2024年4月13日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2024 ACT.2』の対戦カード発表記者会見が、3月7日(木)都内にて行われた。
オープンフィンガーグローブマッチ3分3R無制限Rで、SB日本ヘビー級3位・坂本優起(シーザージム)vs.初代GRACHAN無差別級王者・荒東“怪獣キラー”英貴(パンクラス大阪稲垣組)が決定。
坂本は2009年11月にプロデビュー戦を行い敗れたものの、その後は12連勝をマーク。2013年4月には鈴木悟を破り、SB日本スーパーウェルター級王座を奪取した。2015年2月には長島☆自演乙☆雄一郎、6月にはT-98を破るなどSB中量級のエースとして大活躍したが、2015年後半からは黒星が増え、2020年12月に一気に階級を上げてヘビー級に転向。6連勝を飾ったがマウンテンRYUGOに判定負け。2021年10月には韓国で無差別級トーナメントに挑み、2勝して優勝した。12月にはRISEの南原健太と対戦し、ダウンを先取するも逆転TKO負け。2023年4月のシリーズ第二戦でSB初となるOFGマッチに挑戦し、遊笑を相手に惜敗。11月にもOFGで関根“シュレック”秀樹に判定負け。戦績は38勝(8KO)21敗。
荒東は柔道出身で、2019年にタイでMMAプロデビュー。タイの団体で2戦して帰国すると『GRACHAN』に参戦。2023年2月、GRACHAN無差別級王座決定トーナメントで優勝して王座を獲得した。10月には『RIZIN LANDMARK 6』に初参戦し、貴賢神にTKO勝ちしてインパクトを残している。
緒形健一SB協会代表は「GRACHANの岩崎代表に興味を持ってもらいました。昨年は海外のMMA団体と交渉して参戦してもらいましたが、本年はSBのOFGマッチに出られる国内のMMA団体ともお話をして、国内においてもレベルを上げていきたいと思っています。岩崎代表とは3年前からお話をさせてもらっていてこの経緯になったので嬉しく思っています」と、GRACHAN参戦の経緯を説明。
岩﨑ヒロユキGRACHAN代表は「元々GRACHANに参戦していた中村謙作とかがSBのリングに上がらせてもらっていました。そこでOFGでやると聞いた時にやっと時代がシュートボクシングのルールに追いついたんだなと。昔はOFGで立ち技をやるのは見た目がエグいんじゃないかとの世間の目があったと思いますが、今やるのは『今ですよね』と共感させていただき、後楽園ホールで何とかこの競技を広めるご協力が出来ないかなと思ってこの会見に参加させてもらっています」と挨拶。
シーザー武志会長は「OFGで理想のSBが出来たと思っています。岩崎さんのようにいろいろな団体の方が興味を持って参加していただいているのは心から感謝しています。これからもSBという競技を盛り上げてもらってお互いにプラスになればいいのかなと思っています」と、GRACHANの参戦を歓迎した。
初参戦となる荒東は「個人的にSBとは繋がりが深い団体だと思っておりまして、師匠がRENAさんとお仕事をさせてもらったことがあるので親近感を持っていました。それとファイターとして後楽園ホールで試合をしてみたかったので、その話が来たのでMMAはしないのかという声もありますが、後楽園ホールの地を踏みたいと思ってお受けさせていただきました。自分は愚直で激しい試合が出来るので、しかもOFG、僕のステージやと思って試合をします」と参戦を決めた理由を話す。
迎え撃つ坂本は「今年初の参戦になると思いますが、前回から見直して立ち技の技術を全般的に直してきたので、いい試合をしたいと思います。それと前回、関根選手と敗者髪切りデスマッチをやらせていただきましたが、何か懸けてこの試合をしたいと思っていて。怪獣キラーを懸けて試合をしたいなと。いい返事お待ちします」と、リングネームを懸けて試合をしろと要求。
これに荒東は「MMAから来させていただいている外様としては『はい』と言いますが、坂本選手が負けた場合は怪獣を名乗るんですね?」と返答すると、坂本は「怪獣キラーに負けたら怪獣を名乗らせていただきます」と了承。
荒東は「試合だけさせてもらうのは関西人として物足り無さを感じていたので、ワクワクしながらも怖いけれど、試合までにはワクワクしきれると思います。自分が負けた場合は本名に戻ります。でもグッズをいっぱい作っているのでリスクがいっぱいあります」と、“怪獣キラー”を外されるとグッズを作り直さないといけないという。
坂本は「リングネームを懸けてますけれど非公式のタイトルマッチくらいに思っていまして、負けてSBに弱い選手がいるなと思われたくないので、タイトルマッチの気分で試合をしたい。リングネームは負けたらそこは荒東選手に決めていただくのがいい」と、負けた場合のリングネームは任せるとし、荒東も「自分が勝ったらリングで『この名前にならんかい』と度肝を抜くような怪獣との組み合わせにしたろうかと思います」と、とんでもないリングネームを考えておくと予告した。
