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【ONE】ブルックスが一本勝ちでストロー級暫定王者に「パシオ、DJ、和田」を指名! バストスがケリーに判定勝ちでアトム級SUBグラップリング新王者に、内藤がマムーディのバックブローにKO負け、山北が猿田にスプリット判定勝ち

2024/08/03 09:08
ONE Fight Night 25: Brooks vs. Balart2024年8月3日(土)タイ・ルンピニー・スタジアム※U-NEXTにてLIVE配信中 ▼第12試合 暫定ストロー級MMA世界タイトルマッチ 5分3R ※キャッチウェイト(126ポンド/57.15kg)〇ジャレッド・ブルックス(米国)[1R 4分39秒 リアネイキドチョーク]×グスタボ・バラート(キューバ)※計量ミス※ブルックスがストロー級暫定王者に  ブルックスは、PANCRASEで活躍後、一階級上のUFCフライ級で2勝2敗。2019年12月の『BELLATOR JAPAN』で、越智晴雄に判定勝利。2021年11月にONEに初参戦すると、リト・アディワン、箕輪ひろば、ボカン・マスンヤネを撃破しランキング1位に浮上。  当時の王者ジョシュア・パシオに判定勝ちし、ONE世界ストロー級新王者となった。しかし、2024年3月の初防衛戦で挑戦者ジョシュア・パシオに頭から落とすスパイキングを見舞い、「DQ(DisQualified)」で失格となって王座を失った。  バラートは、2012年ロンドン五輪グレコローマンレスリング55kg級ベスト8から2015年にMMA転向。これまで3人の日本人選手と対戦し、2019年4月に和田竜光に判定負けも、2021年7月に澤田龍人を判定で下すと、2022年4月に猿田洋祐にも判定勝ち。  2022年10月にはアレックス・シウバの寝技を凌いでスプリット判定を制し、2024年1月には箕輪ひろばにもスプリット判定で勝利して現在4連勝中だ。  前日計量でバラートが時間内に計量/ハイドレーションテストを通過できず、試合はキャッチウェイト(126ポンド/57.15kg)で行われ、ブルックスが勝利した場合のみ、ONEストロー級MMA暫定世界王座を獲得する。バラートが勝利した場合、白星はつくがベルトは獲得できない。また、バラートのファイトマネーの25%がブルックスに渡される。  1R、開始すぐに詰めてブルックスは右ハイでバラートの上体を上げさせてダブルレッグテイクダウン! 立つバラートに首投げテイクダウンも決めるブルックスだが、スクランブルから上はバラート。クローズドガードの中から腹に拳を突く。  蹴り上げで突き放したブルックスは、立ち上がり、詰めて来たバラートをボディロックから大外刈でテイクダウン! 4の字ロックから右腕でリアネイキドチョークへ!  いったんはアゴ上で防いでいたバラートだが、左腕に組み変えたブルックスが喉下に入れてパームトゥパームで絞めると、その組み手を剥がそうとしたバラートだが、タップ。  黒帯を巻かれ、暫定ベルトを肩にかけたブルックス。試合後、ブルックスはストロー級正規王者ジョシュア・パシオ、フライ級王者デメトリアス・ジョンソン、そして和田竜光の名前を上げた。 [nextpage] ▼第11試合 アトム級サブミッション・グラップリング世界タイトルマッチ×ダニエル・ケリー(米国/王者)[判定0-3] 〇マイッサ・バストス(ブラジル/挑戦者)※バストスが新王者に。  ケリーは、ONEデビュー戦でV.V Mei相手に判定なしのドロー。2戦目はマリア・モルカノヴァにチョークで一本勝ち。2月の前戦は三浦彩佳の得意の首投げ、袈裟固めを仕掛けられるもバックを奪い判定勝ち。  2023年9月、ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2kg)王座決定戦でジェサ・カーンを判定で破り、王座に就いた。  バストスは、グラップリング界の超強豪。2019、2021、2022年IBJJF世界選手権48.5kg優勝。2023年はルースター級で優勝。ノーギでも世界選手権で46.5kg級と51.5kg級で優勝している。  