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【ONE】ハガティーがロボと倒し倒されの死闘制しバンタム級ムエタイ王座初防衛! セーマペッチがKOでリベンジ、手塚裕之が4連続フィニッシュ勝利!猿田洋祐がマラチエフとの熱戦で判定負け

2024/02/17 10:02
ONE Fight Night 19 速報 2024年2月17日(土)タイ・ルンピニースタジアム(U-NEXT配信) ▼メインイベント バンタム級ムエタイ世界タイトルマッチ 3分5R〇ジョナサン・ハガティー(英国/王者)=144.00 lbs.(65.3kg)/1.0044[3R 0分45秒 TKO]×フェリペ・ロボ(ブラジル/挑戦者)=144.50 lbs,(65.5kg)/1.0244※ハガティーがバンタム級ムエタイ王座初防衛  ハガティーは7歳からムエタイを学び、12歳からアマチュアで試合を開始。2016年4月にISKAムエタイ世界スーパーフェザー級王座を奪取し、2018年5月にはWBCムエタイ世界スーパーフェザー級インターナショナル王座も奪取。  2019年1月からONEに参戦すると、5月の2戦目ではサムエーを破りONEフライ級ムエタイ世界王者に。同王座はロッタンに奪われるも2023年4月にはノンオーをKOしてONEバンタム級ムエタイ世界王座に就き、11月にファブリシオ・アンドラージにKO勝ちでキックボクシング同級王座も獲得して統一王者となった。  ロボは2020年9月からONEに参戦すると、ヨードパノンムラン、ロートレックに判定勝ち。2022年3月、挑戦者の欠場を受けて急遽当時の王者であるノンオーの挑戦者に抜擢されたがKO負け。  2023年4月の再起戦でセーマペッチをKOし、今回の王座再挑戦へ漕ぎ着けた。アンドラージとは同門で、ハガティーから「次はお前だ」との挑発を受けたという。  1R、ともにオーソドックス構えから右ローが交錯。ハガティーは右ハイ。かわすロボに左奥足ローも。その打ち終わりに右ストレートをロボは突く。  ワンツーからミドルに繋ぐハガティー。ロボも右ミドル、左ジャブ。ハガティーは左の蹴りをジャブがわりに使う。  右ローを突くハガティー。ワンツー、カーフも。ロボは左右のラッシュでハガティーをコーナーに詰める。  押し返したハガティーに左右を上下にボディにも打ち分けてブロッキングで耐えたハガティーに右アッパーを効かせてダウンを奪取! ハガティーが立ち上がりゴング。  2R、左ロー、ミドルから入るハガティー。ロボは左ボディなど多彩なボクシングで攻めるが、ハガティーは左右のラッシュにヒジを混ぜてロボをロープに詰める。さらに打ち合いから右アッパー、左フックでダウンを奪い返す!  立ち上がったロボを詰めると、バックヒジ、右アッパー。しかしロボも右ストレートを返すと、ハガティーが後退。左の打ち返しをかわしたロボの右アッパーからの猛攻をブロッキングして、自身のターンでハガティーも左右から右ストレート、右ヒジ!  3R、互いのローでバランスを崩したハガティーだが、立て直すと、ロボの左の入り際に、内側に右ストレート! 後方に倒れたロボは立ち上がるが、足もとがふらつきレフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼第8試合 バンタム級ムエタイ 3分3R○セーマペッチ・フェアテックス(タイ)=145.00 lbs,(65.7kg)/1.0099[1R 1分33秒 KO]×モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)=143.25 lbs,(64.9kg)/1.0061  セーマペッチは2012年にタイ・7チャンネルのタイガーセメントトーナメントで優勝して頭角を表し、7チャンネルスタジアムを主戦場に活躍。  2018年にはMTGPのウェルター級世界王座に就いた。ONEには2018年7月から参戦。タワンチャイ、フェリペ・ロポ、モハメド・ユネス・ラバーにはKO負けを喫したが、リッテワダとガオナーにはKO勝ち、ジャン・チェンロンに判定勝ちを収めている。  188cmの長身ラバーは2023年12月のONE初参戦でセーマペッチと対戦。左フックでダウンを奪われるも即座に右ストレートでダウンを奪い返し。  さらに飛びヒザ蹴りからの左右フック5連打でダウンさせるも、完全に倒れていたセーマペッチの顔面にヒザを突き刺した。