2024年2月23日(金)東京・後楽園ホール『RISE 176』のセミファイナル(第12試合)フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1Rで対戦する、梅井泰成(Mouton/同級2位)と安本晴翔(橋本道場/同級4位)のインタビューが主催者を通じて届いた。
梅井は4歳の頃より始めた空手、中学一年から始めた柔道、そして高校ではレスリングと、様々な格闘技経験を持つ。柔道では全国中学柔道大会に出場し、レスリングでは近畿大会で3位入賞。19歳でキックボクサーを志し、2019年10月にはRIZINで植山征紀と対戦(判定負け)。その後、TEPPENに移籍して4連勝を飾ると、2022年3月に平野凌我との王座決定戦を制して第4代王座に就いた。しかし、8月の初防衛戦で門口佳佑に敗れて王座を失い、2023年2月には魁斗に判定負けと連敗。10月の再起戦は1Rが始まってすぐにローブローで試合続行不可能となり、無効試合となった。戦績は13勝(3KO)8敗1無効試合。
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座、2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月にKNOCK OUT-REDフェザー級王座、2021年9月にWBCムエタイ日本統一フェザー級王座も獲得。2022年7月からはRISEに参戦し、12月にSBとの対抗戦で川上叶に敗れるも2023年3月のK-1との対抗戦では斗麗に勝利。8月にSBの魁斗に敗れ、11月の再起戦では澤谷大樹を判定で破った。戦績は29勝(15KO)3敗2分1無効試合。
梅井「技術的な攻防を見せつつ怖さも見せる」
――振り返りたくないかもしれないですが、昨年の戦績が2戦1敗1NCということであまりよろしくない1年でしたが、改めて振り返ってみていかがですか?
「去年の2月23日から始まってその前の準備期間とかまで含めると、2月23日の時は迷いがあったなっていうのが自分の中であって、ファイトスタイルにしても、いろいろどういう練習でやってったらいいのかっていう迷いがあったんですけど、いい意味で去年の2月23日の試合が終わってから練習体制だったり、チーム体制っていうのがはっきりと出来上がってきて、それで約8ヶ月仕上げて望んだウォーム戦だったんですけど、あんな形で終わっちゃって、結果的に見たらマイナスなんですけど、強くなるために自分にとっては確実にプラスの方向に進んでるし、今振り返れば長い準備期間で今年はそれを発揮する年かなって」
――言い換えると冬眠期間中だったってことですね。
「冬眠しながらパワーを蓄えてた期間と捉えて下さい」
――ウォーム戦で味わったローブローのダメージは大丈夫ですか?
「今は大丈夫ですけどしばらくはダメージがあって、体が疲れやすくなったりしました。今はその不調もちゃんと治療して治っているので大丈夫です」
――ちなみに回復までどのくらいかかったんですか?
「ざっくりどのぐらいっていうのは忘れたんですけど、11月いっぱいぐらいまでずっと腰痛がありました。左側を蹴られたんですけど、ケアをしてもらった時に左側の血流がすごい悪いっていうのは言われてて、それが体の疲れやすさとかに繋がってるかもしれないので、血液検査とかはやりました」
――今は大丈夫なんですね?
「今は全然大丈夫です、もう元気です」
――今回セミファイナルで安本晴翔選手と勝負をかけた一戦になると思うんですけど、この名前を聞いた時はどうでしたか?
「痺れましたね、安本晴翔って言われた時はマジで痺れました。ついに来たかっていう感じで。でも次やるなら安本くんだろうなって思ってたので、強いところから逃げたらあかんって思いました」
――最近の安本選手の試合ぶりはどう見てますか?
「強いんですけど怪物感はないですよね。怪物感はないし別にって感じです」
――特にシュートボクシング勢には弱いですよね?
「そうですね、シュートボクシング勢全員に負けてますよね。不思議なもんで3敗全部シュートボクサーですよね。VTRか何かで魁斗選手にはそれまでの攻防では勝ってたみたいに言ってたんですけど、でも結果負けてますからね。でもシュートボクサー以外には負けてないから僕がこれで安本くんに勝ったら、シュートボクサー以外で僕が初めて彼に勝ったってことになりますね」
――そこを狙っていくわけですね。
「そこを狙っていくというか結果的に最後に僕がフェザー級で一番になるには倒しとかないとダメな相手なので。それがこの時期やったって言うだけです」
――安本選手がシュートボクサーと戦った試合から安本選手の弱点は見つけられましたか?