2024年は、1月のアブダビ・グランドスラム東京のルースター級で優勝。1月27日にはIBJJF欧州選手権のライトフェザー級で銀メダル。2024年3月のONE初出場では山田海南江に判定で勝利し、今回の王座挑戦のチャンスを得た。  1R、先に引き込みを狙うバストス。離れるケリーにシングルレッグ狙いも突き放すケリー。なおも引き込むバストスがリバースデラヒーバからバック狙い。正対するケリーにクローズドガードのバストス。腰を上げ割って立つケリー。リバースデラヒーバをさせないケリーにシングルレッグを肩口に持ち上げトップへ。  ここは立ち上がるケリー。バストスはスタンドでバックを狙いながらアームロック狙いもインバーテッドに。潰したケリーが上からストレートフットロック、ヒールへ! すぐに足を抜くバストス。シッティングガードから近づくバストスはリバースデラヒーバからヒザを合わせに行くが、ヒザまで入れさせないケリー。バックは取らせない。  サドルの形を作ろうとするバストスにすぐにヒザを抜くケリー。下から攻めるのはバストス。さばくケリーは攻めが欲しい。左足にストレートフットロックからヒール狙いも、すぐに足を抜くケリー。しかし最後にヒールフックの形を作ったバストス! ここもヒザを抜いたケリー。  判定は3-0でバストスが勝利! 新王者となり大きなベルトを抱えたバストスはボーナスも獲得した。バストスは今夏のADCCでは前回の-60kgではなく-55kgで頂点を目指す、 [nextpage] ▼第10試合 バンタム級ムエタイ 3分3R×フェリペ・ロボ(ブラジル)[判定0-3]〇ナビル・アナン(アルジェリア / タイ)  ロボは2020年9月からONEに参戦すると、ヨードパノンムラン、ロートレックに判定勝ち。2022年3月、挑戦者の欠場を受けて急遽当時の王者であるノンオーの挑戦者に抜擢されたがKO負け。2023年4月の再起戦でセーマペッチをKOし、2024年2月にジョナサン・ハガティーのONEバンタム級ムエタイ世界王座に挑戦したが、3RでTKO負けを喫した。  アナンはテコンドー、空手(いずれも黒帯)を経てムエタイを始め、パタヤの地方スタジアムで経験を積んで2017年からルンピニーとラジャダムナンのメジャースタジアムに進出。2022年5月にはWBCムエタイ世界フェザー級王座に就いた。  RWS出場を経て、2023年6月にONE初出場にしてスーパーレックと対戦したが初回KOで敗れている。しかし、9月にはナックロップを右クロスでKO、12月には元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者の“エルボーゾンビ”ことムアンタイを判定で破り、2024年7月にはクラップダムをヒザ蹴りでKOしてみせた。また、2020年8月にはラウェイにも挑戦して勝利している。192㎝という規格外の長身で、戦績は35勝5敗1分。  1R、ともにオーソドックス構え。長身のアナンにロボは右ロー。アナンもスイッチして避けて右ローを返す。走り込んで右ローのロボ。左ジャブもアナンは左ミドルを合わせる。飛び込むロボをヒザで迎え撃つアナン。打ち下ろしの右を2発入れてゴング。  2R、左ジャブのロボ。しかしアナンの右ストレートが長い。詰めるアナンに右に回るが、アナンは右ローでロボの足を流す。  近い間合いの打ち合いも右を当てるのはアナン! スイッチしての左ミドルハイ。右ボディからの左に繋ぐ。右のテンカオに後方に飛ばされるロボ。アナンは左インロー、右ミドル、左ジャブとスピーディーに攻める。  3R、ワンツーから左インローのアナン。ロボは二段蹴りも掴む。左ボディから詰めるロボ。しかしアナンはアウトボクシング気味に左ジャブ、左テンカオ。ロボの右を見切り、左ミドル、右ストレートで押し戻す。  ロビの左ジャブに右ヒジを狙うアナン。さらにバックフィスト! かわしたロボもバックエルボーもかわすアナンは右ハイ、ヒジ。左の相打ちを先に当ててゴング。  判定は3-0でアナンが完勝した。 [nextpage] ▼第9試合 キャッチウェイト(63.0kg)ムエタイ 3分3R×デッドゥアンレック・ワン近オームMBK(タイ)4位 ※計量ミス[判定0-3] 〇ナックロップ・フェアテックス(タイ)  デッドゥアンレックは2023年2月に『ONE Friday Fights』に初参戦すると、9月までに4連勝。