負けを知らない男ジョナサン・ディベラが最強の挑戦者を迎えて2度目の防衛戦(C)ONE Championship
2024年4月5日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Friday Fights 58』にて、ONEストロー級ムエタイ世界王者プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)の挑戦を受け、2度目の防衛戦に臨むONEストロー級キックボクシング世界王者ジョナサン・ディベラ(イタリア/カナダ)のインタビューが主催者を通じて届いた。
ディベラは格闘家だった父に2歳から教えを受け、極真空手の黒帯を取得。アマチュアキックボクシングで20勝(17KO)無敗、アマチュアボクシング6勝無敗の戦績を収めてキックボクシングのプロに転向すると現在までISKA北米王座やISKAインターコンチネンタル王座を獲得。GLORYにも出場した。ONEとは2020年に契約を結んだが、新型コロナウイルスの影響のため試合が出来ず、2022年6月にモントリオールでボクシングの試合に出場して判定勝ち、その1カ月後にはカナダのキックボクシングの試合で2R KO勝ちを収めた。
2022年10月にONE初参戦を果たすと、いきなりONE世界ストロー級キックボクシング王座決定戦に抜擢され、ジャン・ペイメンを判定で破り新王座に就いた。2023年10月にはダニエル・ウイリアムスを判定で破り初防衛に成功している“人生無敗の男”。戦績は12勝(4KO)無敗。
激しい戦いか、技術力の高い戦いを見せられると思う
――プラジャンチャイとの対戦が決まりましたが、彼のことはどう見ていましたか。
「プラジャンチャイの試合はずっとチェックしてきたよ。彼は素晴らしいチャンピオンで、ルンピニーや他のスタジアムでもレベルの高い試合をしてタイトルを獲得してきた。だから、僕は彼のことをよく知っていたし、ずっと前から彼の試合は見てきたよ」
――プラジャンチャイの強みと弱みについてご自身の見解を教えてください。
「プラジャンチャイには至る所に強みがありますね。弱みはほとんどないよ。だから、僕は全てに万全の態勢で挑む準備をしないといけない」
――プラジャンチャイは300戦を超える試合経験がありますが、そのことについてはどう思いますか。
「彼の最大の強みは経験だと思うね。だから僕は彼の最高のパフォーマンスに負けないよう準備しているよ。これまでで一番手強い相手に立ち向かうことになるね。本当に熾烈な戦いになると覚悟して追い込みキャンプを乗り越えてきた。100%の状態で臨めると思っている。勝利のために全力を尽くす準備はできている」
――伝統あるルンピニースタジアムで試合することについて、どう思っていますか。
「ルンピニースタジアムで戦うことは子供の頃からの夢だった。最高の舞台で戦い、そこでチャンピオンになりたいと思っていたから。だからルンピニーでのビッグイベントで戦えるのは本当に名誉なことさ。たくさんの選手たちが憧れていることだからね。他の世界チャンピオンたちも出場するONEの大きなイベントで戦えることを本当に嬉しく思っているよ」
――タイのファンの前で戦うことについてはどう思いますか。
「前回の試合でタイのファンの前で戦ったときも、プラジャンチャイがパンチやキックを放つ度にファンが大声で応援していた。でも、僕は全く圧迫感を感じなかったよ。彼の地元で戦うことは逆に楽しみだね。相手の母国ファンの前でエキサイティングな試合をすることは大好きさ。今回の試合はさらに重要な意味を持つだろう。勝利に向けてさらに興奮が高まっているよ」
――プラジャンチャイに勝った場合、自分の認知度や評価にどんな影響があると思いますか。
「僕がプラジャンチャイに勝てば、キックボクシングの世界では飛躍的に知名度が上がると思っている。格闘技界全体の視線が僕に注がれるだろうね。9月と11月にONEがアメリカ大会をやるっていうから、より多くのファンを獲得できる大きなチャンスだと思う。プラジャンチャイのようなビッグネームに勝つことは、自分の名前と認知度を高める上では非常に重要なことだね」
――ファンにどんな試合を見せたいですか?
「ファンには激しい戦いか、技術力の高い戦いを見せられると思う。どちらの展開になるかは戦ってみてだけど、間違いなく大熱戦になるね」
――これまでずっとお父さんがトレーナーだと思いますが、それはどうしてですか。
「父は僕が2歳の時から自分の唯一のトレーナーだよ。僕たちはお互いのことをよく分かり合っているから、うまくやれているんだ。時々意見が合わないこともあるけど、それはただの父と子の関係だよね。父の言うことには必ず耳を傾けているよ。父は今でも僕に対して非常に厳しいけれど、素晴らしい関係だと思う」
「父から多くのことを学んだね。きっと僕も子供ができたら、同じようにしなければならないね。僕は父を敬愛していて、父は良い父親、良いお手本となるよう教えてくれた。ジムの他の生徒たちも、父を敬う気持ちを持っているよ。僕も当然のことながら、父を尊敬している」
――常にお父さんと一緒にトレーニングをするのは大変ではないか。
「大変なのは、同じことの繰り返しと、いつも一緒にいることかな(笑)。ときどき離れる必要があると思うから、別のことに時間を使ったり、家を離れたりして、少し距離を置くことは大切だと感じる。毎日同じことの繰り返しだと、休憩が必要になるよね」
――世界チャンピオンになることで、お父さんの夢も実現できたと思いますか。
「確かに、僕と父は同じ夢を抱いていたよ。父は僕以上に、タイトル獲得を望んでいたかもしれないね。だから、このようにトレーニングから試合まで一緒に過ごせるのは素晴らしいこと。子供の頃から、この日のために歩んできた道のりだったからね」