次世代エースと期待される大久保(右)を壬生狼が受けて立つ
2024年3月20日(水・祝)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD MAX』の記者会見が、2月5日(月)都内にて行われた。
バンタム級3分3R延長1Rで、壬生狼一輝(力道場静岡)と大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)が対戦する。
壬生狼は幼稚園から日本拳法を学び、のちにキックボクシングに転向。九州のキックボクシングイベント「大和」のバンタム級王座も獲得した。2020年8月にKrush-EXで勝利を収めると、2021年3月には吉岡ビギンをも破り第7代Krushバンタム級王座を獲得。しかし、5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では決勝へ進出するも黒田斗真にKO負けで初黒星。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」でも準決勝で黒田に敗れた。その後は3連勝。戦績は17勝(4KO)4敗。
大久保はK-1アマチュアで経験を積み、2022年2月のK-1でプロデビュー。6月の『THE MATCH 2022』ではオープニングファイトに抜擢され、那須川龍心に判定勝ちしている。2022年9月の「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」で優勝し、初代王座に就いて次期K-1エース候補と期待されたが、バンタム級に階級を上げての第一戦で齊藤龍之介に延長判定で敗れ初黒星。2023年10月に黒川瑛斗に勝利して再起を飾った。戦績は5勝1敗。
宮田充Krushプロデューサーは「イベントの前半で、これは僕は第1試合に行くのがいいと思いますが、イベント全体に元気と勢いと活気をもたらすカードが必要で。そこで壬生狼選手の出場を決めました。若い2人が起爆剤になって欲しい」と、このカードに期待をかける。
大久保は「大きな大会に出られて嬉しい気持ちです。大抵は壬生狼選手が勝つと思っていると思いますが、そこを覆してこれに勝って、勝てれば必然的にKrushとK-1のタイトルが見えて来ると思うので、ここを落とさず勝って次につなげたい」と意気込む。
バラをくわえて登場した壬生狼は「意気込みか、特にない。大久保、わしは胸は貸す気はないがどんと来い」とよく分からないことを言い放つ。
互いの印象を聞かれると、大久保は「凄く面白くて試合だと勢いがあって、パンチとか蹴りも全て出来るいいファイターだと思います。でも、頭の良さが僕は優っていると思います。頭を使って勝とうと思います」とし、壬生狼は「次世代だからわしとやるのはまだ早い」とする。自分が大久保よりも優っているのは「パワー、それと面白さじゃあ」とした。
2連続KO勝ちと好調な理由を聞かれた壬生狼は「3R戦うより1Rか2Rで終わらせるのが早いことに気づいた」と答え、K-1×RISE対抗戦に選ばれなかったことをどう思うかとの問いには「なんでわしが選ばれてないんじゃあ。対抗戦はわしがいかんとあかんやろ。どう思う?」と2人のプロデューサーに問いかける。
宮田Pは「たくさんリストを持って行ったんですが…壬生狼選手とは絡みたくないと思われたのかも(笑)。キャリア、体重にハマらなかったということです」と説明し、壬生狼は渋々納得していた。
一方、大久保は階級を上げての手応えを聞かれて「フライ級からバンタム級に上げて、11月前からフィジカルトレーニングを始めました。フライ級の時の課題だったので、そこから強くしようと考えて身体もバンタムに合っているのかなと。大きくなってきたので。
自分の距離で戦って、パンパン当ててポイントで勝つと予想されていると思いますが、近い距離でも戦えるように練習しているし、近い距離でこんなに出来るのかと驚かせてから遠い距離で仕留めようと思います」と、近距離でも戦えることを証明して最後は仕留めると自信を見せた。
「(壬生狼は)バンタムでトップだと思う。自分の可能性を信じてやります」とし、「必然的に、Krushのタイトルマッチは壬生狼選手と王者の池田選手がやると思っていたので、ここで僕が勝てば僕と池田選手になると思います」と、壬生狼に勝ってKrushバンタム級王者・池田幸司に挑戦したいと野望を燃やした。
最後に、いつもと比べてネタが随分と弱いのではないかと指摘された壬生狼は「3日前に会見があると聞かされて用意できるか!」とネタを仕込む時間が足りなかったと怒りの告発。
しかし「メイクを心直に連絡してそこでやってもらいました。以上です」と、前回Krushで対戦した心直が利用したメイクさんにメイクだけはしてもらったと話した。
また、「最後にわしからひと言」と「一成くんのことでSNSで沸いているが、それを一成くんと一成くんの父親の目の前で言えるのか! 怖いぞ、本当に。本当に怖いからね、要らんこと言うな。以上です」と、K-1との契約が終了した石井一成(壬生狼とは兄弟分)に対する意見に釘を刺していた。