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【PRIDE】髙田延彦が米国でヒクソン・グレイシーと再会「柔術の指導を仰ぐ」

2024/01/29 14:01
 2024年1月28日、髙田延彦が米国カリフォルニア州ロサンゼルスで、ヒクソン・グレイシーと柔術家として、再会した。  インスタグラムに「LAを訪れ Mr.ヒクソン・グレイシーの指導を仰ぐ」と記したように、髙田は、ロサンゼルスのヒクソンのスタジオを訪問。柔術衣をまとい、ヒクソンの指導を受けた。  1980年、17歳で新日本プロレスに入門した髙田は、「平成の格闘王」と呼ばれ、1997年10月11日の『PRIDE.1』と、1998年10月11日『PRIDE.4』で2度、ヒクソンと対戦している。 1R 4分47秒 腕ひしぎ十字固め1R 9分30秒 腕ひしぎ十字固め  いずれも初回にヒクソンにポジションを奪われ、腕十字にタップした。  1度目はヒクソンのダブルレッグに髙田がヒザ蹴りを合わせようとしたところをテイクダウンされ、そのままサイドからマウントで腕十字。  2度目は、四つ組みから髙田が先にテイクダウンでトップを奪うが、下のヒクソンが腰に置いた足を髙田がストレートフットロックへ。その両足を草刈りで倒したヒクソンはサイドからマウントに移行するが、その際で髙田はブリッジでヒクソンを前方に送り出し、フルガードに戻しかけている。  しかし、すぐに片足をまたいだヒクソンはハーフから脇差しパスでマウントに。パウンドをもらいながら髙田は下からブリッジで浮かせて外掛け・外ヒールフックを狙うが、ヒクソンはサドルロックを組ませず、すぐに踵を抜くとサイド、マウントから流れるように腕十字を極めた。  初回の対戦を髙田は、自身のYouTubeで、「正対したときに恐怖を感じました。ヒクソンが黒豹に見えた。どうして俺、こんな獰猛でクレバーな黒豹と戦わなくちゃいけないんだって。どこか冷めた目で自分を見ていました」「俺は戦犯的な負け方をしたんじゃないかって」と振り返る。  そして再戦。 「9分過ぎていてあと1分で次のラウンドなのに、あそこで足を取りに行っちゃダメなんですよ。ヒクソンに餌まかれて、飛びついちゃった。バカでしょ、俺」と、前戦よりもずっと健闘した2戦目を自嘲気味に語る。 「でもね」と続ける髙田は、「柔術を始めて感じるのは、やっぱりヒクソンはとんでもない強者だったんだなって」と、ヴァーリ・トゥードにおけるヒクソンの柔術の強さを再確認していた。  ヒクソン戦から20年が経ち、髙田はさまざまな折り合いをつけて、柔術を本格的に習い始めた。  ヒクソンの黒帯のアラバンカ柔術アカデミーの山田重孝代表と交流し、ボンサイ柔術では、ホベルト・サトシ・ソウザや、クレベル・コイケらとも柔術衣を着てトレーニングする姿が見られている。  今回のヒクソンのジム訪問は、山田代表との出会いがきっかけだった。 「もともと髙田さんと私は関係が古く、髙田さんが柔術を始めて数年が経ち、柔術を通してさらに関係が深まりました。ヒクソン先生に黒帯を貰っている私は、世界一の柔術の先生と髙田さんを引き合わせたく、相談したところ、髙田さんも『是非、ヒクソンさんにお会いしてご指南してもらいたい』との事だったので、2年ほど前からヒクソン先生にお願いして、お話を通し実現しました」(山田)  年が明けた1月、髙田はヒクソンのもとを訪れ、柔術衣を着て、向き合った。  山田代表は、黙々と柔術する両者を、「かつて闘った同士でしたが、お互いを認め合ってすごく友好的でいい感じでした。道衣を着て稽古が始まったときからいつも通り、エリオ先生の写真に礼をして、お互いに礼をして始まり、何も特別な事はありませんでした。柔術に関してヒクソン先生は、誰にも特別扱いはしません。  髙田さんもヒクソン先生をすごく尊敬していて、柔術のテクニックを一つ教えてもらうたびに、ため息をついて──それは私も同様です。手解きしてもらった初日でした」と、明かす。その指導は、技術のみならず、柔術を人生で活かすことに繋がるものだった。 「ヒクソン先生も情熱的に指導してました。会話は全て柔術の話。例えば髙田さんが先生の柔術は奥が深い、深い、と感心してヒクソン先生に話すと、ヒクソン先生は『柔術は普段の生活にも活かせる』と、人生のなかに柔術があることを説明していました。テクニックなどの動きだけでなく、呼吸法など、世の中の黒帯の教え方とは全く違う異次元の伝達方法で、今回初めてだった髙田さんはとても刺激を受けていました」(山田)  1993年、UFCで優勝したホイスが、「自分より10倍強い」と評したヒクソンと戦うことを髙田が決めたことで、『PRIDE』は起ち上げられた。『PRIDE』が無ければ、『DREAM』も『RIZIN』もいまの形では存在していなかったのはたしかだ。  ヒクソンと笑顔で組み合い、「Mr.ヒクソン・グレイシーが作り出す濃密で興味に満ち溢れた唯一無二な時間。それに引き込まれ没頭する我々は、完全に少年の心と化す」と写真に添えた髙田。 「柔術を長く続けたい」という髙田は、ヒクソンと戦い、再会したことで、新たな格闘技の旅を人生のなかで続けていく。
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