2024年6月7日(金)、タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムにて『ONE Friday Fights 66』(U-NEXT配信)が開催された。
メインイベントのストロー級ムエタイ戦では、ONE6勝目を目指す元ラジャダムナンスタジアム王者、21歳のゴンチャイ・チャナイドンムラン(タイ)が出場。ISKAキックボクシング世界王者のアクラム・ハミディ(アルジェリア)と対戦した。
日本からはバンタム級ムエタイで柴田真吾が出場。MMAデビュー戦の増田比呂斗が出場した。
▼メインイベント ストロー級ムエタイ 3分3R×ゴンチャイ・チャナイドンムラン(タイ)[1R 1分41秒 TKO]※レフェリーストップ〇アクラム・ハミディ(アルジェリア)
ゴンチャイは2020年にラジャダムナンスタジアムでスーパーフライ級王座に就き、2022年にはジットムアンノンスタジアムでフェザー級王座に就いている。2022年10月には福田海斗に勝利。ONEでは7戦して5勝2敗。2敗はいずれも日本でもお馴染みのコンペットにつけられたもの。
ハミディはWKN 世界K-1フライ級 -54.9kg王座やISKA世界フライ級(-53.5 kg)K-1ルール王座などを獲得。来日経験のあるサンベル・ババヤンやフレッド・コルデイロに勝利しており、2018年9月にはK-1に初来日したが武井由樹に1RでTKO負けしている。ONEには2023年6月から参戦し、1勝1敗。フランスで3連勝して今回の試合に臨む。
1R、ハミディがサウスポーのゴンチャイに右ミドルから前蹴りで先手を取る。さらに左ローと右インローでゴンチャイの前足を狙い撃ち。ゴンチャイは左ストレートでハミディを下がらせるとヒザ蹴り。右ミドルをしっかりと当てるハミディは、ハイキックを空振りするとそのまま回転してのバックハンドブローを繰り出す。
左ストレートの一発を狙うゴンチャイに対し、ハミディはコンビネーションを回転させていく。左アッパーからの右ストレートをヒットさせ、ゴンチャイがダウン。ダメージが深刻なゴンチャイにパンチの連打で襲い掛かるハミディは、左ボディを交えながらの左右連打。ロープを背負ったゴンチャイに次々と左右のストレート、フック、アッパーが決まり、左ボディも突き刺さる。棒立ちとなったゴンチャイを見て、レフェリーがストップ。ゴンチャイはそのまま崩れ落ちた。
鮮やかなKO勝ちのハミディには35万バーツ(約150万円)のボーナスが贈られた。
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▼第3試合 バンタム級ムエタイ 3分3R○ミャオ・アオチー(中国)[2R 1分21秒 TKO] ×柴田真吾(日本)
柴田は2015年2月デビュー。183cmの長身を利した攻撃を得意とし、2021年11月にNJKF暫定王座に就いた。2022年7月には新日本キックに乗り込み、重森陽太を左ヒジでダウンさせ、出血でドクターストップに追い込んで番狂わせの勝利を奪っている。2023年2月から『ONE Friday Fights』に参戦し、初戦は判定で敗れたが3月の2度目の参戦では日本人初の「ONE Friday Fights」立ち技勝利を収めた。9月の3度目の出場ではKO負けを喫し、2024年2月のNJKFではジャムワンスックに判定負け。4月にはKNOCK OUTでペッカデイにKO負けを喫している。5月からタイに移住してタイでトレーニングを積んできた。
アオチーは今回がONE初参戦。ボクシングテクニックが強味だという。
1R、前に出て圧をかけるのは柴田。右ローを蹴っていく。アオチーはジャブを突き、右の打ち下ろしから左フック、左ボディ。近距離でパンチを回転させるアオチーに柴田はブロックを固めるが打たれてしまう。柴田はそこへ左の縦ヒジも空振り、そのまま首相撲に組み付いてのヒザを見舞う。
近距離でパンチを回転させるアオチーに首相撲からのヒザで対抗する柴田。右ローにアオチーが右フックを合わせ、後退する柴田へアオチーがラッシュをかける。これを首相撲でしのいだ柴田はアオチーの接近戦にヒジで応戦。そして首相撲からのヒザを連打する。
2R、ステップで動くアオチーの右クロスをもらう柴田。アオチーが右フックで柴田にヒザを突かせ、すぐに右フックでダウンを奪う。打ち合いに行く柴田にアオチーも倒しに行く。フラつく柴田はミドルのカウンターでジャブをもらって尻もち。立ち上がるとヒジやヒザで反撃するが動きがスローで右フックをもらって2度目のダウン。
立ち上がった柴田だが明らかに足がフラつき、前に出てくるアオチーに下がったところで足がもつれて倒れる。ここでレフェリーがストップした。アオチーはボーナスも獲得。
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▼第2試合 キャッチウェイト (161ポンド) 5分3R〇エフゲニー・アントノフ(ロシア)[1R TKO]×イスラム・クカエフ(オーストリア)
アントノフはMMA2勝0敗。ロシア『MMA Series』2戦でいずれも1R 一本勝ち。三角絞めと肩固めを極めている。今回がONE FF初参戦。
対するクカエフはMMA4勝1敗。ドイツGCPを経て、オーストリア『Vendetta Fight Nights』で2連勝中。
1R、ともにオーソドックス構え。組んだクカエフにアントノフは左小手巻き。クカエフはボディロックテイクダウンで尻を着かせ、立ち際にバッククリンチ。腕を手繰り、脇を潜るアントノフは正対し離れる。
クカエフに右ヒザを効かせるアントノフは上に。下のクカエフはアームロック狙いからストレートアームバーに。アントノフは腕を戻して上を取るとサイドからヒジ。ニーオンで鉄槌。いったん体を離してフットスタンプ。立ち上がるクカエフのローシングルを小手に巻いて内股で投げたアントノフは上からパウンド! レフェリーが間に入った。
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▼第1試合 ONEストロー級 5分3R〇トレプチ・ドガク(ロシア)[1R TKO]×増田比呂斗(日本)
レスリングからキック、MMAのドガクは、プロMMA1勝1敗。2023年3月の『ONE Fight Night 8』ではキックルールで強豪ジャン・ペイメンに判定負け。ONE2戦目『Friday Fights 20』でプロMMAデビューし、アイヴァン・オレクノフに2R TKO勝ち。しかし9月にラビンドラ・ダントに1R TKO負け。
対する増田は、アマチュア1勝1分。EX FIGHTでスプリット判定勝ち後、修斗GIGで鈴木梓文とドロー。今回がプロデビュー戦で、いきなりONE FF参戦となる。マスタージャパン所属でSASUKEがセコンドにつく。
1R、ドガクの右ローを受ける増田だが、ダブルレッグテイクダウン。ロープ際でパウンドも、中央に戻した際に上体を離すと、ドガクが下からシングルレッグで立ち上がり。
増田のボディから左フックに、ドガクは組みに。そこにニンジャチョークを合わせみに行く増田に首を抜き上に。下から草刈りで立つ増田だが、ドガクの首相撲ヒザを被弾。テイクダウンに下になるが、左で差して立ち上がり。
しかし、詰めるドガクは首相撲ヒザ、さらに右を連打し、増田がダウン。パウンドにレフェリーが間に入った。