2024年6月15日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2024 act.3』(U-NEXT配信)の対戦カード発表記者会見が、5月14日(火)都内にて行われた。
SB世界スーパーウェルター級王者・海人(TEAM F.O.D)が、70.0kg契約エキスパートクラスルール3分3R延長無制限Rで、アルマン・ハンバリアン(アルメニア)と対戦。
SBの絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王座、RISEミドル級王座を奪取した。2022年6月の『THE MATCH 2022』では野杁正明をも破っている。
驚異の18連勝をマークしていたが、8月のGLORYで世界王者ティジャニ・ベスタティに敗れ王座奪取ならず。その後は連勝で再び勢いに乗ったが、2024年2月に元ONE世界王者ペットモラコットに惜敗。4月のダイレクトリマッチでリベンジを果たした。戦績は55勝(24KO)7敗1無効試合。
(C)GLORY ハンバリアンは58勝(27KO)8敗2分と豊富なキャリアを持ち、元ISKA世界ライトミドル級王者、元GLORY世界ライト級9位。2023年2月のGLORYに初参戦するとソリン・カリニュークに判定勝ち。その試合では左右に構えをスイッチし、左ローを多用。前に出るカリニュークには前蹴りから左右のヒザを何度も突き刺した。カリニュークのパンチにも下がらずローやヒザを蹴るタフさも見せた。12月のGLORYでは同級1位エンリコ・ケールと対戦して3RにTKO負け。この試合の後、ケールは王者ベスタティに挑戦している。
会見に同席した緒形健一シーザーインターナショナル代表は「海人はGLORYライト級王座再挑戦を見据えてハンバリアンと対戦します。海人サイドと話をして、再びGLORY王座を目指そうという方向性が定まり、GLORYとコンタクトをとってベスタティがライト級王座を保持したままウェルター級に挑戦する、ライト級で今後も試合をすると確認できたので、今後はタイトル挑戦につながる試合を組んでいきたいと思います。この試合をクリアして、さらにGLORY上位の選手との対戦やタイトルに挑戦できるように今後も話を進めていきたい」と、海人はGLORY制覇を目指す方向性でやっていくと説明。
シーザー武志会長は「GLORYは海人がタイトルマッチで負けているので、一から出直して来いということだと思います。だったら一から積み上げていくしかない。本当はもっと上のクラスとやらせてあげたいが順番なので仕方がない。相手の試合映像を見ましたが、海人があまり好きじゃない背の高い選手です。でも全体を見ると海人がKO出来る選手です。試合なのでやってみないと分からないので頑張ってもらいたい」と話した。
海人は「ベスタティ選手にリベンジしてGLORYのベルトを巻けるようにしたいので、そのための挑戦権を得るための戦いだと思う。ここで苦戦してベスタティ選手とやってもまた負けると思われたくないので、レベルの差を見せて王座挑戦もリベンジもさせていただきたいと思います」との意気込み。
(C)GLORY ハンバリアンからは「初めての日本での試合で興奮している。海人はコンプリートファイターで対戦相手をリスペクトする素晴らしい選手だ。自分のハイレベルなキックボクシングとムエタイの技術で、今まで見たことがない驚きを日本のファンに届けたい。私の技術がSBでも証明することをお見せする」とのメッセージが読み上げられた。
そのハンバリアンの印象を聞かれた海人は「外国人選手特有のアグレッシブで身体を使ったファイターという印象です」とし、「身体は強いのかなと思っているので、そこを上手くテクニックやスピード、キレでいなしながら確実に仕留めたい」とやはり身体の頑丈さを警戒しながらも最後は仕留めたいとする。
「GLORYのレベルで言うとベスタティ選手が一番。そのあとで言えばストーヤン(コプリブレンスキー)で、ハンバリアンはストーヤンと同等の選手だと思います。対戦してみないと分かりませんが、身体もそれくらい強い選手だし、攻撃力も技術力もある選手です」と侮っていない。
意外な高評価だと聞かれると「下に見ているわけではありませんが、正直、相手にならないと思っています。ストーヤンも相手にならないと思っているで、それと同等という意味です。ベスタティ選手以外は僕のレベルじゃないと思っています」と、GLORYで相手になるのは王者ベスタティだけだと言い放つ。
GLORY王座再挑戦へアピールするための試合となるが、どのようにアピールしたいかとの問いには「この選手なら圧倒的に勝って倒して、もっと上の選手を当てないとダメだとGLORYに思って欲しい。ベスタティとのリベンジマッチをすぐにでもやらせたいと思われるような試合にしないといけない。そういう試合にしたいです」という。
ペットモラコットとの2連戦はヒジあり&首相撲ありのムエタイに近い戦い、今回はキックボクシングに近い戦いとスタイルが異なるが「僕はシュートボクサーなので、SBはどんなルールでもしっかり戦えないといけない。どんなスタイルにも対応できます。今回はヒジなしの海人の強さを見せたいと思います」と、それに対応できるのがシュートボクサーだとした。
ベスタティは2階級で戦うとの確認が取れたとのことだが、ウェルター級で実績を重ねれば本格的に階級転向もあり得る。そうなるとリベンジするのに残された時間は少ないことになるが、「もちろんそうですね。上の階級でやるのは体重も身体も出来ているからなので、70kgに落とすのがしんどいからこそ行くと思うし、時間はない。元々リベンジ出来る機会はないことなので、その機会がちょっとでもあってチャレンジする機会があればしっかりやりたい。時間がないのは分かっているからこそ、この試合は大事だと思っています。今年中に再戦したい」と、最短でベスタティとの再戦を実現させたいとする。
GLORY王座へのこだわりについては「1回挑戦して獲れなかったのもあるし、ベスタティともう1回やりたいのもある。このベルトを獲らずして他団体に挑戦してどこかの世界一になっても、世界一とは名乗れない。ここは1回負けているところのベルトを獲ってベスタティにも勝って、本当の世界一にチャレンジするのが僕の筋、覚悟だと思う。そういう意味でこだわりもあるし、獲りたいと思います」と、一度奪取に失敗しているGLORY王座を獲らないでの世界一はありえないとした。
また、かつて『THE MATCH 2022』で対戦した野杁正明のONE参戦が決まったことは刺激になったかと聞かれると、「THE MATCHで戦った後に、今度違う舞台で戦うなら世界一決定戦でと約束したので、それが実現できる時が来たと思っています。野杁さんも間違いなくONEの王者になれる人だと思うし、僕はGLORYでベスタティにリベンジして王座を獲ったら、挑戦できるところに挑戦していきたいと思っているので、世界一を決める時が野杁さんとの再戦になればいいなと思っています」と、お互いに頂点を獲って世界最強を決める戦いで再戦したいと語った。
なお、今大会に出場が発表されていたSB日本スーパーフェザー級王者・笠原友希(シーザージム)は、怪我のため欠場することも発表された。