結果はラバーのKO勝ちとなったが、最後のヒザが物議を醸し、今回のダイレクトリマッチとなった。  1R、両者の身長差は16㎝。セーマペッチが左ミドルを蹴るとラバーのジャブが余裕で顔面に届く。左へ回り込んでいくセーマペッチが前へ出て左ストレートを叩き込むと、ラバーが大きく下がる。そしてもう一度左ストレートでダウン。  再開後、すぐにセーマペッチが左ストレートを叩き込んでダウンを追加。左ボディストレートから左右の連打を叩き込み、ヒジから首相撲で転倒させるとラバーは完全に戦意喪失。セーマペッチがKOでリベンジを達成した。 「リマッチに応じてくれた相手、コーチ、ファンに感謝したい。1回目の試合は敗れたけれど、その後はしっかり練習してこの試合に臨みました」とセーマペッチにボーナスが贈られた。 [nextpage] ▼第7試合 ストロー級(-56.7kg)5分3R×ダニエル・ウィリアムス(豪州)=125.00 lbs,(56.6kg)/1.0053[判定0-3]〇リト・アディワン(フィリピン)=124.75 lbs,(56.5kg)/1.0187  MMA6勝2敗のウィリアムスは、ONEではムエタイルールでデビュー後、MMAルールでデーダムロンにボディ打ちでKO勝ちするなど3連勝。2022年10月にジェレミー・ミアドに3R KO負け後、立ち技ルール3連敗。1年4カ月ぶりのMMAマッチとなる。  MMA15勝5敗のアディワンは、2021年1月に川原波輝に2R KO勝ちするなど2連勝。その後、ジャレッド・ブルックス、ミアド相手に連敗も、2023年9月にエイドリアン・マシューズにTKO勝ちすると、2023年11月の前戦ではミアドに判定勝ちでリヴェンジを果たしている。  1R、ともにオーソドックス構え。左右での入り、バックスピンキックも打つアディワン。ウイリアムズとのすれ違いざまに右ストレート! ダウンしたウイリアムズをコーナーにつめて左右フック!  打ち合いに臨むウイリアムズに、アディワンはダブルレッグテイクダウン! さらにグラウンドヒザ! リングコーナー際でいったんブレークしてマット中央から再開。  ハーフから送り手をコントロールして左ヒザを顔面に突くアディワン。下のウイリアムズはシングルレッグで立ち上がり離れる。残り10秒で近い距離で打ち合う両者。  2R、右ローを突くウイリアムズ。アディワンは飛び込んでの右。さらにコンパクトに左右と強弱をつける。互いに右ロー。ウイリアムズは右ロー、左ミドルをガード上に当てる。その右ローに右のカウンターを狙うアディワン。ウイリアムズは右カーフを当てる。  右オーバーハンドのアディワンは単発に。左の蹴りを突くウイリアムズ。アディワンはまたも右の飛び込みをガード上に叩く。じりじり詰めるウイリアムズはワンツーから左ミドルに繋ぐが、アディワンは距離を取る。ウイリアムズの右でのけぞるアディワンだが、ヒットせず。ウイリアムズは右ロー。  3R、ウイリアムズの左の蹴り足を掴んでテイクダウンしたアディワンはパウンド、ヒザ蹴りのラッシュ。ウイリアムズはハーフガードから上体を立てるが、それを剥がして寝かせるアディワン。  頭をアゴ下につけて押さえ込むアディワンに、コーナーを使い立つウイリアムズ。それを剥がしてボディロックで寝かせるアディワン。コーナー使い立つウイリアムズを回して崩そうとするが、離れたウイリアムズはスタンド勝負。  右アッパー、右ローもアディワンは逃げ切り体制。ローからミドル、さらに右ヒザを最後の最後に当てたウイリアムズだが、アディワンもロープを背に倒れずゴング。判定は3-0でアディワンが勝利。3連勝をマークした。 [nextpage] ▼第6試合 ライト級ムエタイ 3分3R×リアム・ノーラン(英国)=168.75 lbs,(76.5kg)/1.0116[判定0-3]○ナウゼット・トルヒーリョ(スペイン)=169.00 lbs,(76.6kg)/1.0107  ノーランは詠春拳(ブルース・リーが学んだことで有名な中国武術)とテコンドーを学んだ後ムエタイに転向。2019年3月からONEに参戦し、これまで4勝2敗。前戦は2024年7月にアリ・アリエフに判定勝ち。また、2021年11月にはオランダでユセフ・ブガネムに判定勝ちでWBCムエタイ世界ミドル級王座を奪取している。  トルヒーリョはWMCスペイン王座、ISKAヨーロッパ王座、IPCCインターコンチネンタル王座、ISKA世界王座を保持。