2024年5月4日(日本時間5日朝7時~)ブラジル・リオデジャネイロのジュネス・アリーナにて、『UFC 301: Pantoja vs. Erceg』(U-NEXT配信)が開催される。
▼UFC世界フライ級選手権試合 5分5Rアレクサンドル・パントーハ(ブラジル)王者・27勝5敗(UFC11勝3敗)※UFC5連勝中 125lbs/56.70kgスティーブ・エルセグ(豪州)挑戦者・10位 12勝1敗(UFC3勝0敗)※UFC3連勝中 125lbs/56.70kg
メインイベントは「UFC世界フライ級選手権試合」(5分5R)。堀口恭司と同門ATTの王者・アレクサンドル・パントーハ(ブラジル)が地元で、UFC3連勝中の新鋭・スティーブ・エルセグ(豪州)を迎え撃つ。
前日計量はともに125ポンド(56.70kg)でパス。
王座戦に抜擢されたエルセグは本誌のインタビューで、「多くのアマチュア選手が僕を支えてくれる。他では叶わないことだ」と、豪州での練習環境を語っていたが、会見では「アンダードッグと言われようがどうだっていい。俺は世界一になるためにここに来たんだ」と、アウェーでの戦いに覚悟を見せた。
対する王者は「エルセグはラッキーな男だが、それも今回の試合で終わる」と、完勝を予告した。
王者パントーハ「マドンナに『一緒にアフターパーティーをやろう』って言ったよ」
──エルセグの服装を挑発していたが?
「観光客みたいだったよね。おかしな格好をしていたよ。あのままコパカバーナ(ビーチ)を歩いても、なんの違和感もないくらいだ」
──エルセグ戦が決まったときの気持ちは?
「悪くない相手だと思った。ブランドン・ロイバル(1位)戦で防衛した後、ブラジルで戦うことを希望したんだ。まだUFCではブラジルで戦ったことはなかったけど、こうして世界王者としてリオに戻って来れた。俺にとっても、応援してくれる皆にとってもクールなことだし、すごく興奮しているよ。俺は既にトップ戦線の全ファイターに勝っている。ブランドン・モレノ(2位)には『また7月に会おう』って言いたい。エルセグはラッキーな男だが、それも今回の試合で終わる」
──エルセグは「会場でブーイングを浴びるのを楽しみにしている」と言っていたが?
「ブラジルは良いところだし、国民も素敵だ。俺自身、UFCで戦うファイターとは良い関係を築きたい。観客には『ブーイングなどせず、しっかり歓迎してブラジルの良さを世界に見せつけよう』ってお願いをしたい」
──どんな試合になる?
「相手は非常に良いコンビネーションを使う。フィニッシュ力があるし、レスリングもうまい。長身で、力強くて、若い。今の俺にとって、これ以上の挑戦者はいない。ビッグショーをするにあたって、良いマッチメイクだよ。マドンナを見ただろ。マドンナが電話してきて、『俺の試合の前にコンサートを終わらせるつもり』って言ったんだ。だから、一緒にアフターパーティーをやろうって言ったよ(笑)」
──この大会に復帰するジョゼ・アルドが参戦することについては?
「特別な時間だ。アルドが引退しないことを願っているよ。10年前、一緒に練習する機会があった。どれだけ強いファイターがいても、アルドは全員を倒したんだ。アルドから多くのことを学んだし、自分がどれだけ優れているかを証明したいし、彼にも見せたい。俺がリオのキングになる準備はできている」
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挑戦者エルセグ「勝ってアリーナを出る時にボトルが投げつけられる──それもブラジルでの経験の一部さ」
──意図があってそのシャツを着て来た?
「ボタフォゴFRのシャツだ。別にファンじゃないんだが、パントーハが(ライバルの)CRフラメンゴを応援しているのが理由の一つさ。それに、ボタフォゴFRはスタジアムに招待してくれたしね」
──パントーハに「観光客みたいなファッションだ」と揶揄されたが?
「ファッションのコンテストじゃないんだから、快適だと思う服を着る。そもそも、観光客として景色を楽しみに来ているのも事実だし、戦うという役割も果たす。この街では、みんなが地元のパントーハびいきで、あまり自分のことは受け入れてもらえないと思っていたけど、みんなが歓迎してくれて嬉しいよ。ビーチで地元の人達とバレーボールや、ビーチテニスをしたし、サンバにも行った。素晴らしい経験ができている」
──敵地で王者に挑戦することで、いかに自分の名を知らしめたいか。
「自分としても、このタイトルマッチが決まった時、それがみんなにとって最上のタイトル挑戦者じゃなかったであろうことは自覚があって。この階級を見渡したときに、パントーハは既に多くの挑戦者を倒しているし、ランカーの中では負傷者も出ている。
他に唯一のタイトルコンテンダーとなり得たのはムハンマド・モカエフだけど、同じ大会で試合をした俺の方が、彼よりもエキサイティングな戦いをしたから、UFCが俺の方を選んだ、ということだ。アンダードッグと言われようが、どう悪く言われても、そんなことはどうだっていい。俺は世界一になるためにここに来たんだ。ケージの中で目の前の相手を倒して」
──勝った場合は、パントーハに再戦の機会を与えたいと思う?
「いや、一度でケリをつけて、地元(豪州)のパースで誰かと戦いたい。ファンも、フライ級タイトルマッチの再戦には飽き飽きしていると思うけど、もしUFCが再戦と決めたら、受け入れ、自分が最強だと再び知らしめるだけだ」
──試合展開はどうなる?
「距離を保ちつつ、角度を変えながら打撃を放つ。相手は本当に頑丈だが、いずれは雑になり、しんどい展開になるだろう。俺がただのテクニカルなファイターでなく、タフだってことも証明するつもりだ」
──2023年1月にブランドン・モレノが王者デイブソン・フィゲイレードをリオで破ったとき、暴動寸前になったが?
「そうだね。アリーナを出る時にボトルが投げつけられるだろうけど、それもブラジルでの経験の一部さ」