントを戦うエフェヴィガ雄志選手とも練習を?
「ユージとはチームメイトで兄弟のように思っていて、キルクリフでの出稽古のときは一緒に住んでいたんだ。彼は今回の試合でとても成長すると思う。彼の試合も楽しみだよ!」
──日本でも応援団が駆け付けると聞きました。
「日本のミャンマーコミュニティからも70人以上来場してくれるんだ。もっと売りたかったんだけど、チケットが完売だから、70人しか売れなかった(笑)」
──そんな応援団の前でどんな試合を見せたいですか。
「日本で戦うことは夢だったんだ。PRIDEを観てきたし、DEEP、RIZIN……様々な日本の団体の試合を見てきた。日本はマーシャルアーツの母国だ。だからこのTTFで試合を出来ることは誇りだ。打撃パート、レスリングパート、グラップリング……全局面でバイオレントに戦うのが好きなんだ。最もエキサイティングな試合を見せるよ」