倒し倒されの激闘を演じたK-1ライト級王者・林(左)
2019年8月24日(土)エディオンアリーナ大阪にて、開催された『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~日本vs世界・5対5&スペシャル・スーパーファイト in 大阪~』の一夜明け会見が、25日(日)大阪市内で行われた。
第9試合の「日本vs世界・5対5」マッチ-68kg契約3分3R・延長1Rで、2014年プロボクシング西日本新人王・大泉翔(昇龍會)を、公約通りパンチで3度のダウンを奪って1R2分17秒、KOしたK-1 KRUSH FIGHTウェルター級王者・木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス)が会見に出席。
(C)M-1 Sports Media
「テーマを持った試合だったんですがリングに上がったら楽しく試合できました。掴みでローを蹴ったら沸いてくれたので良かったです。大阪用であれだけ振ったからには落とそうと思ってやりました」とニヤリ。パンチだけで勝負すると試合前に公言した上で、わざと最初にローを一発だけ蹴ったと明かした。
「相手は元プロボクサーってことで実績ありますが、パンチで勝負したら負けないのは分かっていた。それを証明するためにもパンチで倒すことを見せないといけないと思っていて、それはクリアーできました」とのテーマを持って臨んだが、「もうちょっと展開を予想していろいろな武器も持っていたが、結果早めに終わりました。もっと用意していたものはありましたね」と、まだ見せていないパンチもあったという。
今後もパンチ勝負をテーマにするのかと問われると「でもK-1の中ではオールラウンダーで勝っていきたいんですよ。今回は元ボクサーだったからテーマを付けただけで。あくまでもK-1ファイターとして世界一になりたい。その中でパンチは僕が一番強いという自信を持ちたかった」と、パンチだけにこだわっているわけではないという。
次に関しては「ここまで出たからには全大会走り抜けようと。次もその次も出ていい試合をしたい。ウェルター級の選手はみんな頭に入れています。近藤魁成、野杁正明…いずれは上の階級も狙っていきたいくらいなので、その近辺の選手は全部頭に入れています。大阪はめちゃくちゃ会場もファンもアツくてやりがいがありました。幸せでしたね。毎回ここで試合したいと思うくらい最高だった。横浜もいいKOをかましたいのでお楽しみに」と、年内に開催が決定している11月24日(日)横浜アリーナ大会、12月28日(土)愛知・ドルフィンズアリーナにも連続出場したいと意欲を見せた。
第10試合「日本vs世界・5対5」マッチのウェルター級3分3R・延長1Rでサミ・ラミリ(スイス)を2R2分35秒、ボディブローでKOした第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)は「2年連続で大阪大会に出させてもらって、2KOで終わることができてホッとしています。移籍して初めて勝利することができたので、会長含めてトレーナー陣に感謝したい気持ちでいっぱいです」と、勝利を喜ぶ。
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野杁の試合まで「日本vs世界・5対5」マッチはKOが続いており、「前半戦が判定決着が多い中、(愛鷹)亮さんが豪快KOしてKOが続いて、ここで判定で終わるようでは流れを止めてしまうと意識してKOしないといけない気持ちはありました」と、自分もKOで終わらせることを意識していた。
改めて「僕が目指しているのはピケオーへのリベンジとK-1のベルトを獲ること。(現王者の久保優太が)ピケオーとタイトルマッチをやるのか分からないけれど、そこに挑戦できるように。ひとつずつ勝っていくだけ」と、2つの目標を掲げる。また、地元・名古屋での開催となる12月大会には「誰と決まるか分からないですし、お客さんが見たい試合が出来ればいいかな。僕は誰とでもやるので決められた試合をやるだけです。絶対メインじゃないと嫌だって気持ちはないですね。メインであればしっかり締めるし、メインじゃなくてもKOにはこだわっているので。メインはそこまで意識していない」と、与えられた仕事をやり遂げていくとする。
そして最後には「自分のことですが、10月に2人目の子供が生まれるのでそれに向けて父親として一仕事終えたのでよかったと思っています。12月を目指してひとつずつ勝っていくのでこれからも期待してください」と、二児の父となることを発表した。
セミファイナルとなる第11試合「日本vs世界・5対5」マッチのライト級3分3R・延長1Rで、IFMA欧州ライト級王者デニス・デミルカプ(トルコ)にダウンを奪われながらも2R3分3秒、逆転KOに成功したK-1 WORLD GPライト級王者・林健太(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/FSG)は「最近よく言われるんですが、ヒヤヒヤするって。ヒヤヒヤさせてすいません。人生で初めてこんなに足が痛いです」と、度重なる逆転勝利に苦笑。
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「倒された時は何が起こったか分からなくて、カウントを数えられている間に記憶が戻ってきて。そばにいるトレーナーや兄弟の声が聞こえて思い出して、ここは地元や、取り返さないといけないって思いました」と、最初のダウンを奪われた時はかなり危険な様子だったようだ。
「なんか(逆転に)なっちゃうんですよね。でも純粋にデニスは強かったです。足がめっちゃ痛いです。足は2~3日で治ると思うけれど、こんなに痛いのは初めてなのでどれくらいの間隔か分からないです。昨日は普段聞こえない量の健太コールが聞こえました。インローを蹴って盛り返す雰囲気になった時にコールが聞こえたので“やらな”と思った」と、応援が逆転の力になったという。
今後については「次が防衛戦になるか分かりませんが、結果が全て。いい試合だったって言ってくれるけれど、自分が王者なので内容にもこだわっていきたいです。いい勉強になりました。また一から頑張らな、と思いました。心臓に悪いとメッセージが来たので申し訳ないです。盛り上がったのはよかったでしょうが、最高の王者を目指すと言っているので、今回は内容が最高じゃなかったので試合内容も最高な王者を目指していきます」と、気を引き締めて次の試合に臨みたいと語った。
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