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インタビュー

【DEEP JEWELS】ムエタイからBreakingDown、DEEPへ──古瀬美月に36秒KO勝ちの彩綺「次は“ヒジあり”ルールで」

2024/04/09 09:04
【DEEP JEWELS】ムエタイからBreakingDown、DEEPへ──古瀬美月に36秒KO勝ちの彩綺「次は“ヒジあり”ルールで」

(C)DEEP/GONG KAKUTOGI

 2024年3月24日(日)東京・ニューピアホールにて『DEEP JEWELS 44』が開催され、BreakingDownからDEEPに参戦する彩綺が、王座挑戦経験を持つ古瀬美月を36秒、KO。ヒジ打ちの解禁を訴えた。

 ムエタイベースの彩綺。BreakingDownでは土木ネキに勝利し、DEEPでは初戦でケイト・ロータスの組みに判定負けで苦杯を舐めるも、2戦目で竹林愛留を得意の打撃で倒し・倒されの大激闘の末、竹林のアゴを壊し、TKOに下している。

 2023年2月の前戦では、須田萌里のオーバーフックからの引き込み腕十字に一本負けを喫しており、現在HEARTSで平田樹とも練習。組みへの対処に進化を見せたいところ。

 対する古瀬は、『格闘代理戦争』で人気を得てタイトル戦の経験も持つ。2023年は上瀬あかりと小松崎亜純に判定勝ち後、9月の前戦でイ・イエジェに判定負けしている。

 1R、ともにサウスポー構え。左の前蹴りから入る彩綺に、シングルレッグの古瀬。切る彩綺に互いに左ロー。ワンツーの古瀬に、彩綺は左ヒザからそのまま左! 古瀬が前のめりにダウンして、すぐにレフェリーが止めた。

 高い殺傷能力を持つ彩綺は、ケージのなかで「この試合で私のファンになってくれる人を増やそうと思って試合に臨みました。なので、この試合を見て、みんな私のファンになってください! 大沢(ケンジ)さんとHEARTSのみんな、ありがとうー!」と叫び、セコンド勢とハグをかわした。

 試合後のバックステージでのインタビューでは、「ムエタイをやっていた私にとって、ヒジあっての格闘技だから」と、3R制でのヒジ打ちありの試合を望んだ。

 まだ、女子MMAで2R制の試合を行っている彩綺。DEEPでは、女子2R制の試合においては、どちらか一方の選手がグランドポジションの状態になった時点より、双方の選手共に頭部顔面へのヒザ打撃および蹴る行為が禁止。また、ヒジによる打撃行為が禁止とされている。

 ムエタイからBreakingDown、そしてDEEPでMMAに取り組んでいる彩綺は、ヒジありルールでさらなる覚醒を起こすか。

ヒジあっての格闘技でしょ

――インパクト大のKOでした。

「見てました?」

――はい。あのKOの瞬間は……。

「けっこう相手の顔が下がってきたので、ヒザを当てようと思って、ヒザを軽く上げて、左ストレートでKOを決めました」

――左のヒザを入れて、そのまま左ストレート、つまり同側の打撃でした。あれはいつものミット打ちでもやっている?

「はい。ヒザからの展開はけっこう練習してたので、そこがああいう早めの展開で出せたので、自分の中では自信になりましたね」

――試合開始すぐから打撃を効かせると、嵐のような打撃が飛んでいました。もう序盤から相手が嫌がっていると感じていたのでしょうか。

「そうですね。こちらも下がらないということは決めてたので、それをちゃんと徹底して、セコンドの大沢(ケンジ・HEARTS代表)さんたちと徹底できたかなと。1回ちょっともらってグラついた部分はあるんですけど、そんなに重くなかったので、ほぼノーダメージです」

――「下がらない」というのはこの試合での決め事だったのでしょうか。それともHEARTSの方針として?

「どちらかというと私も下がらないで圧をかけていくファイトスタイルが好きだから。HEARTSの中でもそれをやらない選手もいるので。でも、それをやったほうが“自分のリズムになる”ことが分かったので、自信を持ってやりました」

――秒殺劇でした。試合後のマイクではまだ知名度が足りないと感じている?

「本当にマイクで言わせてもらった通りなんですけど、ファンを増やそうと思って、今回の試合で。ファンが増えるような試合で、魅せる試合をしたかったので、有言実行できたかなと」

――この試合を見た人は少なくとも印象に残ったと思います。

「なってくれなきゃ困る(笑)」

――HEARTSでのいまの練習頻度は?

「ほぼずっとHEARTSで練習させてもらってて、HEARTSの人たちって化け物みたいな人ばっかで。この前の江藤(公洋)さん、フェザーの木下カラテさん、午前中の大会に出た海飛と、PANCRASEの天弥兄弟とか、ちゃんと勝っている人たちが多いので、私が一番キャリアが少なくて、もう本当に離されているので、そこをどう埋めるかというので毎日必死に練習してて、そこはすこいHEARTSだからできる環境で助けてもらってます」

――対グラップラーが課題ですが、同じく所属ではないですが、出稽古組の平田樹選手とも練習していて、相手が組んできても突き放せる、あるいは立ち上がる自信もありましたか。

「そうですね。突き放せる自信があったというか、何回も“漬けられる”練習をしました。今回の古瀬さんが格上だったというのはあるんですが、さらに平田さんは格上ですし、いかに自分が苦しい展開を練習するかというのをやっていたので、そこは自信を持って臨みました」

――フリーではあるけど絆は強そうですね。

「そうですね。“片思い”だったらちょっと嫌ですけど(笑)、でもすごいみんな直前とかも連絡くれたりしていたので『勝ったらアイスな』とか。私、アイスすごい好きで(笑)。そう言ってたので、その約束を果たせて良かったです」

――今回こういう勝ち方をしました。今後の展望は?

「いろいろな人を用意されると思うので、ぜひ“ヒジありルール”を。ストライカーなので」

――立ち技ルールではなく、MMAの3Rでヒジありを、と?

「36秒で勝ったら見たいっしょ(笑)。ヒジありルールで。今回、私、キャリアが少なすぎて、(オファーをもらうときに)“毎回格上でごめんね”みたいな感じで組まれるんですけど、それが私的には納得いかない(笑)。もう“来いよ”って感じで。それにやっぱりヒジ(打ち)あってのMMAだと思ってるんで。柔術にはヒジ打ちがないじゃないですか。私はムエタイをやっていたので、けっこう最初からヒジあっての格闘技でしょ、というのがあったので、それをちゃんと試合で出したい」

――なるほど。最後に応援してくれた方にメッセージを。

「たくさんの応援ありがとうございました。今回36秒だったんですけど、絶対ファンになってくれたと思っていますので(笑)、これからもファンでい続けてください! よろしくお願いします」

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