2023年8月のONE初参戦ではルンラーウィー・シッソンピーノンに判定負けしている。その試合では右ストレート、ヒジ&ヒザでルンラーウィーを後退させる場面もあった。  1R、サウスポーのノーランはじりじりと距離を詰め、左ストレートを伸ばす。トルヒーリョがワンツーを打って来るとバックステップでしっかりとかわす。ラウンドが終了するとバチバチのにらみ合い。  2R、ノーランが右フックを打ったところへトルヒーリョが入り際に右の縦ヒジをヒットさせてダウンを奪う。前に出るトルヒーリョがヒジ、左右フックからの左ボディ、右インローと攻めていく。ノーランも左ストレートで応戦。  3R、両者見合う場面が多い。ダウンをとったトルヒーリョは待ちの体勢だが、攻めなければいけないノーランも手数が出ない。残り10秒で左ストレートを一発当てて前へ出たノーランだが、その後は追撃出来ず試合終了。  ダウンを奪ったトルヒーリョが判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼第5試合 ウェルター級(※83.9kg)5分3R〇手塚裕之(日本)13勝4敗=182.50 lbs,(82.7kg)/1.0183[1R 4分57秒 腕十字]×アブラォン・アモリン(ブラジル)9勝5敗=182.50 lbs,(82.7kg)/1.0180  33歳の手塚裕之は、2023年10月の前戦『ONE FN15』にスクランブル参戦、ジン・テホを1R、腕十字で下し、日本大会での秋山成勲戦をアピールしていたが実現せず。2月17日バンコク大会でヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)とのウェルター級戦が決定したが、対戦相手が同じブラジルのアブラォン・アモリン変更に。  対するアモリンは緊急参戦。MMA9勝5敗の37歳で、2022年4月のONEデビュー戦でパク・デソンを右アッパーからパウンドアウト。同年11月にアフメド・ムジタバに三角絞めで一本負けしている。9勝中3KO・TKOで4つの一本勝ち。  MMA12勝4敗の手塚は、2020年11月にムラド・ラマザノフに判定負け以降は、アギラン・ターニとエドソン・マルケスを3R TKO。  さらにテホを腕十字と3試合連続のフィニッシュ勝利中。4試合連続でフィニッシュとなれば、クリスチャン・リーが持つ王座挑戦に近づく試合となる。  1R、ともにオーソドックス構え。アモリンは左インロー。圧力をかける手塚はコーナーに詰めて右オーバーハンドを見せる。さらに右ハイ。ブロックするアモリン。左の蹴り足を掴んだ手塚は前に出ると互いの右が交錯。  サウスポー構えになるアモリンが左の蹴りも、その蹴り足を掴んでテイクダウンは手塚。ハーフから右で脇差し、左ヒジ。パスガードを狙いつつ左ヒジ。パスしてすぐに腕十字! コーナー際で残り3秒で一本勝ちを決めた。  4連続フィニッシュ勝利。リング中央でバック宙、ブレイクダンスを見せた手塚だが、インタビューは行われなかった。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級ムエタイ 3分3R○ルーク・リッシ(米国)=155.00 lbs,(70.3kg)/1.0070[判定2-1]×エディ・アバソロ(米国)=153.75 lbs,(69.7kg)/1.0087  リッシは元キックボクサーの父を持ち、父のジムで4歳でキックボクシングを始めた。2020年にプロデビューを果たし、2023年12月にONE初参戦。ジョー・ナタウットに判定負け。ナタウット戦では鋭いコンビネーションとヒジ打ちを見せている。  アバソロは2022年11月にONE初参戦。リアム・ノーランに判定負けを喫したが、2戦目はニコラス・ラーセンにKO勝ち。3戦目ではシッティチャイ・シッソンピーノンに判定負けもパンチとヒジで激しく打ち合い、ヒジのカウンターでシッティチャイを相手に何度もピンチの場面を作って見せた。サーマートに憧れているという。  アメリカンムエタイの対決。1R、アバソロはリッシの前蹴りをキャッチすると後方へ押し倒す。リッシは右カーフを蹴り、アバソロの右ローにワンツーを合わせる。体格で上回るリッシは上から打ち下ろすような右ストレートからヒジにつなぐ。ローの蹴り合いが多く見られた。  