11月にナックロップにTKO負けで初黒星を喫している。前戦は2023年7月に対戦している内藤大樹と2024年4月に再戦を行い、判定で返り討ちにしている。  ナックロップはK-1に来日経験があり、2022年9月に朝久裕貴と対戦してKO負け。タイのテレビマッチで活躍し、激しい試合をするムエタイ選手として知られている。  2023年1月にONE初参戦、3連勝をナビル・アナンにストップされたが、その後は11月にデッドゥアンレックにTKO勝ち、12月にペットンローに判定勝ち、2024年4月には格上のムアンタイとパンチ&ヒジの大接戦の末に判定2-1で勝利。6月にタギール・カリロフを右縦ヒジで初回KOし、本戦契約を手にした。  前述の通り、両者は2023年11月に対戦してナックロップが勝利している。デッドゥアンレックは前日計量に失敗し、l試合は139ポンドのキャッチウェイトで行われ、報酬の25%が対戦相手のナックロップに渡る。  1R、先に圧力をかけるのはナックロップ。デッドゥアンレックは前蹴りも詰めるナックロップは左右のパンチ勝負。左ボディから右、上下に散らし回転速く詰める。右ローも突くナックロップにデッドゥアンレックはクリンチ。右ミドルも距離が足りず掴まれ、右を突かれる。  2R、下がりながらも右ジャブ、左ミドル、左テンカオで間合いを取るデッドゥアンレック。ナックロップの左右に左回り。ナックロップはボディロックで持ち上げ投げてしまう。  左ミドルのデッドゥアンレックに詰めてヒジ、右を当てるナックロップ! さらに右にクリンチのデッドゥアンレック。右ミドルをキャッチしての右のナックロップに、右を返すデッドゥアンレックだが、首相撲でこかしはナックロップ。右ハイを当てるナックロップだが、オープンフィンガーグローブで蹴り足を掴むナックロップは右を打ち込む。  3R、右を突くデッドゥアンレック。左右の足をシャッフルし、左ミドルを当てる。パンチ勝負のナックロップはワンツーから右ロー。左ミドルを掴んで右を打ち込む。互いに蹴り足を掴んでの右も、ナックロップは掴まれながらも右を効かせた、右ストレートでダウンを奪う!  立つデッドゥアンレックを追って左右のナックロップに、右ヒジを狙うデッドゥアンレック。そこにナックロップも右ヒジで飛び込み。出血するナックロップだが、前に出るのはナックロップ。右ローに右ストレートを返したナックロップはゴングにコーナーに登った。判定3-0でナックロップが勝利。 [nextpage] ▼第8試合 フェザー級MMA 5分3R〇シャミル・ガサノフ(ロシア)[判定3-0]×アーロン・カニャルテ(エクアドル)  1R、ともにオーソドックス構え。カニャルテは右カーフ。ジャブからダブルレッグテイクダウンのガザノフは立ち上がりのカニャルテをがぶり寝かせて立ち際にダース狙い。  首を抜いたカニャルテにすぐにダブルレッグも離れたカニャルテ。またも右ジャブを当ててダブルレッグテイクダウンもロープ間で外に出るカニャルテ。  ここもスタンド再開。今度は後ろ廻し蹴りからシングルレッグで右足をかかてボディロックで回すガザノフ。小手巻くカニャルテを詰めてボディロックテイクダウン!  立ちにがぶり合わせて後方に回す。カニャルテも再三立つがガザノフはノーアームギロチンで回そうとする。ゴング。  2R、左右からダブルレッグテイクダウウンはガザノフ。サイドを奪い、リストコントロールして腰を抱きバックへ。すぐに4の字ロックに巻いてリアネイキドチョークへ。カニャルテは後ろ手を剥がすが、がぶりからギロチンで後方に回したゴルツォフがコントロール。  3R、先に組むガザノフはボディロックテイクダウン。立ち上がるカニャルテをなおもボディロックしているガザノフはコーナーに押し込むが、クラッチを解除したカニャルテは正対。そこにダブルレッグテイクダウンはガザノフ。  バックから両足をかけてリアネイキドチョークへ。防ぐカニャルテにマウントに移行。スクランブルして立つカニャルテにバッククリンチ。ボディロックで持ち上げテイクダウン! 背中を着けさせたガザノフは、カニャルテの立ちを潰してコントロール。  判定3-0でカニャルテをドミネートしたガザノフが2連勝。MMA15勝1敗とした。 [nextpage] ▼第7試合 キャッチウェイト(65.99kg)ムエタイ 3分3R〇ドミトリー・コフトゥン(ロシア)※計量ミス[判定3-0]×フェラーリ・フェアテックス(タイ)  イタリアの高級車メーカーの名をリングネームにしたフェラーリは2016年頃からラジャダムナン&ルンピニーの両スタジアムで活躍。  2018年に7チャンネルスタジアム認定ライト級王者となり、2019年にはアマチュアムエタイ世界選手権のIFMAにて-63.5kg級で銅メダルを獲得。2019年3月のルンピニースタジアム認定スーパーライト級タイトルマッチではクラップダムに敗れて獲得に失敗。  2021年にはタイのスポーツ・ライターズ・アソシエーションが選定するファイター・オブ・ザ・イヤーに輝いた。これまでムアンタイ、ヨードレックペット、リッテワダから勝利を収めている。ONEには2022年9月に初出場し、ハン・ズーハオに判定で圧勝した。その後はファビオ・ヘイス、ファリヤ・アミニプールに連敗を喫したが、2023年8月からは4連勝している。  コフトゥンは計量に失敗、試合は145.50ポンドのキャッチウェイトで行われ、報酬の25%がフェラーリに渡される。  1R、サウスポー構えのコフトゥン。オーソのフェラーリはジャブ、右ロー、右ハイで牽制。右回りのコフトゥンも右ジャブ、フェラーリの右ハイを防ぐ。ともにインロー。  左右ボディストレートのコフトゥン。ワンツー。コフトゥンは右インロー。コフトゥンはワンツーの左を伸ばして前に。そこに右テンカオを狙うフェラーリ。右のリードジャブを細かく突くコフトゥンは左ミドルも。フェラーリもガード。  2R、先に前蹴りのコフトゥン。フェラーリはワンツーの右ヒジ。蹴りはコフトゥンがスウェイでかわす。フェラーリの前手のアイポークが2回目になりイエローカード。  再開。右回りでフェラーリの右ハイをかわすコフトゥン。首相撲」ヒザも互角。右ミドルのフェラーリにワンツーの左のコフトゥン。詰めると左ボディストレート。右ハイに右にかわして右フック。左ミドルハイも返す。フェラーリも右ミドル連打を当てる。  3R、右ハイをかわして右ジャブを突き、圧力かけるコフトゥン。右ボディストレートを突くフェラーリに左ボディストレートを返すコフトゥンは左ストレートでダウンを奪う! さらにワンツーの左も、右を返したフェラーリが逆襲し前に! しかし時間が足りない。  判定3-0でコフトゥンが勝利した。 [nextpage] ▼第6試合 フライ級キックボクシング 3分3R×内藤大樹(BELLWOOD FIGHT TEAM/同級3位)[3R 2分56秒 KO]※右バックハンドブロー〇エリアス・マムーディ(アルジェリア/同級5位)  内藤は、2019年からONEを主戦場にして連勝記録を更新。2020年12月にジョナサン・ハガティーに判定負けを喫したが、2021年6月のワン・ウェンフェン戦、9月のペッダム・ペッティンディーアカデミー戦でいずれも判定勝利し、2022年5月の「ONEムエタイ フライ級ワールドGP」のメンバーに抜擢されるも、初戦となった準々決勝でスーパーレック・キアトモー9に判定負け。  2023年は7月、10月と連敗を喫し、2024年3月15日に5カ月ぶり復帰戦でシャーゾット・カブトフを判定3-0で破り再起を飾ったのも束の間、4月のデッドゥアンレックとの再戦で判定負けを喫し、戦績を36勝12敗とした。  マムーディは2016年11月のK-1 WORLD GP初代フェザー級王座決定トーナメントに初来日し、準決勝に進出も小澤海斗に判定負け。2017年4月のKrushでは西京春馬に判定負け。  2018年6月のK-1 WORLD GP第2代フェザー級王座決定トーナメントでは村越優汰と延長戦まで戦ったが判定2-1で1回戦敗退。しかし、2019年1月のONEでは小笠原裕典に勝利し、2月にはWBCムエタイ・インターナショナル・スーパーフェザー級王座に就いた。  5月、ONEフライ級キックボクシングタイトルマッチでペッダム・ペッティンディーアカデミーに挑戦したが、マムーディが急所攻撃を受けて試合続行不可能となり、負傷判定で敗れ王座奪取ならず。