MMA
インタビュー

【UFC】メインイベントを戦う平良達郎「寝ても立っても“殺しの一発”どっちもあるぞと」「アレックス・ペレスを倒して実力を証明したい」=16日(日)

2024/06/14 17:06
 2024年6月15日(日本時間16日)、米国ラスベガスのUFC APEXにて開催される『UFC Fight Night: Perez vs. Taira』(U-NEXT配信)のメインイベントの5分5Rで、フライ級5位のアレックス・ペレス(米国)と対戦する、UFC5連勝中で13位の平良達郎(THE BLACKBELT JAPAN)が14日、U-NEXTのインタビューに応じた。  日本人選手がUFCでメインイベントを務めるのは、2017年9月のUFC日本大会『UFC Fight Night 117: St. Preux vs. Okami』での岡見勇信以来、6年9カ月ぶり。海外での日本人メインは、2015年4月の『UFC 186: Johnson vs. Horiguchi』の堀口恭司以来、9年2カ月ぶりとなる。 ▼フライ級 5分5Rアレックス・ペレス(米国/チーム・オーヤマ)5位 25勝8敗(UFC7勝4敗)平良達郎(日本/THE BLACKBELT JAPAN)13位 15勝0敗(UFC5勝0敗)※UFC5連勝中  当初、平良は5月18日のUFC APEX大会にて、10位のティム・エリオットと対戦予定もエリオットが欠場。6月1日の『UFC 302: Makhachev vs. Poirier』でUFC3連勝中のジョシュア・ヴァンとの対戦に変更されていた。  しかし、6月15日に予定されていたアレックス・ペレス(米国)vs.タギール・ウランベコフ(ロシア・12位)がキャンセルとなり、ウランベコフに代わって平良が、メインイベントでペレスと対戦。ウランベコフはジョシュア・ヴァンとの対戦に変更され、平良がメインイベントを任されたことになる。  24歳の平良と対戦する、32歳のアレックス・ペレスは、ジャパントップチームの朝倉海やヒロヤも練習するフライ級の実力者。4月大会では、欠場したマネル・ケイプの代役として、強豪マテウス・ニコラウとの試合に緊急出場。ニコラウを2R、右フックでKOに下し、トップ5ランク入りを果たしている。勝てばフライ級王座挑戦圏内に入る平良は、UFCでは初の5Rのメインイベントで、自身の倍のキャリアを持つペレスを相手にどんな試合を見せるか。 ペレスは総合的に強い。常にストレスを与えていきたい ──試合まであと2日となりました。現在の心境は? 「もう“もうやるだけ”という感じで、あとは体重を作って。減量も順調で、わりとリラックスしているなって感じですね。試合に集中しています」 ──今回、最終調整をデンバーで行ったそうですね。どのような意図がありますか? 「初めての経験なんですけど、よりアメリカの環境に慣れてここで最後追い込むことによって試合でもっといいパフォーマンスできるかなと思って、3週間前入りでキャンプを積んでここにきました」 ──作戦などは立てたうえで、あくまで調整意図だったのでしょうか。あるいは米国のジムでも新たに吸収するものがあるというつもりで? 「もちろん松根(良太)さんと沖縄で作戦を立ててスパーリングに落とし込んでいくということはして行きました。そこから、またアメリカに来てからまた違った視点でのアドバイスももらえたりして、総合的にファイトウィークに突入した感じです。試合前にアメリカに練習に行くこと自体が初めてでしたけど、環境が切り替わることで濃い2週間を過ごせたと思いますし、すごく発想が広がった感じがします」 ──出稽古先にはペレス選手を知る、もしくは対戦経験のある選手だったり、具体的に対策になるような収穫はありましたか? 「そういう選手はいなかったのですが、コーチや練習仲間がアドバイスをくれたりして。『ありがとう。試合に落とし込むね!』と言ってきました。いろいろと助言をいただきました。動きのアドバイスだったり、コーチがちょっとペレスの動画を見てくれて『こういう動きをしたらいいよ』とか。そういうのは結構もらいました」 ──あらためて、対戦相手であるアレックス・ペレス選手、そしてペレス選手との対戦について試合直前の今どのように思っているのか、教えてください。 「“総合的に強い”と思ってるんですけど、ペレスは自分のペースになったらというか、気持ちよく前に出させてしまうとだんだん乗ってくるので、そこでペース争いの部分で最初1、2ラウンド勝(まさ)っていけたらなって思ってます。いい時はコンビネーションを繋げて打ってくるので、その前に打つことだったり、その後にしっかり返すことだったりをして相手が“なんかリズムが掴めないな”となるように、常に相手にストレスを与えていきたいと思っています」 [nextpage] 5R戦でも「今、行ける!」ってところで仕留める感覚は大事にしていきたい ──ペレス選手が近年敗れた相手は強豪のみ。そのパターンとして、元王者のフィゲイレード戦や現王者のパントーハ戦など、突発的なチョークでフィニッシュされています。そういう戦績はグラウンドを得意とする平良選手にとっては良い情報となっているでしょうか。 「ハマれば、そういう1Rでの勝ち方も想像してはいますが……ただハマらない、ああいう勝ち方はしない可能性が大きいので、その後のことを考えてトレーニングしていますし、試合のイメージも5分5Rのなかで後半に仕留めるプランもありますね。5Rマッチは初めてですし、消耗戦もしてみたいです。……ただ、それでも僕は1Rから倒す気で行きます!」 ──今、5Rあることに言及されましたが、これまで5Rマッチはあれどそこまで行くことがなかったこともあり、4R以降に突入するのは未知の領域です。もちろん3R以降になることも想定はしているとして、どのような意識でいますか? 「チャレンジの気持ちもありますし、実際どういう疲れ方をするのかな? というようなことは、試合じゃないと分からないので、“練習どおり”と思えるようにしたいですね。自分のベースは崩さずに。ただやっぱり“今、行ける!”ってところで仕留められるような、その感覚は大事にしていきたいです」 ペレスのレスリング力は僕よりあると思うけど、MMAなので上手く順能させて、常にやり辛いって思わせたい。しっかり当てるイメージもある ──ペレス選手のバックボーンはフォークスタイルレスリングですが、コントロールに主きを置くするスタイルのレスリング力についてはどのように考えていますか? 「正直に言ってレスリング力は僕よりあると思います。簡単にカレッジレスラーを超えるようなレリスリング力はつかないと思っていますし。でもMMAなので、上手く順能させて、常にやり辛いって思わせようかなって思ってます」 ──それを踏まえて平良選手のライバルであるムハンマド・モカエフ戦はどのように見ましたか? 「あの試合、何度も見ましたけど“対処が上手いな”という印象です。ペレス選手は今年2試合して、どんどん調子も上がってきているような感じなので、そこを超える勝ち方をイメージしてますね」 ──前戦ではスタンドの打撃でフィニッシュしてみせてくれましたね。自信になっていますか? 「言っても半年前のことなので、それが過信にならないようにとは意識していますが、しっかり当てるイメージもあって。すごくいいイメージは持っています。いかに自分のスタンドで強い攻撃を当てるかっていうのは今年に入ってすごくトレーニングを積んできたので、より自信はあります」 ──MMAのなかでスタンドの技術を向上することは、それで決めていく武器にすること、あるいは本来得意とするグラウンドの状態をより良くするためなのか、平良選手としてはよりどちらを重視している、というのはありますか? 「寝技が好きなので寝技ベースなのは変わらないかなと思っているんですけど、寝ても立った時に“殺しの一発”どっちもあるぞ、みたいなファイターにはなりたいですね。……まあ、なってます、今!(笑)」 ──それでは試合に向けて改めて、今回メインイベントに抜擢されたことについて、対戦相手の変更が2度あったことも踏まえて気持ちをお聞かせください。 「今回、本当に、ティム・エリオットから始まって、ジョシュア・ヴァンに代わり、アレックス・ペレスになったのですが、やっぱり最終的に今、5位の選手との対戦で、しかもメインイベントになって、ポスターにバーンって自分が載っている姿を見ると……“持ってんな、俺”って(笑)、“ラッキーじゃん”(笑)と思っています。  今回は(対戦相手の変更が続いたなかで最終的に試合機会が訪れたのは)チャンスなので、アレックス・ペレスを超えるためのモチベーションは高いまま来ましたけど、対戦相手がポンポン変わることについては、もう“慣れた”じゃないですけど(苦笑)、動揺はしていません。でも改めての気持ちのリセットとかは必要ですよね。でも、UFCもすぐ対戦相手を出してくれたので、モチベーションが高いままずっとここまで来れました」 ──メインイベンターとしての意気込みは? 「気負わず、本当に自分が楽しんで試合していれば、おのずとフィニッシュは来るのかなって思っているので、メインイベンターとしてイベントを楽しみつつ、ファイトウィークも計量も全部楽しんでいきたいなと思います。試合する時間帯も違いますし、計量もちょっと優先されて(笑)“先行っちゃうね!”って。いつも並んでるんで。明日以降がどんな感じになるかのかなって、楽しみです」 ──ところで岡田遼選手のSNSの投稿で対戦するはずだったジョシュア・ヴァン選手に申しわけないということをおっしゃっていたそうですが……。 「申し訳ない気持ちというか……ちょっと違うんです(笑)。ペレス戦になるオフォーが来た時、(試合が流れてしまって)“俺みたいになるんじゃないか”と思ってそう言ったんです。そうしたら、ペレス選手と対戦する予定だったウランベコフ選手と試合することになるという、シャッフルだったことが分わかったので、“だったら頑張れ!”って」 ──ヴァン選手もそうですがウランベコフ選手も、いずれは対戦したいと思っていますか? 「今後、上で、勝った方と戦えたらなっては思ってます。2人ともいい選手なので」 ──ご自身の無敗記録はもちろん、UFC連勝記録を更新するなどレコードも意識するところなのでしょうか? 「いやあ、もう考えられないんですよね、余裕がないのか……。メインイベントになったことも含めていろんなことが重なっているのですけど、僕は本当に“倒して、実力を証明したい”という気持ちが一番強くて、ちょっとそこはかすんでる感じかもしれないです。(記録は)付属品みたいなもの。勝てばついてくるものなので」 ──応援してくれている人たちには、どんな試合を見せたいと思いますか? 「ペレスと僕の1対1の真剣勝負を、見守っていてほしいです」 ──では、見守ってくれているファンの皆さんにメッセージを! 「ぜひ応援よろしくお願いします、U-NEXTで見てください!」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.332
2024年5月23日発売
特集「格闘サマーウォーズ」では堀口恭司vs.ペティス再戦、『超RIZIN.3』朝倉未来vs.平本蓮プレビューや、平良達郎、鶴屋怜、渡辺華奈、野杁正明、海人、クレベル、鈴木千裕の大一番に迫る!
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント