MMA
レポート

【DEEP】マルティネスが酒井に判定勝ちでメガトン級統一王者に、青井が神田にリベンジでフェザー級王座戴冠、江藤がイ・ソンハに一本勝ちでライト級ベルトを日本に奪還、バンタム級で福田が雅をパウンドアウト、カラテ対決は木下が五明をTKO!

2024/03/09 17:03
 2024年3月9日(土)東京・後楽園ホールにて『skyticket Presents DEEP 118 IMPACT』(U-NEXT配信)が開催された。 ▼第9試合 DEEPメガトン級王座統一戦 5分3R〇ロッキー・マルティネス(RM Sports/Spike 22)王者108.5kg[判定5-0] ※28-28×5マスト判定マルティネス×酒井リョウ(レンジャージム)暫定王者 106.9kg※マルティネスがメガトン級統一王者に  メガトン級では、正規王者のロッキー・マルティネスが約4年半振りにDEEP参戦。暫定王者の酒井リョウとの「王座統一戦」に臨む。  マルティネスは、2021年6月にUFCをリリース後、2023年4月に『RIZIN LANDMARK 5』でスダリオ剛に判定負けも、11月の『BLACK COMBAT 9』でモンゴルのアズザールガルに判定勝ちで再起を遂げている。  対する酒井は、2022年11月に「DEEPメガトン級暫定王者決定戦」として赤沢幸典と対戦し、1R、33秒でTKO勝ち、同級王座につくと、2023年7月に水野竜也を1R TKOに下し、4連勝で王座防衛に成功。しかし、2023年9月のBLACK COMBATとの対抗戦で韓国のヤン・へジュンに腕十字で一本負けしており、再起の一戦となる。 酒井「明日はDEEP1発目ということで自分がしっかり盛り上げたいと思います。ロッキー選手もだいぶ仕上げていると思うので、自分も悔いなく全力で叩き潰したいと思います」 マルティネス「日本に戻って来れて嬉しいです。皆さんに最高の試合をお見せしますので楽しみにしていてください」  1R、ともにオーソドックス構え。右ローのマルティネス。酒井も右カーフを返す。マルティネスの右ローに右ストレートを突く酒井。マルティネスは鼻頭から出血も下がらず前に。左から右で押し戻すとマルティネスも右を振って差して金網に押し込み。しかし突き放す酒井。  前に出るマルティネスに、左ジャブをこつこつ突く酒井。右のダブルから組むマルティネス。酒井は右ヒザを当てて組みを切って回る。左右連打で前に出るマルティネス。右ローを当てる酒井を押し込み、左手で左ボディ、太腿にパンチする。  2R、右ローを突く酒井。圧力をかけるマルティネスは左右フックで詰めて右アッパー。その上体が上がったところでダブルレッグテイクダウンのマルティネスが上から細かいパウンド! 酒井は亀になってから立ち上がるもヒザを受ける。酒井は出血。  左右フックで打ち合いに出る酒井だが、マルティネスの圧力に頭をギロチンで抱える形になり下に。マルティネスはハーフからヒジ! 前腕チョークも。右で脇差しながら背中を着かせてパウンド、ボディにヒザ。  酒井は背中を見せながら立ち上がり! シングルレッグのマルティネスを切って右を返すが、距離を詰めるマルティネスが押し込み、クリンチアッパー。ゴング。酒井は右目を腫らす。  3R、酒井にドクターチェック後、再開。ワンツースリーのマルティネスに左を返す酒井。マルティネスはダブルレッグに入るが、酒井は差し上げて金網背に。左右で剥がして左で差し上げて足技でテイクダウン!  ついに上になった酒井はハーフから押さえ込んで右ヒジも、マルティネスも酒井の頭を抱えてスペースを無くすも背中は着ける。右で枕で背中を着かせる酒井は右ヒジ。マルティネスも下からヒジを突き、防御。右を連打する酒井はサッカーキックへ。そのスペースで立ち上がるマルティネスの連打に酒井のマウスピースが飛ぶ。互いに殴り合いのラストも金網を背にさせたのはマルティネス。  