2021年6月にONEでモンコルペット・ペッティンディーアカデミーに判定2-0で敗れ、約2年ぶりの試合となった2023年8月のエドガー・タバレス戦では初回TKO勝ちで復帰した。  1R、前に出るのはマムーディ。前蹴りから左右のフックを回転させ、内藤は右ローで応戦する。内藤が左ミドル、前蹴り、右カーフで距離を作り始め、マムーディも前蹴りからワンツーと前へ出る。左フックの相打ちから、内藤の左フックにマムーディがバックハンドブローでダウンを奪う。  立ち上がった内藤にマムーディはバックハンドブロー2連発、内藤はガードを固めつつジャブ、右カーフ。マムーディは顔面前蹴り、左右ボディからの左フック。マムーディの飛びヒザは内藤がかわして転倒させる。内藤がピンチを凌いだ。  2R、左右のカーフを蹴る内藤にマムーディは前進して右ミドルからワンツー。内藤はジャブを打つ。マムーディの左右ボディに内藤はワンツー。マムーディの顔面前蹴りで内藤はのけ反る。カーフを蹴る内藤だがマムーディの前進は止まらない。  マムーディの左右フックを内藤がダッキングでかわすとマムーディはヒザを突き上げる。左右カーフを蹴る内藤にマムーディは左フック、右ストレート。ボディと顔面を打ち分けるのはマムーディ。インローも蹴る内藤だが、マムーディの顔面前蹴りでまたものけ反らされる。  3R、マムーディの左ボディに左フックを合わせる内藤だが、マムーディの右ハイが頭部をかすめる。ジャブからワンツーにつなげる内藤にマムーディはバックハンドブロー。ジャブでマムーディの前進を止めにかかる内藤だが、マムーディの長いリーチからの左フック、右ストレートが内藤を襲う。  マムーディが左右フックからバックハンドブロー。余裕が出てきたマムーディは回転蹴りを多用したかと思えば、思い切りワンツーで前へ出てコーナーに詰まった内藤へヒザ蹴り。内藤はパンチで応戦するが、そこへマムーディがバックハンドブロー。  アゴにもらった内藤がまたもダウン。今度は立ち上がることが出来ず、マムーディのKO勝ちとなった。マムーディには35万バーツ(約150万円)のボーナス。次はタイトルマッチに挑みたいとアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 ストロー級MMA 5分3R〇山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We)[判定2-1]×猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS/Fight Beat Workout)  南新宿(代々木)Me,Weの山北は、2024年1月の東京大会でボカン・マスンヤネに判定負けするまで8戦無敗。3月のカタール大会でジェレミー・ミアドを相手に1R ブルドッグチョークで一本勝ちし、早々に再起を遂げている。  新宿(南新宿)和術慧舟會HEARTSの猿田は、元ONE同級王者。2019年1月にジョシュア・パシオに判定勝ちで王座奪取も3カ月後の再戦で敗れ王座陥落。その後、北方大地、内藤のび太との日本人対決に勝利するも、パシオとのラバーマッチでTKO負け。2022年4月にグスタボ・バラートに、2024年2月の前戦でマンスール・マラチエフに判定負けで3連敗中だ。  ともに強い組みを武器とするが、山北は、打撃を磨いてのレスリング&柔術で3つの一本勝ちを誇る。対する猿田は6KO・2SUBとトップを奪ってのパウンドによるTKO勝ちが多く、これまでサブミッションによる一本負けが無い高い防御力を併せ持つ。パウンドの名手・ベテラン猿田を相手に1敗のプロスペクト山北は、スクランブル合戦のなかでも極め切ることができるか。  両者は、徒歩8分の距離のライバルジムに所属するストロー級ファイター同士。新宿対決を制するのは猿田か山北か。 1R、前に出て圧をかける猿田に山北はジャブ。ダブルレッグを切る猿田。山北が右フックを放つと猿田も右フックを合わせに行く。山北がシングルレッグからスクランブルも上を取ったのは猿田。  山北はハーフガードから立ち上がろうとするが猿田が抑え込む。山北はオモプラッタ、猿田は持ち上げて解除し、再び上に。