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インタビュー

【RIZIN】榊原CEO、クレベルの鈴木千裕挑戦は「実現に向けて」、朝倉海には「親心もある」、堀口は「海だけ行かせて恭司だけ行かせないわけにはいかないけど──」ベイノアの禊は「不合格」も「首の皮は繋がった」

2024/06/09 22:06
 2024年6月9日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館にて『RIZIN.47』が開催され、全試合後、榊原信行CEOが会見。  朝倉海のUFC契約と堀口恭司のUFC参戦希望、クレベルと鈴木千裕の王座戦、新海外勢の今後、ベイノアの禊マッチの査定、『超RIZIN.3』でのBreakingDownとのからみなどを語った。 鈴木千裕の王座戦は「クレベル戦を第一に調整を続けられれば」 ──セミの一本勝ち後、クレベル選手が鈴木千裕選手に対戦要求しましたが? 「フェザー級の次期挑戦者決定戦の位置づけのなかで、実現に向けた方向性で行きたいと思います。もちろん千裕の五味戦、パッキャオ戦がどう進むかによりますが、(MMAでは)クレベル戦を第一に調整を続けられればと思います」──朝倉海選手のUFC契約について。 「海はずっと年末にいろいろな話をするなかで挑戦したいと。2月に会った時にダナ・ホワイトにも伝えて、具体的な話し合いの調整が進みました。同じことを海も未来も言っていましたが、近視眼的に見れば、防衛せずに行くのは(RIZINが)ステップアップの材料になって辿り着くという、上下は考えたくないけど、僕も支えてきたスタッフも忸怩たる思いはないわけではないですが、選手生命は短い、UFCに乞われて求められて行けるタイミングで送り出したい親心もあります。  たくさんのRIZINのファンがそれを支持してくれることも理解しています。RIZINにとっては大きな損失かもしれないけどたくさんの選手もいる。海が残していく空位になるバンタム級のベルトを巡る戦いで新たなドラマ、新たなスター選手が生まれて来ることも期待したいと思い、気持ちよく送り出す決断に至りました。海からも感謝とリスペクトを感じましたし、また戻ってくる日も来ると思います」 ──メインは? 「堀口選手からも嫌味をリング上でも言われましたが(笑)、ホッとしています。レベルの高い試合見せてくれて感謝したいと思います。『負ける、負ける』と言いましたが、心から負けろと思っていったわけではないので」 ──堀口選手もUFC行きを希望していました。 「まあ海だけ行かせて恭司だけ行かせないといううわけにはいかない。ただ、恭司はBellatorの契約下にあるので、UFC側にはUFC側のマーケティングもあるし、“ああしろ・こうしろ”と僕らからは言えない。状況が整って、UFCから“ぜひ”と言われれば僕らが止めることはないです」 ──堀口選手は、PFL/Bellatorとの交渉によって契約がどうなるか、ということでしょうか。 「そうですね。RIZINのフライ級の王者でもあるし、UFCとなるとガラっと変わるので、そのタイミングで話しをしていきたいと思います」 ──朝倉海選手の階級はバンタム級なのかフライ級なのか? あるいはランカーと対戦できるか、など条件はありますか。 「ほんとう出来ることはあるんですけど、僕から言うとおかしくなっちゃうので、近々にUFCからビッグアナウンスがあると思います。まあ『ROAD TO UFC』以外で日本人選手が求められてオクタゴンに上がるのはあまりなく、(Bellatorから)いろんな彼らの触手にかかったなかでは、MVP(マイケル・ヴェノム・ペイジ)くらいではないかと思います」 [nextpage] もう少し外国勢をミックスして見てもらってもいいかなと ──海外勢参戦の手応えは? 「RIZIN始まってから初めて9試合のみの濃密で満足いただける内容だったかなと。総評としてはドラマチックな試合が多い。旗揚げ当初から『日本初世界』に届くコンテンツにしたいと。円安のなか久しぶりに海外選手を招聘して、ワールドワイドの世界観を感じていただければと。外国人選手の試合も増えていって熱がついてきたかなと思います。PRIDE時代のことを出すと恐縮ですが、もう少し外国勢をミックスして見てもらってもいいかなと手応えを感じる内容だったかなと思います」 ──武田選手、上田選手、関選手と日本勢が敗れたことについては? 「まあ日本人選手がさらに奮起して頑張ればいい。日本のファンの支援・支持があってここまで来れた。日本の選手だけの戦いだけで、レベルの高い選手を呼べるのに呼ばないのは──日本でも(海外勢がからんだ)珠玉の戦いが見られるように知恵を絞って行こうと思います」 ──武田選手がああいう形で敗れ、ダウトベックも活躍となるとフェザー級の66kgの今後は? 「そうですね。いずれにしてもここ数年は日本人選手が中心のフェザー級のなか、クレベル、アーチュレッタとさらに外国勢がからんでくる景色が変わる。海外勢同士の試合も含め、いろいろ組んで行って熱がつけば、フェザー級GPになってもいいかなという気はしています」 ──ベイノア選手の禊は? 「厳しいことばかり言っているとアレですが……本音を言っていいですか? 不合格です(苦笑)。もう一歩、“負ける勇気を持って勝ちに行く”んだったら、最後とどめをフィニュシュに向かってほしかった。ファンもそうですが、もっと求めるものがある。ジョニー・ケースも体調が悪かった。減量に失敗して久しぶりの試合だったし、チャンスはあったんじゃないかな。この短期間でやったことは一定の評価が出来ますが、もっと求めるものがある。多分ファンもそうだったと思います。今日の試合で満足はしてほしくないですね。もう一歩、3R目とかはフィニュシュに行くアクションをしてほしい」 ──首の皮一枚は繋がった? 「首の皮は、繋がってはいますね」 ──梅野選手はムエタイの試合の交渉とベアナックルに出てもいいと。話をしに行くと言っていましたが? 「ほお、そうですか。ただちょっと明日は止めてほしいですね(笑)。今日の試合は魚井選手が身体に染み付いたものもあるし、梅野選手のその気持ちは評価したうえで、返す刀でとんでもない宿題を与えるとかね(微笑)」 ──さいたまのスタジアムバージョンでワールドワイドな世界観を見れるカードも? 「うーん、それはそれ、これはこれと。今日も十分世界を感じてもらえたと思いますし、外国勢を積極的に起用していきますが、『超RIZIN.3』はもう9試合決まっていますし、海外勢が入る可能性もありますけど、必ずしもナンバーワン決定戦だけでしか熱狂できないのではなくて、戦いにはいろんな魅力があるので、また違う勝負論がある戦いを見せていきたいと思います」 ──『超RIZIN.3』では、日本の世間に向けての勝負ということで、飛び道具としてBreakingDown勢とのからみは? 「無いことはないんじゃないですかな。近々、未来がジョリーをつれてやってくると聞いていますし、話はしっかり聞きたい。スダリオも安保も、BreakingDownに気持ちよく送りこんだことで、違う熱もついただろうし、取り込めるものはすべて取り込んで“貸したものは返してもらおう”かなと。一足飛びでBreakingDownの何かをは違う形で知恵を絞りたいと思います。皆さんのワクワクやドキドキハラハラを獲得できるように。形にできるように調整して、残り1カ月半でひとつでも二つでも上乗せできるようにやりたいと思います」
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