2024年4月27日(土)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT vol.2』の対戦カード発表記者会見が、2月20日(火)都内にて行われた。
スーパーファイトのKNOCK OUT-RED -62kg契約3分3R延長1Rで、KNOCK OUT-REDライト級王者・重森陽太(クロスポイント吉祥寺)が、元タイ国イサーン地方王者セーンダオレック・Y'ZDジム(タイ/Y'ZDジム)と対戦する。
重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレックから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。
2023年2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負けで奪取ならず。その後は所属をEight Weaponsに変えて8月のKNOCK OUTに参戦したが、バットマンに判定負け。11月にオープンフィンガーグローブ戦に初挑戦し、ルンペットを2RでTKOに破った。2月にはRWS JAPANに参戦もサミンデットに判定負けを喫している。戦績は39勝(18KO)9敗6分。
今回対戦するセーンダオレックは21歳にして160勝35敗5分と200戦の経験を持つサウスポー。現在は日本のY'ZDジムでトレーナーを務めながら、12日に行われた『スック ワンキントーン』で勝利している。山口元気代表は「好戦的な選手。前回もオファーしていた。日本向きのガンガン来るファイターでかなり面白いんじゃないかなと思っています」と評した。
会見には重森のみ出席。「最近勝ったり負けたりで結果が残せてないですが、確実に自分の経験値を詰めているし、成長していることを感じる機会が多くなってきたことが体感としてございます。試合を通じて成長していくことが出来ているので4月には一皮も二皮も剥けた姿をお見せできると思います」と挨拶。
対戦相手の印象は「実はまだ映像を見れてないけれど、名前を調べて出て来たキーワードで印象に残っているのは(技の威力が)交通事故とか、ウェルター級でやっていて海人選手との試合を見たいとか書いている投稿がありました。試合を見た人たちはそういう印象を抱く、魅力的な選手なんじゃないかなと。ライト級でも出来るってことは適性がこっちなので、前回よりも本当の強さが引き出せると思います。強いタイ人とはずっとやってきているので、クリアしていかないといけない。次こそいい結果を残したいと思います」と話した。
好戦的なタイプは「得意です。合うと思う」と言い、「ラジャダムナンのタイトルマッチの時もファイターで、負けましたが後一歩でした。このベルトを獲った時もスアレック選手も攻撃型でいい経験を積ませていただいているので、今まで積んできた経験が十分活かせると思っています」と自信を見せる。
今回から正式にクロスポイント吉祥寺に移籍したのは「まずは練習環境。今までは対人練習をやってなかったんですが、やってみると試合の調子も良かったし、環境もいいので籍を置かせていただきました。一番大きい理由は山口代表に本気を出してもらいたいと思って。自分も上に成り上がれると思うし、フリー選手より所属選手に力を入れるのは当たり前なので、そこは自分自身喰らいついていければという覚悟の現れです」と、練習環境とマッチメイクの面で有利だと判断したからだという。
「どんどんKNOCK OUTを大きくしますし、それにプラスしてクロスポイントの名前も売れると思うので(笑)」と、クロスポイント吉祥寺の一員として活躍していきたいとした。
「揃っているなって感じはあります。4月に試合する新田宗一朗選手も階級が近いですし、彼は貴重なテクニシャンタイプで両方構えられるし、いい練習をさせてもらっています。鈴木千裕選手はアグレッシブで僕が持っていないものをたくさん持っていて、そこを練習させてもらっています。いい選手に囲まれて選手各々に決意やプライドが見られて、毎日練習することで刺激を受けながら毎日練習しています」と重森。
その中で意識している選手はと問われると「みんな凄く個性があっていい。実は僕は人と比較しないんですよ。自分がどれだけ成長出来たかと考えています。今まではジムの中で先頭を引っ張っていくプライドもあったしその立場にいたので、こうやって選手がたくさんいるとまだまだだなと思うけれど、やっぱり鈴木千裕選手ですね。急に出てきてあっという間にRIZINの王者になった。彼が人生を変えてきているところを目の当たりにしているので自分もそうなりたい、ああなりたいと思っています。近くで練習が出来るので影響を受けています」と、鈴木千裕の名をあげた。
クロスポイント吉祥寺の会長でもある山口代表は「テクニックが完成されていて日本人の中ではテクニックが光る選手。ここから先に稼げる選手になるには魅力がある、チケットを買いたいと思わせる選手にならないといけない。何かひとつ武器、これがあれば倒せるという武器を身に付けて欲しい。時代を代表するような選手は武器がないとダメ。倒せる武器をこれから身に付けてもらいたい」と、持ち前のテクニックに倒せる武器をプラスしたいとした。
【写真】RWS JAPANでは敗れた重森だが得るものは大きかったという そのことについて重森は「毎試合課題は出てくるので、そこは私のマメはところで毎回、試合が終わった後に言われたことをしっかりメモしています。今回RWSで掴みかけたところもあって。アドバイスをいただいております。アドバイスを聞き漏らさず、しっかり武器を作るところなので、練習に反映させようと思っています」と自分も武器を作るつもり。
RWSで掴みかけたものとは何なのかと聞かれると「一番は圧力の掛け方。試合を通じて切り替えることが出来たのでそこは良かった。ぶつかり合ってムエタイトップ選手とわりと自分も対等近くやり合えるんじゃないかって肌感覚があったので自信になりました。それと蹴りをもらって勉強になったことがありました。蹴られながら何が嫌かと感じることが出来たので、自分に染み込ませることが出来ると思ったので、あのレベルの選手の蹴りをコピーすることが出来ると思う。ちょっと調整するだけなので、やられて嫌だった技も身に付けられると思うのでそこがいいところだと思います」と圧力と蹴りだとする。
山口代表は「重森選手が4月の前にも試合をしたいと言っているので、3月の頭くらいに海外の試合を調整中です。間髪入れず試合をしていきたい、1カ月に1回試合したいと前から言っていたのでキャリアを積ませてあげたい」と、3月にも海外で試合が決まるかもしれないという。
その試合はOFGマッチになることが予想され、重森は「世界的に注目されて人気が出ているのでそこで名前を売りたい。そういった経験が自分をいい方向に自分を持っていくのではと思っています。今まで3分5Rでやってきて勉強してきたんですが、3RでOFGで倒し合う環境に行くことによって練習や試合運びも変わって来る。今まで培ったテクニックに加えて倒し合いの展開にも持っていければ、どちらにもメリットがあると思います。オリジナルな選手、魅力的な選手になれるようになりたいと思っていますので、OFGで倒し合う大会は魅力的に感じています。ぜひ戦っていきたいと思っています。3月にもし試合が決まれば自分を完成させてステップアップしたい。ムエタイにないような武器を1個用意して、倒せる技の完成度を上げたいと思います」と意欲を語った。