判定は5-0(28-28×5マスト判定マルティネス)で正規王者のマルティネスが猛追する暫定王者の酒井を振り切り勝利。メガトン級の統一王者となった。  試合後、山本美憂らに祝福されたマルティネスは、「酒井選手はほんとうに強かったです。15年間日本で試合をしてきました。日本で戦うことが自分にとって重要です。ありがとうございました」と語った。 [nextpage] ▼第8試合 DEEPフェザー級タイトルマッチ 5分3R×神田コウヤ(パラエストラ柏)王者 65.7kg[判定3-2] ※28-29×3, 29-28×2〇青井 人(BLOWS)挑戦者  64.7kg※青井がフェザー級新王者に  フェザー級王者の神田は、『ROAD TO UFC』準決勝戦で敗退からの再起戦。2021年12月に牛久絢太郎をあと一歩まで追い込みながらも判定負けでDEEP王座奪取ならず。牛久戦後、2022年5月に青井人をヒジ打ちで3R TKO。2022年11月には中村大介にも判定勝ちで再び連勝街道に乗ると、2023年2月の「DEEPフェザー級暫定王座決定戦」で五明宏人に判定勝ちし、ベルトを巻いた。  2023年5月から『ROAD TO UFC』に参戦。初戦で中国のイーブーゲラに判定勝ちも、8月の前戦でリー・カイウェンに判定負けで決勝進出ならず。DEEPマットでの王座戦に臨む。  対する挑戦者の青井は、3連勝中。2022年5月の神田コウヤ戦ではヒジ打ちでTKO負けを喫したが、11月のRIZIN名古屋大会で鈴木博昭を組みで上回り判定勝ち。2023年5月に中村大介にヒザ蹴りによるカットで2R TKO勝ち。9月のBLACK COMBATとの対抗戦で韓国のシン・スンミンに下がりならの右でダウンを奪いサッカーキックでTKO勝ち。王座挑戦を決めた。  約2年前の試合では、神田のグレコとムエタイを融合させる組みに、青井が3Rに右ストレートで神田に腰を落とさせるも、離れ際のヒジを浴びた青井が敗れている。上組みの強さにアウトムエタイの出入りもある神田に対し、いかに青井は自身の間合いで戦うことができるか。両者の2年の進化が問われるフェザー級タイトルマッチだ。 神田「明日は青井選手といい試合をします。会場を盛り上げます。応援よろしくお願いします」 青井「前回、神田選手にやられて、タイトルマッチといういい形でリベンジできるので、今までやってきたことを出して戦います」  1R、ともにオーソドックス構えから。先に中央に出た神田はサウスポー構えからダブルレッグで金網までドライブしてテイクダウン。上体を立てる青井は首投げの形で崩して立ち上がり。押し込む神田は右で差しもブレーク。  オーソからスイッチする神田。インロー。青井も右ミドルハイ。神田は左右のローを突く。右ジャブを突いて金網詰めてダブルレッグから差し上げる青井に上組みになる神田。青井は金網背に右ヒザ。離れ際に神田が左ヒジを突く。圧力をかける神田。右インロー、さらに右跳びヒザを見せる青井は右ミドルも。ゴング。  2R、中央は神田。踏み込み速い青井はジャブを見せて右ボディ。左右の足を入れ替える神田は、サウスポー構え。シングルレッグを見せるが、ここは深追いせず。青井のアッパーに右ジャブを返す神田。  青井の右にカウンターのダブルレッグは神田! しかし尻を着きながらもすぐにスクランブルする青井はバックに乗ろうとする神田に正対して金網背にかかと蹴り。ブレーク。 青井の押し戻しに足を入れ替えて距離感を変える神田。左インロー。青井は右ストレートもまだ遠い。右前蹴りを突く青井。神田は右ロー。左ローを返す青井は右を振ると右跳びヒザ! ゴング。  3R前に両選手にネガティブファイトの注意。  中央を取る青井。ワンツースリーも突っ込み過ぎない神田。青井は右インロー。神田の遠間の組みを切る青井は、詰めて右ストレートもぎりぎりでさばく神田。  ともに神経戦の立ち合いに両者に警告が出される。  再開。前に出る青井に前手でジャブをこつこつつく神田。