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【ONE】女王ジャネット・トッドがペッディージャーとの王座統一戦を最後に引退することを表明「この試合の後は、新しい人生を歩むつもり」

2024/03/07 12:03
 2024年3月9日(土)タイ・ルンピニー・スタジアム『ONE Fight Night 20』にて、アトム級キックボクシング世界王座統一戦で暫定王者ペッディージャー(タイ)と対戦する正規王者ジャネット・トッド(米国)が、この試合で引退する意向であることを明らかにした。 “JT”の愛称で呼ばれるトッドは母親が日本人。流ちょうな日本語も話し、日本でも出稽古で江幡兄弟との練習経験を持つ。宇宙工学のエンジニアの仕事もこなす才女でもある。2017年IFMA世界選手権で銅メダルを獲得したのを筆頭に、アマチュアムエタイで数多くのメダルを獲得。2019年2月からONEに初参戦すると、いきなりスタンプ・フェアテックスのアトム級ムエタイ世界タイトルに挑戦したが判定負け。  その後は3勝(2KO)の戦績をあげ、2020年2月にスタンプと今度はキックボクシングルールで再戦。判定2-1でスタンプを破り、ONEアトム級キックボクシング世界王座を奪取した。2022年7月にはララ・フェルナンデスに勝利してアトム級ムエタイ暫定世界王座にも就いたが、2023年3月の王座統一戦で正規王者アリシア・ヘレン・ロドリゲスに敗れた。  トッドは「トップでキャリアを終えたい。アトム級で世界タイトルを防衛した初のアスリートになって、年齢なんて関係ないってことを示したい」と、38歳の自分がONEアトム級王座保持者として初の防衛成功を達成させ、王者として引退したいと打ち明けた。 「この試合の後は、新しい人生を歩むつもり」と、今後は他の人生計画があるという。「もう一つ人生でやりたいと思っていることは、家族を持つこと。歳をとってきているし、そういう人生も送りたい」と家族を持つことも引退の理由のひとつだと話した。  暫定王者のペッディージャーは7歳でムエタイを始め、「男の子を打ち負かす少女」として有名となり、10歳で100戦以上を戦い、そのうち70回以上は男子選手との戦いであった。有名になりすぎてテレビで試合が放送されるようになると、タイの法律によって男子選手との試合は禁止に。2016年2月には『ムエタイオープン』に初来日し、小林愛三と対戦して判定負け。2017年11月にはシュートボクシングに再来日するとMIOに判定負けを喫している。  ムエタイで順調に勝ち星を重ねる中、アマチュアボクシングのタイ代表として選ばれ2018年AIBA女子ユース世界選手権48kg級銀メダルになるなど活躍。2022年8月にはプロボクシングデビューも飾っている。ムエタイでの獲得タイトルは、WPMF世界ミニフライ級王座、WMC世界-45kg級王座、2021THAI FIGHTクイーンズカップ-51kg級優勝など。ONEには2023年3月から参戦し、4連続TKO勝ちを収めると2023年12月には“世界最強女子”として知られるアニッサ・メクセンを判定3-0で破り暫定王座に就いた。  そんなペッディージャーとの試合を最後に引退するトッドは、「彼女たちの世代は幸運にも若いときにこのスポーツを知ることができた。私がこのスポーツを知ったのは大学生になってからだった。でもね、もし大学時代に情熱を見出す人がいたとしても、遅すぎるということはない。みんな私の年齢についていつもコメントするけど、賢く計画的にトレーニングすれば、年齢なんて関係ない。何かを成し遂げられるような気がするし、私もそれをみんなに見せられるようになりたい」と語っている。  また、「引退しても、将来的には復帰を考えていますか?」との問いに、「いえ、もう決めました。自分で決めたことは守ります。それに、(練習仲間の)ジャッキー(ブンタン)を通して楽しむこともできる。それは、私自身が戦うのと同じくらい充実しています。彼女がトレーニングしたことが試合で、しかもあんなに華麗な形で発揮されたのは素晴らしかった。私はいつも彼女を誇りに思っています」と、今後を後進に託すとした。  
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