2024年6月23日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催されるKNOCK OUTのビッグマッチ『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT“BLAZE”』(U-NEXT配信)の対戦カード発表会見が、5月16日(木)都内にて行われた。
会見の最後には、前回の会見を欠席した五味隆典(東林間ラスカルジム)が出席。「五味さんが来るなら自分も行く。僕が来るのは礼儀なので。リスペクトしているからこそ来るのが筋」と、対戦相手の鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)も自ら望んでの出席となった。
前回の会見を五味が山籠りのため欠席したことを怒っていた鈴木だが、五味は「分かったよ。会見に来なかったのは不戦勝。俺の1敗。それでいいよ」とし、「千裕は前回の試合の疲れが抜けてないと思うから、今回は減量ないし1回疲れを抜いた方がいいんじゃないかと感じましたけれどね」と、鈴木も前回の会見には出席しないで休みに当てた方がよかったのでは、と気遣った。
山籠もりについては「6・23のために休みを返上して、山奥を若い時でも走ったことないくらい一生懸命に走って。やっと走り込みの疲れも抜けて、昨日から技術練習と対人練習を武心塾さんの方で始めて、動きのチェックまできました。試合まで3カ月いただいたので負荷かけるトレーニングばかりやっていたけれど、ここからはスピードの練習や対人練習をやっていきます。3カ月、たっぷりやったはずです。あと6週間くらいですか。これからジムワークでしっかり汗を出していく感じですね。減量は焦りがないと続かないものなので、量は気にしますが食べたいモノを食べて飲みたいものを飲んでいます」とのこと。
鈴木が「KNOCK OUTらしい試合を見せるだけ。KOする、それだけ」と言えば、五味も「誰でもKOで勝ちたいよ」と笑い飛ばす。
RIZINでの鈴木のタイトルマッチの感想を聞かれた五味は「相変わらず総合の面に関しては底が分からない。この試合を最高のものにするためにキチっと防衛して子供たちとの約束も果たして、元気とか勇気を届けるっていう、そういうプレッシャーを自分にかけていたと思うんですよ。そういう約束を果たせるのは今現在のスターがやらないと喜ばれないことだと思うしね。あとは金原選手が40代で、日本人の若い選手が誰も攻略できなかったクレベル選手を攻略してタイトルマッチにたどり着いたのは尊敬するし、千裕が俺のことをガタガタ言うんだったら…やめておこう(笑)。
金原選手は真っ当にタイトルマッチに辿り着いたわけでしょう。それを今の若い選手があと出しじゃけんで、千裕にどうこういうのは俺は頭に来ているんだよ。ケラモフをクリアしてないわけじゃん。俺に怒るんだったらそういうことを言ったヤツに怒ればいいの。おい、お前、あんな人気出してやろうかなんて言われて頭こないの?」と、朝倉未来の発言に怒り出す。
鈴木が「ぶっ飛ばそうと思いましたね」と答えると、五味は「俺は師匠として頭に来るよ、ああいうのは。俺だったら飛び掛かってるね。という感じなんだけれど、その怒りの矛先がなぜか俺に向かってきちゃったんだよな」と、怒るなら朝倉に怒れとした。
「師匠を倒すのが一番の恩返し」として今回の五味戦を望んだ鈴木。その気持ちが理解できるかと問われた五味は「殴り倒すって言ったってそのルールだから拳で会話するしかない。一番のライバル、超えないといけない人は実はすぐ近くにいる。同じジムにいたり、同じ練習場にいるもんなんです。世界に出たいとか言うけれど自分は一番近くにいると思っていますね。そのひとつだと思う。そういう感じに捉えています。俺も現役王者とやれるのは年齢的にここが限界かと思う」と、理解できると答える。
逆に殴り倒したいとの気持ちはあるかと聞かれると「リングに上がる、マットに上がる時は遠慮なくやるものだし、俺も言ってみれば千裕が生まれる前からボクシングをやっているんですよ。だからスタンドのルールでは負けるつもりはないし、最高の舞台で手ほどきしてやるよって気持ちでいます」と、リング上で教えてやると言い放つ。
鈴木は3月8日の記者会見以来、約2カ月ぶりに五味と顔を合わせ「痩せたっすね。締まってきたので、90kg近くから落とすのは相当練習しないと落ちないので面白い試合になるなと思いました。PRIDEの時の五味さんと戦えるのは本当に楽しみですね」と、五味の“本気”を感じだという。
PRIDE時代の五味の復活を誰もが期待するわけだが、五味は「20年前なんだから無茶言うなよって感じだよね(笑)。これはね、俺は祭りだと思っているんですよ。(鈴木が)防衛に成功したご褒美でもあるし、元王者同士じゃ面白くないでしょう。今後、千裕はまだまだいろいろなMMA選手と戦って行くだろうし、そういった中でこういう舞台を作っていただいたということで体重を一生懸命落とす時間もあるし、75kgくらいで俺はいいんじゃないかと思ってるけれどね(笑)。力が出るないとダメだから。
祭りというか本当のロックショー、拳と拳のロックショー。俺はこの後、本当のロックショーを観に東京ドームへ行くんですよ。そういうカッコいいものをね。悔いも残したくないしね。いろいろな選手がいろいろなことを言うかもしれないけれど、この舞台に無事立てたのも千裕が勝ったからもあるし、あとは俺がしっかりコンディションを作れば最高の舞台に出来るので、それに向けてあと1カ月ちょっと追い込みますよ」と、金原戦をクリアしてきた鈴木に対して全力で自分を作り上げて臨みたいと話した。
またこの日、試合時間が3分3R延長1Rと発表されたが、五味はこれに異議。「延長なし3Rで勝負しましょう。余力を残さず」と延長戦はいらないとした。バックハンドブローの有無なども含めてルールの詳細は会見後に話し合われるという。