左インローの神田。テイクダウンを警戒する青井は入れない。右を振って詰めると右ヒザ! アゴにもらいバランスを崩した神田を詰める。左目尻から出血した神田だが前に。青井はシングルレッグを見せて右。しかし、神田もここで下がらず圧力をかけて右ジャブを細かくついてスイッチして左ジャブ。  青井の跳びヒザに神田もヒザを返してゴング。  判定は3-2のスプリットに割れ、29-28×3, 28-29×2で、青井が勝利。テイクダウンアテンプトの神田に、ダメージ取った青井が再戦を制してベルトを巻いた。  1勝1敗のタイに戻して戴冠した青井は、手を合わせて「会場に足を運んでいただきありがとうございます。結果は全然、納得してないですけど応援してくれる家族、仲間、ジムのみんな、代表の中蔵さん、DEEPの佐伯代表、皆さんのおかげでここに笑って立っていられます。もっともっと強くなってもっともっと強い青井人を見せられるように頑張ります」と語り、ケージの中で中蔵代表にベルトを巻いた。  また、バックステージでは「BLOWSでは中蔵さんいてこその自分だったので、今日は中蔵さんにベルトを渡したかったです」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 DEEPライト級タイトルマッチ 5分3R×イ・ソンハ(サビ MMA)王者 70.3kg[2R 2分07秒 リアネイキドチョーク]〇江藤公洋(和術慧舟會 HEARTS)挑戦者 70.35kg→70.15kg※江藤がライト級新王者に。  ライト級では、2023年9月の「DEEP×BLACK COMBAT対抗戦」で、180cmの長身の大原樹理を、さらに5cm上回るイ・ソンハが2R スロエフストレッチを極めて一本勝ち。衝撃のライト級王座奪取を見せた。3連勝中。  挑戦者の江藤は5連勝中。2020年9月の『Road to ONE』で青木真也に判定負けも、2021年9月の修斗で75kg契約でグンター・カルンダに判定勝ちで再起を飾ると、2022年4月のRIZINで雑賀ヤン坊達也に3R TKO勝ち。同年11月のDEEPで北岡悟に判定勝ち、2023年5月に川名TENCHO雄生に判定勝ち、7月に4連勝中だった野村駿太にも判定勝ちで、様々なタイプの強豪相手に勝ち切る組みの強さを誇る。  白星の75%が一本勝ちのイ・ソンハは懐も深く、江藤にとってはいかにテイクダウンで削れるか。下になったときのイ・ソンハのからめとる動きにも注目だ。江藤は日本に王座を取り戻すことが出来るか。 江藤「50g、すぐに落とします。明日は自分らしいMMAでしっかり戦います(※全選手計量後、すぐにパス)」 ソンハ「DEEP、BLACKCOMBAT王者のイ・ソンハです。本当に強いグラップラーをやることにが光栄です。しかし、必ず勝ってDEEPのベルトを持って帰ります」   1R、サウスポー構えのソンハに、江藤はジャブをついて圧力。さらに右ミドル。右前蹴りで距離を撮る長身のイ・ソンハに、左で詰めた江藤は左ミドル。シングルレッグも切るソンハ。左の蹴りを掴んだ江藤だが、ソンハも足を戻す。  ソンハの右ジャブにアゴが上がる江藤。左から組みに行くがここは切るソンハ。なおも詰める江藤は、右ジャブをもらいながらもシングルレッグから横についてテイクダウン!  しかし江藤に足を差し込ませずに立ち上がるソンハは右前手、右前蹴りを突く。江藤がインロー、カーフを返してゴング。  2R、右ハイを打つソンハ。さらに左ストレートも、それを潜って組んだ江藤は金網に詰めてダブルレッグテイクダウン! 背中を見せて立とうとしたソンハに4の字ロックでリアネイキドチョーク! これをいったん解いたソンハだが、江藤は左腕を喉もとに差し込み、絞めるとタップを奪った。  大沢ケンジ代表、練習をともにした中村K太郎と熱いハグをかわした江藤は、勝ち名乗りに咆哮! 涙した。   