このハイキックを何度も相手の顔面にヒットさせた辻井
スックワンキントーン女子フライ級王者・辻井和奏(BRING IT ONパラエストラAKK)が、2024年2月17日(土)タイ・ラジャダムナンスタジムで開催された『RWS』に初出場。ペットジュンチャイ(タイ)と対戦した。
【写真】ラジャダムナンスタジアム『RWS』初参戦で見事勝利した辻井(C)RWS
辻井は序盤から多彩な蹴り技で圧倒。2Rにはハイキック、顔面前蹴り、ボディでの前蹴り、蹴りからのワンツーを次々とヒットさせてペットジュンチャイの心をへし折り、ペットジュンチャイの蹴りはバックステップでかわす完璧な試合運びで判定3-0の勝利を収めた。辻井はこれで6勝(1KO)1分と無敗記録を更新。
【写真】計量でも帰国前の空港でも辻井はギャルピース(C)BRING IT ONパラエストラAKK
空手を経て2021年にキックボクシングでプロデビューし、タイでタイ国イサーン&ラーナー王座、KARALEボクシングスタジアム王座とローカルタイトルを2つ獲得している。
昨年10月22日には、和奏がスック・ワンキントーン女子フライ級王座決定戦、妹の和花がKROSS×OVER GIRLS-KICKアトム級タイトルマッチにそれぞれ挑み、勝利して姉妹で同日にチャンピオンになるという話題を振りまいていた。
そして3月2日(土)にはムエタイのもうひとつの殿堂タイ・ルンピニースタジアムに藤原乃愛(尚武会フジワラムエタイジム)の出場が決定。タイの大手プロモーションとして知られるフェアテックスが主催する『Fairtex Fight』にてペットヨージンと対戦する。
藤原はアマチュアで50戦以上を経験し、アマチュアKNOCK OUT 45kgリーグ戦で優勝。2021年5月のジャパンキックでプロデビュー戦を行い、2022年5月のNJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)で王者Ayakaを破り、6戦無敗のままミネルヴァ・ピン級王座に就いた。7月には初の“ヒジ打ちあり”ルールに挑み、ペッテァーに3RでKO勝ち、9月も元タイ・イサーン地方ピン級王者ヌアファーに3RでTKO勝ち、11月はチョンプーに判定勝ち、そして今年1月にペットルークオンに判定勝ちとタイ人を相手に4連勝。
しかし、2023年3月のミネルヴァ王座初防衛戦で撫子にプロ初黒星を喫して王座を失い、5月にはMONGKUTPAT(タイ)に判定で敗れて連敗を喫したが、8月にタイ・パタヤで勝利を収めてMAGUMA MUAYTHAI王座を手にした。11月には子供の頃から憧れていたというタイの『MAX MUAYTHAI』に出場し、3RでTKO勝ちを収めている。
【写真】2023年4月の入学式で撮られたツーショット(C)辻井和奏
日本女子ムエタイ界のパイオニアである伊藤紗弥に続いて、ムエタイの本場タイでも活躍する辻井と藤原。実はこの2人、同じ東洋大学に通う女子大生で同級生でもある。長年にわたった両スタジアムの女子禁制(女性はリングに上がるどころか触れることさえ許されなかった)が昨年解禁されたことで、日本の女子ファイターも2大殿堂に立つことが出来るようになった。
両スタジアムは女子王座の認定も始めており、日本人女子ファイターで誰が最初に2大殿堂の王座に就くかが今後注目される。