2023年7月7日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX』において、「K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント」が行われる。
8名参加の同トーナメント開幕戦で玖村将史(日本/K-1ジム五反田チームキングス)がアントニオ・オルデン(スペイン)と対戦。玖村は、昨年3月にRISE・鈴木真彦から勝利。9月は金子の持つK-1スーパー・バンタム級王座への挑戦するも、延長で判定負け。今年3月にルカ・チェケッティから判定勝ちを収め、世界一を狙う。
スペインのオルデンは、7つのタイトルを持つベルトコレクターで、17年4月にK-1 WORLD GP第2代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント一回戦に参戦し、武居由樹と対戦するも、慣れないルールだったためか、ヒジ打ちの反則をしてしまうなどいいところなく敗北。23年10月には『ONE Friday Fights 36』でポンシリ・スージーバミーキアオから判定勝ちを収め、K-1へのリベンジとともに世界トップを目指す。
金子にリベンジするためだけに生活していた
――K-1WORLD MAXの-55kg世界最強トーナメント開催されます。ずっと世界を見据えて戦ってくる中、この舞台をどのように捉えていますか?
「第一に、まず金子選手にリベンジできる機会がこんなに早く来ると思わなかったので、そこはめっちゃ気合い入ってます」
――金子選手への4度目について語ってきましたが、優勝して55kg最強の証明ということにもなるかと思います。
「そこは間違いなく思っています。K-1のチャンピオンが一番で、いまその一番は金子選手なんで。K-1最強っていう称号と金子選手にリベンジできるっていう、どっちも優勝したら叶えられると思っているんでワクワクしてますね」
――昨年9月に3回目の対戦で金子選手に負けて、もう一回リセットしてここまで駆け上がったきました。この時間は、自分にとっては長かったですか短かったですか?
「長いようで短いような、短いようで長いような、常に自分と向き合って次やったら絶対負けないっていうリベンジするためだけに生活していました」
――こんなにおいしい場所はないという感じですかね。
「めちゃめちゃありがたい舞台を用意してもらえたなっていうか。ここで勝てば一気に行けるなっていう。絶対勝たないといけないなっていう感じです。モチベーションしかないぐらいで、何としても今回は優勝しようと思ってます」
――もちろん決勝戦の相手は、金子選手と見ているわけですね。前回の悔しい思いも含めて決勝戦。まず決勝戦どういう戦いをしたいですか?
「決勝戦も9月で、ちょうど1年、前回から1年ぐらいなんですけど、そこで1年でどれだけ成長したか、お互い多分成長してると思うんすけど、その成長の差を見せて、この1年どれだけ強くなるためにやってきたかっていうのを見せて勝ちたいです」
――この1年は、かなり追い込んで練習してきたと。
「そうですね。練習もしてきたし、頭ももうひたすら考えて自分と向き合って、どうすれば強くなれるかっていうのを今まで以上に考えてやってきました」
――負けるということも自分にとって大きかったのでしょうか。
「負けたほうが得るものは大きい。そういう部分では大きかったなと思うし、負けをプラスにするしかないと思っていたので、ずっと。だからプラスにできてるんで、それをあとはもう一回リベンジして結果で出したいなと思っています」
――対戦相手のアントニオ・オルデン選手は、映像とかをご覧になって、どんな選手と分析されていますか?
「身長が大きくて、ムエタイスタイルのサウスポーで上手く戦ってくる選手かなっていうイメージですね。前回の相手もサウスポーだったので、その感覚をずっと残ったまま、今回もサウスポーで決まったから続けていいイメージで対策をできています」
――オルデン選手と戦った際の注意すべきところは?
「距離を取ってミドルでポイントとか取ってくれるタイプなんで、たまにハイキックとかも蹴ってくるため、そういう1発は気をつけないとなと思ってます。左の蹴りの殺傷能力は高いと思うので、そこは気を付けたいなと思ってます」
――逆に自分が彼より勝っている部分ていうのはいっぱいあると思いますけど、特にどこだと思います?
「トータル的には持っているんですけど、一番スピードは間違いなくレベルの差は圧倒的にあると思います」
――オルデン選手はK-1で武居由樹選手と戦いましたが、その時は階級上のチャレンジ。なかなかアジャスト出来ない印象でした。
「もう7年前とか、それぐらいで多分、今の方が強いと思う。K-1ルールにはまりきってないなっていうところは、見てて思いました。でも、最近の試合とかを見たら、やっぱり全然レベル上がっているし、強くなってるなとは思います」
――不気味な印象があります。
「自信しかないですね。今回はもう倒したいなっていう。今回は倒しに行こうかなと思ってます」
――その自信はどこから出てくるんですか?
「自分のレベルが上がっている、成長してるのを体感できますし、何よりも今回の試合に対する思い入れが全然違うというか、いつも以上に気合い入ってるんで。今回は倒して日本人の強さを見せたいなと思ってます」
――金子戦を見据える中で、オルデンに苦戦してる場合じゃないって感じですか。
「間違いなく強い選手なのであれなんですけど、でも自分が目指してるところはこのレベルじゃないんで、圧倒的に倒したいですね。でも、外国人のメンバーでは一番強いなと思ってます」
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僕が出たからには絶対面白いトーナメントにする
――決勝戦を見据えて特に集中してどういうところを鍛え直しました?
「ひたすら自分を見つめ直して、どの状況にあっても、自分の動きを出来るっていう自分のスタイルを貫き通すっていうことをイメージして練習してきました」
――先のビジョンとか見えていますか?
「海外の名前のある選手とか、有名な団体の選手を倒していって。間違いなくK-1が世界で一番の団体って言われる、みんなが認めるような団体にすることが目標です」
――他団体でも、各階級の世界トーナメントを開催しています。K-1を背負う気持ちが強いと。
「それを証明するために、僕はK-1にずっといるんで。K-1でやっているのは、そこを証明したいから昔からやってきてるんで。そこをやっと今、今回優勝したらその現実的に戦っていけると思う。今回優勝して、K-1が一番っていうのを世間にもう一回認めさせるためにやっていきたいです」
――玖村選手のK-1愛は、かなり強いと感じます。
「K-1は大好きですね」
――3月に70kg世界トーナメントで日本選手が全滅しました。この階級は違うぞというのを見せたいですか?
「日本人の強さを見せつけたい。そのためにも決勝は日本人同士でやりたい。でも日本人4人が全員勝ち上がったら、あまり面白くないと思うので、準決勝とかを外国人とやりたいですけど。でも決勝は日本人同士で、世界一のレベルの高い試合を見せて勝ちたいです」
――決勝はもう玖村選手と金子選手で間違いないと。
「はい。もう間違いないです。決勝で金子選手にリベンジして、今回は絶対に優勝します」
――金子選手に勝ったら、2勝2敗になりますね。
「そうしたら55kgのタイトルを懸けて、もう一回やりますよ」
――金子選手しか見てないと思いますが、璃明武選手については?
「全く興味が湧かないです」
――あとは大久保琉唯選手については、いかがでしょうか。今回、大久保選手が入ることによって疑問視する人たちのアンチコメントとかもありました。
「みんなと同じ意見はありますね。でも、若くてこれからの選手なんで、たとえば仮に準決勝で当たったりしていい勝負をしたら逆に盛り上がるのかなと思いますけど。でも、まだこれからの選手なので、ここで潰しちゃってもいいのかなみたいな」
――潰れると思っているんですか?
「壊しちゃってもいいのかなって。当たったからには、もう全力で倒しに行くんで。やっちゃっていいのかなっていう感じですね」
――それは、むしろ実現してほしいですね。玖村選手がSNSで、「このメンバーで世界一か」みたいなことを書き込んでいたので、本音を聞きたかったんです。
「やっぱ、そうですね。日本人のレベルがちょっと落ちちゃってるっていうのを感じて。日本人4人で、世界一決めるにはどうなのかなと正直思ったところもありますね」
――自分と金子選手でいいと。
「そうですね。でも、K-1はいつも日本人4人、外国人4人ていうのがあるので。だから準決勝を外国人とできたら、そこは何も変わらないのかなと思っています。逆にこういうトーナメント出たからこそ、何かイレギュラーなことがあって、面白くなるかも分かんないし、普通に僕と金子選手が勝って決勝で当たるっていうのもあるかも分からない。どっちになっても僕が出たからには、絶対面白いトーナメントにしようと思ってます」
――前回の金子選手との試合は延長までいきましたけど、あの4ラウンド全てフルで全力で戦って全部出し切った印象がありました。あのさらに上っていうのが、あるのかなとは思います。
「逆に真面目に戦いすぎたというか勝負をしすぎで、全力真っ向勝負で勝とうみたいなスタイルになってしまいました。自分のスタイルではなかったなって思いましたね。自分のスタイルじゃないところで、勝ちたいっていうのがあって、付き合っちゃって向こうのペースで勝ちたいっていうのがあって。そこで戦っちゃったなっていうのが敗因の一つかなと思ってます」
――なるほど。では、もしも金子選手と当たったら違う展開になると。
「全く違う展開に。同じ戦いは絶対しないです」