2024年6月15日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2024 act.3』(U-NEXT配信)の対戦カード発表記者会見が、5月14日(火)都内にて行われた。
SB日本スーパーバンタム級王者・山田虎矢太(シーザージム)の再起戦が決定。56.0kg契約エキスパートクラスルール3分3R無制限延長Rでスックワンキントーン同級王者の森岡悠樹(北流会君津ジム)と対戦。
山田ツインズの弟・虎矢太は2019年8月にデビューすると、心直、佐藤執斗、有井渚海らを破り連戦連勝。2023年2月には植山征紀をKOで破り、無敗のまま王座に就いた。2023年は6月にタンワレック・ルックサウンを1R KOで仕留めると、9月はパク・ヒョンウもKO、11月にはテーパプットに判定勝ちと13戦13勝と無敗街道を驀進していたが、2024年3月のRISEで大森隆之介のバックハンドブローに失神KO負け。初黒星を付けられた。
森岡はKNOCK OUTを主戦場とし、2022年11月に壱・センチャイジムと「第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメント」の決勝戦を争ったが、判定2-0で敗れてタイトルを逃しリベンジ失敗。2023年は 「スックワンキントーン」にてスーパーバンタム級トーナメントを全試合KOで制し、自身初のベルトを獲得。8月にはK-1 GROUPとの対抗戦で内田晶を初回KOに仕留めて殺傷能力の高さを証明したが、9月に古木誠也に初回KO負けを喫した。2024年5月の『ONE Friday Fights 62』に初参戦すると、ペイマン・ゾルファガリにダウンを奪われる劣勢もノーモーションの右ストレートで逆転KO勝ちを飾ったばかり。戦績は16勝(9KO)9敗1分。
会見に出席した山田は「前回他団体に乗り込んだにもかかわらず、不甲斐ない結果に終わったことを申し訳なく思っています。復帰戦のチャンスを与えてくれてありがとうございます。森岡選手は先日のONEでも逆転KOで凄い試合をしたのが記憶に新しいです。KOで勝って自分の価値を高められるように、また期待してもらえるように次の試合で見せて行きたい」と挨拶。
【写真】ONEのOFGムエタイマッチで手応えを感じたという森岡(C)ONE Championship 続いて森岡からのメッセージを読み上げられると「SB初参戦で王者と試合を組んでくださり嬉しく思っています。ONEのオープンフィンガーグローブマッチにめちゃくちゃ相性の良さと手応えを感じています。もし山田選手に覚悟があるならOFGでやりませんか? いい返信お待ちしております」と、山田にOFGマッチを要求した。
これに山田は「自分はOFGの試合をしたことないですけれど、森岡選手がそっちの方が自信があるのであれば王者として望むところです。逆に言うと自分はパンチに自信があるので森岡選手、大丈夫なのかなというところです」とOFGマッチを受けて立つとし、逆に森岡が心配になると返答。
森岡の印象については「正直今まで試合を見たことがなかった。試合が決まってから拝見しました。身長差は実際に見てみないと分かりませんが、イメージでは身長が高くてパンチが伸びて来る印象があります」と評する。
「前回の試合で負けてしまったのは相手の身長が高かったけれど、相手の距離で戦ったのが敗因。今回は前へ行って自分の距離にもっていってパンチで倒すのが今回の試合の見どころです」と、前回と同じく身長の高い相手だが同じ失敗はしないとした。
プロ初黒星を味わったことには「失神KOしてしまい、負けた直後は記憶が曖昧で悔しさとか込み上げて来るものがなかったんです。終わった後、試合映像を見なおしてSNSで試合が流れて来たりコメントを見て、悔しさが込み上げてきました。でも、終わってしまったことはどうしようもないので気持ちは切り替えています」と、すでに気持ちの切り替えは出来ているという。
「負けた原因は明確になっています。そこが今まで修正できていなくて、あの負けがあったことで自分のダメなところが分かったので修正しています」と、敗因は修正しているとした。
前回バックハンドブローでKO負けを喫したことで、森岡もバックハンドブローを使って来る可能性があるが「次は自分がバックブローをやってやろうと思います」と、逆に自分がバックハンドブローで倒したいと意気込む。
ONEで逆転KOを奪った森岡のノーモーションの右ストレートについては「ストレートが得意なイメージがあって、逃げにくく打って来る。しっかり警戒してそのストレートにパンチを合わせるよな、ストレートを相手が出したら試合が終わるような内容にしたいと思います」と、そのストレートにカウンターを合わせると言い放つ。
OFGは「付けたことは数回あって。笠原友希くんがONEで試合をする時に対策の相手をしたことと、気分転換でサンドバッグを打ったことがあります。打ち方と距離感が普通のグローブとは全然違うと体感したので、次の試合はOFGで決まったら距離感、グローブの隙間にパンチが入って来るのでディフェンス面を強化して、OFGで話を持ってきたことを後悔させる試合結果にしたいと思います」と、試合は初めてだがOFGの特性は理解しているとした。
森岡は自分がOFGに向いているとしたが、山田はどうかと聞かれると「これ、やったら相手が壊れちゃうんじゃないかと感じました…少し話を盛りました(笑)。自分の中でパンチは得意なのでで、クッションが小さくなることによって威力は増すと思うので向いていると思っています」と、自分のパンチがより活きると感じているようだ。
OFGならではのつかみやすさなどを活かした技も考えているかと問われると、「スパンが短いこともあって、逆に自分の良さをなくしてしまうこともあるので、アジャストしすぎずに自分の良さを残しつつ、自分のパンチ力を相手に伝えることを意識して短い時間の中でもマッチさせていきたい」と、過剰には意識しないがOFGでの戦い方には慣れていきたいとした。
最後に、会見に同席した緒形健一シーザーインターナショナル代表は「本人も相手も望んで合意しているので、この試合はOFGマッチで決定ということで正式に決めたい」と、この試合をOFGで行うことを決定した。