山北は両足で蹴って離すが猿田はすぐにパウンドの体勢に。山北は立ち上がろうとするが猿田は再び抑え込みながらコツコツと殴っていく。1R終了直前、山北が後転して立ち上がった。  2R、右のオーバーハンドの山北。打ち返す猿田にダブルレッグテイクダウン。すぐにバックを狙うが、腰をずらす猿田がトップに。首を抱える山北だが、対角に足を飛ばした猿田が上に。しかし、山北も身体を起してシングルレッグへ。右脇をすくい返されない猿田は、細かいパウンドを入れてトップに。  ここもヒザを立てる山北は前転から足を手繰りトラックポジションからバック狙い。しかしここもスクランブルでトップは猿田。脇をすく猿田は合間にこつこつパウンドし、左足がかわずに入ったまま場右で細かいパウンド。  足を手繰った山北がトップを奪い、がぶりからヒザ連打! しかし、ここもシングルレッグ猿田。首を抱える山北の上を取る。  3R、左右の山北に、カウンターの右を返す猿田。右の打ち合いでダブルレッグテイクダウンは猿田。胴クラッチで後方に返そうとする山北だが、コーナーまで押し込む猿田。そこに細かくパウンドは山北。頭を下げたままの猿田。  ブレーク。左ジャブ、右ストレートの飛び込みの山北に、猿田も左右細かいフック。左の飛び込みも、かわした山北は右。しかし、猿田はダブルレッグへ。がぶる山北に、今度は早めのブレーク。  左右の猿田は跳びヒザからバック狙い! 前に落とした山北も動きを落とさずバック狙い、スクランブルする猿田にオモプラッタ狙いも猿田も上に。ゴング。  両者ノンストップのスクランブル戦の判定は2-1でジャッジは山北を支持した。 [nextpage] ▼第4試合 キャッチウェイト(68.71kg)ムエタイ 3分3R〇ランボーレック・チョー・アッジャラブーン(タイ)※計量ミス[判定3-0]×クレイグ・コークレイ(アイルランド)※計量ミス  ランボーレックは2023年3月からONEに参戦。2連続KOでいいスタートを切ったが、その後は2連敗。2024年2月にソネル・シェンに判定勝ちで連敗を脱出した。  コークレイは2023年12月にONE初参戦もスーブラックに初回KO負け。今回が2度目の参戦となる。両者が計量に失敗し、この試合は151.50ポンドのキャッチウェイトで行われる。  1R、長身のコークレイは前蹴り、右ミドル、ワンツーで前へ出る。ランボーレックは右を繰り出すが距離があり空振り。コークレイはヒザも突き刺す。ワンツーから右アッパー。ランボーレックも右フックを見舞う。前に出てくるコークレイに右ストレート、前蹴りを放つランボーレックだが、コークレイは構わず前に出て首相撲に持ち込むが、崩し倒したのはランボーレック。  2Rもランボーレックは前蹴り、右ストレートでコークレイの前進を止めにかかるが、コークレイは組みついてのヒザ。しかし、ランボーレックは左ミドルを見舞い、左右のヒジ。ランボーレックの猛烈なヒジの連打にコークレイがガードを固めたところで、ランボーレックが右ボディストレートから右ボディフック。  これに身体を丸めるコークレイへランボーレックが左右フックを見舞うとコークレイは後ろを向いてしまう。コークレイは組みついてピンチを凌ぐと、再び前進を開始。逆にヒジを打ち、首相撲でランボーレックをコカす。  3R、前に出て圧をかけつづけるコークレイは組んでのヒザ、ヒジに持ち込む。ランボーレックは前蹴り、右ミドルで応戦し、距離が出来ると右ボディストレート。これまでのラウンドとは違い、自分から前へ出て攻撃を繰り出すコークレイは前蹴りでコークレイを吹っ飛ばす。ランボーレックの右ローにコークレイは右ストレート。コークレイは左右の縦ヒジ、ワンツーで距離を詰めて首相撲に持ち込む。それを右フックで迎え撃つランボーレック。  シーソーゲームを判定3-0で制したのはランボーレックだった。 [nextpage] ▼第3試合 バンタム級MMA 5分3R〇エンク・オルギル・バータルフー(モンゴル)[3R 4分59秒 肩固め]×カルロ・ブーミナアン(フィリピン/チーム・ラカイ)  1R、サウスポー構えのブーミナアン。オーソのバータルフー。左右で前に出るブーミナアン。ロープに詰めると小手で投げたバータルフーに潰したブーミナアン。バータルフーは下からキムラ狙いで立ち上がり。  ブーミナアンは左ロー。左ミドル。バータルフーは右ミドルで前に。ロープに詰めてダブルレッグテイクダウン。ロープ間に尻を出して落ちるバータルフー。再開はなぜかスタンドの組みから。コーナーに詰めるバータルフーはヒザ蹴りバッククリンチからヒザ入れゴング。  2R、バータルフーはスピンキック。徐々に圧力をかけるも右の蹴りにブーミナアンは軸足を払う。すぐに立つバータルフーに詰めるブーミナアンだがバータルフーはスクランブル。左右から頭をさげて組むブーミナアンにがぶりヒザ。徐々に圧力を強め、組みを切ったバータルフーはルオトロチン狙い、リアネイキドチョークへ。  腰をずらしたブーミナアンを再び両足をかけたバータルフーはリアネイキドチョークをパームトゥパームで絞める。しのぐブーミナアン。  3R、先に詰めてシングルレッグテイクダウンはバータルフー。ディープハーフガードに潜るブーミナアンを潰してがぶり。サイドバックから鉄槌。仰向けにさせてアームロック狙い。中腰まで戻すブーミナアンにがぶるバータルフー。前転したブーミナアンを潰してマウントからパウンド。ゴング直前に肩固めを極めて落とした。 [nextpage] ▼第2試合 キャッチウェイト (60.21kg) ムエタイ 3分3R〇アリーフ・ソー・デチャパン(タイ/マレーシア)[1R 1分37秒 KO]×ザカリア・ジャマリ(モロッコ)※計量ミス  アリーフは2023年4月からONEに参戦、リッティデットをTKOすると4連勝(3KO)を飾ったが、2024年4月にジャン・ペイメンに敗れて連勝が途切れた。7月のエリス・バルボーサ戦でも敗れ連敗中。  対するジャマリは2024年3月の『ONE 166』でアリ・サルドエフにKO負けも、5月の『ONE Fight Night 22』ではトンプーンに判定勝ち。  ジャマリが計量に失敗し、試合は132.75ポンドのキャッチウェイトで行われ、報酬の30%がアリーフに渡される。  1R、ローの蹴り合いからスタート。アリーフが左ミドル、飛びヒザ蹴りを放つとジャマリは左フックからのバックハンドブローを繰り出す。左フックで前へ出たジャマリにアリーフが右ハイキックを後頭部へカウンターで見舞い、ダウンを奪う。  両腕ブロックを固めるジャマリにアリーフは左右フックの連打を見舞うと、右ボディストレートを突き刺す。あからさまに効いた様子のジャマリにアリーフがワンツー。コーナーに崩れ落ちたジャマリを見て、アリーフは勝利を確信してのバック宙を連発。鮮やかなKO勝ちに場内も大きく沸いた。  アリーフは「どうしても勝ちが欲しかった。前回のバルボーザ戦はディフェンスに失敗した。リベンジしたい」と話し、4度目のボーナスを受け取った。 [nextpage] ▼第1試合 アトム級ムエタイ 3分3R×ユー・ヨウ・プイ(中国)[1R 0分49秒 KO]〇エイミー・ピルニー(スコットランド)  プイは壽美に判定勝ちしたことがあり、2023年4月からONEに参戦。初戦でNJKFに来日経験があり、元WPMF世界アトム級&S1レディース世界スーパーフライ級王者のザ・スターをKOで破ると、一気に『Friday Fights』で5連勝(3KO)。2024年3月に本戦に初出場するとララ・フェルナンデスに判定勝ちしている。戦績は28勝2敗。  ピルニーはアマチュアムエタイで多数の金メダルを獲得し、プロではWBCムエタイ・インターナショナル女子フライ級王座、ISKAイギリス女子スーパーフライ級王座、ISKAムエタイ女子ストロー級王座、ENFUSION世界女子52kg級王座、ライオンファイト女子スーパーフライ級王座などを戴冠。2015年、2016年、2019年にはUKムエタイアワードで年間最優秀女性ファイターに選出された。現在21連勝中でシルビア・ラ・ノット、ララ・フェルナンデスにも勝利している。 1R開始と同時にプイはパンチから首相撲、ヒザ蹴りの連打に持ち込むがビルに―がコカす。同じ展開が続いた後、前蹴りから前に出てきたプイにピルニーがカウンターの左フックを見舞い、プイは失神KO。ピルニーが恐るべき実力を見せつけた。
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