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インタビュー

【ONE】5連続フィニッシュ勝利を狙う手塚裕之。秋山の無視は「全然“セクシー”じゃねーな」「今回、勝ったら、日本大会でタイトルマッチを」=4月6日(土)ルンピニー

2024/04/03 20:04
 ONE4連続フィニッシュ勝利中の手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC)が、1度は対戦が流れていたブラジルのヴァミール・ダ・シウバと、2024年4月6日(土)の『ONE FightNight 21』(U-NEXT配信/タイ・ルンピニースタジアム)にて対戦する。  5連勝、そして王座挑戦を目指す手塚は、2023年10月の『ONE FN15』にスクランブル参戦し、ジン・テホを1R、腕十字で下し、日本大会での秋山成勲戦をアピールしていたが実現せず。2月17日のバンコク大会でヴァウミール・ダ・シウバとのウェルター級戦が決定していたが、対戦相手が同じブラジルのアブラォン・アモリンに急遽変更となったが、1R 腕十字で仕留めている。  対するシウバは、MMA9勝3敗。ONEでは1勝2敗で、2022年2月のONEデビュー戦で元王者のゼバスチャン・カデスラムに右オーバーハンドでKO負け後、手塚も対戦したテホに2R ギロチンチョークで一本勝ち。2023年4月の前戦ではイシ・フィティケフを相手に1R ギロチンチョークで敗れている。  栃木県塩谷町の山村の農家に育った手塚は、現在、自ら作った“ファイター米”も販売中。農家とファイターの二足の草鞋を履いて、MMA13勝4敗の戦績を誇る。  2020年11月にムラド・ラマザノフに判定負け以降は、アギラン・ターニとエドソン・マルケスを3R TKO。さらにテホとアモリンを腕十字、と4試合連続のフィニッシュ勝利中。試合決定に、「5連続フィニッシュ狙います」と予告しており、アモリンを下し、クリスチャン・リーが持つ王座、あるいは暫定王座戦に近づけるか。  試合3日前にインタビューした手塚は、ほとんど減量のないナチュラルな身体で、「しっかり仕留めに行きます。次、勝てばもうタイトルマッチでいいんじゃないですか」と、必勝を誓った。 タイでジョン・ジョーンズに言われたこと (C)@hiro_tgfc ──バンコクにはいつ入りましたか。 「火曜夕方に来て、もうタイには半年に4回くらい来ているので、栃木から東京の先に行くような感じで来ています」 ──当初、2月17日のバンコク大会でヴァウミール・ダ・シウバとの試合が決待っていましたが流れて、現地で対戦相手が決まったアブラォン・アモリンを相手に1R、腕十字に極めました。 「前回の試合が流れたのがすぐ組まれて良かったです。相手も振って来るんで、それに合わせてこっちのカウンターも入るし、いい試合になるんじゃないかなと。フィニュシュ率も高いし。盛り上がる試合になるかなと思います」 ──基本的には前回の相手の研究をそのまま繰り返してきたのでしょうか。 「特に彼だから、という対策ではなく、自分の強みを出せば全然勝てる相手だと思うので、いままでやってきたことをさらに練り上げた感じですね。全体的にレベルアップしているので、打撃も寝技も全部」 ──その練り上げた場所は? 「基本的にはガレージを改造した自分のTGFCで地元の仲間と練習して、寝技は梅田恒介さんに週1で教えて来ていただき、打撃は宇都宮で堀口恭司さんのお師匠の息子の二瓶卓郎さんの弘仁会で空手をやっていて、週1でボクシングも墨田区のNEOBOXINGSTYLE(新井誠介トレーナー)に通い、ムエタイも宇都宮のZERO(細貝晃希、飯村誓トレーナー)に行っています。  あとたまにCARPE DIEMで竹浦(正起)さんや橋本(知之)さんのところに出稽古に行ったり、いろんなところで練習出来るものを吸収して、自分のジムでの練習で総合にどうやったらアジャストできるかを作っています。全体的にレベルが上がって、前の試合は1発も触らせずに勝てているので、成果も出ていると思います」 ──1Rでの腕十字フィニュシュが2回続いていますね。 「もちろんフルラウンドやろうと思えばできるし、前回の腕十字ももっと早い段階で行こうと思えば行けるんですけど、失敗したときに上を取られてしまう技なので、残り10秒とか、20秒とかでパスガードして狙うようにしているので、そういったリスク管理もしながら極めているので、どういう局面でも勝てるようにやっています。たまたま2回連続で腕十字でしたが、次も狙えたら狙いますし、対策はしてくるでしょうけど、対策されたら“必殺技”じゃないので。柔術の練習のおかげでパスガード、極めに至るまでの動きがしっかりして──この間、茶帯になったんですよ。もうちょいあと1個で黒帯だ、ということろで柔術も面白くなってきました。世間的にはストライカーだと思われていたと思いますが、最近は寝技も楽しくて、どっちでもフィニュシュできるのが強みかなと思っています」 ──伝統派空手、ボクシング、ムエタイ、柔術を各パートで習い、それを自分のジムでMMAに落とし込んでいると。タイのバンタオジムでの練習も拝見しましたが、ジョージ・ヒックマンHCが自らミット持っていました。あれは、個別指導のレッスン料を払って診てもらっているという形でしょうか。 「そうですね。前回は試合後すぐに行ったんですけど、何も連絡せずに行ってしまったんで、お金を払ってクラスに出て、パーソナルも見てもらいました。その後にももう1回、行ったんですけど、そのときは家族を連れて行って、ウイスキーが好きだと聞いていたので、山崎のウイスキーを持っていったんです。そうしたら少し便宜を図ってくれました(笑)。