約4年ぶりの後楽園ホール登場となる志朗。今回が最後の後楽園ホールでの試合になるとの話も(C)RISE
2024年6月30日(日)東京・後楽園ホール『RISE 179』にて、バンタム級(?55kg)3分3R延長1Rで“The Jewel”クリスティアン・マンゾ(アルゼンチン)と対戦するRISE世界バンタム級王者・志朗(BeWELLキックボクシングジム)が公開練習を行った。
前足重心でパンチ主体のミット打ちを行った志朗は、インファイトを意識した近距離でのパンチコンビネーションを繰り出すなど、ボクシング技術に磨きをかけたことがうかがい知れた。
狙っているのは蹴りです
――『ABEMA presents RISE ELDORADO 2024』で負傷した鼻の具合はいかがですか?
「全治1カ月ちょっとと言われていて、それまで安静にしつつ徐々にスパーリングとかをしていました。特に攻撃をもらってもいないので、普通に治りました」
――今は鼻に軽く攻撃が当たっても大丈夫なんですね。
「全然気にならないレベルになりました」
――全治1カ月の期間というのは、気持ち的にはどんな感じでしたか?
「完全決着をつけようと思っていたのがノーコンテストで終わってしまったので、その申し訳なさがありましたね。1ラウンド闘ってお互いに分かった部分があると思うので、当たりそうな攻撃や相手が狙っていた攻撃や危なかった場面とか、3分間しか闘っていないけど、チームでも話し合って分かったことは多かったです」
――再起戦が久々の後楽園ホールになりました。久しぶりに“聖地”後楽園ホールに出場する気分はどうですか?
「タイにいた時もどこでも試合をしていましたし自分たちは格闘家なのでどんな場所でもやるべきことは同じです。素直にどこでも試合をやるぞっていうスタンスなので、そんなに特別な感情もなかったです」
――後楽園ホールには何か特別な思い出はありますか?
「5ラウンド終了間際でのKOとか、1ラウンドKOの試合は後楽園ホールが多かったですね。あとはやっぱり観客との距離が1番近いじゃないですか。そういう意味も含めてすごい近くで見てもらえるので、観客全員にしっかり見てもらいたいです」
――リング上からは、リングサイドに座っているお客さんの顔ははっきり見えますか?
「見えていますね。後楽園ホールの雰囲気は格闘技の聖地なだけあって好きですし、自分が他の人の試合を見にいく時も後楽園ホールだったらテンションが上がりますし、見やすいので楽しんで行ってほしいです」
――今回の再起戦の相手は、アルゼンチンからやってくるクリスティアン・マンゾ選手になりましたが、試合映像はご覧になりましたか?
「何試合か見ましたけど、何をしてくるのか分からなかったです。日本人のスタイルはコンパクトにきれいにじゃないですか。だけどこの間の井上尚弥vsルイス・ネリのように軌道が読めないパンチが来るんじゃないかと思ったら、危ないパンチはあるのでそこは結構警戒しています」
――その井上vsネリのように、1ラウンドが要注意ということになりそうですね。
「1ラウンドが要注意ではあるんですけど、逆に1ラウンドからいけるチャンスはあると思うので、すぐに決めれそうだったら決めにいきます」
――先日のRISE WORLD SERIES 2024 OSAKAでの、田丸辰vsジョン・ヒョヌの試合はご覧になりましたか?
「見ましたけど始まったらすぐ終わっちゃったので、特に感想はないです。だけど蹴りは上手いなって思いますし、やっぱりトータルでできる選手だなというのは見ていて思いましたね」
――試合後に田丸選手は「秋に横浜で闘いましょう」と発言されていましたが、そのメッセージはどのように受け止めましたか?
「お互い思っている事だと思いますし、年内完全決着というのは自分たち選手にとって1番やってほしい事なので、そこに向けて今回は内容も見せていかないといけないなと思っています」
――今回のマンゾ戦をクリアしたら、田丸選手との再戦ということになりそうですか?
「そうですね。自分はそこも見据えて練習をしているので、今回の試合は期待してもらいたいです」
――先ほどの公開練習でのミット打ちが、重心もかなり前に出ていてボクシング主体に見えたのですが、ボクシングは今やり込んでいる状態なんですか?
「日によってボクシングとキックを分けているんですけど、今回はボクシングスパーも結構多めにやっていて、毎週違う相手とスパーしているので毎回違う攻略方法を考えなきゃいけないという面も含めて、いつもと違う練習ができました」
――どんなクラスの選手とスパーリングしていたんですか?
「クラスはそこまでトップではないですけど、プロボクサーの人でバンタムからスーパーフェザーなどいろんな階級、身長の人とやっていました。今回相手が外国人なので、何が来てもいいように対策も込めて色んなタイプの人とスパーリングしました」
「そういった点も含めて、パンチを振ってくる選手ともやりましたし、近い距離や遠い距離の選手など、ほとんどのタイプの選手とやりました」
――パンチの当て方に重視を置いているんですか?
「やっぱり蹴りの方が得意なんですよね。だからパンチだけになった場合でも、圧倒できなきゃダメだなっていう思いがあるので、キックとパンチだけの練習の日を分けて練習しています」
――ちなみに今度の試合は倒すとしたらパンチか蹴り、どちらになりそうですか?
「狙っているのは蹴りです。何パターンか見えているので、そこがはまればって感じですね。あと相手の身長も会ってみないと分からない部分がありますけど、パンチよりも蹴りの方を狙っています」
――蹴りと決めている理由はありますか?
「最近の練習で良い感じに蹴りが当たってきていて、狙っている技のタイミングとか距離感が分かってきて、『そこではまれば絶対倒れるでしょ』って感じの技ができてきているからですね」
――映像はあるにしても未知の相手だと思います。そういう相手と闘う時ってどんな気分なんですか?
「最近相手選手のセコンドかチームメイトか分からないんですけど、ちょいちょいインスタでDMが来たりリアクションみたいなメッセージが来るんですよ。海外らしいなって思うんですけど、そういう戦略なのか海外の選手は本当に何考えているのか分からないので気をつけなきゃいけないなと思いました。それがリングだと、日本人だったらジャブで来るところをフックやアッパーの連打で来るかもしれないので、そういった点もイメージしつつ練習しているので、何が来ても大丈夫です」
――セオリーにない動きをしてくるということですね。
「やっぱり南米なので、怖いなと思います」
――どんな内容のDMが来るんですか?
「自分が投稿したストーリーに『よろしく』みたいなメッセージが来て、面倒くさいからシカトしているんですけど、外国人らしいですよね」