2024年3月30日(土)東京・後楽園ホール『Krush.159』の対戦カード発表記者会見が、1月29日(月)都内にて行われた。
今大会より「初代Krushミドル級王座決定トーナメント」が開幕。準決勝で谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)vs.ブハリ亜輝留(WSRフェアテックス幕張)、神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)vs.YOHAN(T.K.F)が決定。決勝戦は6月大会で行われる。
ミドル級王座(-75kg)はK-1では設定されていた(現王者は松倉信太郎)が、Krushでは初となる。
谷川は空手で第1回&第3回真正会全日本選手権大会重量級優勝など数多くの実績を残し、2017年5月にキックボクシングでプロデビュー。2020年3月よりK-1 GROUPに参戦すると2021年7月の「第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもサッタリにKO負けで王座戴冠ならず。2022年4月の「K-1無差別級トーナメント」でも決勝進出を果たしたがサッタリにKOで敗れた。8月にはK-Jeeとのクルーザー級日本最強決定戦で勝利。前戦は2023年12月にリュウ・ツァーにKO負け。戦績は11勝(4KO)8敗1分。
ブハリは中学でボクシング、高校でキックボクシングを始め、グローブ空手の試合でキャリアを積む。大学卒業後に渡米し、現地ではガソリンスタンドの経営者としても活躍。帰国後にプロデビューし、K-1 GROUPには2021年2月から参戦。2023年6月の「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」のリザーブファイトでは吉野友規をKOし、9月には大石昌輝に初黒星を付けた。戦績は7勝(5KO)2敗1分。
神保はK-1アマチュアを経て2015年6月にKrushでプロデビュー。2019年6月にはKrushスーパー・ウェルター級王者ジョーダン・ピケオーに挑戦した。2020年3月には「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」に抜擢されたが、1回戦敗退。2021年3月より-75kgの階級設立をアピールして体重を上げると6連勝。しかし2023年6月の「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」では1回戦敗退。戦績は15勝(8KO)8敗1分。
YOHANは17歳で総合格闘技ジムに入門し、立ち技格闘技の道へ進む。デビュー当初はスーパー・ウェルター級だったが、のちにクルーザー級に転向。初代KROSS×OVERクルーザー級王者となる。2022年からは-75kgを主戦場に戦い、9月にダニロ・ザノリニに敗れるとルーツである韓国で修行を積んでいたという。2023年12月の『NARIAGARI』で平山迅との対戦が組まれていたが、平山の欠場で試合が中止となり、今回が1年半ぶりの復帰戦。戦績は8勝(1KO)6敗2分。
31歳で出場選手最年長(他の3名は27歳)となるYOHANは「対戦相手の神保選手に7年前、20歳の頃にボディでKOされていて、その時からやり返すと心に決めてここまで来ました。当時イケイケだった頃の自分との約束を守って、昔の気合いを思い出して勝ちに行きたいと思います」と、7年前のリベンジを誓う。
この階級のキーマンとも言える神保は「前の試合から離れちゃっていたけれど、やっぱりこの階級は俺が獲って俺が作ったベルトを獲らないとおかしいと思って戻ってきました」と復帰の挨拶。
ブハリは「この2年で4連勝して国内の実力は見せて来たので、国内で神保選手と僕でタイトルマッチを決めてくれとアピールしたんですが、この2人も面白そうなのでトーナメントが楽しみです。2人とも倒して優勝します」と意気込む。
そしてクルーザー級から階級を落としての出場となる谷川は「リュウ・ツァー選手に負けて1カ月悩んでいたんですが、自分のプライドをとるかベルトを獲るかと考えた時に、ベルトが死にもの狂いで欲しいと思ったので階級を変えました。しっかり覚悟を決めて、Krushのオファーをいただいてちょっと急だったんですが、3月と6月でしっかりベルトを獲ってK-1を自分が引っ張っていきたいと思います」と、自分がタイトルを獲ってこの階級を引っ張っていくと宣言した。
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<質疑応答>
――準決勝の相手の印象は?
