ONE Friday Fights 652024年5月31日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTにてLIVE配信
▼メインイベント フライ級 ムエタイ 3分3R〇ジャオスアヤイ・ソー・デチャパン(タイ)KO 1R 2分11秒 ※左フック×プンルアン・バーンレンバー(タイ)
ジャオスアヤイはタイ国BBTVスタジアム・フェザー級8位として、2019年11月の「第3代K-1フェザー級王座決定トーナメント」に初来日。1回戦で安保璃紅を必殺の飛びヒザ蹴りでKO、準決勝でも卜部弘嵩との延長戦に及ぶ激闘の末に勝利。決勝こそ江川優生の左ボディに沈んだものの、鮮烈なインパクトを残した。2020年3月『K'FESTA.3』で小澤海斗からも勝利を収めている。2022年8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦で玖村修平にKO負けを喫した。
『ONE Friday Fights』には2023年6月から参戦し、初戦のペットスクンビットには初回KO勝ちも、8月の2戦目ではコンスック・フェアテックスに判定負けを喫している。11月にはパイダンをKO、12月はラジャのスーパーフェザー級王者ペットスクンビットから判定勝利を収めた。2024年4月の前戦はゴントーラニーに判定負け。戦績は78勝(27KO)39敗2分。
プンルアンは2023年6月から『ONE Friday Fights』に参戦し、前戦の2024年3月まで6戦全勝(3KO)の好成績(通算14連勝中)をマークしている強敵だ。
1R、プンルアンが左ミドルで先制し、ジャブを打つ。ジャオスアヤイが左ミドルを返すとプンルアンは左フックから右ミドル。プンルアンの左ミドルをキャッチしたジャオスアヤイは左ストレートから左ヒジを繰り出す。ワンツーで飛び込んだプンルアンは右がヒットすると一気に打ち合いに出て、ワンツーと左右のヒジを叩き込む。
ロープを背にしてガードを固めるジャオスアヤイに、プンルアンは容赦なくヒジを振り下ろしていく。ジャオスアヤイは首相撲持ち込もうとするが、プンルアンがすぐに解除して前へ出る。しかし、ロープを背負ったジャオスアヤイがガードをせずに前へ出て来たプンルアンに左フックを叩き込み、逆転のダウンを奪う。
足がもつれて立ち上がるのに手間取ったプンルアンだが、立ち上がると再び前へ出てジャオスアヤイに左右フックを見舞っていく。ジャオスアヤイは左フック、飛びヒザ蹴り。それでも前へ出て来るプンルアンに右フックを放つと、プンルアンはダウンするがすぐに立ち上がったためノーカウント。
プンルアンは退くことなく前へ出て、ジャオスアヤイもそれを迎え撃つ。右フックから返しの左フックと相打ちが続くが、その左フックでプンルアンが豪快にダウン。立ち上がろうとするも身体が全く言うことを聞かず、リング内を宇宙遊泳のようにさまよったためレフェリーが即座にストップした。
激闘を制したジャオスアヤイには当然35万バーツ(約150万円)のボーナス。「とても嬉しいです。相手は凄く上手でした。倒れそうになったけれどずっとチャンスを狙っていました。ロッタンから連絡が来てインスパイアされました。いろいろ練習に協力してくれました。この試合を見ていてくれていたらいいな。あとで面白い映像を送るからね」と、ロッタンの協力があったことを明かした。
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▼第4試合 フライ級ムエタイ 3分3R○ジャン・ジンフー(中国)判定3-0×新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)
新田は空手、ボクシングを経て17歳からキックボクシングを始めた。アマチュア大会で20戦13勝6敗1分の成績を収め、2019年2月のPancrase REBELS Ring 1でプロデビュー。10戦無敗の快進撃を続けたが、2021年10月の『KNOCK OUT』で力也に初黒星。2022年4月にはINNOVATIONスーパーフェザー級王座を奪取し、7月のRIZINで大雅と対戦するも判定負け。10月にはカミシロに延長Rで勝利して再起したのも束の間、12月に初代KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定戦で久井大夢にKO負けを喫した。2023年4月のINNOVATION王座防衛戦はドローで防衛に成功。7月にはKrushに乗り込んだが、目黒翔大に判定負け。戦績は10勝(4KO)4敗4分。今回がONE初参戦。
ジンフーはタイのジムで練習を積み、2023年6月に『ONE Friday Fights』初参戦。初陣はジャイシンにKO負け、8月の2戦目ではハルーンにTKO勝ちも9月のヤミン戦ではKO負けを喫している。ONEではいずれもタイ人と対戦して1勝2敗の戦績。
