2024年3月17日(日)東京体育館で開催された『RISE ELDORADO 2024』の第11試合「RISE vs. K-1対抗戦」ライト級(63kg)3分3R延長1R、RISEライト級王者・中村寛(BK GYM)vs.K-1ライト級王者・与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)の王者対決。
試合は3R、左カーフキックを軸に蹴りで攻勢に出ていた与座が後ろ蹴りを放ったところで、中村が急所に当たったというゼスチャー。与座が攻撃を止めると中村は股間を抑えて倒れ込み、これがダウンと見なされた。
中村が立ち上がれなかったため与座のKO勝ちとなったが、審判団が協議。その結果、与座のKO勝ちとなった。勝った与座も首をひねり、不満顔。レフェリーは「確かにラインは金的の部分です。僕も一瞬迷いましたが、僕は内股を取りました。もしかしたらVTRで覆るかもしれません。私は内股のローをとってKOとさせていただきました」と説明した。
対抗戦、しかも王者対決という大一番でもやもやする結末となってしまい、伊藤隆RISE代表は「両選手にヒアリングしながら再戦するかどうするのかを考えたいと思っています」と、まずは両選手に再戦の意思があるかどうかを聞きたいとした。
「与座と中村ですが、これに関しては僕も何とも言えないですね。両者が再戦したいというのであれば組みたいと思いますし、もちろんK-1さんと彼のスケジュールもあるので良きタイミングで組みたいと思います。両者が望むのであれば。ここはやはり王者対決なので白黒はっきりさせた方がいいと思うんですね。両者が望むのであればぜひやりたいと思います」
ローブローか有効打かの議論については「パッと見た感じだとローブローだと思いましたが、レフェリーに検証してもらって判断します。(SNSで騒ぎになったのは)それだけ皆さんが期待していた試合だったと思うんですけれど、まずは検証して。ただ、内股に入ったからダウンだ、というのは違うと思うんですよ。内股の当たり方も足の面積的に金的に当たっていると思うので、そこはダウンじゃないのかなと思いましたが、僕の判断で決めることは出来ないので検証したいと思います」と、審判団の判断に委ねるとする。
こういった事態が起きた場合のVTR判定の制度はないのか、との質問には「RISEではまだやっていないので。ただ、(VTRでローブローと判断された場合)あそこから再開するとしても出来るのかなと。ゴングが鳴って終わって、お互い一回テンションもアドレナリンも下がっているし、僕も選手をやっていたので分かるのですが、あの状況でまた再開するのって非常に大変だと思ったんですよ。お客さんは見たいでしょうけれど。選手は容易ではない。ローブローと判断されて再開されたとしても、金的が効いているわけですから再開できないじゃないですか。そうなると2Rまでの判定になってしまう。そこは難しいところがありますね。テニスやサッカーとは違うので、VTR検証して金的でした、じゃあ再開ですとなっても、それは戦う選手としては難しいところです」と自身も選手だった経験から、その場でVTR検証して再開になったとしても試合を成立させるのは難しいとの見解を示す。
審判団の協議によっては「過去に異議申し立てで判定が変わった場合もあります」と試合結果に変更がある可能性もあるとしたが、「今回は対抗戦という部分もあるので。それよりも再戦を。勝負の世界だから白黒はっきりさせた方がいいと思う」と、再戦で白黒はっきりさせた方がいいとした。
記者から与座は再戦に前向き、中村は積極的ではなかったことを伝え聞くと「中村はやらないとダメでしょう。どちらかと言うと試合の流れを作っていたのは与座の方なので。ここは白黒つけるべきだと思いますし、それはK-1さんと話して与座選手のスケジュールもありますし、どこかでやりたいと思います。そうじゃないと皆さんもファンもスッキリしないじゃないですか。負けてもいいし勝ってもいいし、しっかり白黒つけるのが格闘技だと思っているので、審議してどうのこうのもあると思いますが、もう1回やるべきだと思います」と、再戦で決着をつけるべきとの語った。