2024年3月20日(水・祝)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD MAX』にて行われる「K-1 WORLD GP 2024 -70kg世界最強トーナメント開幕戦」で、“アジアの新皇帝”オウヤン・フェン(中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP)と対戦する“ブレーメンの暗殺隊”パスカル・シュロス(ドイツ/Martial Arts Academy)のインタビューが主催者を通じて届いた。
シュロスは、“ブレーメンの暗殺隊”のニックネームを持つドイツのベテランで、謎の白マスクを被るミステリアスなファイターだ。73戦とキャリアが豊富で、52勝のうち32KOをマーク。WKU世界でキックルールとムエタイの2階級をそれぞれ制覇しており、強烈なミドルキックとヒザ蹴り、ハイキックで相手を追い込むのが特長だ。
対するオウヤンは中国70kg最強の呼び声が高い強豪ファイターで、23年7月の武林風では武林風70kg級チャンピオンのアナトリー・モイセーエフをKOして同級王者に。昨年12月の「K-1 ReBIRTH.2」では、[K-1 WORLD GP スーパー・ウェルター級タイトルマッチ]で和島大海(日本/月心会チーム侍)をKOして同級王者を獲得した。
みんなの驚く顔を見るのが楽しみだ
――格闘技を始めたのは、何歳の時ですか?
「14歳だ。ドイツの港町ブレーマーハーフェンで、ムエタイとキックボクシングのトレーニングを始めた。それまで喧嘩に明け暮れて悪いことばかりするトラブルメイカーだったんで、更生するために格闘技をはじめ、それからは悪いことはしなくなったな。喧嘩を吹っかけて来なければね」
――これまで数々のタイトルを獲得してきたのですね?
「格闘技は天職だね。すべて覚えているよ。2014年にオランダでレムコ・ムアランドを破って、WKFヨーロッパチャンピオンになった。2016年はWMCキングスカップチャンピオンと、K-1ドイツGPチャンピオンに。2017年はWKU世界チャンピオン、2018年にK-1ドイツGPを連覇。19、20、21、22、23年にWKU世界王座をそれぞれ獲得している」
――K-1 MAXのオファーを受けた時の心境を教えてください。
「K-1で戦うことは、トレーニングを始めた時からの夢だった。俺は、いつもK-1に憧れていて、いつかK-1のために戦うと自分に言い聞かせていたんだ。今回のオファーで夢が叶い、日本のファンのために素晴らしい試合を披露できることに本当に興奮しているよ!」
――K-1 MAXについては、どんなイメージがありますか?
「K-1はイベントの作り方も含めて、とても気に入っている。2022年11月にゲストコーチとして初めて日本に来て、K-1のイベントを見て本当にプロフェッショナルだと感じたね。世界最高のファイターを実に魅力的な方法で紹介しているし、日本のファンは選手をリスペクトしている。俺は、日本もK-1も大好きだ!」
――あと、これはみんな疑問に思っているはずですが、あなたはなぜ白仮面をつけているのでしょうか?
「ああ、これね(白仮面を指差す)。マスクをつけると、まるで自分ではなくなるような感覚があるからだ。相手と自分を切り離すことで戦いに集中することができるし、不思議な力が宿ることを感じる。凶暴になり、興奮してくるんだよ」
――まるで呪いのマスクのようですね。
「俺は、戦うために生まれてきた。昔から、それを感じてきたし、とくに強く思ったのは、試合で首の骨を折った時だ」
――首の骨が折れた?
「そうだ。中国で試合をした時、俺は投げ技がないと思って戦っていたが、相手は俺を投げてきて、しかも頭からマットに落ちた。首が折れて病院に運ばれたよ。ここで格闘技人生が終わったと思ったが、負けずにリハビリに励み、1年も経たないうちに復帰していた。あんなに大ケガをしても、なおもリングに戻りたいと思う選手なんて、なかなかいない。俺は、本当にファイターなんだなと思ったよ。白仮面をかぶりたくなるのは、その事故があったからかもしれないね」
――壮絶な格闘技人生ですね。
「リングの中も外も、いつも戦いが待っている。でも、好きなんだろうね、戦いが」
――開幕戦は、奇遇にも中国人ファイターのオウヤン・フェン選手になりました。
「中国人に恨みはないよ。相手は誰だって構わない。K-1 MAXに出てくる選手で、弱いファイターはいないだろうから、誰と戦っても同じだよ。出場メンバーを見たが、全員が国際的なエリートレベルのアスリートで、過去にGLORYやONEで戦った選手も多く、大会のレベルは非常に高いと感じている。3月20日は、これまで見せてくれたK-1 MAXが復活する時だ!」
――最後にファンへメッセージをお願いします。
「俺は、これまで参加したほぼすべてのトーナメントで優勝しており、今回のトーナメントを本当に楽しみにしているよ。世界最高のファイターたちと戦うことにも興奮している。 みんな俺のファイトIQと創造性を過小評価しているのかもしれないが、大会が終わった後のみんなの驚く顔を見るのが楽しみだ!」