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【ボクシング】那須川天心「型は完成した」「狙いに行くというよりは自ずとKOが出来る」「マジで意識しているのは“呼吸”」

2024/05/31 17:05
 2024年7月20日(土)東京・両国国技館『PRIME VIDEO PRESENTS LIVE BOXING 9』の記者会見が、5月31日(金)都内にて行われた。  プロボクシング4戦目を迎える那須川天心(帝拳ジム)は、初の10回戦(3分10R)でジョナサン・ロドリゲス(アメリカ)との対戦が決定。会見では記者からの質問に答えた。  初めての10回戦について「けっこう早いなっていうのはありつつ、しっかりとスタミナをつけて。今後を見据えて、長い期間を経てタイトルマッチをしたいと言われていたんですけれど、前回の試合の評価だったり今の練習での成長具合を見て、経験もあるけれど、早くタイトルマッチをやらせてもらえるようには近付いてきているのかな、というのは常に感じています。自分にも、お客さんにも、世間にも試されている試合になると思います」と、世界戦に近付いていることを感じているとする。  ボクシングに転向してから思い描いていた世界王者への道よりも、順調に来ているとの想いはあるかと聞かれると「思いましたね。10回戦になったらベルトを懸けて出来る試合があるから懸けて欲しいと思ったんですけれど。でもやっぱり、経験することが大事ですし、相手も強い選手なので強気の、自分の心構え、意志が表示される試合になると思います」と、日本タイトル戦をやりたかったという本音も。  対戦するロドリゲスについては「パンチも強くてKO率も高くて勢いもあって、目つきも鋭い。面白い戦いが出来る選手かと思いますし、僕もロドリゲスで田中(恒成=WBO世界スーパーフライ級王者)選手も(対戦相手が)ロドリゲスなのでロドリゲス対抗戦としてしっかり勝ちたいと思います」とする。  勝ち方については「前回勝ちにこだわって。今まではなるべくもらわずに自分が攻撃するというスタイルでやっていて、前回はどっしりと構えて攻撃するというスタイルで。着々と一戦一戦進化が出来ていると自分でも思います。前回の試合から6カ月空いたけれどその間が本当に無駄じゃない、自分の中で毎日いろいろなパーツを集めてやっとハマってきた。今までは型作りだったんですけれど、今回の試合はその型が完成して、そこからいろいろな技だったり、自分のテクニックだったり、いろいろなものを手に入れられる期間だったので、ハマればすぐKO出来ると思いますし、前回TKOだったので今回はやっぱりKOで…KOを狙うと言うと変な人たち、格闘技をやっていない人たちにいろいろ言われるのでアレなんですけれど、KOはもちろん狙いに行って。だけど力まずに自分のスタイルでやっていこうと思って。狙いに行くというよりは自ずとKOが出来ると思います」と、この半年間でやってきたことがハマればKOになると話した。 [nextpage]  期間が半年空いたことには「試合期間が長いからどうとかは考えていなくて。長いってことはどういうことなんだろうって考え方ですね。例えば僕が拳を怪我した時は、怪我をするっていうことはどういうことだろうとか。来たものに対してどういう意味だろうといつも考えるので。だから、今回は長い期間が空いたってことは、その間にしっかり用意して準備していかないといけないですし、自分が動いているのを見られるのは試合だけなので、そこで食らわすことが出来るのかなって。見ている人が前と違うなって思ってもらえることをやるために、この期間があるのかなって。毎回毎回一緒では成長がないですし、見てくれる人に届けないといけないですし、毎日コツコツと自分の中で日々発見を見つけて。人生と一緒だと思うんですよ。飛び級は出来ないので」と、自分を磨くために与えられた期間だったと解釈しているようだ。  その中で特に力を入れて来たことを聞かれると「1個1個も多少はあるんですけれど、身体の全てを繋げるってことですね。マジで意識しているのは“呼吸”。相手を読むってことですね。自分で自分を分かっている人ってあまりいないんですよ。だから自分をしっかり理解する。どういうところに呼吸があってどういうところに無駄な動きがあって、ということを理解してやると相手の動きが見えるようになってくるんですよね。見える物体と見えない呼吸だったり間合いをしっかりと把握することによって相手の動きを見出すということをやっているので。よくパワーを付けたらどうとか言うじゃないですか。でもそういうのではなくて、精度が一番大事だと思っていて。そこを突けるように。相手がどういう風にしたら疲れるとか、どういう動きをしたら嫌だとか、そういうところをしっかり突けるような動きだったりトレーニングをずっとやっています」とする。  呼吸の仕方を変えたというよりは、相手も自分も呼吸を意識するということかと問われると「そうですね。呼吸の仕方も変えたんですが、そこは言わない方が面白いじゃないですか。聞きたかったら聞きに来てください(笑)」と答えた。  これからの練習スケジュールについては「走り込み合宿をこの期間に行ってきて、もう一度行くってなっていたんですけれど、天気が悪いので“残念ながら”(強調)行けないです。でも、1カ月前くらいから週3~4回ずっとスパーリングしていて。僕に大事なものは実戦で、ミットではバッチリ自分の型が見えて来たので実戦でどれだけ自分の動きをやるってことを意識してやっています。その内容でスパーを続けて行って、今回の試合に挑もうかなと思います」と、スパー中心に行くとする。 [nextpage]  試合体重はまだ決まっていないようで「前回が54.8kgだったんですよ。それの1ポンド下くらい。徐々に下げて行ってやっている感じで、今回も過去最軽量になります」と、1月のルイス・ロブレス戦の54.8kg契約よりも軽い契約体重になるとした。  世界ランカー対決になることへの心境を聞かれると「自分の中では特にランキングとかは関係ないですね」と意識はしていないという。  WBA・WBC・IBF・WBOの主要4団体の世界王者が日本にいることは意識するか、と聞かれると「しっかり勝って行って、強い選手に勝って行けば自ずと次は那須川天心でしょと言われると思うので、その位置に来年には立てると思うので着々とやっていくだけです。もちろん意識はしますし、自分の中では自分のために4人がいてくれているという意識です」とする。  さらに、その中に意識する王者はいるかと問われると「そうですね、多分、世の中の人は武居(由樹)君と言ってもらいたいと思うんですけど、全員意識しています。1個獲ったらいいとは思ってない、全部獲るつもりでいるので全員意識しています」ときっぱり。  会見にはWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)もオンラインで出席しており、那須川の言葉をどう思ったかと聞かれ「プロ転向されてセンスあるボクシングをされているので、注目はしています。僕は今やることをしっかりやることだと思っているので、そんな感じです。(発言には)そうあるべきだと思っているので、僕は僕自身のやるべきことをやっていきたいと思っています」と、注目していると答えた。  最後に那須川は「前回の試合でだいぶ進化を見せられて、那須川天心が今後もいろいろやってくれるんじゃないかとの想いがある中での試合だったと思いますが、そこからさらにこの5カ月やってきている自信があるので、今回の試合で次のタイトルだとか、もう挑戦してもいいんじゃないかって思ってもらえるような試合をしますし、ボクシングに興味ある人・ない人全員引き込んで、日本中を盛り上げて格闘技以外のものも見てもらえたら嬉しいです。そこでも勝負したいと思います」と語った。
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