6連勝の江藤は「子供生まれてから5連勝、これぶっちゃけ負けたら現役引退、終わりを考えなきゃと怖かったでけど、今回覚悟決めて一本勝ちできて安心しました。これからDEEPのベルトを持って日本という規模じゃなく、世界の強豪と戦って日本人の強さを証明できればと思っています」と語った。  また試合後のバックステージでは、中村K太郎との練習への感謝と、フェイスロックから腕を組み直したチョークを語り、「大沢さんから『お前の人生みたいな試合だったな』と言われました。苦しいこともあって最後に勝って良かったです」と話した。 [nextpage] ▼第6試合 DEEPバンタム級 5分3R〇福田龍彌(MIBURO)61.5kg[1R TKO] ※パウンド×雅 駿介(CAVE)61.7kg  福田は、DEEPフライ級GPで杉山廣平、安谷屋智弘、宇田悠斗、本田良介に判定勝ちで優勝。2023年9月の『RIZIN.44』では山本アーセンも3R TKOに下し、8連勝をマークした。しかし、2023年12月の『Naiza FC 55』で、地元のディアス・エレンガイポフ(カザフスタン)に判定負け。5R通して落ちない驚異のレスリング力の前に王座獲得はならなかった。  雅は、ムエタイ三冠王からMMAファイターに転向。2022年11月に現UFCの風間敏臣に一本負けで、RYUKI戦に続く初の連敗を喫するも、その後は、中本龍平、海飛に判定勝ちすると、植田雄太に右カーフを効かせて1R TKO勝ちで3連勝をマーク。2022年11月に鹿志村仁之介にリアネイキドチョークで一本負けも、2023年3月にボンサイ柔術の内山拓真に判定勝ち。7月に平松翔に組みで上回り判定勝ち。そして2023年11月の前戦で窪田泰斗にも判定勝ちで3連勝中だ。  フライ級から階級を上げ、打撃と組みが融合された福田に対し、バンタム級の雅は首相撲&打撃の組みのみならず、MMAの組みの強さに磨きがかけられている。  雅はSNSで「俺のチャンピオンロードの踏み台としてバンタム級にやってきてくれてありがとうございます。美味しくいただきます。これからDEEPの顔になるのは俺です。絶対DEEPバンタム級獲ります」と、ビッグネームの福田を下し、韓国ユ・スヨンが持つDEEPバンタム級王座を目指すとして、福田は「2024一発目、バンタム級にチャレンジします。後楽園でヒリヒリしましょー! おぶりがーど」と、いつものようにヒリヒリした試合をしたいとした。 雅「明日は対戦相手より1センチでも1ミリでも強ければ何でもいいと思っていますので、全身全霊をかけて福田龍彌の首を獲りにいきます。注目お願いします。」 福田「こんだけ元気な計量はいままでなかなかなかったので、存分に楽しみたいと思います」  1R、サウスポー構えの福田に、オーソドックス構えの雅の左ローをかわす。右ジャブを突く福田。雅は前足にシングルレッグも倒れない福田に深追いせず。  詰める福田は左を当てて雅を崩すと、右の打ち返しの雅に右を当てて、最後は左フックでダウン奪取! さらに金網に詰めてクローズドガードの雅に中腰で右のパウンドを1発1発、しっかりと当てると、雅のガードが解け、力が抜けレフェリーが間に入った。  階級を上げてのバンタム級で雅に完勝した福田は、「やりました。明けましておめでとうございます。フライ級の減量苦から解放されて元気いっぱいの僕はこんな感じです。日常のすべてを格闘技に注いでいます。この後、僕みたいにこういうヒリヒリした戦いをする青井選手が出場しますんで応援よろしくお願いします。バンタム級の僕もお願いします。オブリガード」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼第5試合 DEEPフェザー級 5分2R×五明宏人(トラフォース赤坂)66.2kg[1R 1分35秒 TKO] ※左ヒザ→パウンド〇木下カラテ(和術慧舟會 HEARTS)66.1kg  伝統派空手ベースでJTTの五明は、2022年3月のフューチャーキングトーナメントで優勝し、5月のプロデビューから3戦全勝。