1R、まずは新田が左インローで先制。打ち合いに来たジンフーに新田も打ち合いに応じ、ジンフーが左フックを空振りしたところに左フックを打ってダウンを奪う。再開後も好戦的に前へ出て左右フックを繰り出すジンフーが新田を押していき、ロープに詰めての連打でダウンを奪い返す。勢いに倒れ込んだ新田は手を振って「ダウンじゃない」とアピールしたが試合は続行。
その後も打ち合いが続き、新たな左右フックを思い切り振り回す。負けじと左右フックを繰り出して前へ出るジンフー。ヒジを見せる新田にジンフーは左ボディを突き刺す。これに身体を丸める新田。徹底的にボディを攻めるジンフーに新田はヒザを返すが、ジンフーの左右ボディ連打に防戦一方。新田は飛びヒザ、ヒジ、バックスピンエルボーを繰り出して応戦し、このラウンドをしのいだ。
2R、新田はジャブで距離をとったかと思えばワンツーで切り込み、思い切り左右フックを振り回す。ジンフーは左ボディから右フック、さらに左ボディからのヒザ蹴り連打。新田は右ヒジのカウンターを狙ったが、ジンフーの左前腕が顔に当たってダウン。立ち上がった新田にジンフーが再び左ボディからのヒザ蹴り連打。左縦ヒジで逆転を狙う新田だが、またもボディをもらってロープにもたれかかる。離れると新田は右カーフキック。ジンフーの左右フックに新田も打ち合いに応じ、互いに被弾。新田の右カーフにジンフーは大きくバランスを崩す。
3R、前に出てワンツーを打つジンフー。新田はジャブと右カーフ。ジンフーの右ボディストレートに腹を抑える新田。右カーフを狙ったところで右フックももらう。ジンフーの左ボディからの右フック連打に身体を丸める新田だが、右フックを返す。極端に手数が減ったジンフーに、新田は前へ出るが攻撃が出ずにクリンチになる。新田は逆転を狙ってハイキックを放ったが空振り。
判定は3-0で2度のダウンを奪ったジンフーの勝利となった。
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▼第3試合 バンタム級 5分3R〇カルロ・ブーミナアン(フィリピン)6勝0敗[2R 2分39秒 ニンジャチョーク ]×チャヤン・オールジャク(モンゴル / ロシア)8勝3敗
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▼第2試合 ONEストロー級 5分3R〇本田良介(タイガームエタイ)13勝4敗1分[判定3-0]×野田遼介(ALLIANCE)6勝4敗
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▼第1試合 キャッチウェイト(118LBS)ムエタイ 3分3R○ハオ・シュアイ(中国)判定3-0×志賀将大(エスジム)
志賀は2022年2月にNJKFバンタム級王者になると、2023年2月には新日本キックでWKBA日本バンタム級王座決定戦を制して二冠王に。4月には岩浪悠弥とWBCムエタイ日本統一バンタム級王座決定戦を争ったがKO負け。2024年3月、カンボジアのクンクメールに出場したがTKO負けを喫した。2019年7月にはルンピニースタジアムの試合に出場してKO勝ちをしている。離れてミドルキック、近付いて首相撲からのヒザとムエタイスタイル。
シュアイはまだあどけなさが残る17歳だが、戦績はなんと58勝3敗。
1R、左右フックを繰り出していきなり打ち合いに出るシュアイに志賀も足を止めて応戦。首相撲になると互いにヒザを蹴り合うが、志賀が首をロックしてのヒザ蹴り連打で優勢に。離れるとワンツーから再び首相撲に持ち込む志賀がヒザを蹴る。志賀の首相撲を首投げでしのぐシュアイだがこれは反則。志賀は左ミドルを蹴り、シュアイはボディストレートから鋭い後ろ廻し蹴りをヒットさせ、志賀が一瞬グラつく。志賀は首相撲からのヒザでこのピンチを凌いだ。
2R、志賀が左ミドル。シュアイが左右フックで前に出てくると志賀はテンカオで迎え撃つ。さらに首相撲からのヒザ蹴り連打。シュアイはワンツーから後ろ蹴り、志賀はバックステップでかわすが、打ち合いに行ったところで左ボディをもらう。志賀はまたも首相撲に持ち込むとヒザ蹴り地獄に引きずり込むが、離れるとシュアイが左右フックの猛打で志賀を襲う。左右フック、さらにボディと回転の速い連打を繰り出すシュアイにディフェンス一辺倒となってしまう志賀だが、ヒジで迎え撃って首相撲からのヒザ蹴りに持ち込む。さらに志賀はワンツー。
3R、シュアイは首相撲を警戒してか前蹴りを連打、そこからワンツーを打つ。志賀は右ローもすぐにシュアイがパンチを返し、カカト落としのような蹴り、さらに後ろ廻し蹴りで志賀を脅かす。志賀も右ローから右ストレートを狙い、首相撲に持ち込んでのヒザ。シュアイのサイドキックを顔面にもらうと志賀は「効いてないよ」とばかりに両手を広げて挑発。シュアイの右カーフに足が流れる志賀だが、すぐに首相撲に持ち込んでヒザをボディへ突き刺していく。パンチで前に出る志賀は最後も首相撲からのヒザを決めた。
判定は3-0でアグレッシブなパンチで攻めたシュアイに凱歌があがった。