2024年4月27日(日本時間28日)米国ラスベガスのUFC APEXにて『UFC Fight Night: Nicolau vs. Perez』(U-NEXT配信)が開催される。
メインイベントはフライ級のランカー対決で、5位のマテウス・ニコラウと、8位のアレックス・ペレスが対戦する。
▼フライ級 5分5Rマテウス・ニコラウ(ブラジル)19勝3敗(UFC7勝2敗)アレックス・ペレス(米国)24勝8敗(UFC6勝4敗)
当初は、1月に体重超過したマネル・ケイプとニコラウの再戦が予定されていたが、ケイプが4月に肋骨を骨折し欠場。代わって、3月2日にムハンマド・モカエフとの熱戦で判定負けしたペレスが連戦で、ニコラウと対戦することになった。
ニコラウは、最初のUFC参戦で3勝1敗もフライ級廃止でフリーに。BRAVE CFでフェリペ・エフラインに判定勝ちしてUFC2度目の参戦。2021年3月の初戦でケイプにスプリット判定勝ちすると、ティム・エリオット、ダビッド・ドボジャーク、マット・シュネルと、ランカー相手に3連勝。
アウトMMAでカウンターファイターだが、2023年4月の前戦では、後のタイトル挑戦者ブランドン・ロイバルにカウンターの右ヒザを効かされ、ラッシュでKO負け。UFC4連勝でストップした。
代役のペレスは、強豪相手に3連敗中。2020年11月に当時の王者デイブソン・フィゲイレードに挑戦も、1R振り向きざまのギロチンチョークで一本負け。2022年7月の再起戦も現王者のアレクサンドル・パントーハに1R、リアネイキドチョークを極められ連敗。再び1年8カ月ぶりの試合となった3月に無敗モカエフと対戦し、モカエフのテイクダウンをがぶるも、その先に繋げず判定負けとなっている。ラスベガスでの練習では朝倉海、ヒロヤとも練習を重ねており、2020年以来の連戦で調子を上げるか。
平良達郎、鶴屋怜も参戦中のUFCフライ級戦線のトップ10内ランカー対決は、日本のファンにとっても注目の5Rメインイベントとなる。
本誌ではビクター・ヘンリーインタビュー、3連勝中のアリアニ・リプスキ、今回初メインとなるマテウス・ニコラウに続き、ペレスにも話を聞いた。
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アレックス・ペレス「誰が相手でもファイトする」
──アレックス・ペレス選手、3月2日のムハンマド・モカエフ戦から、2カ月弱での試合を受けて、メインの消滅を防ぎましたが、リクキーな試合になりますか。
「人生、毎日生きていればリスクはあるだろう? だから来るものは拒まないんだ。いいチャンスが巡ってきたら、それを逃すわけにはいかない。いつも人に言うんだけど、もしボスがいい提案をしてきたら、なんて答えるんだ? イエスかノーか? だいたいイエスって答えるだろう? だから、ただ今回の試合も楽しみだ」
──前回のモカエフ戦から何を得ましたか?
「ベストな選手と戦える実力があるという事。彼は俺の階級のナンバー1プロスペクトの選手の一人だ。あの試合は勝ったと思っていた。ただ、ジャッジはそう思わなかった。それが全てなんだが。だけどそんなベストである選手といい試合ができたという事実は残る」
──今回、このマテウス・ニコラウとの試合がメインイベントであるという事がどれだけのモチベーションになるのでしょうか。
「俺は常にどんな時もモチベーションは保っている。メインイベントだろうが、普段の試合であろうが、10連勝してたとしても、モチベーションが止まる事はない。これが俺の仕事だ。これで家族も息子も養っている。モチベーションが変わる事はない。今確かにちょっと転落中ではあるけど、俺が対戦してきた相手を見てもらえれば、デイビソン(フィゲイレード)、(アレッシャンドリ)パントーハ、モカエフ、この競技を始めたばかりのようなヤツらに負けた訳ではない。常に世界で一番のヤツらと戦ってきたんだ」
──そうですね。だからあなたはトップ10ランカーなのでしょう。家族がモチベーションだと?