わずか9カ月で王座戦に抜擢されたが、神田コウヤに判定5-0で敗れ、プロ4戦目での戴冠はならなかった。2023年7月には海飛との空手対決でスプリット判定負けで強豪相手に2連敗も、2023年9月の前戦で劉獅を1R、左ストレートからのパウンドでTKOに下し、再起を遂げている。  対する木下は、武心塾で加藤丈博に学び、極真世界連合(KWU)世界大会準優勝。MMAに転向後は修斗で2連勝から2連敗、2022年7月に児山佳宏に1RでTKO勝ちも、10月に竹原魁晟に1RでTKO負け。2023年5月にDEEPに参戦し、畠山祐輔に1R KO勝ち。6月にはRIZINで久保優太にスプリット判定負け。9月の前戦で梶本保希の低い組みに中腰からアッパー、パウンドで1R TKO勝ち。再起を遂げている。 “空手対決”ながら、ステップから飛び込む五明と、近い距離の一撃の打撃の木下は間合いが異なる。MMAのなかで両者の空手がどう出るか。 木下「押忍、明日は空手を見せます、押忍」 五明「JTTの五明です。明日は最高の空手対決、お見逃しなく。チケットが無いみたいで、配信で楽しんでください」  1R、ともにサウスポー構え。いきなり右前蹴りで中央に飛び込んだ五明をさばく木下が右で差して押し込み。  両差しで崩す木下はボディロックで脇を潜ろうとするが正対する五明は、押し戻し際に近距離の左の蹴りもブロックする木下。  低い打突の木下。五明の左に左を合わせて腰を落とさせると、組んできた五明のボディに左ヒザ! さらに左ヒザ蹴りをアゴに突き上げ、五明をダウンさせると右の残心ならぬ突きの一撃! レフェリーが間に入った。  試合後、木下は「押忍、これが空手だ、バカヤロー!…………いろいろあって試合前、大変じゃないですか。大変だったんですけど頑張って勝ちました。修斗のときはこういう感じでダダ滑りしてたんですけど、DEEPのお客さん、暖かいので好きです(笑)。たぶんにご迷惑をかけた人もいたんですけど、応援してくれた人たちに感謝します。自分は、勝つ人は勝つべきことをしていると思っています。この後、出場する江藤公洋という男は、勝つに相応しいことをしている男なので、大声援をお願いします」と、同門の江藤にエールを贈ってケージを降りた。 [nextpage] ▼第4試合 DEEPライト級 5分2R×川名“TENCHO”雄生(Y&K MMA ACADEMY)70.55kg[判定0-3] ※18-20×3〇倉本大悟(JAPAN TOP TEAM)70.8kg  川名は、2023年の野村駿太戦、江藤公洋戦、イーブーゲラ戦と悪夢の3連敗もイーブーゲラにはスプリット判定と内容を上げ、2023年12月に小金翔に判定勝ちで13カ月ぶりの白星を掴んだ。32歳。  対するJTTの倉本は、2023年に3連勝。2021年のBreakingDownでにっけん君にKO勝利後、2022年のフューチャーキングトーナメント・ウェルター級で準優勝し、2023年3月に前田啓伍に判定勝ち。その後、涌井忍、井上竜旗をいずれも1R KOに下している。29歳。  思い切りのいい打撃で前戦では16秒KOの倉本を、ベテランの川名は立ち合いでさばいて、得意の組みで上回れるか。 倉本「元修斗王者で強い相手だと思うのでしっかり勝ってステップアップします」 川名「自分のやれることをやれるだけやってるという感じですね。応援よろしくお願いします」  1R、ともにオーソドックス構え。右ジャブ、左ローをつく川名、倉本もジャブ、左ミドルもそこに右を合わせる川名。倉本は右ローで川名のバランスを崩すと、川名は組みに。左で差して押し込みヒザも、体を入れ替える倉本。突き放す川名。  互いに右ロー。さらに右スーパーマンパンチを狙う川名。倉本のヒザがローブローとなり中断。立ち上がる川名。再開。  左フックを振る倉本は右ロー。川名も左ロー。