それはともかく、彼らはジョン・ジョーンズやGSPも教えてきて現地にも来るので、すごく指導が上手なコーチですし、今後もひとつの拠点として合宿地として定期的に通おうかなと思っています」 ──北米に比べれば滞在費が安くすむのも大きいですよね。そういえばジョン・ジョーンズのセミナーにも参加しましたね。 「セミナー自体よりも直に会えたのはすごく良かったです。マインド的にも──個人的に1分間時間をもらえたんです。そのときに『あなたみたいに偉大な存在になるにはどうしたら?』と聞いたら、『毎回毎回、自分より強いファイターを見て、気づいた点をノートに記すんだ』と。『そのくらい勤勉なファイターが上に行く』と言っていて、あそこまで才能に溢れた人も、そういった地道なことをしてきたんだなと響きましたね」 ──そうした外からもインプットしていくなかで、試合ではセコンドとして外の目として岡田遼選手がついていますね。 「今回もセコンドについてもらいます。CARPE DIEMにも一緒に行きましたが、フットワークが軽くて同世代なので、セコンドもお願いして、冷静な声がけしてくれるので、10月に頼んでから連続で頼むようにしています。もうほんとうに分かってくれているので。それは性格とかも含めて、“こういうところで焦っちゃうから落ち着け”とか、技術面のみならず精神面もサポートしてくれるので、ほんとうに助かります。賢いですよね」 [nextpage] 去る前に、下の代にやられて新陳代謝させないなんて ──今回の対戦相手のヴァウミール・ダ・シウバを見ると、打撃はブロッキングで防御してカデスタムの右をその外側から被弾していました。シウバのスタンドをどう見ていますか。 「ブロッキングを多用するんであれば、ボディも入るし、タックルも入る。ヘッドムーブや距離で避ける選手の方がやりにくいです。ブラジルスタイルはPANCRASE時代から何度もやってきて(ルイス・ドゥトラ、グライコ・フランサ)得意です。全然打撃でも優位に立てると思うし、そこでフィニュシュできればするし、チャンスがあればテイクダウンするし、3連続腕十字でもいいと思います。テイクに失敗してもそれが次のレベルチェンジのフェイクになる。万が一もらってピンチに陥るようなことがあったとしても、そこから挽回して極めたり倒す自信があります」 ──前回の試合は4試合連続フィニッシュ勝利で、当然、インタビューとそれに続く5万ドルボーナスも期待されましたが、インタビューすら無かったです。悔しさも? 「柔術黒帯相手に初回一本勝ちで“これは来るな”と思ったんですけど……インタビューはさすがにほしいですよね。試合後にミッチ・チルソンに『なんでインタビューしてくれないの?』って聞いたら『僕が決めてるわけじゃないから』って(苦笑)」 ──せっかくタイ人気も高まったているみたいですし。 「それは自分たちで勝手に言っているだけですけど(笑)、でもちょっと声援が増えたような気がしたんですよ。なんで次もちゃんとインタビュー用にタイ語を用意していきますんで、マイペンライ」 ──大丈夫、と。4試合連続フィニッシュ勝利で、あと誰にどれだけ勝てばタイトルマッチが出来ると考えていますか。 「今回も気を抜かず、しっかり仕留めに行きます。それで次、しっかり勝てばもうタイトルマッチでいいんじゃないですか。でも、タイトル獲っちゃったら、いまみたいにいっぱい試合が出来なくなるのはちょっとなあと(笑)」 ──怪我さえ無ければコンスタントに試合をしたいと。 「毎月、試合したいくらいで。タイトル獲ってもガンガン試合をしたいですし、いまクリスチャン・リーがウェルター級もチャンピオンですけど、彼はもう2年くらい試合をしていないので、彼が戻って来るという噂も聞きましたけど、戻って来るとしたらたぶんライト級だと思うので、そうなるならもうウェルターは返上してもらって、暫定王座戦でカデスタムとやってもいいですし、とにかく今回、勝ったら、次(王座戦)でいいんじゃないですかね。特に日本大会もありましすし」 ──年内に行われるというONE日本大会でタイトルマッチが出来れば……。 「そうですね。いや、その前にもやってもいいです(笑)。まだ4月だから。ある人が言っていたんですけど『試合は次の試合のための練習だ』と。もちろんお金のこともありますけどね。そりゃ青木(真也)さんとか秋山(成勲)さんみたいにいっぱいもらっていれば年1とか年2でいいでしょうけど……もう、青木さんと秋山さんは、とりあえず、どけと。もうニュージェネレーションのものだから。それに秋山さんはあの試合(ニキー・ホルツケンとのミックスルール)はやる意味があったのか。もちろんあっちが自分とやるリスクはあったと思いす。俺とやって勝てないと思ったのか、それは分からないですけど、やるリスクを考えたら、相手にしたくないのは分かりますけど、俺だったら、やっぱり去る前に、下の代とやってやられて新陳代謝させることがカッコイイと思うので、全然“セクシー”じゃねーなと思いますけど」 (C)@hiro_tgfc ──バトンタッチの時だと。どんどん試合をしてプレッシャーをかけていく。それに兼業の農業でも手塚米の収穫は1年に1回しかないですしね。 「そうなんですよ! 米も日本だけだと頭打ちなんで、海外にセールスするためにも勝って米をアピールしないと」 ──いまが身体的にも精神的も、MMAとしても合致したピークを迎えつつあるのでしょうか。だからこそ、タイトルマッチをしたいと。 「自分としては、まだまだ伸びしろがあるんですが、戦績的にもそろそろ(タイトルマッチで)いいんじゃないかなと。ニュースターになりたいと思います」
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