2Rもローの蹴り合いからスタートするが、リッシが右フックでダウンを奪う。組んでくるアバソロにはリッシが右ヒジを連打。右ストレートからヒジ、バックスピンエルボーと攻め込むリッシにアバソロは右アッパーで対抗する。前へ出るリッシだが、アバソロが左ストレートでダウンを奪い返す。  3R、左右に構えを頻繁にスイッチし、左右ロー、前蹴りからストレートにつなげるアバソロ。左アッパー、左ボディも打つ。前に出るリッシが左右ストレート、アバソロも負けじとフック&アッパーを打ち返す。左右フックで前へ出ていくリッシを前蹴りで押し返すアバソロ。右ハイを繰り出すリッシにアバソロはスーパーマンパンチで反撃。  判定2-1でリッシが接戦を制した。 [nextpage] ▼第3試合 女子ストロー級ムエタイ 3分3Rדワンダーガール”ナット・ジャルーンサック(タイ)=125.00 lbs,(56.6kg)/1.0095[2R 1分24秒 TKO]※レフェリーストップ○マルティナ・キエルチェンスカ(ポーランド)=124.25 lbs,(56.3kg)/1.0044  ワンダーガールことナットは当初ダヤン・デ・ソウザ・カルドーソとストロー級特別ルール(1Rと3Rがムエタイルール、2Rと4RがMMAルール)で対戦する予定だったが、カルドーソが欠場。代わってキエルチェンスカとストロー級ムエタイルールで対戦することに。  ナットはONEムエタイで2連勝後、2021年2月にジャッキー・ブンタンに判定負け。2022年5月にMMA転向を果たし、プロ1勝・アマチュア3連勝のゼバ・バーノに腕十字で勝利した。2戦目は6勝1敗(アマチュアで9戦)のキャリアを持つHEXフライ級王者リサ・キリアコウに判定負け。2023年9月にはOFG着用のボクシングルールでONE女子ストロー級王者ション・ジンナンと対戦してTKOで敗れている。本来のムエタイルールで連敗を脱出したいところ。  キエルチェンスカはジュニア時代からキックボクシング&ムエタイで優秀な成績を収め、アマチュア戦績はなんと102勝7敗。2022年にIFMAムエタイ世界選手権で金メダル、2023年ヨーロッパ選手権で金メダル、ワールドコンバットゲームズ・ムエタイ部門で金メダルを獲得。2023年にはプロ4戦目にして無敗のままWMC世界-54kg王者となった。ポーランドではかなり有名な選手のようで、今回のONE参戦を様々なメディアが報じている。  1R、ナットがジャブで前へ出るとキエルチェンスカも打ち合いに応じ、いきなりの打ち合い。回転の速い連打を繰り出すキエルチェンスカにナットは首相撲に持ち込む。離れるとストレートの連打からミドル、ヒザと蹴りにしっかりつなげるキエルチェンスカ。バックハンドブローやバックキックも織り交ぜ、コンビネーションのつなぎも速い。キエルチェンスカのアイポークがあり試合は中断。再開後、首相撲になっても負けじとヒザで蹴り合うキエルチェンスカ。  2R、ナットの右ミドルをキャッチしてパンチを入れるキエルチェンスカ。そこから止まらない左右の連打で前へ出て、ナットが首相撲に来るとしっかり対応してヒジ・ヒザを打つ。ナットも右を繰り出すが、キエルチェンスカが圧倒的な回転力で連打を次々と叩き込む。左ボディ2発を突き刺して左右の連打を顔面に叩き込み、ヒジ・ヒザも織り交ぜてナットを圧倒。最後はヒザの連打でナットが防戦一方となり、キエルチェンスカが鮮烈なONEデビュー戦を飾った。  ボーナスもゲットしたキエルチェンスカは笑顔を輝かせ、「序盤から飛ばしました。そこでポーリッシュパワーを見せたかった。3月も出してください。強くなるためにこのボーナスを使ってさらに強くなって戻って来たいです」と語った。 [nextpage] ▼第2試合 ストロー級(※56.7kg)5分3R〇マンスール・マラチエフ(ロシア)12勝1敗=124.75 lbs,(56.5kg)/1.0144[判定3-0]×猿田洋祐(日本)21勝12敗3分=124.75 lbs,(56.5kg)/1.0210  猿田は元ONE世界ストロー級王者。2019年1月にジョシュア・パシオに勝利しベルトを巻くと、3カ月後の再戦で4R、右ハイキックでKO負けで王座陥落。日本で北方大地、内藤のび太相手に連勝後、2021年9月のパシオと3度目対戦。1R TKO負けで王座獲得ならず。2022年4月の前戦でグスタボ・バラートに判定負け。今回は1年10カ月振りの復帰戦となる。  対するマンスール・マラチェフは、MMA11勝1敗。