毎週金曜日にタイ・ルンピニースタジアムで開催される『ONE Friday Fights』。今週4月5日(金)午後9時半開始の『ONE Friday Fights 58』(U-NEXT配信)はビッグマッチとして行われる。
メインイベントはスーパーボン(タイ)vs.マラット・グレゴリアン(アルメニア)3度目の対決で、ONE暫定フェザー級キックボクシング暫定世界タイトルマッチ。
正規王者チンギス・アラゾフの去就が定かではないなか、グレゴリアンは、1月の日本大会でシッティチャイ・シッソンピーノンに6度目の対戦にして初のKO勝利を収めたばかり。今回はキックルールでスーパーボンとのラバーマッチに臨む。
グレゴリアンはONE Championshipのインタビューに「判定かKOかは構わない。チャンピオンになるためにはこの一戦で勝たなければならない」と語った。
前戦はシティチャイが深く息を吸った瞬間をボディブローでとらえた
──この試合に向けてどこでトレーニングをしてきましたか。
「タイだよ。パタヤのフェアテックスでトレーニングしている。ここに来てずいぶんになるね。睡眠もバッチリ取れているよ(※インタビューは3月26日に行われた)」
──今回の試合のために帯同したのは?
「コーチのニック・ヘマースと、スパーリングパートナー数人を含めて6、7人は連れてきている。今は自分の試合だけに全力を注いでいる。試合を控えている選手は誰もいないから、みんな僕の試合の準備に全集中できる。毎日、ゲームプランに沿った練習やスパーリングなど、かなりハードなトレーニングを続けているよ」
──今回のキャンプで何か変えたことはありますか。
「もちろんあるよ。スーパーボンは、シティチャイとは違う選手だからね。良いゲームプランを立てている。きっとスーパーボンは気に入らないだろうけど、様子を見るしかない」
──1月のシティチャイ戦の勝利をどう総括していますか。
「シティチャイ戦では、常に“もっとやらないと”と思っていた。シティチャイは強くて賢い選手だからね。動きも良くてポイントも取れる。でも僕が相手のボディに当てた一発は見事だった。タイミングも絶妙で、シティチャイが深く息を吸った瞬間を狙えた。肋骨に直撃して、20、30秒は呼吸できなくなっていたはずだ」
──今でもシティチャイは最大のライバルだという思いはありますか。
「彼とは何度も戦ったからね。いつもタイトル戦かスーパーファイトだった。だからこの階級で最大のライバルの1人だったね」
──シティチャイを倒すことができた自信は、スーパーボンを倒すことができるという自信に繋がりますか。
「今は自分の試合に集中したい。スーパーボンのことは言いたくないし、言うことはない。ただ身体のリカバリーと集中力を保つことだけ。前回のスーパーボン戦は準備は万全だったけど、本番で体調が万全じゃなかった。動きが鈍かった。だからスーパーボン戦のことは言わない。ただリカバリーのこととシャープな状態を保つことだけに集中している」
──タイ長期帯在の理由はそのためですか。
「体調が万全じゃなかったから負けたわけじゃない。それを言い訳にすることはしない。でも確かにリカバリーが不十分だったのは事実さ。試合の動きを見れば分かる。カクカクした動きだった。だから、今回はゆっくり調整する期間を取れた。きっと違う試合になるはずだ」
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スーパーボンは前蹴りを繰り返して遠ざけて、ヒザを使ってくるくらいだろう
──スーパーボンは前回と戦い方を変えると思いますか。
「前と同じゲームプランを取ると思うよ。前蹴りを繰り返して自分を遠ざけて、ヒザを使ってくるくらいだろう。自分に対して出来ることはそれくらいだ。だから自分は距離を味方につけて、間合いを詰めてポイントを確実に取ることだけに集中する」
──同じ相手と何度も戦うことで得られるものは?
「最初の試合は29秒で終わったから、ほとんど戦っていない。2戦目は5ラウンドフルに戦えた。あの時はスーパーボンの全てを見た。でも自分の動きが本当に鈍かった。あれからスーパーボンも大きく成長したし、自分も成長した。毎回違うものを見せられる。ミスれば一瞬で終わるし、いつも気を引き締めないといけない」
──スーパーボンの最大の脅威はなんだと思いますか。
「キックだけが危ない。それ以外はない」
──スーパーボンに似たスパーリングパートナーは連れてきましたか。
「そりゃそうさ。スーパーボンのスタイルに合わせた練習をしている。でも本番は違う。似た動きの選手を連れてきているが、実際の試合は2人きりの世界になる」
──前回の勝利を踏まえ、今回はスーパーボンを倒す自信はありますか。
「人生はリスクだらけさ。今回の試合も急な話だったけどすぐに受けたよ。今年は全てを賭ける。勝たなきゃいけない。頭にあるのは勝利だけ。判定か、KOかは構わない。勝つことだけ」
──暫定王座をかけての試合で、モチベーションは高まりますか。
「自分の目標はONEのチャンピオンになること。それだけだ。だからこの試合は全てを懸けている。チャンピオンになるためには、この一戦で勝たなければならない」