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【ONE】ノースカット欠場の真実をユライア・フェイバーが語る「自分以外の2人がコーナーにつけず、セージは感性に従って──」

2024/02/08 15:02
 試合直前にカード変更になった『ONE 165: Superlek vs.Takeru』(1月28日・有明アリーナ)でのONEライト級(※77.1kg)5分3R、青木真也(日本)vs.セージ・ノースカット(米国)について、ノースカットのコーナーにつく予定だったユライア・フェイバーが帰国後、米国メディア『MiddleEasy』に「試合キャンセルの経緯」を語った。  チーム・アルファメールでセージ・ノースカットを指導してきたユライアは、試合前日の公開練習でもノースカットのミットを持ち、本誌の取材に「大きいのを当てたいところだけれど、それは長い距離だけではなく近い距離で見えないところから行きたい。ショート・スタンスが鍵だ。その分、組まれることもあると思うけど、シンヤを相手にグラウンドに行くことは恐れず、バックは譲らない」と、試合のポイントを語っていた。  それは、チームアルファメールで柔術黒帯のファビオ・プラドの指導を受け、リカルド・ラモスやダスティン・アクバリ、アレックス・ムニョス、クリス・ゴンザレス、元グレコローマン代表メンバーらともケージレスリングのトレーニングを行ってきたというノースカットの、グラップリング力に対する信頼を示す言葉だった。  しかし、計量を76.88kgで無事にパスした後、トラブルが発覚した。ユライアはそのときのことを振り返る。 「そこには多くの誤解がある。チャトリ(CEO)のインタビューを見れば、彼はありのままのことを言っていると思う。ファビオ・プラドとマーク・ノースカット(セージの父)のビザに土壇場でハプニングがあった。それで試合前日の夜10時半に、彼らがコーナーに出られないことが分かったんだ。11時半ごろにマークから『セイジが試合をしない』とのメッセージを受け取って、彼(マーク)と話をして、何が起きているのか状況を把握した。連絡の行き違いとか、そういうことがたくさんあったんだ」  ノースカット自身もSNSで説明した通り、欠場のきっかけは、「私のコーチ2人がギリギリの(タイミングで)ビザの問題が分かった」ことで、「ONE Championshipは、私の代わりに柔術世界チャンピオンのコーチを与えることで助けを申し出たが、キャンプ全体をトレーニングしたコーチたちと一緒にいなければ、史上最高のMMAサブミッションアーティスト(青木)と対戦することはなかった」と記している。  ユライアは動画で、「セージが試合をしたければ、僕はコーナーに立つことを許可されていた」と、自身のビザに問題は無かったことを語る。  その上で、「試合当日の午後1時頃まで、セイジと直接話すことはなかった。いくつかの異なる出来事が起きたことで、セージは“戦うのに適した状態ではない”ということだった。  彼が神と聖霊との信仰において非常に大きな関係を持っていることは知っているけど、あの日、物事がうまくいっていないと感じた彼は、戦う気になれなかった。それで私は『その(判断)は確かか?』と確認したんだ」と、父とグラップリングコーチのコーナーマン2人の不在と信仰心のなかで、ノースカットが試合のキャンセルを決めたことを明かす。  ユライアがすぐに帰国したのは、ビザの問題ではなく家族との時間を過ごすためだったという。ノースカットの決意が硬いことを確認したユライアは、「彼が絶対に戦うつもりは無かったので、僕も帰国の飛行機の便の予約をした。家での子供たちとの責任から5日間離れていたしね。だから、僕は国外追放や強制送還はされていない」と苦笑する。  2015年当時、史上3番目の若さでUFCと契約したノースカットは、UFCで6勝2敗。オクタゴン3連勝の最中に、ONEと契約をかわした。しかし、2019年5月のONEデビュー戦でコスモ・アレクサンドレに1R KO負けを喫すると、手術とコロナ禍もあり、4年間試合から遠ざかり、2023年5月に復帰。アフメド・ムジタバに1R ヒールフックで一本勝ちしている。  ユライアは、「彼のキャリアには人々が知らない多くのことが起きている。あの(青木との)試合にはとても興奮していて、そこに向けて十分な準備も積んでいた。“最高の復讐は成功”であり、そのためにはそこに入っていって打ち砕くことだけど、彼の信念や彼がどのようにあろうとしているかについて、僕は特に疑問を持たない。サポートしたことは理にかなっている」と語っている。  ノースカットが緊急欠場で青木は、いったんは元UFCで前ONEバンタム級(※65.8kg)王者のジョン・リネカー(ブラジル)との対戦オファーを固辞したが、チャトリ・シットヨートンONE会長兼CEO直々の説得を受けて試合を受託。前日計量でバックアップファイターとして計量していたリネカーは68.49kg、青木は75.29kgで計量をパスしていたなか、青木は“石の拳”を持つリネカーを相手に、初回にテイクダウンからバックを奪い、リアネイキドチョークを極めている。
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