YOHAN「印象は普通に強い」
神保「印象と言うか俺とヨハンはチングン(親友)ですね」
ブハリ「ずっとクルーザー級や無差別級で戦ってきたのを見ていたので、大きい選手と戦ってきた実績はリスペクトしています。でも同じ体重だったら、クルーザー級の選手が僕に対してどれだけパワーがあるか楽しみです」
谷川「控室で見た時にクルーザー級かと思うくらいデカかったです」
――決勝で戦いたい相手と自分が一番優っているものは?
YOHAN「正直この中では僕が一番実力が劣っていると思っていますけれど、僕はそこに勝機があると思っているのでトーナメント優勝する気でいます。(悩んで)ブハリ選手とは何回か練習した仲でもあるので、僕が勝つとしたら谷川選手と当たりたいです」
神保「谷川選手です。(優っているのは)気合いっすね」
ブハリ「1回負けているので神保選手にリベンジしたい。今2敗で一つはリベンジしているので、負けを取り返すのは大事なので神保選手とやりたい。パワー、フィジカル、身体の耐久力。外国人と比べても僕が一番だという自信があります」
谷川「覚悟。格闘技における覚悟とスピード、パワー全部です。自分の人生初の減量なので、今まで増量で来ていたので自分との戦いかと思っています」
――谷川選手は現時点で何kg?
谷川「クルーザー級だと普段97~98kg。今は85kgくらいですかね。減量の専門家も付けてもらっていますし、クルーザー級で無理に食べていたのもあるし、今は動きもめちゃめちゃ軽くて何するにしても生きやすくなりました。スタミナもあります。(この体重は)中3以来です。高1、高2で大人の大会に出ていたので久しぶりですね。パワーも落ちてないし、スタミナも上がっています。クルーザー級と比べて手数が相手は増えると思うので、そこはKRESTで修正します。あとは水抜きが怖いかなと」
――神保選手はなぜ期間が空いた?
「モチベ―ションが上がらなかった。K-1のベルトを狙っていたわけで。階級を新設してもらってベルトを作ってもらったのに結果が出せなかった。それでモチベ―ションが上がらなかったんですが、俺、負けることにビビっていたんだと思いますね。今はただ単に勝ちたいです。勝ちが欲しい。まず勝ちたい。格闘技を辞めるのも出来ないので、俺にはこれしかないのでまた戻ってきました」
――ライバルである松倉選手がK-1王者になったことには?
神保「単純に、ハッサンから奪ってくれてありがとうって感じっすね」
――自分が王者になったら、どんなことがあるか?
YOHAN「ベルトを獲ったら選択肢が増えると思います。Krush王者の篠塚選手がRIZINに出ているじゃないですか。そういう面白い選択肢もあるし、松倉選手にもチャレンジ出来るし、幅が広がって面白くなると思います」
神保「ベルトを獲ったら今のK-1王者に宣戦布告したいと思います」
ブハリ「70kg以上で国内で一番になっても強い外国人が来るとすぐに負けるじゃないですか。日本人は技術的に優れていますがパワーで持っていかれる。自分が王者になったらそこでも負けない自信があります。強いKrushが見せられると思います」
谷川「やってきた相手のレベルが全く違うし、ベルトへの想いが誰よりも強いと思う。Krushを自分一人で満席にするくらいになっていって、いずれ大きい舞台でやりたい。外国人が強い階級ですが、それは身に染みて分かっているので簡単には言えないですけれど、3月の試合を見てもらえたらと思います」
――最後に意気込みを。
YOHAN「絶対に優勝します」
神保「王者になって、今のK-1王者待っとけよ」
ブハリ「上の階級から落としてきた選手と僕のパワーの対決、インパクトがある試合になるのでそれをKOして勝ちます」
谷川「階級を上げて、空手家としては重量級で戦えないので、空手家・谷川からK-1ファイターの谷川として生まれ変わった谷川聖哉を見せます。そこで異名を、疾風の空手家・谷川聖哉はもう重量級ではないので名乗れないので、卒業ということで新しいカッコいい異名を宮田さんにお願いします。3月は覚悟を見て欲しいと思います」