2024年6月15日(土)エディオンアリーナ大阪第一競技場『RISE WORLD SERIES 2024 OSAKA』のメインイベントにて、RISEスーパーフライ級(-53kg)タイトルマッチ3分5R無制限延長Rで王者・大﨑一貴(OISHI GYM)に挑戦する同級1位・政所仁(魁塾)のインタビューが主催者を通じて届いた。
政所はバルカン砲とも評される回転の早い打撃と相手の意表をつく技を武器に多くの強豪を破りJ-NETWORKフライ級王座、WBKF世界スーパーフライ級王座を獲得。2021年9月のDoA-53kgトーナメント一回戦で田丸辰にリベンジを果たすも準優勝で風音に判定負け。その後、佐藤執斗と無効試合、花岡竜にはTKO負けと白星から遠ざかったが、2022年12月に滉大から判定勝ちで再起。2023年7月には風音にリベンジし、8月にはルベン・セオアネをKO。2023年11月の「NEW WARRIORSトーナメント」の準決勝で花岡竜をKO、決勝で長谷川海翔を破り今回の挑戦権を手にした。戦績は21勝(7KO)10敗1無効試合。
決定力が昔と今の僕では全然違う
――試合まで約3週間ですが調子はいかがですか?
「絶好調ですね。バッチリです」
――林塾長が持つミットで公開練習をやっていましたが、ミットで調子の良し悪しは分かるものですか?
「追い込みを始めてからずっと調子が良いので、変わらず調子はバッチリって感じです」
――オーバーワークにはなってないですか?
「日曜日はしっかり休んでいるので、疲れを見ながら練習できています」
――きちんと疲れも抜いているわけですね。
「しっかり抜いています」
――今回、タイトル挑戦ということでいつもとは気持ちが違う部分はありますか?
「特にはないですけど、気持ちはいつもよりは上がるかなってくらいでやることはそんなに変わらないです」――タイトルマッチという事で試合は3分5ラウンド延長無制限と設定されていますが、ご自分ではどの辺で片付けたいですか?
「3ラウンド以内に倒せたら良いなと思っています。もちろん延長を闘う体力も付けてはいるんですけど、早い段階で倒したら見ている人も楽しいですよね」
――政所ファミリーは今回の試合に対する期待値はどんな感じですか?
「期待はしてくれています。さすがに今回は獲ってくれるだろうって感じですね」
――それは以前RISEのタイトルに挑戦して、失敗したのを皆さんが見ていたからそう思うのでしょうか。
「親戚や家族、周りの友達とかは最初に負けた時も知ってくれているので、その分気持ちも乗ると思うし楽しみなんじゃないかなと思います」
――それから5年の月日が経ちましたが、昔と今の自分では絶対に違う部分はありますか?
「相手も変わっていっていると思うんですけど、僕は闘い方も全然違うし毎試合変わっていっていると思うので、逆に差をつけちゃったんじゃないですかね」
――今回対戦するチャンピオンの大﨑一貴選手とは4年前にも対戦経験がありますが、その時の自分とも違いがあるという事ですね。
「もちろん別人なんじゃないですかね」
――具体的に言うとどの辺が別人だと思いますか?
「メンタルの持っていき方も全然違いますし、あとは決定力じゃないですかね。決定力が昔と今の僕では全然違うから5ラウンドあればどこかで確実に倒せます」
――政所選手を見ていると、軽量級だからダウンが少ないとは言えないですよね。やっぱり決定力からダウンやKOが生まれていますか?
「的確に1個1個の技を磨いていっているので、どの技でも倒せます。それを前から言ってはいたけど、ここ数試合で形にできました。なので言葉に重みも出たかなと思います」
――今回は自分の攻撃のどのあたりに注目してほしいですか?
「全部に注目してもらいたいです。自分でもどれで倒すか分からないので、目を離さず全ての攻撃を見てもらいたいです」
――最近一人暮らしを始めたという事ですが、減量食も自分で作っているんですか?
