海人の相手にはもっと強い選手もリストアップしているという緒形SB協会代表(C)SHOOTBOXING
2024年2月10日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2024 act.1』のメインイベントで対戦する、SB世界スーパーウェルター級王者・海人(TEAM F.O.D)と元ONEムエタイ世界フェザー級王者ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)。この一戦を、SBのエースとして活躍したS-cup2006世界王者・緒形健一(現シュートボクシング協会代表)が占う。
今後はもっと強い選手もリストアップしている
――今回の海人vs.ペットモラコット戦が決定した経緯を教えてください。
「もともとペットモラコット選手は海人とやらせたい選手の1人でした。皆さんのご協力があって、世界でもトップクラスの選手とようやくマッチメイクできたことを感謝いたします。ペットモラコット選手はONEと契約していましたが、ONEとの契約が切れフリーになってからタイの関係者を通じて水面下で話を進めていき、ペッティンディーアカデミーの会長とも一度お会いして、やり取りを進めていく中で決まりました。ペッティンディーアカデミーにはペットモラコット選手以外にも50人近くプロ選手がいて、トレーナーも10人いるそうです。昔のムエタイジムのイメージとはかけ離れていて、ジムには最先端のトレーニングマシーンがあったりと、色々とお金を懸けて強さを追求しているんだなとも感じました」
(C)ONE Championship
――ペットモラコット選手の強さはどこにありますか。
「トータル的に何でもできますが、一番の強みは穴がないこと。あと、海人も身長は高いですけど、ペットモラコット選手も身長は高くリーチが長くサウスポーであること。今回ヒジ打ちありのルールなので、ペットモラコット選手の良さを全て引き出すルールになるのかなと。海人自身もSBルールだけど『あえて投げない』と言って相手の土俵で戦おうとしているので、かなり接戦になるんじゃないかなと思います。離れた距離でもお互いに距離の取り方は抜群ですし、目もいい。二人ともどんどん前に出てくるタイプなので組む展開も多くなる気がします。そういう展開になっても今回ヒジ打ちありルールなので、入り際、離れ際、組んでいる時も一瞬でも隙を見せればペットモラコット選手のヒジが飛んでくるので、緊張感のある戦いになると思いますね」
「1~3Rの本戦内だと海人が有利なところもありますが、延長戦になるとペットモラコット選手が俄然有利になると思います。海人は技術面で素晴らしく、スタミナもめちゃくちゃありますが、ペットモラコット選手は練習で同階級の選手と延々と首相撲をやっていて組みのスタミナで上回り、延長を重ねるごとに勝利する確率がどんどん上がってきます。なので海人が勝つには本戦での勝負になるでしょうね」
――SB王者としてどういう戦いを見せてほしいですか。
「この試合が決まった時に、海人は『ヒジありルールでやりたいです』と言ってくれました。ヒジあり・なしは相手に任せるということを聞いた時に、海人は侍だなと。SBの武士道のような精神を試合の中で全てを出し切って体現してほしいと思います」
――SB40周年に向けて海人選手には今後どういうことを期待しますか?
「もちろん今回も海人が勝つと信じてます。まだ名前は言えませんが、今後はもっと強い選手もリストアップしてますし、去年敗れたGLORYチャンピオンのティジャニ・ベスタティ選手と再戦するためにオランダに行くことも考えてますし、実現させるための状況を我々が作っていきます。今年か来年にはS-cup世界トーナメントをやりたいとも考えているので、そこに向けて海人には今年は飛躍の年にしてほしいと思います」