敗れたものの「本当にやってよかった」と清々しい表情で語った斎藤(C)斎藤裕
2023年12月31日(日)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN.45』の第15試合で、クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)との2年ごしの対決に臨み3R1分22秒、ダースチョークに敗れた斎藤裕(パラエストラ小岩)が自身のYouTubeチャンネルにて試合を振り返った。
「残念でした。力及ばず申し訳ないって感じですね」と語り始めた斎藤は、「あまり悲壮感はなくて、この試合が決まってから1カ月半くらいですが、凄くいい時間を過ごせたなって思っていて。試合に行くまでの過程って結構大事で。自分がいけるって、これだったら大丈夫だって思える時間とか、生活とか練習をしていくのって凄く大事で。自分はそういう近年ないくらいのいい時間を過ごせたなって感覚を持って試合に挑んだので。実際当日、向かい合ってみて、(リングに)上がってみてどれくらい動けるのかな、相手がどう動いてくるのかなっていうのは本当に当日になってみないと分からないんですけれど、コンディションは本当に良かったなって思って。ちゃんと映像を見たいんですけれど、悪くなかったなって。4月の時よりも、もしかしたらいい感じだったなって感覚はあるんですけれど」と、自身はベストな状態で試合に臨めたとする。
「でも、クレベルが今までのスタイルと違った感じがあったんですよね。もう少し待ちの、アップライトの構えかなと思っていたんですけれど、けっこう前重心というか。前へ前へ来るような感じで。それが彼の言う喧嘩スタイルなのかなってやっている時に思ったんですけれど。前に前にプレッシャーをかけていくみたいなスタイル。1Rで意外とアグレッシブというか、どんどん出てくる感じなのかなと思ったので、自分の中で修正しながらやっていったんですけれど。結局3Rか、取られたのは。なんか叫んでいると聞こえたらもう止まっていて、という感じですね」と、クレベルが今までと違う攻めのスタイルで来たことは想定と違っていたようだ。
クレベルと戦った印象は「本当に強かったですね。自分がやった中でも指折りに強かったな、という感覚ですね。日本人選手とやる感覚とは違った感じがしました。彼は海外枠だなっていう感じですね、自分の中では。身体も間違いなく気合い入れて仕上げてきていたし、全然前回と違くね?って思いながら試合をしていましたね」と、その強さを称える。
フィニッシュへの流れの始まりとなった自らのテイクダウンについては「3R勝負だったんですよね。俺が先に組まないと組まれると思ったんですよ。先に組まれたらきついので。向こうは一本獲るつもりで出てきているから、覚悟を決めてきているので。俺が先に組まないと先にいい形で持たれたらペースを上げてガンガン揺さぶって来るなと思ったので。もう出てくるって感じだったので、だったら先に自分で組んだ方がまだいいかなって言うのがあって。
別に焦りとかじゃなくて。後半テイクダウンも行けるかなって戦前は思っていたんですけれど、そこを切り替えされちゃったと言う結果論ですね。タックル行かなくても多分組まれたと思います。自分が打撃でさばければいいんですけれど、向こうは追っかけてくると思うので。そこでいいところを持たれたら極めまでいくから、バックとか取られたらキツいので。だったら先に組んだ方がいいかなっていう選手目線と言うか。俺が対峙した時に感じのはそういう感じですね」と、焦りからテイクダウンに行ったのではなく先に組んだ方がいいと判断したからだと明かした。
「会場の大声援が本当に嬉しくて」とファンへの感謝を何度も口にした斎藤。「ああいう声援とか聞いているとみんなのためにここで試合するって決めてよかったなって、一人で感動してしまいました。そういうのも力に変えて頑張っていい形で試合に入れたと思うんですけれど、相手が上回ったなって感じですね」と、試合前の声援にも試合後のファンからの温かいコメントにも感動したという。
そして気になる今後については「自分の可能性を感じながら、すぐ次やるって言えないんですけれどね、そんな簡単に。終わったばかりなので頭の整理がつかないんですけれど。本当に応援してくれている方とか関わってくれている方々には感謝しかないですね」とすぐには考えられないとし、「先のことが白紙になっちゃいましたね、これで。特にやりたい選手もいないしな。勝ったら鈴木選手とやりたいなって思ったんですけれど、なかなかそうもいかなそうなので。久しぶりにちゃんと自信を持って臨んでいった結果がこれなので考えてしまいますよね。どうしようかなっていう。自分の意思をしっかり持っていろいろな人に相談しながらですよね。一人の問題ではないので」と、まずは休んで周りと相談して決めていきたいとした。