「すべてがモチベーションになっているんだよ。他の皆は色んな理由があるかもしれない。というか、もし相手に顔面殴られるような事が戦う充分なモチベーションにならないようなヤツがいるなら、まず競技する場を間違えてるよな」
──あなたの試合の1週間後、フライ級王者アレッシャンドリ・パントージャに、スティーブ・エルセグが挑戦します。どう予想しますか?
「正直、予想するのは難しいけど。パントーハかな。パントーハにしよう。これまでヤツが戦ってきた相手を考えるとな。確実にヤツが上だ。顎も強い。これまで受けてきている打撃を見ても。ただスティーブも甘くない。2人ともマット・シュネルと戦って、パントーハが1Rで、エルセグが2R TKO勝ち。やっぱりパントーハの経験を考えるとパントーハだな。闘犬だ。スティーブがそうじゃないと言っている訳ではないが、まだ充分にスティーブを見ていないんだ」
──あなたの対戦相手マテウス・ニコラウについてはどう思う?
「マテウスか? ヤツはタフだよ。本当はとてもいい男なんだ。お互い知り合いなんだけど、何度か会って、俺の家にも来たことある、トレーニングの関係でね。彼の昔のトレーニングパートナーが今、俺と住んでるんだよ。だからいいヤツなのは知ってるし、ノヴァ・ウニオンでのキャンプは最高だよ。本当にいいチームでいい歴史を持つヤツらだ。あのチームは最前線から外れた事もないだろう?
よくコーチが入れ替わったりはあったりするけど、そういう事もなく、アンドレ・ペデネイラス代表をトップに、常にトップ戦線に長い間いるヤツらだ。だから彼らは準備をしっかりしているだろう。それが俺がこの試合を受け入れた理由でもある。自分の今回の仕事は、彼らが今回の試合を受けた事が間違いだったと思わせる事さ」
──対戦相手が知り合いで、その対戦相手にいい感情がある時に、それを横に置きながら、どのような想いでオクタゴンで向き合うのですか?
「これはそういう競技だから。誰が相手でもどの試合も同じようにファイトする。このスポーツの好きなところがその競技性だっていつも言っているんだ。俺は心からレスラーなんだよ。だから常に誰かと戦うという事。今まで親友とレスリングの試合をする事もあったし、親友に試合でスープレックスを決めたこともあったよ。だから知り合いの顔を殴るのも難しい事ではない。確かに知り合いって事は面白くはないが、逆に言うと、俺らは同じところを目指して戦っている訳で、そんなに相手が知り合いだからって変わる事ではないんだ」
──先々週には『UFC 300』という大きな大会が行われ、まだ少しその余韻が残っています。話題となったBMFのタイトルマッチも行われましたが、マックス・ホロウェイの試合をどう思いましたか?
「彼は最高だったよ。ホント、この競技でのレジェンドだ。俺の大好きな選手で、新たなレジェンドになりつつある。まだ若いのにここで長い期間頑張っている。だからすごく嬉しかった。ジャスティン・ゲイジーもマックスも、2人ともファンのフェイバリットだったよ。本当に最高の試合で『UFC 300』の観客を最高の形で楽しませたんじゃないかな」
──6月29日にコナー・マクレガーが復帰することについては?
「この競技にはとてもいい事だ。彼はこの競技を変えたと思う。色んな形でね。外からも中からも。オクタゴンの外でも選手達に色んなチャンスを与えたと思う。会社を立ちあげたり。Proper 12とかRumの会社とかね。この競技の選手たちに色んなビジネスの道を開いたんじゃないかな。彼がケージに戻ってくるのも最高だよ。この競技がまた更に注目される事になる。スポーツは日々成長はしていると思うが、この格闘技というスポーツに更に新たに目を向けてもらうようにするのには本当にいいきっかけになるだろう」