さらに左ジャブ。倉本の打ち終わりを突く川名。倉本は左ミドル。川名もミドルを蹴り返す。ゴング。  2R、細かいステップで頭を振り的を絞らせない川名。倉本の右ローに、川名は左ミドル。倉本の右をかわす川名。右ローに川名のバランスが崩れる。しかし川名は右をかわして右ボディストレートを突いてボディロックで崩しに。すぐに立ち上がる倉本が突き放すと右を打つ。  さらに右カーフの倉本。スーパーマンパンチはかわした川名は左を返すと、倉本の左に右をかぶせていく。さらに倉本のカーフに左右を突いてシングルレッグに入る川名。押し込み左を打つが、そこで体を入れ替えて離れる倉本。  右ボディストレートの川名に、左ジャブ、右ローの倉本。川名が左フック、左の蹴りに、倉本が左ミドルを蹴り返してゴング。  判定は3-0(20-18×3)のフルマークでJTTの倉本が格上の川名を下す金星で、4連勝をマークした。 [nextpage] ▼第3試合 DEEPバンタム級 5分2R〇平松 翔(パラエストラ松戸)61.65kg[2R 0分48秒 ギロチンチョーク]×魚井フルスイング(和術慧舟會 HEARTS) 61.2kg  平松は、MMA5勝4敗。デビュー戦をギロチンチョークで一本勝ちもその後2連敗。2021年10月に海飛に1R カウンターの右ストレートでKO勝ちすると、2022年3月に山口コウタに右カウンターのテンカオで1R TKO勝ち。同年8月にMG眞介に左三日月蹴りを効かせての左フックで1R TKO勝ちと3試合連続の1Rフィニュシュ勝利。  しかし2022年12月に元英雄伝説アジア王者のRYUKIの左ストレートを浴びて1R TKO負け。2023年4月のDEEP OSAKAで元DEEP☆KICK王者の谷岡祐樹を1R 右ストレートでKOし、再起を遂げたが、2023年7月に雅駿介のテイクダウンに判定で敗れている。  魚井はDEEP初参戦。24勝13敗4分の戦績の多くを修斗で戦って来た。2019年6月にRIZINでカナ・ハヤットに勝利し4連勝も、以降4連敗。2021年11月のRIZINで獅庵をサッカーキックで下すも、伊藤空也、倉本一真、ヤン・ジヨン(2022年11月)を相手に3連敗中。DEEP屈指のストライカーの平松を相手に“フルスイング”の復活なるか。 魚井「明日、試合が出来る状態なので、指導、練習につきあってくれたすべての人たちに感謝して舞台に立ちたいと思います」 平松「明日、フルスイング上等です。殴り合いなら負けません。楽しみにしとってください」  1R、サウスポー構えの魚井に、長身オーソの平松はじりじりと圧力をかける。左ローは魚井。平松は右前蹴りを突く。平松の右をかわす魚井。右フックを見せる。かわす平松は右の蹴りでけん制。これもかわす魚井は左にサークリング。左から右を振るがまだ遠い。  左から左の蹴りのコンビネーション、さらに左の突きを見せる魚井。バックステップした平松に左を振って、組みの動きの魚井を剥がす平松。その際に左も狙う魚井だが、もらわない平松は右の蹴りでゴング。  2R、左を振ってニータップでテイクダウンは魚井! 下の平松はノーアームギロチンチョーク! 凌いでいた魚井だが、フルガードのなかで絞め上げる平松に魚井が失神。ストライカーの平松が隠れた得意技で見事、一本勝ちを極めた。  平松は「殴り合い上等と言いながらまさかの一本勝ちで、RIZINで戦ってきた選手をしっかり2Rで一本勝ちしてので、RIZINで勝負できるかなと思います。大阪出身で神戸大会も出れるのでよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第2試合 DEEPバンタム級 5分2R×力也(FIGHT FARM)61.6kg[1R 4分58秒 TKO] ※パウンド〇小崎 連(リバーサルジム久喜 WINGS)61.55kg  力也は、日体大レスリング部出身。グレコローマン60kg級で全日本学生選手権を2012年と2013年の2度制している。