世代交代としての責任は果たさないといけない
――何歳の時に、ブルガリアからオランダのマイクスジムへ移籍したのですか?
「22歳です。ブルガリアでは15歳でムエタイを始めて、6、7年くらい練習していました。ヘッドギアや足パットを装着してアマチュアで60試合くらいやって、プロになるためにオランダへ来ました」
――オランダには有名なキックボクシングのジムはありますが、マイクスジムの優秀な所、気に入っているところはどこですか?
「ジムに入ったキッカケは、自分の仲のいい友達がマイク会長と仲良しだったからです。一回紹介してくれて、すぐにジムへ入りました。マイクスジムでトレーニングをすると、すごく自分のコンディションが良くなっていって、100%の準備ができることがわかるようになりました。何かを変える必要はないので、ずっとマイクスジムにいます」
――自分に合っていたんですね。
「それにマイク会長は素晴らしいコーチだけではなく、非常に素晴らしいマネジャーでもあります。マイクスジムが、もしかしてヨーロッパで、いや世界で一番有名かもしれません。彼は指導力だけではなく、自分のレベルに見合ったステージにいかせてくれるとても優秀なマネジャーです。だから、入りました」
――そうだったんですね。ブアカーオ戦に向けてチームで分析をしていると思いますが、憧れだった当時と今のブアカーオ選手を比べて衰えを感じていますか?
「パンチのリズムとか、ディフェンスが衰えていることは感じています。でも、まだ体が強く、パンチやキックの強さがあると思っています。タイミングは遅くなっていますが、彼の一発一発は強いので十分舐めてはいけない相手です。十分に気をつけないと、まだまだ危険です」
――現在のK-1を代表して、過去のレジェンドとやることになりました。今のK-1を背負って立つことに対してはどういう思いがありますか?
「そういう機会をもらえたことに、まず感謝しています。例えば、違う枠に入っていたら、誰かが先にブアカーオと戦って勝ってしまえば、戦うチャンスはなくなるわけですからね。
そして感謝と同時に、自分の責任も感じています。キックボクシングというスポーツが進化していて、次世代のファイターが進化していることを証明しなければいけないわけですから。ブアカーオは非常に尊敬していますが、世代交代としての責任は果たさないといけないと強く感じています」
「KOは常に狙っています。だけど、それを重視して結果負けてしまったら意味がないので、あまり強く意識しないようにしています。彼の弱点を把握しているので倒すためにベストを尽くしますが、勝つための目的を見失うことなく彼と戦います。次世代が昔と比べて、技術もコンディションも力も優っていることを証明します」
――敗者復活としてトライするわけですが、優勝への意気込みは強いですか?
「今はモチベーションがすごく高くて、コンディションも抜群で怪我はないです。勝利に向けて、私を止めるものは何もないと思います。じつは前回の試合は、怪我で思い切りパンチが打てない状況だったので、今は万全の体勢で試合ができるので楽しみにしてください」
――最後にファンへメッセージをお願いします。
「前回は負けてしまって残念でしたが、もともと6月13日の試合に向けてとてもハードなトレーニングを重ねていましたので、コンディションは整っています。オウヤン・フェンの突然の棄権が自分のベストコンディションと重なったことは、まだ私に運があったということ。全ての出来事は何かの意味をもっていると思います。私がブアカーオというレジェンドを倒し、決勝でムシンスキにリベンジすることができれば最高のシナリオ。そうなるように、みなさんの応援をお願いします!」