2024年6月23日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催されるKNOCK OUTのビッグマッチ『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT“BLAZE”』(U-NEXT配信)の第一弾対戦カード発表記者会見が、5月9日(木)都内にて行われた。
今大会では初代KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者&第5代RIZINフェザー級王者・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)と、元PRIDEライト級王者・五味隆典(東林間ラスカルジム)の師弟対決が行われる。五味は山籠もり特訓中のため、会見には鈴木のみ出席。
同席した山口元気KNOCK OUT代表は「気になっている点は、6月22・23日にU-NEXTが27時間連続スポーツの祭典という番組をやるそうなんです。その中でKNOCK OUTも放送されるんですが、8時からバレーボールをやるらしくて放送時間の中に千裕の試合が入るかということ(もちろんKNOCK OUT単体の完全LIVE配信もある)。スポーツの祭典の中に入ったら嬉しいなと思っています」と、U-NEXTの特別番組枠の中で鈴木vs.五味まで収まるようにしたいとした。
これを聞いた鈴木は「KOする人しかKNOCK OUTには上がっちゃいけないんですよ。判定勝ち狙いする人は他団体に行って欲しい。判定でもいいけれど、ギリギリまで倒す姿を見せる人に集って欲しいと思っています。僕もトーナメント以外は全試合KOしています。だからテレビ間に合います。全員KOして僕につないでください」と、今大会は全試合KO決着で、とKNOCK OUTファイターたちに呼びかけた。
山口代表はこの試合の意図がまだ伝わっていないとし、「決定的になったのは千裕が五味選手を倒したいと。彼には独特の感性があって、教えてもらう人を倒すのが先生への恩返しと前から言っていて、俺のことも倒したいと言うんですが、体重が違うので現役でも勘弁してください(笑)。そういう倒すことで恩返しするという独特の感性があって、12月に五味選手とやれないかと詰められてからのストーリーです」と、師を超えるという意味で鈴木が熱望した対戦なのだと説明。
鈴木は「師を超えるのが恩返し。超えるタイミングは現役を辞めたら一緒ないんですよね。会長とも師を超える試合をしたいけれど現役じゃないと叶わない。五味さんはまだ現役でいるので。残りのキャリアで戦えるチャンスは3回もないんじゃないんですか。これが最後かもしれない。それで実戦で戦いたいと思って。そういう気持ちです」とした。
4月の金原戦が終わり、「練習はもちろん再開しています。前回と同じ練習を始めています」とすでに練習していると言い、ルールが違うことから特別な練習はと聞かれると「特にないです。あくまでもMMAは全部できないとダメなので全部やる。だから変える必要はないんです。それがMMAじゃないですか」といつも通りの練習で挑むとする。
「思い切りぶん殴りたいんですよ。思い切り正面から向かい合って。お互いガードを固めて近距離で打ち合うのかなと思っています。そこが楽しみです。逃げるために格闘技やってないので。KOするのがゴールなので、わざわざ距離を取る必要はないですね」と、五味とは正面からの殴り合いをしたいとした。
相手を憎む感情で試合をするのかと聞かれると「試合は憎む必要はなくて、リスペクトが大事。リスペクトをもって全力で戦う。格闘技は喧嘩や殺し合いじゃなくて競技なので。例外で喧嘩を売って来る人には殺意を持って戦いますが、基本的にはリスペクトです。だから五味さんには尊敬をもって叩きます」と答える。
尊敬している人を殴りたいというのは一般人には理解できないが、と聞かれると「これは自分の感覚なんですけれど、例えば僕が後輩に教えるじゃないですか。その後輩とリングの上で戦って、自分が教えた技で倒されたら教えたことが間違っていなかったと思うんですよ。俺の技術は間違っていなかったし、次の世代に継ぐことが出来るのでリングを安心して降りることが出来る。先生、間違ってなかったですよ、ということを証明できるのはリングの上でしか証明できない。僕らは格闘家なので」と、かなり独特な格闘技観を説明した。
緩い試合になる心配は「僕らはプロなので、どっちかが倒す。倒したいので、そういう甘い気持ちがないからあそこまで行けたし、僕もここまで来た。6月は五味さんの集大成が見られるんじゃないですか。僕も強くなるためにここまで来ているので」と、その心配は一切要らないと断言。
73kg契約とはいえ、当日は体重差が大きいことが予測されるが「そういう経験がないので、そこが面白いんですよ。当日は8~10kgの体重差が生まれると思って。僕は70kgしかないのでこれ以上増やせないので、当日は70kgだと思います。考えが独特なんですが、これが競技じゃなかったらと考えたら体重とか言っていられないじゃないですか。街中で五味さんと突然戦うことになった、そういう世界線でリングに上がろうかなと。どうやったら勝てるんだろう、体格差を埋められるんだろうと考えているんですよね。競技だけれど、僕の頭の中ではルールが整っていない不意に起きる戦いみたいな感じかな」と、そういうイメージでワクワクしているという。
金原戦に続いてのレジェンド対決になることについては「(日本の格闘技を作ってきた人たちを倒すのは)楽しみですし、早く新しい時代を創らないといけないので。ベテランの人たちを全員ぶっ倒して新しい時代をぶっこまないと、僕がキャリア終盤で時代が変わるのでは遅いんです。僕が引退するまでの間に思い通り変えられないので、僕を邪魔するベテランの先輩たちを一掃しないとって感じですね」と、新しい時代を創るために必要なことだとした。