テイクダウンを奪い、コントロールから打撃に繋げていた藤井に、テイクダウンで背中をつけず座っても打撃を入れていた齋藤の判定はスプリットに割れた。(C)Keisuke Takazawa/GONG KAKUTOGI
2024年7月21日(日)午後6時から東京・後楽園ホールにて『プロフェッショナル修斗公式戦 2024 Vol.5』(「ABEMA」格闘チャンネル)が開催された。前日計量では、全11試合中、10試合に出場する選手が計量を一発でクリアしている。
メインイベントは、「世界バンタム級チャンピオン決定戦」。安藤達也(フリー)が、5月8日付けで返上したベルトを巡り、環太平洋王者で世界1位の藤井伸樹(ALLIANCE)と、3位の齋藤奨司(FIGHT FARM)が王座を争う。
▼メインイベント 第11試合 世界バンタム級チャンピオン決定戦 5分5R
×藤井伸樹(同級1位・ALLIANCE)60.8kg
[判定1-2] ※49-46, 45-50, 47-48
〇齋藤奨司(同級2位・FIGHT FARM)60.9kg
※齋藤が第13代世界バンタム級王者に
[レフェリー]片岡誠人
[サブレフェリー]
福田正人 45-50(1R 9-10/2R 9-10/3R 9-10/4R 9-10/5R 9-10)
田澤康宏 49-46(1R 10-9/2R 10-9/3R 9-10/4R 10-9/5R 10-9)
鍋久保雄太 47-48(1R 9-10/2R 10-9/3R 9-10/4R 10-9/5R 9-10)
藤井は、2022年に齋藤翼、石井逸人に判定勝ち。2023年7月に竹中大地に判定負けも、2024年1月に須藤拓真に判定勝ちで環太平洋王座の初防衛戦に成功している。
対する齋藤は約1年2カ月振りの復帰戦。“倒される前に倒して勝つ”津田沼魂を継承するスタイルで、ランカーの野尻定由、須藤拓真を立て続けに撃破するも、負傷箇所のメンテナンスを施す為、長期欠場を余儀なくされていた。
計量を60.9kgでパスした齋藤は、「FIGHT FARMの齋藤奨司です。この日のために1年かけて作ってきました。仕上がり最高です。明日、最高の試合をします」と意気込み。
藤井は、「最後まで集中して、5分5R、楽しみたいと思います」とゾンビ沼に引き摺り込む覚悟を見せた。
1R、ともにオーソドックス構え。ジャブ、右ストレートは齋藤。そのステップインにシングルレッグテイクダウンを合わせる藤井!
しかし尻は着くも背中は着かない齋藤は金網で上体を立てる。その立ち際に今度はダブルレッグテイクダウンの藤井。ここも齋藤は金網まで這い座ってヒジを背中につく。足も束ねる藤井だが、片足ずつ抜く齋藤はスタンドに戻すと右ハイ、左ジャブ、左フック、右ボディ。
2R、ジャブから蹴りの齋藤。藤井も左ジャブで応戦し、圧力を」かけてシングルレッグで金網までドライブ。その頭を腹の下に置く齋藤。
藤井はダブルレッグに切り替え、ボディロックに移行。左小手に巻く齋藤に右で差して崩す藤井を払い腰で投げて前に送り込む齋藤。
スタンドで左ボディ、右アッパーも突く齋藤。しかし藤井はシングルレッグから奥足の足首をつかみ引き寄せる。しかし足を抜き立つ齋藤。
そこに藤井はボディロックで回してテイクダウン! ここも尻着く齋藤に両足をまとめ、立ち際にダーティーボクシングをまとめる。
3R、遠間からジャブを突く齋藤に、ダブルレッグからシングルレッグに移行する藤井。足を水平に開いて中腰で頭を押さえる齋藤は突き放してスタンドに。
互いにジャブ。右フックを突く齋藤! 藤井は組みのフェイントから右を突く。ワンツーの藤井をかわす齋藤だが、金網を背にさせる藤井がシングルレッグテイクダウン! 尻を着いて上体を立てる齋藤はヒジを肩に突き立ち上がったところホーン。
4R、ジャブから右ボディを突く齋藤に、シングルレッグで寝かせる藤井。下の齋藤はヒジを側頭部に突くが、藤井はなおもシングルレッグで金網までドライブ、さらにダブルレッグに移行し、両足をまとめてテイクダウン!
右足を両足で固められ引き込まれている齋藤。今度は両足を引き寄せ束ねる藤井。しかし頭が下がるとそこに座っている齋藤も肩甲骨にヒジ! 藤井は両足を束ねたまま頭を上げて左右を顔面、腹にまとめる。齋藤が立ち上がりホーン。
5R、ジャブからボディストレート、右ストレートと散らす齋藤に、藤井はシングルレッグからバック狙いも足はかからず、前に落とした齋藤。
しかし間合いを作らない藤井は、シングルレッグで反対側の金網までドライブ! 左で小手に巻く齋藤を藤井はボディロックで回してテイクダウン! 下から頭にヒジを突く齋藤に、藤井は腰を抱き腕で頭を剥がして寝かせに。頭を押して金網まで這う齋藤。藤井のシングルレッグに齋藤は片足を抜こうとする。ブレーク。
残り1分、右を突く齋藤に藤井も打ち合いに。齋藤はマットを指して来いと合図。藤井もスタンドで打ち合い、ホーン。判定は2-1(46-49, 50-45, 48-47)で打撃のダメージが評価されたか齋藤が勝利。新修斗世界バンタム級王者に輝いた。
ベルトを巻いた新王者は、「FIGHT FARMの齋藤奨司です。大好きな格闘技が怪我で1年ぐらいできなくて、そこから藤井選手と頭の中で1年間戦ってきました。下馬評は不利だったと思うんですけど、自分を信じて、仲間たちを信じて一つのことを頑張り続けたらチャンピオンになることができました。特別才能があったわけじゃないですけど、一生懸命頑張れる性格に産んでくれたのは両親に感謝します。何より僕を強くしてくれたのは藤井選手なので藤井選手に大きな拍手をお願いします。そして、総合格闘技を始めるきっかけを作ってくれた高谷(裕之)さんありがとうございます。これからも自分を信じて仲間を信じて上に行くんで応援お願いします。仲間のおかげで取れました」と語った。