2021年に上位陣相手に1勝3敗と苦しんだものの、2022年から4連勝。林健太、三好真大、海飛、渡部修斗を相手に2KO・TKO、2つの一本勝ちとすべて1Rフィニッシュ勝利している。  海飛には首投げからのVクロス、2月の渡部戦では右フックからのパウンドで27秒KOと、仕掛けは強引なところはあるものの、決定力を持つ。しかし、2023年5月のDEEPで前バンタム級暫定王者のCOROと対戦し、1Rに三角絞めを極められ一本負け。7月は窪田泰斗にキウラロックで敗れ、9月は木下尚祐に判定負けと連敗も、11月に谷岡祐樹に1R TKO勝ちで再起を遂げた。  小崎連は11月のKROSS×OVERで山本惇を完全決着をつけるべく、再戦が組まれていたが、山本が足の指を脱臼により欠場。代わりにウズベキスタン共和国出身でIMMAFでも経験を積み、アマチュアチャンピオンにも輝いたコミルジョノフ・ムハマド・アボスと対戦。1Rに左フックでTKO勝ちしている。 小崎「名勝負製造機といわれる力也選手と僕が作り出す名勝負に期待してください」 力也「明日は一番熱い試合をして勝ちます」  1R、サウスポー構えの力也が右ロー、ダブルレッグテイクダウン。小崎の立ち際にスタンドバックに回ると、持ち上げリフトも、すぐに立ち上がる小崎。もう一度崩す力也に手を着いたところで小崎のバックに。シングルバックの力也に正対する小崎は右ヒジ!  ハーフから押さえ込む小崎に、背中を着かされた力也はフックガードに戻して蹴り上げから立とうとするが、すぐについていき立たせない小崎。ヒジを打ち込み押さえ込むもブレーク。  スタンド、力也の右に右ストレートを当ててダウンを奪う小崎は、パウンドラッシュ! 力也が立ち上がったところに左右を打ち込み、最後は右でレフェリーが間に入った。  小崎は「ナンバーシリーズ本戦出場嬉しいです。次に繋がる試合になったと思います。いまDEEP欠場でいろいろあったと思いますが、僕の試合で火がついたんじゃないでしょうか」と語った。 [nextpage] ▼第1試合 DEEPフェザー級 3分2R アマチュアSルール×信原空(JAPAN TOP TEAM) 66.05kg[判定0-3] ※18-20×3, 19-19マスト菅〇菅涼星(パラエストラ八王子) 66.15kg  アマチュアSルールでは、BREAKING DOWNからDEEPアマに参戦し、Mr.サタン、内藤大二相手にいずれも12秒KO勝利の“勾配ニキ”こと信原空がJTTから参戦。  対する菅は、山形から格闘技のために八王子に上京。MMA歴1年を超えたばかりの現役高校生。9月大会ではJTTの安井飛馬に2R 腕十字で敗れている。 菅「高校在学中最後の試合になるのでしっかり勝ちたいと思います」 信原「JTTチーム一丸でみんなで勝っていきたいと思います」  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央を取る信原。左の蹴りを当てる菅。信原はボディロックで組むが、四つにする菅に信原はヒジを打って離れる。  シングルレッグテイクダウンから上になる信原。ニーシ-ルドから左オーバーフック、三角絞めも狙う菅に、上体を立てる信原は体を離し、蹴ってゴング。  2R、菅の右のかかと落としを押し倒すようにテイクダウンした信原。立ち上がる菅に信原はシングルレッグテイクダウン。しかし菅は三角絞め。それをリフトしてスラムする信原。まだクラッチは外れず。絞める菅に信原は肩をずらして頭を抜いて立ち上がり。そこに組んで押し込みヒザを突く信原だが、スタンドバックにつく菅が背後からヒザを突きゴング。  判定3-0(20-18×3, 19-19マスト菅)で、三角絞めにニアフィニッシュも作った高校生の菅が勝利した。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント