2024年2月25日(日)東京・後楽園ホール『PURE BIOKEYZ presents KNOCK OUT 2024 vol.1』の前日計量・会見が、24日(土)都内にて正午から行われた。
第7試合のスーパーファイト、KNOCK OUT-BLACK -59kg契約3分3R延長1Rで対戦する、KNOCK OUT-BLACKライト級王者・久井大夢(TEAM TAIMU)とチュームーシーフー(中国/郭強ファイトクラブ/CFP)のインタビューが主催者を通じて届いた。
久井はKNOCK OUTアマチュアで3階級制覇を達成後、2022年4月大会でプロデビューしてKO勝ち。12月の王座決定戦に大抜擢されると新田宗一朗に2RでKO勝ちし、わずか3戦目でKNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座に就いた。2023年7月にはK-1に乗り込んでBigbangフェザー級王者・龍斗から勝利を収め、9月には大谷翔司に判定勝ちでKNOCK OUT-BLACKライト級王座に就いて17歳にして2階級制覇を達成。12月にはトンミーチャイに判定勝ちでプロ戦績を7勝(3KO)1敗とした。
チュームーシーフーは中国の少数民族であり戦闘民族として知られる「イ族」の出身。2022年3月の『武林風』では、過去K-1で武尊と激闘を演じた強豪ワン・ジュングァンと対戦し、判定で惜敗したものの互角の打ち合いを演じた。2023年6月に初来日、龍聖から右フックでダウンを奪い、延長戦で判定負けも龍聖を苦しめて一躍注目を集めた。戦績は25勝(9KO)5敗。
久井「今度こそ倒したい」
──まず、『KNOCK OUT』での前戦、12月大会のトンミーチャイ・FELLOW GYM戦を振り返ると?
「あの試合では自分の良さが全然出せなかったというか、何も見せられなかったという印象ですね」
──初のタイ人戦だったわけですが、やってみて違いは感じましたか?
「距離というか、懐が深いなというのは思いましたね。けっこうヒジを振ってくる印象もあったので、入りづらさがありました」
──2023年は、満足度という点ではどうですか?
「満足は全然してないですね。中国でも一回負けましたし。ベルトを一本取れたのはよかったですけど、納得いくような試合もあまりできなかったですし」
──その点で、「スランプ」みたいなものは感じていますか?
「倒せてないという点では、スランプかもしれないですね。やっぱり倒さないとパッとしないですし、倒せる選手にならんとアカンなと思います」
──今年は年明けすぐにカンボジアでの試合もありました。そして2月大会に出場と、けっこう試合間隔が詰まってますね。
「12月の試合が終わった時に山口元気代表からボンヤリ言われてはいたんですけど、年末に正式に決まりました。3Rに2回ダウンを取ったんですけど、倒し切りたかったですね」
──海外2戦目となりましたが、どうでしたか?
「カンボジア人の試合を見ていたら「攻撃的なムエタイ」という感じの選手が多かったんですけど、自分がやった選手はパンチ寄りという感じでした。中国で負けているので、海外で勝ててホッとしました。でも倒し切りたかったですけど」
──今回の相手、チュームーシーフー選手についてはどんな印象ですか?
「体がゴツくて強いなと思いますし、パンチをけっこう振ってくるイメージです。龍聖選手からダウンを奪ったカウンターは得意なのかなと思います。突っ込んでくるタイプですが、完全にくっついてしまうか、足を使って対処したいと思います」
──噛み合いそうですか?
「そうですね、噛み合うと思います。その中で向こうの得意な距離にさせないようにして、最後は分かりやすく倒して勝ちたいですね」
──どういう形で倒したいですか?
「打ち合ってという形じゃなくて、タイミングで倒したいです。理想としては自分のいいところだけを出して、相手に何もさせずに倒すのが理想です」
──この技で倒したいとかは?
「今は蹴りで練習しているものもありますけど、これでというのはないですね。倒せれば何でもいいです。どれで倒すというより、勝つことに一番こだわっているので」
──今までのKOの中で、「あれはよかった」というものは?