「シュートボクサーと戦ってるとかそれ以前に、僕は彼とはどっかでやると思ってたので自分ならどう戦うかなってイメージして試合を見てて、彼がそれこそKNOCK OUTに出てるときからいずれこの辺のクラスと戦って勝たないとっていうのをずっと思ってたので。だから策じゃないですけどこうやって戦おうとか、もちろん彼の弱点であったりとかっていうのもしっかり見てるので、そこは思いっきりやります」
――今一緒に練習している志朗選手はこの一戦について何か言っていますか?
「今後がかかってる試合やっていうのは言われてます。でも1年前とかに志朗さんに『安本とやりたい』と言ったら『まだ勝てないよ』みたいな。『いややられるよ』みたいにずっと言われてたんですけど、最近そこは『梅井と安本わからないよね』っていう感じで言ってくれたりしてるので、確実に自分は強くなってるという自信を持っています。僕は安本くんにはずっと勝てると思ってます」
――その志朗選手の評価は嬉しいですよね。
「嬉しいです。自分の中ですごい自信になるし、やってきたことが間違っていないだって。だから去年のこの1年間がほんまに自分を大きく成長させてくれたなっていうのはあります」
――観客やABEMAを通じて見る人は梅井選手のどんなところに注目したらいいですか?
「アグレッシブさや攻撃姿勢とかもそうなんですけど、まずはディフェンス面をかなり鍛えてきましたし、怖さを出していくっていう練習もこの長い期間でやってきたので、技術的な攻防を見せつつ怖さも見せるっていうのがテーマです」
――梅井選手といえば屈託のない笑顔が印象的ですが、今回は試合中に笑わずに怖さを見せる事になりますか?
「今回はそうですね、笑わないようにします(笑)」
――笑顔を封印すると?
「最後ゴングが鳴って勝ち名乗りを受けるまでは笑顔封印です」
――今回この安本戦に勝ったらタイトルマッチが見えてきますがその辺はいかがですか?
「もちろん見えてくるとは思いますし、勝たないと何も始まらないので。タイトル戦にもつながってくるし、今後フェザー級の上位陣にいる選手たち、シュートボクサーとか他の団体もですけど、『まずはこの試合』っていう形で僕は見てます。絶対この試合に勝ったら先っていうのが出てくるので、まず安本晴翔を倒すことだけに集中しています」
――勝った後のマイクアピールもまだ全然考えてないですか?
「何も考えてないですね(笑)」
――最近一緒に練習する相手として末國選手が加入したりして周りの練習環境が充実してると思うんですけどその辺はどうですか?
「おかげさまでかなり充実させて頂いてます。フリーになってからやっぱり固定の場所っていうのがなかなか難しい状況だったんですけど、そこで志朗さんに相談させてもらったら快く受けてくれたので、今はニックさんを中心にして僕たちは動いてるんですけど、ほんまに内容の濃い良い練習を毎日させてもらっています」
――ニックさんはフィジカルトレーニングで有名ですがその辺の成長ぶりも期待してよろしいですか?
「前戦の身体を見てもらったら分かると思うんですけど、今回さらにそれを上回ってるというか。結構そこのプレッシャーはあります。前回あれだけバッキバキで出てるから次締まりが悪いとかあかんっていうのはあります(笑)」
――減量するとともに毎日ボディチェックも怠ってないですか?
「毎日飽きるぐらい見てます(笑)」
――最後に梅井選手の活躍を期待してるファン、そしてRISEファンの皆様に熱いメッセージをよろしくお願いします。
「去年は結果としては振るわない年だったんですけど、長い準備期間ですごい濃い時間を過ごしてきて確実に成長できた1年になったので、今年はその成長を思っきり発揮する年です。去年の2月23日は負けてるんですけど、今年の2月23日にどれだけ進化してどれだけ強くなってるか、成長した姿を見せてしっかり勝つので、僕の今年の飛躍を楽しみにしてください。応援お願いします」
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安本「テクニックがすごくあるのでいい攻防になると思う」
――2024年初戦が決定しましたが、去年1年を振り返ってみていかがでしたか?
「去年はK-1の舞台で対抗戦に出たり、いいところで負けたりと複雑な1年でした」
――アップダウンが激しい1年だった?
「そうですね」
――とはいえ最後の澤谷戦で勝利してから新年を迎える形になりましたけど、逆に2024年はどんな1年にしたいですか?
「2024年は負けなしでチャンピオンになりたいです」
――安本選手はファンの皆さんからしたらプライベートがすごい謎な印象があると思うんですよ。練習してる姿とかは見かけるんですけど、普段ってどんな生活されてるんですか?
「普通な感じですよ(笑)」
――プロ格闘家って朝起きて走って2部練、3部練してたりしますけど、橋本道場での練習は夜ですよね。他にトレーニングもしてるんですか?
「起きてから走って、もう1回ちょっと寝て練習行くみたいな」
――ほぼそんな感じの生活ですか?
「そうですね」
――野球ゲームをやってたイメージがすごくあるんですけどまだハマってるんですか?
「そうですね、毎日やってます」
――課金をして?
「いや、最近は課金してないです。一時期は結構課金しちゃってましたけど(笑)」
――ちなみにいくらぐらい使ってました?
「わからないですね(笑)。言ったら怒られちゃう(笑)」
――試合の方に話を戻しますけど一昨年は川上選手とやって去年は魁斗選手とやって敗戦して「シュートボクサーに弱い」というイメージがついてしまってますけど、その2戦に負けてしまった要因とか敗因は何だと思いますか?
「自分が弱かったのはもちろん、川上選手の時はうまくやられちゃったなっていう感じと、魁斗選手の時は自分が油断してしまったというところですね」
――その敗戦を経て学んだ部分は大きかったですか?
「負けた以外は自分にとってプラスなことしかなかったかなって」
――その経験からさらに今強くなってる自信はありますか?
「はい、あります」
――3月には同階級のチャンピオン門口選手が敵地に乗り込んでK-1王者軍司選手と対戦しますが、この一戦はどのように見てますか?
「発表された時は悔しいというのはまず思いました。ですけど、門口選手に勝ってもらって僕が門口選手と戦って倒せたらいいなって思います」
――安本選手から見て門口選手の強さってどこにあると思いますか?
「ファイトスタイルに気持ちの強さが出てるなっていう感じです。何が強いとかじゃなくて何て言うんだろう、負けたくないというかその気持ちの強さが現れてる印象です」
――そういう部分というのは安本選手としても見習う部分や感じるものはありますか?
「対戦相手からしたらそこが一番嫌なのかなって思います」
――今回2月の大会テーマとしては若手の躍進や今後のRISEの未来を背負っていく選手たちという部分をテーマにしてる大会になります。安本選手もキャリアが35戦と長いですけどまだ23歳でRISEの未来を背負っていく一人だと思いますが、今後RISEの中でどんな存在になっていきたいですか?
「RISEの顔として『RISE=安本晴翔』って思って貰えるようになりたいです」
――そのために今回越えないといけない壁が元王者の梅井選手ですが、梅井選手の印象を教えてもらえますか?
「梅井選手の印象は『上手い』ですかね。戦い方が上手いかな」
――安本選手のファイトスタイルと梅井選手のファイトスタイルで試合をしたとしたら噛み合うと思いますか?
「噛み合うと思います」
――どんな試合になるイメージをしてますか?
「梅井選手はテクニックがすごくあるので、いい攻防になると思います」
――ちなみに橋本師範から対策は授かってるんですか?
「一応」
――戦術的な部分っていうのは橋本師範からいろいろアドバイスされる感じですか?それとも安本選手も一緒に考えるんですか?
「僕も考えますし、師範がどうすればいいみたいなのを話しながら試合のプランを考えていくような感じです」
――梅井選手の攻撃で警戒している部分ってありますか?
「繋ぎの技がすごいいっぱいあるかなって感じなんで、その繋ぎの技をどう潰していくかです」
――現時点で安本選手が梅井選手より上回ってる部分ってどこだと思いますか?
「全部ですかね(笑)。まぁパワーとか」
――ちなみに3月にはRISE、K-1のビッグマッチでそれぞれ対抗戦が行われ、同門の花岡竜選手が今回は出場されますが、対抗戦経験者としてアドバイスはしてますか?
「僕より竜の方がそういうのはわかってるのかなっていうのはありますけどね」
――最後に試合に向けての意気込みをお願いします。
「2月23日は梅井選手とやらせていただくんですけど、多分すごい良い試合になると思うので是非応援してくれたら嬉しいです。応援よろしくお願いします」