大晦日『RIZIN.45』フライ級(57.0kg)で、修斗二階級王者の新井丈(和術慧舟會HEARTS)に2R、右ハイキックからのパウンドでTKO勝ちし、3連敗からの復活を遂げたヒロヤ(JAPAN TOP TEAM)が、3カ月間の米国武者修行を行っている。
さいたまスーパーアリーナの試合では、プレッシャーをかける新井に対して、上半身を立ててステップを使うヒロヤは、真っ直ぐ下がらずに角度をつけて、新井の入りにローキック。さらに右アッパー、右前蹴りと下・中を攻めて散らしてから、外からの右ハイキックを効かせて、右ストレートを打ち抜いた。
JTTのエリー・ケーリッシュ・ヘッドコーチの指導と作戦、今回からJTTに加入したビリー・ビゲロウ・レスリングコーチもセコンドにつくなか、新井の構えやスイングの弱点を突いてのKO勝ちだった。
そのエリーとビリーがコーチを務めている米国ラスベガスのシンジケートMMAに、ヒロヤは3カ月の武者修行を決めた。
RIZINで初白星を挙げたヒロヤは、「格闘技やっとってホンマ良かったな。夢の舞台であんな相手とやらせてもらってああいう勝ち方が出来て、アメリカにも行くし。新しいスタートで、いい気分で出来る。どっちにしてもアメリカには行くつもりだったけど、勝って“追われる身”になって行くっていうのが、マジであっちで本気で頑張ったろっていう気持ちで行けた」と、自身のYouTubeチャンネルで、米国修行の思いを語っている。
「人生変わりすぎた。(地元では)ホンマに何もやることなくて、夢も特になかったけど、なんかやらなヤバいと思っていた」というヒロヤは、2020年に「朝倉未来1年チャレンジ」一期生としてDEEPに参戦。2023年7月にRIZIN初参戦で伊藤裕樹に、10月に中村優作にいずれもスプリット判定で惜敗すると、大晦日に新井丈を下し、悲願の白星を掴んだ。
本誌の取材で「バックボーンが無いからこそ頭で考えることが多かった」と語っていたヒロヤは、新井戦でも組みの作戦から、セコンドの指示もあり打撃にシフト。見事、KO勝ちを決めた。
「大晦日で『朝倉未来チャレンジ』の第1章が終了。一期生強かったと証明できたんじゃないかなって思っています。これからは“ヒロヤ”として自分の実力でのし上がるしかないんで」というヒロヤが選んだ出稽古先は、ビリーの帰国に併せてのラスベガスだった。
朝倉海が出稽古したシンジケートMMAでは、UFCフライ級7位で、3月にムハンマド・モカエフと対戦するアレックス・ペレスらと練習。「いつもビリーにおんぶに抱っこだったから自分から話したり、聞いたり、コミュニケーションをとる事が出来て、伝わらなかったり難しい事もあるけどとても良い経験になった。格闘家としても人としても成長しないと」と、Xにその成果を記している。
「アメリカから帰ったらまずは、ぽルキヤにリアネイキッドチョークを教える」と同郷の安保瑠輝也にもメッセージを送ったヒロヤ。RIZINでフライ級GP開催の機運も高まるなか、「強くなって変わる」という25歳のヤングガンは、3カ月の北米修行で何を学び、どんなファイターへと成長を遂げるか。