パヤーフォンを撃破した伊藤がRWS推薦のノンパーフォンと対戦
2024年7月14日(日)千葉・TIPSTAR DOME CHIBA『RWS JAPAN 2024』(U-NEXT配信)の対戦カード発表記者会見が、5月29日(水)神奈川県内で行われた。
アトム級(46.26kg)2分3Rで、伊藤紗弥(尚武会)がノンパーフォン・ファミリームエタイ(タイ)と対戦する。
伊藤はジュニアキックで数々のタイトルを獲得。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王座に就いた。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイと女子世界王座の三冠を制覇。2021年4月にBOM女子ピン級(-45.53kg)初代王座、11月にBOM女子ライトフライ級(-48.98kg)王者になると、2022年5月にはナムワンを破りIPCC世界女子アトム級王者となって世界四冠王に。
2022年10月にはさらに上の階級である-50kgで『MUAYTHAI SUPER CHAMP』のトーナメントに参戦も決勝で涙を飲んだ。2023年3月にはタイ・パタヤで勝利し、IMSA王座を新たに獲得。9月の『RWS』でモンクッペットに判定負けを喫し、RWSでの2分3R制を踏まえてパンチを強化して11月のBOMでは予告通り左フックでミンタを2RでKOした。12月にはラジャダムナンスタジアムで初勝利、2024年1月の『TOP BRIGHTS』ではサネーガームとの再戦で返り討ち、そして2月のRWS JAPANではノンミンを2RでKO、4月の同大会では元K-1王者のパヤーフォンも判定で破り、5月には『ムエローク』でペチャサンジャンに2RでKO勝ちして6連勝中。
対戦するノンパーフォンについてマッチメーカーの中川夏生BOM代表は「ノンパーフォンはムエマッド、パンチの強い選手です。女子のこの階級でKOもある、46kgでパンチで倒せる選手なので凄く面白い試合になると思います。パヤーフォンに完封勝利した紗弥選手は、ラジャダムナンスタジアムもこの階級でランキングとタイトルを作るという話があるため、女子初のラジャ王者を視野に入れています」と話した。
伊藤は「1試合1試合落とせない試合なので今回も絶対に勝ちます」と必勝宣言。対戦するノンパーフォンについては「相手はサウスポーで上手に戦うよりは前に出てくるタイプなので、それに負けないように攻めていきたい」と、ムエマッド=ファイタータイプの相手に自分から攻めていきたいとした。
キャリア最後の目標として掲げていた、ラジャダムナンの女子王者になるという目標がタイトル創設で現実のものになりつつあることには「ラジャで私の階級のタイトルが出来るという話を聞いたので、それに向かって頑張ります」と、日本人初の女子ラジャダムナン王者に狙いを定める。
同じくアトム級(46.26kg)2分3Rでパヤーフォン・バンチャメーク(タイ)vs.カナ・ウォーワンチャイ(=押川香菜/ウォーワンチャイプロモーション)も決定。
パヤーフォンは20歳にして68勝(11KO)17敗1分の戦績を持つ、元WPMF世界女子ピン級王者。2017年11月に初来日するとムエタイの試合で3連勝。2019年10月にKrush初参戦でKrush女子アトム級王者・高梨knuckle美穂に挑戦し、延長戦の末に敗れたものの高梨を苦戦させた。
2022年6月の「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」の1回戦でMIO、決勝では菅原美優を破り、タイ人女性初のK-1王者に就いたが、2023年3月の初防衛戦で菅原美優にリベンジを許し、王座を失った。7月には松谷綺にも判定負け。所属名をブアカーオと同じバンチャメークとし、2024年4月のRWS JAPANでムエタイに復帰。伊藤紗弥と対戦したが判定で敗れた。
カナはアマチュアで5つのタイトルを獲得し、2022年12月、タイでのプロデビュー戦でIMSA初代ピン級王座を獲得。2戦目でミネルヴァ認定ピン級王者の撫子、4戦目でJ-GIRLS&WMC日本の2冠王MIREYを破るという快進撃を続け、2024年3月にはタイの『RWS』に初参戦で勝利を得た。17歳の無敗最強ムエタイ女子高生。
カナは「また皆さんの前で試合が出来るのを嬉しく思います。必ず勝って次に繋ぎたいです」と、かなり格上のパヤーフォンにも臆することの無いコメント。
「相手は元K-1王者で知名度もあって、力が強くて攻撃力のある選手だと思うので、距離をとって自分の得意な前蹴りとヒジ打ちで攻撃できたらと思います」とした。
実はカナ、日本女子ムエタイ界の第一人者として長く先頭を走って来た伊藤紗弥との対戦を希望しており、パヤーフォンに勝てばその目標へグッと近付くことになる。
カナはそのことについて「いずれ戦いたいとは思っていますが、自分の中ではそんな意識しすぎてはいなくて、一戦一戦を大事に勝っていければいつかは自分の憧れの伊藤選手と試合が出来るのかなと思っています」と実現は焦ってはおらず、一戦一戦で勝って近付いていきたいと話した。
それを聞いて伊藤は「私はタイ人の選手との試合が多いんですけれど、中川さんと今井会長がOKであればいつでもやる気持ちでいるので、全然やる可能性はあると思いますし、私のジムにも藤原乃愛とか強い女の子がいるので、その子たちと競い合ってくれたら嬉しいですし、私も自分の中で目指すところは決まっているのでそれに向かってやっていきたいと思います」と、まずは自分の後輩たちと競い合って欲しいが、対戦にGOサインが出ればいつでも受けて立つと答えた。