Eagle FC等で活躍後、2023年6月にジェレミー・ミアドに1R ダースチョークで一本勝ち。10月にジョシュア・パシオに判定負けで、プロ初黒星を喫している。  スタンドのがぶりからダースで組んで引きずり込んでのタップ奪取や、パシオ戦でのテイクダウン、コントロールなどMMAレスリングに長けているマラチェフを相手に、グラップリングも大きな武器とする猿田にとって、どんな戦略で戦うか、注目のストロー級戦だ。  1R、マラチエフのダブルレッグをがぶった猿田だが、ロープまでドライブするマラチエフ。猿田は押し込まれつつもヒザ蹴り。しかし、ダブルレッグテイクダウンしたマラチエフはバックテイクから引き込み。  両足はかけさせない猿田は立ち上がりコーナーに。なおもダブルレッグで尻を着かせるマラチエフに、猿田は足首を持ってスイッチして正対する猿田はヒザを打ち、突き放して右カーフ!  ジャブ、前蹴りのマラチエフ。猿田のワンツーはまだ遠い。マラチエフの右にカウンターのシングルレッグに入る猿田だが、潰したマラチエフ。しかし猿田も立ち上がり。左フックを被弾した猿田がダウン。マラチエフはその立ち上がりにダースチョークを仕掛けるが、猿田は仰向けになって相手を離して極めを防ぐ。  2R、ワンツーで前に出る猿田をさばいてバックテイク。すぐに引き込み、今度は4の字ロックを組んだマラチエフ。足を外したマラチエフに腰をずらした猿田は立ち上がり。  左を当てるマラチエフに打ち合いに行く猿田。そこにシングルレッグテイクダウンはマラチエフ。猿田は足を解き、ニーシールド。インサイドに入りパウンドするマラチエフに、猿田は下からギロチンチョーク!  身体を返してマウントで絞める! 苦し気な表情もクラッチを切ると、猿田は先にがぶり。そこに押し込むマラチエフに。体を入れ替えて左で差してヒザを突く猿田だが、ブレーク。右を突いて前に出るマラチエフに左ミドルを返す猿田。マラチエフは手数が減ってきた。  3R、廻し蹴りを見せるマラチエフ。右カーフの猿田。左右を突いて左で差して押し込むが、突き放したマラチエフは猿田の左の打ち終わりに組んで押し込み。しかしコーナーから猿田も抜け出し、体を入れ替え左で差してヒザ。右ヒジをこつこつ突く。ここもハーブ・ディーンレフェリーはブレーク。  左ジャブを突くマラチエフに、猿田はカウンターのダブルレッグテイクダウン! 立ち上がるマラチエフをボディロックするとスタンドバックからヒザ。しかし、長い手でスイッチするマラチエフがバック狙い。ここは猿田が小手に巻いてさせず。投げの打ち合い、バックの奪い合いは立ち上がりにバックについたマラチエフがヒザもブレーク。  左右で前に出る猿田にローシングルのマラチエフ。そこにギロチンチョークを合わせた猿田だが、時間が足りない。ゴング。判定へ。 [nextpage] ▼第1試合 ストロー級ムエタイ 3分3R○トンプーン・PK・センチャイ(タイ)=125.00 lbs,(56.6kg)/1.0083[1R 1分37秒 TKO] ※3ノックダウン×ティムール・チュイコフ(キルギス)=124.75 lbs,(56.5kg)/1.0244  トンプーンは2023年3月の『ONE Friday Fights 10』から参戦し、トゥモロー、ペットモンコル、ヤンダムに3連勝して12月の『ONE Fight Night 17』に出場。エリス・バドル・バルボーザのボディブローにKO負けを喫したが、バルボーザに禁止薬物の陽性反応が出たため無効試合に変更されている。ニックネームは“タイのサイタマ”とワンパンマンの主人公の名前を持つ。  チュイコフはキルギス出身の21歳。Tiger Muay Thaiでムエタイの腕を磨き、今回がONE初参戦。  1R、ジャブから左ミドル、右ストレートを突き刺すチュイコフ。この右ストレートを多用するチュイコフだが、トンプーンが踏み込んでの右ストレートでダウンを奪い、続くワンツーでダウンを追加。パンチとヒジで打ち合いに行ったチュイコフだったが、またもトンプーンが右ストレートをヒットさせて3度目のダウンを奪い、鮮やかなTKO勝ち。  これで4試合連続でボーナスも受け取ったトンプーンは「今後も勝ち続けたい。150Pのベルトに挑戦したい」とONEで勝ち上がっていきたいと語った。
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