キックボクシング
レポート

【ビッグバン】星龍之介が豪快KO勝ちでヘビー級王者に、琢磨が完勝で王座防衛、昇也がダウンを奪い山際和希を破る、宮﨑勇樹が2度のダウンを奪って王座挑戦権を獲得、林京平がMA王者に圧勝で目黒翔大との再戦アピール、松下大紀が判定2-1で接戦を制す

2024/06/16 19:06
ビッグバン・統一への道 其の492024年6月16日(日)東京・後楽園ホール ▼第12試合 メインイベント第2試合 ヘビー級タイトルマッチ 3分3R ビッグバンルール×木村太地(TEAM RHAPSODY/Bigbng/王者)KO 1R 2分14秒 ※3ノックダウン〇星龍之介(POWER OF DREAM/挑戦者)※星が第5代王座に就く。  木村は第12回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス +75kg優勝、第40回K-1アマチュアチャレンジAクラス +75kg優勝を経てプロデビュー。2023年5月のKrushでは坂本にK-1でKO勝利している丸山公豊に判定勝ち。2023年9月、K-1で京太郎らと対戦した坂本英則を破り、第4代王座に就いた。2024年3月にはK-1に初登場し、藤倉悠に判定勝ち。戦績は5勝(3KO)2敗。  星は極真会館『第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会』で第6位に入賞するなど空手で活躍してキックボクシングに転向。Krushで2連続KO勝ちし、2023年1月のビッグバンでは3戦目にしてBigbangヘビー級王者・坂本英則もKO。3月にはAKIRA JrもKOした重量級のホープ。7月、カルロス・ブディオにKO負けで初黒星を付けられ、12月にも山口翔大にKO負けと連敗中。戦績は4勝(4KO)2敗。  1R、開始からアグレッシブに前へ出て左右フックとローで攻めていく木村だが、星は落ち着いてジャブ&ロー。すると木村はK-1ルールにはないワンキャッチワンアタックのつかんでのヒザ蹴りを多用する。星はこれにも動じることなくワンツーがヒットすると木村をコーナーへ追いつめ、右ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。  苦笑いを浮かべて立ち上がった木村はやはりワンキャッチからのヒザに活路を求めるが、星はステップインしてのジャブ、さらに右ストレートで木村をグラつかせる。木村が左右フックで打ち合うと星もこれに応じてパンチの応酬となるが、左フックで崩れ落ちたのは木村。  もう後がない木村へ襲い掛かった星は一気にパンチをまとめ、最後は左フックで木村はマットに沈んだ。まさにヘビー級の迫力と魅力が詰まった試合に場内は大きく湧いた。  プロ初のチャンピオンベルトを腰に巻いた星は「第5代ヘビー級王者になりました。自分2連敗していろいろなこと考えたんですけど、それでも勝てたのは会長をはじめジムの皆さん、スポンサーさん、家族、友人、応援してくれた皆さんのおかげで今日こうなったと思います。ありがとうございます。 でもこれでゴールじゃないので、この自分が王者になったからにはビッグバンのベルトの価値を高められるように自分が頑張るのと、もっと上を目指して、この階級は世界なので世界へ向けてビッグバンのベルトの価値を高められるように慢心せずに高めていくのでこれからもよろしくお願いします」と、王者になってさらに気を引き締めて世界を目指したいと語った。 [nextpage] ▼第11試合 メインイベント第1試合 スーパーライト級タイトルマッチ 3分3R ビッグバンルール〇琢磨(OFA/王者)判定3-0 ※30-28×2、30-27×ポッシブル K(K'growth ジム/SB日本スーパーフェザー級1位/挑戦者)※琢磨が王座防衛に成功。  琢磨はパンチが武器で、2017年2月にNJKFフェザー級王座を獲得。同年11月にはWBCムエタイ日本王座にも就いて二冠王となったが、2019年2月に葵拳士郎に敗れて王座を失った。2021年2月にはレジェンドの国崇を右ストレートでKO。様々な団体に出場。2023年9月の王座決定戦で加藤港を破り王座に就いた。  ポッシブルはシュートボクシングを主戦場にしながら、様々な団体に出場。2023年12月3日には『Bigbang』でMA日本ライト級王者・平澤優聖を2RでKOして6連勝を飾ったが、同月25日の香港遠征でヒュン・ツェイ・ヘイデンに判定で敗れ連勝がストップ。2024年2月のスックワンキントーンでは小林司に判定勝ち。4月のスックワンキントーン スーパーライト級王座決定戦3分5Rで健太に敗れ戴冠ならず。20勝(9KO)15敗。  1R、ポッシブルは左右ローを蹴り、琢磨はローを蹴り返しつつ、いつも通り身体ごと伸ばす右ストレートを顔面とボディに放っていく。琢磨の右ストレートがヒットする場面が目立った。  2R、ポッシブルはガラッと戦い方を変えてアグレッシブに攻め、左オーバーハンドをヒット。右ボディも。ロー、カカト落とし、ハイキックと繰り出すポッシブルの蹴りを琢磨はさがってかわすが、1Rほど右ストレートが当たらない距離に。しかしラウンド終了間際、ショートの距離で琢磨の右が強烈にヒットし、ポッシブルが大きくバランスを崩した。  3R、ガムシャラに突っ込んでパンチを当てに行くポッシブルだが、琢磨は当てさせず。ポッシブルの蹴りにも蹴りを返して譲らず。ところどころで右もヒットさせ、琢磨の完勝となった。  琢磨はマイクを持つと「ポッシブル選手は7連勝くらいしていて、毎日結構憂鬱で。ポッシブル選手もシュートボクシングで1位だと思うし、ベルト全然届くし、一緒に頑張っていきたい」とポッシブルへエール。そして「前回ベルトを獲るまで5連敗してしまって、今は5連勝なんですが、毎日苦しいことがあるけれど表裏一体で、そういうことの裏にはいいことがある」とメッセージを送った。 [nextpage] ▼第10試合 3分3R 65.5Kg契約 ビッグバンルール×山際和希(谷山ジム/第7代Krushウェルター級王者)判定0-3 ※29-28×2、29-27〇昇也(士魂村上塾/元Bigbangスーパーライト級王者)  山際は2009年に全日本学生キックボクシング連盟ウェルター級王者となり、プロデビュー後も順調に勝ち星を積み重ね、2015年6月にBigbangウェルター級王座を獲得。2017年2月まで11連勝を記録した。K-1 JAPAN GROUPには2013年から参戦し、2020年8月の第7代Krushウェルター級王座決定トーナメントで連続KO勝ちして悲願だったKrush王座に君臨したが、2021年1月の初防衛戦に敗れて王座を失った。前戦は2023年12月にヴィトー・トファネリとドロー。40勝(13KO)21敗5分。  昇也は2019年12月のBigbangで行われた王座決定戦を制して第4代Bigbangスーパーライト級王者となった。2021年4月にKrush初参戦を果たし、迅也に先制のダウンを奪われるも逆転KO勝ち。7月には瓦田脩二に判定負け、10月もバズーカ巧樹に敗れて連敗し、2022年1月のBigbang王座防衛戦では増井侑輝に判定負けで王座を失った。しかし、7月に三宅祐弥に初回KO勝ちすると10月には瓦田脩二を延長戦の末に判定勝ちでリベンジ成功。サウスポーから多彩な蹴り技を繰り出し、左フックを強打するタイプ。前戦は琢磨に敗れている。20勝(8KO)12敗2分。  1R、山際は距離を取って右ミドル、昇也は右フックから入っての左ストレート、バックハンドブローでも距離を詰める。離れて戦いたい山際と近距離で戦いたい昇也のせめぎ合いとなる。  2Rも同様の展開だが山際は昇也の入り際に左右フックも合わせていく。強引に入る昇也はフックを当てようとすると両者接近しすぎてクリンチ状態に。そこでは山際がヒザを蹴る。  3Rはさらに両者が距離を詰めてもみくちゃのクリンチ状態が何度も続く。どちらかが一発当てては組みつくという展開。しかし、残り時間わずかで組みつく山際を振り払うように右フックから左フックを振るった昇也がダウンを奪う。山際が立ち上がったところで試合終了のゴングが鳴り、昇也の勝利となった。 [nextpage] ▼第9試合 フェザー級挑戦者決定戦 3分3R 延長1R ビッグバンルール〇宮﨑勇樹 FLY SKY GYM/MY GYM/MA日本キックフェザー級王者)判定3-0 ※29-26×3×田中 聡(K-1 ジム三軒茶屋シルバーウルフ)  宮﨑は2018年5月に大野貴志を破ってMA日本キックボクシング連盟フェザー級王座に就いた。Krushには2021年9月に初参戦して立基に判定勝ちも、2022年3月には石田龍大、2023年5月には佑典に敗れている。2024年3月、小巻海斗からプロ初のKO勝ちを飾った。戦績は13勝(1KO)13敗3分。  田中はK-1グループの新鋭で戦績は4勝(3KO)2敗。  1R、宮﨑はジャブ&右ローで前へ出ていくと、田中がジャブを伸ばして入ってくるところに右クロスを合わせてダウンを奪う。ダメージの回復に努めて回り込む田中に、宮崎は「来い」と挑発。  2R,宮崎が攻勢を仕掛けるが、田中もローで反撃。宮崎はジャブ&右ストレートをヒットさせるが、パンチの引き際に田中が左ハイを放ち、2度もかすめる。  3R、逆転を狙う田中は打ち合いの中で左右ハイキックを放つ。宮崎も打ち合いに行き、足を止めての打ち合いでは右フックをヒットさせてダウンを奪う。田中はパンチにハイキックも織り交ぜて逆転を狙うが宮﨑は一歩も引かず前へ出てパンチを打ち合いに行く。  宮﨑は「めちゃ気持ち強くてKO率も高かったので不安でしたがみんなのおかげで勝つことが出来ました。父の皆さんいっぱいいると思うので、今日は奥さんに甘えていっぱい飲んでください」と勝利を喜ぶ。  リングに上がった王者・竹添は「目の前で試合を見ててバチバチ打ち合っていたので、スーパービッグバンでも僕とバチバチ打ち合っていい勝負しましょう」と宮﨑の挑戦を受けた。 [nextpage] ▼第8試合 3分3R 61.5Kg契約 ビッグバンルール〇林 京平(湘南格闘クラブ/元Bigbangライト級王者)判定3-0 29-27×2、30-27×平澤優聖 (士道館植野道場/MA日本キックライト級王者)  1R、林はジャブを突いて右カーフを狙い撃ち。かと思えば左右フックをまとめ打ち。平澤はこれに翻弄されるが、前蹴りで距離を取り、ミドルを当てに行く。  2Rも林は右カーフを蹴りつつ、飛び込んでの左フック。左ボディを打ち、もう一度打ってからの左フックでダウンを奪う。立ち上がった平澤は猛然と打ち合いに行き、左フックをヒットさせる。  3R,左フックと左ボディをヒットさせていく林に、平澤はローとミドル、ヒザ。林は左フックのヒットを重ねていき、左フックをフェイントに左ボディ。打ち合いになると左右フックを平澤よりもコンパクトに当てていき、判定3-0で勝利を収めた。  林はマイクを持つと「目黒(翔大)選手とドローになっていて、今度のビッグマッチでもしよかったらタイトルマッチで僕と戦って下さい。父の日ですが僕の父は病気になってしまって来てないんですけれど、キックボクシングを始めたのも父のおかげなので、父に感謝したいです」と、Krushの目黒との再戦をアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 3分3R 70Kg 契約 ビッグバンルール〇松下大紀 (BELIEVE MAN)判定2-1 ※29-28、28-29、30-29×KONZISIBADBOY(=コンジシバッドボーイ/KUNISNIPE 旭)  1R、ほぼジャブ&右ローのみで前へ出ていく松下。時折放つ右ストレートでKONZISIを下がらせる。KONZISIも右ローを蹴っていく。  2Rも長いジャブから右ローを蹴っていき、右ストレートにつなぐ松下。しかし、KONZISIのロー、左右フックをもらって疲労の色が濃くなってくる。手数も減り、逆にKONZISIに圧をかけられる。  3R、手数を増やしてパンチ&ローのKONZISIに松下はジャブを突いて前へ出る。右ストレートにもつなぐ松下。KONZISIはパンチ&ローのコンビネーションで手数が多く、松下はジャブのヒットを重ねる。  接戦は松下が判定2-1で制した。 [nextpage] ▼第6試合 バンタム級挑戦者決定戦 3分3R延長1R ビッグバンルール×鈴木太尊(谷山ジム小田原道場)判定0-3 ※26-30、25-30〇井上海山(POWER OF DREAM)  1R、井上はパワフルなフック&ボディで前へ出て攻め、ローキックも強い。鈴木は圧に上がる形となり、ジャブと右ローで迎え撃つが手数は少なめ。  2Rはさらに井上が鈴木を負いまわす形に。パワフルな左右フックとボディを放っていく井上に、鈴木も打ち合う場面があったがやはり手数が少ない。  3Rは鈴木が反撃に出て右ストレートをヒットさせる。両者がもつれて倒れ込む乱戦となり、井上が左目上からドクターチェック。鈴木も鼻血でドクターチェックを受けて再開。いきなり両者足を止めての打ち合いとなり、井上が右フックでダウンを奪う。追撃の手を休めない井上に鈴木は飛びヒザ蹴り、右ストレートで逆転を狙うも2度目の打ち合いでもダウンを奪われ、井上の大差判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第5試合 3分3R 67.5kg契約 ビッグバンルール〇水上陽生(ポゴナ・クラブジム)KO 2R 0分7秒 ※右フック×狂介(M-BLOW/WCLtuch ウェルター級初代王者)  1R、フットワークを駆使して動き回る狂介は飛び込んでの左右フック、ハイキック。水上はじりじりと距離を詰めてパンチを狙っていく。右フックをヒットさせた水上が連打で追いつめるが、狂介が右フックで逆襲して連打で追いつめた。  2Rが始まってすぐ、水上の右フックがクリーンヒットし、狂介は豪快にダウン。担架で運ばれる壮絶KOとなった。 [nextpage] ▼第4試合 3分3R スーパーバンタム級 ビッグバンルール〇蘭丸 (team AKATSUKI)判定2-0 ※29-29,29-28、30-29×龍生(ALONZA ABLAZE)  1R、サウスポーの龍生は左ミドルを多用。蘭丸は圧をかけてパンチを出していき、龍生はそれをもらっても必ずパンチを返す。終盤、ヒザをボディへ突き刺した蘭丸。  2R、蘭丸はボディストレート、左ミドル、ヒザでボディ狙い。龍生は左インローでカーフを蹴り、左ローも蹴っていく。  3R、蘭丸はボディ攻め、龍生はローに加えてボディと我慢比べの様相を呈す。前に出るのは龍生だが、蘭丸がボディに加えて左右フックも当てていき、手数でも上回った。  蘭丸が判定2-0で勝利をもぎ取った。 [nextpage] ▼第3試合 3分3R 57.5Kg 契約 ビッグバンルール〇石川 慶(team NOVA)判定3-0 ※30-26×2、30-27×湯本剣二郎(team NEO)  1R、石川は左右ミドルと左右ローの蹴り主体。そこに右を合わせようとする湯本だが、石川はパワフルなフックを繰り出す。  2Rも左右ミドルで前へ出る石川。左フックをヒットさせ、左右ボディを叩いたところで湯本の右ストレートを浴びて形勢逆転。それでも石川がパワーで前へ出て左右フックを当てる。  3R、ジャブを細かく当てる湯本だが、石川のパワフルな左右フックに追われる展開に。石川は左右フックから左ハイ。さらにヒザ蹴りを突き刺すと湯本の動きが鈍り、試合終了直前に石川がなぎ倒すような右フックでダウンを奪いダメ押し。判定3-0で石川が勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 3分3R フェザー級 ビッグバンルール×高田 優 (湘南格闘クラブ)判定0-3 27-29×3〇寛心(士魂村上塾)  1R、余裕を見せて回転技を繰り出した寛心が、回転したところに右ロングフックを合わせて高田がダウンを奪う。  2Rは寛心が逆転を狙って右ローと右ストレートで荒々しく攻め、高田も右ストレートで反撃も勢いに押される。  3Rも寛心の気迫に押される高田は下がり、クリンチが多くレッドカードが提示される。最後は打ち合いにいった高田だが、寛心が判定勝ちした。
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