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インタビュー

【K-1】3階級制覇を目指し2年8カ月ぶりに復帰する卜部功也「ナメんじゃねえよと。常に、やってやるという気持ちでいます」

2024/02/27 15:02
 2024年3月20日(水・祝)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD MAX』にて、スーパーファイトのK-1スーパー・ライト級3分3R延長1Rで鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)と対戦する、卜部功也(ALONZA ABLAZE)のインタビューが主催者を通じて届いた。  卜部は2009年3月にプロデビューし、K-1 WORLD MAX 2011 -63kg Japanトーナメントで準優勝。2015年1月にはトーナメントを制覇してK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級初代王座を獲得。2016年にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級世界最強決定トーナメント優勝、2018年3月にはK-1 WORLD GPライト級王座を奪取して2階級制覇を達成した。  高度なディフェンステクニックとカウンターテクニックを持ち、国内外の名だたる強豪を次々と撃破。長くトップに君臨していたが、2019年3月に後輩でもある林健太に敗れ、ライト級王座を奪われた。2019年7月に再起戦を行うもジュー・シュアイにまさかの初回55秒KO負け。引退をにおわす発言もしていたが、2020年9月に約1年2カ月ぶりに復帰し、2021年7月の大沢文也戦まで3連勝。今回2年8カ月ぶりに復帰する。戦績は52勝(13KO)10敗。 記憶に残らなければ負けだと思って戦っていました ――まずは復帰を決めた理由を教えてください。 「前回の試合を終えて、62.5kgではキツイと感じていて。それからジムを設立して3戦したんですけど、その体重では無理だろうと思っていました。あとは次世代の選手たちの育成がありましたので、一旦、自分のことを考えるのは止めようと思っていました」 ――そこから環境が変わってきたと。 「はい。うちの松谷綺がチャンピオンになったこともあります。ようやく、うちのジムでチャンピオンを育てられたという背景と、選手が自分たちで考えて行動してくれるようになったことが大きかったですね」 ――そして、自分のことも考える余裕ができたわけですね。 「所属選手を勝たせて、なおかつ自分も勝つという責任が増えましたが、新しいチャレンジだと思っています。実は今回の前にも、何回か試合オファーはあったんですけど、なかなかタイミングが合わなかったんです。でも、待っていたらダメだと気づきました。自分からアクションを起こさないと何も変わらないと思い、自分からアプローチをかけました」 ――出場を直訴したわけですか。 「はい。うちの選手にとっても、自分が出ることでいい刺激になると思いましたし、結局ファイターは誰が一番強いのかということ。それを証明したいと思っています」 ――卜部選手はK-1甲子園草創期の立ち上げメンバーでもありますし、低迷していたK-1を大きくしてきた功労者の一人です。その思いを聞かせてください。 「旧K-1を経験しているメンバーは、僕と数名くらいだと思います。一度、K-1がなくなった時期もありましたが、僕は昔からK-1がナンバーワンという自負がありますし、今でもそう思っています。対抗戦とかありますが、K-1の選手たちは、それを誇りに思って戦ってほしいですね。あっちがいい、こっちがいいとか振り回されていたらK-1のためにならないし、もう1回、俺たちでK-1を創り上げるという強い思いを持ってほしいです」 ――新生K-1を支えてきた当時の熱量は、なぜ高まっていたと思いますか? 「あの時、K-1がなくなって地上波放送もなくて。Krushだけだったんですけど、10年も続かないと言われていました。僕が19歳、武尊も20歳くらいの時に“どうする?”と話していて、もう一回、後楽園ホールを満員にしないとダメだと。そうしないと陽が当たらない格闘技人生を送っていくことになると思っていました。熱を高めて戦うという共通の思いがあって、みんな戦っていました」 ――倒し倒されという覚悟ですか? 「それは、もちろんありました。いいパフォーマンスを出して戦うことと、あとは会場を満員にする意識が強かったですね。敵は対戦相手だけではなく、出場選手全員です。記憶に残らなければ負けだと思って戦っていました。何か一つでも爪痕を残すことを意識していました」 ――昔のK-1MAXのブームを取り戻せますか。 「もう1回、あの時の熱を戻したいですね。それができる選手が今のK-1にも揃っていると思っています」 ――次世代へバトンをつなぎたいと。 「うちのジムの10代の選手を集めて、そういう話はします。間違いなく、2、3年後には彼らが中心になっているはずなので。自分もラストスパートなので、3階級を目指してやってやるという気持ちです」 ――ベテランならではの静かな闘志を感じます。 「落ち着いちゃダメですね。ナメんじゃねえよと。常に、やってやるという気持ちでいます。ベテランになってくると、“この選手はどうですか?”というオファーが来るものですが、選ぶのはやめよう、誰でもやってやると切り替えました」 ――その理由は? 「選んでいたら強くなれないからです。今は、こういう選手とやりたいとか自分からアクションを起こしていくことが目につきますが、その裏では断っていたり、相手を選ぶファイターが多いようです。でも、それだと強くなれない。一回、そういうマインドをリセットしないとダメだなと思いました。トラッシュトークとか、認知されたらいいみたいな風潮がありますけど、本当に強いファイターは“いつ何時、誰の挑戦でも受ける”みたいな気持ちがあります。そうでなければいけないと思いました」 ――まずは自分から、そういう背中を見せたいと。 「誰でもやってやるという気持ちがあれば、常に挑戦者でいられるので、自分には合っています」 ――そんな中で、鈴木勇人選手は復帰戦の相手としてはかなりの強豪になります。 「ずっと勝っている選手で、65kgでは次期挑戦者というナンバー2の立ち位置にいます。復帰初戦の相手としてはハードですけど、勢いでやってやろうと思っています。熱いファイトをする選手なので、簡単な試合にならないという覚悟を持っています。色気のある、互いに落としたくない、ヒリヒリするような試合になると思います」 ――色気のある戦い、ぜひ見たいです。最後に今後の目標も教えてください。 「65kgのベルトを獲って、3階級制覇を成し遂げたいですね。2年8カ月ぶりの試合、卜部はどうなのか?という意見もあるかもしれませんが、しっかり仕上げて勝ちたいと思います」
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