2024年7月27日(土)東京・後楽園ホール『Krush.163』にて、「第9代Krushバンタム級王座決定トーナメント」が開幕する。
4選手によって争われる今回のトーナメント準決勝で、峯大樹(若獅子会館)と対戦する白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス)のインタビューが主催者を通じて届いた。
白幡はアマチュアで多数の経験を積み、2018年10月にプロデビュー。2019年12月1日にはMuayThaiOpenスーパーフライ級王座を獲得。2021年2月にはKNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座も奪取。2022年3月、RIZINで吉成名高に挑むもTKOで敗れている。2023年2月にKrush初参戦で第6代Krushバンタム級王者・吉岡ビギンを再三の偶発的なローブローがあったものの判定で破った。2戦目で壬生狼一輝に敗れたものの、その後は2連勝している。戦績は15勝(1KO)5敗1分。
KOを理想としたファイトスタイルを、ここまでで作ってきた
──Krush初参戦から約1年半でタイトルのチャンスが巡ってきました。ご自分としては長かった?
「長いような、短いようなという感じですね。最初は、もっと早い段階で獲れると思ってたんですけど、ちょっと時間がかかったなという感じはします」
──K-1 GROUPに参戦してから、ここまでの戦いについてはいかがですか?
「2戦目で壬生狼一輝選手に負けたのが大きかったですね。あれでちょっと遠回りになったと思うので。でも今思えば、あの負けがあったからこそ成長できたのかなとも思えるので、これからはもう負けないようにやっていきたいと思っています」
──壬生狼戦で感じたことというのは?
「距離感の違いで、自分の甘さが出たのかなと思いますね。蹴りでポイントは取れていたと思うんですけど、ダウン一発で試合がひっくり返っちゃうというところまでは意識していなかったので、3分3Rという時間全て使って勝つということにこだわりながら練習するようになりました」
──またKrush、K-1のリングは倒して勝つことが求められますよね。そこについては?
「そうですね。K-1ももちろんなんですけど、Krushは特に、この前の6月大会とか見ててもすごくKOが多くて、やっぱりそこで倒せる選手が目立っていくのかなとは思います。だからKOを理想としたファイトスタイルを、ここまでで作ってきた感じです」
──そこは意識を変えないといけなかった?
「はい。ポイントだけで勝つというのも一つの勝ち方だとは思いますけど、一番明確な差が生まれるのはKOなので、倒すのが一番だよねと思うようになりましたし、そこは変わってきたかなと思います。前回の12月の試合から意識し始めたし、すぐにできるというタイプでもないので、長い期間待たせてしまったんですけど、やっと形になってきたかなとは思います」
──ちなみに今回、7ヵ月試合間隔が空いたのは、何か理由があったんですか?
「特にケガとかではないんですけど、新しくフィジカルの練習にも行くようになったりして、試合のタイミングを伺っていたという感じです。だからこのタイミングで王座決定トーナメントの話が来て、「やっとか」と思いました。ここでチャンスを逃しているようでは、K-1とかKrushでチャンピオンになれることはないと思うので。トーナメントの話をもらってから3ヵ月ぐらい、ずーっと練習しています」
──1人入れ替えがありましたが、トーナメント4人の顔触れについてはどう思いましたか?
「僕が獲らなきゃいけないトーナメントだなと思いました」
──優勝候補と言われている点についてはいかがですか?
「僕が勝つと思われている方がうれしいですけど、これまでには僕が負けると思われるような相手ともたくさんやってきたので、優勝候補と言われていることについてはそんなに気にしていないというか。実際に勝たなきゃ意味がないし、勝つのは本当に難しいことなので」
──今回の準決勝の相手、峯大樹選手の印象は?
「倒しに来ることもできるし、見て考えながら試合する時もあるので、どっちで来てもいいように対応してます。その2つのスタイルを使い分けてくると思うので、特に峯選手に対してというよりは、自分がどっちに対してもできるようにという感じでやっています」
──どういう試合にしたいですか?
「全てにおいて上回りたいですね。1~3R、全部上回った時に、たぶん相手がだんだん雑になってくると思うんですよ。そこで仕留められればと思います。最終的には倒すことを目標にしています」
──逆側のブロックで選手の変更があり、6月にお兄さんの白幡太陽選手に勝ったばかりの林佑哉選手が入りました。そこに関しては何かありますか?
「いや、どうでもいいですね(笑)。周りからは「仇討ちだ」って言われるんですけど、自分が仇討ちするということが、たぶんお兄ちゃんはそんなにうれしくないと思うんで。『お兄ちゃんが負けた選手にやり返してやる!』とかやってたらキリがないですし。でもまあ、林選手とやったら自分が勝つと思います」
──お兄さんとは同じK-1 GROUPで戦うようにはなりましたが、ジムは別々ですよね。そこはそれぞれで?
「そうですね。お互いの試合の応援とかは行きますけど、ジムを選ぶ時にも自分のchoose道筋があったので」
──白幡選手はK-1ジム総本部に所属していますが、今の練習環境はどうですか?
「いい感じです。週1回スパーリングがあるんですけど、試合がなかったこの7ヵ月間も毎週ずっとスパーをしてきたので、やっと試合ができるという感じです。軍司泰斗さんとか璃明武さんとか、出稽古の選手も含めて強い選手ばっかりだし、練習していれば満足というわけじゃなくて、しっかり作り込んでやっていたので、やっとそれをお客さんに見せられるという点で、すごく楽しみです」
──チャンピオン経験者も多いジムなので、刺激も多いですよね。
「はい、下の階級にも大鹿統毅選手とかもいますし、すごくいい環境だし、いいモチベーションで練習できてると思います」
──改めてタイトルへの気持ちはいかがですか?
「現時点では、今度の試合に勝たないとそこまで届かないということも含めて、いい意味であんまり意識していなくて。だから決勝の相手がどっちになるとかも正直どうでもよくて。今はとりあえず、峯選手に圧倒的に勝つということしか考えてないです」
──では最後に、この試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
「トーナメントの他のメンバーとは比べものにならないぐらい強いところを見せられると思うし、ベルトがどうこうというより、一戦一戦、圧倒的に勝つので、楽しみにしてほしいです」