「そうですね。でも実家にいる時から減量飯は自分で作っていたので、あまり変わらないですね。でもこの間初めて自分で野菜を買いました(笑)」
――初めて野菜を買ったって、今まで何を食べていたんですか!
「食材を自分で買いに行くとかではなくて、家にあるもので料理をしていたんですよ。今回は自分でやるのが初めてだったので、買い出しも自分だったので初めて野菜を買いました」
――それで何を作ったんですか?
「アスパラとかブロッコリーを茹でて焼くだけですね」
――ちなみに今日の練習後は自炊で何を食べる予定ですか?
「今日はブロッコリーと目玉焼きですかね。あとは肉を焼いたり、基本的に焼くだけですね」
――それでしたら順調に体重も落ちていそうですね。
「だいぶ順調ですね。今回試合までに6‐7ヶ月空いたので、体重は大丈夫かなと思ってたんですけど、すんなりいけて全然問題なさそうですね」
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最後に勝ったやつが1番強いだろ
――大﨑選手の攻撃力に対するディフェンスや耐久力についてはどう考えていますか?
「最近大﨑選手が倒している所をあまり見ないですし、パワーはあるかもしれないですけど決定力という面では僕の方が高いと思っています」
――今まで大﨑選手が見せてきているパワーのある攻撃に対して、耐え切るだけのディフェンスや自分の体の強さはありますか?
「どれだけパワーがあっても当たらなかったら倒せないので、自分には当たらないですね」
――当てさせないですか?
「はい。1発も当てさせずに終わらせようかなと思っています」
――大﨑選手は一時期長い連勝期間がありました。簡単にいうと強いからだと思いますが、何故負けなかったのだと思いますか?
「自分の戦い方を貫いていて、そこを極めているじゃないですか。他のことをしないっていう、1つを研ぎ澄ました職人みたいな闘い方ですよね。1個突き抜けているところがあるから強いって感じがしますね」
――その闘い方を政所選手は完全攻略していますか?
「問題ないですね。僕はずっと同じ闘い方というよりは、色々と取り入れていくスタイルなので、僕のことを対策はしづらいと思うんですよ。なので捉え切れる前に僕が倒します」
――逆に政所選手的には大﨑選手は対策しやすいですか?
「対策しても強いからこその連勝だったと思うんですけど、ガードは硬いけど隙はいっぱいあるので、そこをしっかり狙っていけば問題ないです」
――政所選手が大﨑選手と前回闘った時よりも成長しているという発言がありましたが、最近の大﨑選手の試合を見て彼が前回対戦した時よりも変わっている部分はありますか?
「闘い方とかは基本的に一緒だと思います。後はパワーとかフィジカル面は多少上がっている気がしますね。周りから大﨑選手が落ちてきているという風に聞くんですけど、僕はそう感じていなくて、皆んなのレベルが上がってきたからそう感じるのもあるし、そもそも弱い相手とやっていないというのがありますよね。なので成長している部分はあるけど、僕ほどではないかなと思っています」
――政所選手のSNSに「勝つまでやるから負けへん」という言葉があって良い言葉だなと思いました。あれは座右の銘ですか?
「最近自分の中でもよく言っている気がします。僕は無敗で勝ち上がってきたとかじゃなくて、アマチュアの時もめちゃくちゃ負けて悔しい思いをしたけど、チャンピオンになるって決めてキックボクシングで生活をしています。もちろん負けたら悔しいですけど、負けても最後に勝てばいいやって精神で、最後に勝ったやつが1番強いだろって気持ちでいます。だからゴールというか目指している所は変わらないので、最後に勝てば負けも関係ないと思っています」
――じゃあ次の試合が“最後に勝つ”ということになりそうですか?
「ここを勝って一旦リセットさせて、また次の目標に向かってキック人生のまた新しいスタートを切って、第2ステージに向かいたいです」
――最後にファンの皆さまにメッセージをお願いします。
「いつも応援ありがとうございます。今回タイトルマッチが5年ぶりでやっとお待たせしましたって感じなんですけど、今回こそ勝ってみんなを安心させたいです。ここでチャンピオンになってまた次に向けて頑張っていくので、応援よろしくお願いします」