「新田宗一朗戦で1回目と3回目のダウンを取ったミドルに合わせての左ストレートは、ミットでずっと反復していた動きだったので、それを出せたのがよかったですね」
──早くも今年は2戦目ということになりますが、ここから先はどうしたいですか?
「今年中にやりたいことがあるので、KOで勝ってマイクで言いたいなと思っています」
──それは楽しみですね。では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントは?
「今度こそ倒したいと思っているので、倒すところを見てほしいです」
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チュームーシーフー「今回はさらに『KNOCK OUT』を熟知している」
──前回、初来日での龍聖戦を今振り返ると?
「前回は日本人選手と初めて対戦した試合でもありました。あの試合を通して、私は日本のキックボクシングと中国のキックボクシングには違いがあると感じました。やはり双方のファイトスタイルは同じではありませんでしたね」
──龍聖選手から初のダウンを奪って驚かせました。あのパンチはどうでしたか?
「そうですね、あの時のパンチは自分では良かったと思っています。でも、あの試合から今までさらに練磨を重ねて、私のメンタルやパンチ・キックなどあらゆる部分が大きくレベルアップしていますよ」
──初めての日本、初めての『KNOCK OUT』はいかがでしたか?
「やはり初来日だったのでいろんなことに不慣れでした。でも、私は『KNOCK OUT』はプロモーションやプレスリリースでの記者質問など、イベントの作りがきっちりしていてとても好きになりました」
──龍聖戦後は何試合しましたか?
「中国で4試合しました。一番最近は今年1月20日、中国の『格闘魂世界キックボクシング争覇戦』でタイ人のルードーに1RKO勝利しています」
──龍聖戦を経て、練習などで改善したところはありますか?
「もちろんあります。私は毎試合の経験や鍛錬を通して、さらに自分の認知を高めていきます。トレーニングと試合に対しては、正しい理念と態度でさらに自分と向き合うことが大切ですからね」
──今回対戦する久井大夢選手の印象は?
「久井選手が中国で試合をした武林風には私も出場していたので、もちろん会場で試合を見ました。見た目の第一印象としては幼い感じの選手だなと。ただ、試合での彼のファイトスタイルとテクニックには私も驚愕したのを覚えています」
──というと?
「久井選手はミドル・ロングの距離のコントロール能力が非常に良いですね。キックもとても強いです! しかし私と対峙すれば久井選手のその力はあまり発揮できなくなります。なぜなら私には私の距離とファイトスタイルがあるからです。彼にそう簡単にはコントロールさせません!」
──今回も前回同様、59kg契約ですが、これが適正体重ということでしょうか?
「私としてはやはり57.5kgが一番適正体重だと思います。身長やリーチがそれほどないので59kgの階級では優位性は感じません」
──今回はどういう試合をしてどう勝ちたいですか?
「前回の試合は初来日・初『KNOCK OUT』で、かなりプレッシャーもあり試合自体を楽しむことができませんでした。しかし、あの試合の経験を通して、日常的に『KNOCK OUT』の動画を視聴したりいろいろと研究するようになったので、今回はさらに『KNOCK OUT』を熟知しています。
また、前回はあまりにも勝ちにこだわるあまり、逆に『負けてはならない』というプレッシャーを自分に与えてしまいました。今回は負けることを怖がりませんが、しかし前よりもっともっと勝利にこだわります! チャンスがあれば久井選手をKOして勝利します!」
──この先、『KNOCK OUT』でどうしていきたいですか?
「目標としてはまずこの試合をしっかりとものにして、次に龍聖選手のチャンピオンベルトを懸けたタイトルマッチにチャレンジしたいです!」
──トランクスのお尻のところに書かれていた「曲木渓福」がお名前なのかと思いますが、姓・名の区切りはないんでしょうか?
「彝(イ)語では曲木(チュームー)が名字で溪福(シーフー)が名前になります。意味としては『吉祥』『幸福』などおめでたい意味があります」
──今回の試合で、一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「『KNOCK OUT』に参戦しなかったこの期間、私はずっと自己鍛錬を怠りませんでした。なので、あらゆる部分において大きな進化とレベルアップを遂げてきました。2月25日は、ファンの皆さんにパーフェクトなシン・チュームーシーフーをお見せします! どうぞご期待ください!」