両選手に相手の印象を聞くと、荒東は「坂本選手の印象はヘビー級のオープンウェイトで試合をしていますが、あまり身体を大きくされている様子がないので、僕はデカいのでその差で勝つと思いますが、実は自分の方が動けるぞってところを見せて怪獣キラーは違うってところを見せたいですね。試合を見た感じ印象はなかったので、しっかり僕のゲームになればいいと思います」と、印象はないとする。
坂本は「荒東選手は動画を少ししか拝見していませんが、プレッシャーを懸けるのが上手い。パンチのテクニックは僕の方が上。プレッシャーを感じそうなのでそこで負けないように攻めていきたい」とした。
荒東はチーム吉鷹で練習していると言い、「このお話が決まってご相談してこうしようと聞いていますが、自分はそれ以上のことを見せて吉鷹さんに『よくやった』と言ってもらいたいです」と、元SB王者の吉鷹が褒めるほどの試合をしたいという。
「私は柔道出身なので投げ技が出来ます。でも、個人的には関節技をやるのも面白いと思っていて、2個くらい用意しているのでそれも出せたらSBらしい試合が出来ると思っています」と、投げ技はもちろんのこと、立ち関節・絞め技を用意していると予告。
坂本はどう戦うかと聞かれると「体重差はあると思うけれど、どっちが上手く中央をとれるか、どっちが前に出られるかで決まって来ると思います」と予想する。
その体重差だが、荒東は125kg、坂本は103kgということで約22kgの差がある。
体重差について荒東は「多少はアドバンテージがあるけれど、自分の強味は打たれ強さと思われているんですが、本当はこの身体を速く動かして威力のある攻撃をすることです。気付いたら坂本選手が倒れていると思いますね」と、この体重でも速く動けることが強味なのだという。
対する坂本は「正面からぶつかると負けることが多いので、今回は足を使って試合が出来たらいいかなと思っています」と、こちらもフットワークを使って戦うとした。
また、SBvs.GRACHANとして70.0kg契約3分3R無制限延長RのSB日本スーパーウェルター級2位・風間大輝(橋本道場)vs.ロクク・ダリ(コンゴ/TRI.H Studio)も決定。
風間はSB初参戦となった昨年2月の竹山和貴戦では大腰で2度のシュートポイントを奪うだけでなく、最後にスタンディングのフロントチョークでKO勝ちを収めた。4月も有馬伶弍にKO勝ちしたが、6月にRYOTAROに判定負けでSB初黒星。11月にはJETペットマニーイーグルに判定勝ちで再起。2024年2月には小原俊之をなんと6度も投げて大差の判定勝ちを収めた。
ダリは幼い頃から柔道を習いアフリカJrチャンピオンに輝き、その後も柔道に打ち込みコンゴの柔道ナショナルチームに選ばれた。2010年に来日を果たすと2011年の春からMMAを始め、DEEP、GRACHAN、巌流島で活躍。2018年12月にはGRANDウェルター級王座に就いたが、2019年12月の防衛戦で桜井隆太に敗れ王座から陥落。RIZINには2020年8月大会で海人とキックボクシングルールで対戦して判定負け。2021年11月にはMMAで“ブラックパンサー”ベイノアにKO負けを喫している。2023年6月、RIZINで木村“フィリップ”ミノルとキックルールで対戦してKO負けとなっていたが、木村のドーピング違反が発覚して無効試合となった。2023年10月のGRACHANでの岸本篤史戦はドロー。
岩崎代表は今回の対抗戦について「僕は対抗戦という言葉を使うのは好きじゃないんですが、選手が対抗戦だと言うので対抗戦なんだと改めて感じています。このきっかけからここからいろいろシンクロがあると思っています。出来ればGRACHAN内でこの競技をやって行きたいと思っています」と、GRACHANでもSBルールのOFG戦をやってみたいとの意欲を語り、、「ダリも荒東選手も勝つと信じております。勝つのはもちろんのこと、試合内容でも魅せてくれると思います。MMAファイターがSBルールをするのではなく、普段通りの試合を求めております」と普段のファイトスタイルでSBに挑んで勝って欲しいと願った。
風間のコメント「2月に続いて4月も参戦させていただくことを光栄に思います。対戦相手のロクク・ダリ選手は外国人特有のバネとタフさがある選手だと思っています。今回でSBルールが6戦目ですが、前回同様に自分の課題に向き合う試合になると思います。今年はタイトル戦を狙っているので、自分と向き合い、当然のようにクリアしたいと思います」
ダリのコメント「今回はGRACHAMとSBの対抗戦に参加できて光栄です。SBは先輩の誠梧さんや中村謙作さんの試合を見たことがあり、やってみたかったルールです。私は柔道でアフリカのジュニア王者になっていて、殴り合いが好きなのでSBルールは最高です。対戦相手の風間さんはロングスパッツキックボクサーではなく投げも狙うシュートボクサーという印象なので試合が楽しみです。私の故郷キンシャサまでぶっ飛ばしてあげます」